驚安の殿堂 ドン・キホーテ

登録日:2022/08/28 (日) 10:56:12
更新日:2023/10/31 Tue 12:40:14
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驚安の殿堂

ドン.キホーテ




ドン・キホーテとは、日本国内で展開しているディスカウントショップ及びそれらを運営する会社。
テーマ曲とアイツのせいで勘違いしやすいが「ドンキ・ホーテ」ではない。
が、ドンキの創業者が知り合いの所有する競走馬に「レッツゴードンキ」と名付けているあたり、ドンキ側としてはこの間違いを正そうというつもりはないらしい。


【概要】


株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(PPIH)の子会社の株式会社ドン・キホーテが運営している。
1978年に安田隆夫が立ち上げた「泥棒市場」という店をルーツにしており、1989年に第1号店を開店してから勢力を拡大していった。

食品から家電まで幅広く展開しており、「驚安(きょうやす)の殿堂」というキャッチコピーを掲げるなど価格の安さや投げ売りの多さが自慢。
しかし、公式Twitterでは「そんなに安くないのもある」とぶっちゃけたこともある。まあ取り扱っている商品のジャンルが広いし…。
派手でカラフルなPOPを大量に用意していることも特徴で、圧縮陳列(後述)と合わさって他のディスカウントストアやスーパーでは見られない独特な店内の雰囲気の店内を形成していることもネタにされやすい。

上述したキャッチコピー「驚安の殿堂」だが、2010年以前は「激安の殿堂」だった。イメージチェンジや「激安」に代わる安さの表現を求めて現在のキャッチコピーになった。
しかし、一部の店舗では「激安の殿堂」の看板が継続して使用されている。そういう事情や「驚安」が造語ということもあってか、現在でも「激安」と勘違いしている人も少なくない。

深夜営業をしている店舗が大半を占める状況やアダルトグッズの販売などにも力を入れている影響なのか、客層の一部が独特な雰囲気の方々が目立つとも言われている。
そのような客層が店舗周辺を溜まり場にした挙句に警察沙汰のトラブルを起こすこともあり、近年はSNSの普及でそういった光景がネット上に挙げられることも多い。
ネット上ではこのような状況を嫌う人間から「DQNホーテ」と皮肉られることもある

【店舗のサービス】


圧縮陳列

商品を天井に届く勢いで積み上げてあえて通路が狭くなるように高密度に陳列するというドンキ独特の商品配置。
ぱっと見で商品の多さで客の心理に強いアピールを行うことが可能で、迷路風の通路を形成することで店内をひとまず歩き回らせる効果も生み出せる。
元々は泥棒市場時代の狭い店舗内で商品を売るために行った苦肉の策に近かったのだが、予想外の好評を得たことからドンキの強みとして発展した。

一方でこの陳列手法はメリットだけがある訳ではなく、当然デメリットも少なからず指摘されている。
何よりも災害に対する弱さが挙げられる。地震の際は商品が崩れる危険性があり、火事の際は複雑な店内配置が延焼の拡大や客の避難通路を奪う可能性がある。特に後者は2004年に放火事件が起こった際に被害を拡大したと言われている。
また、単純に通路が狭くなることがあるので店舗が混雑している際には通行や商品に関する作業で支障が出ることも否定はできない。

マスコットキャラクター

1998年から「ドンペン」というペンギンのマスコットキャラクターが看板として扱われている。某大王に似ていると言われることもあり、あちらが画面に映るたびに「激安の殿堂」とコメントされることもしばしば*1
ドンコ」と呼ばれる仲間の女の子ペンギンもおり、こちらは体色がピンク色で腹のマークが「♡」になっているなど、女の子版ドンペンとでも呼ぶべき存在。
都道府県や星座に応じた様々な姿のドンペンが存在しており、これらは公式サイトの「ドンペン」図鑑にて観覧が可能。

ぬいぐるみやラジコンなどのグッズも多数登場しており、様々なコンテンツとも積極的にコラボも行っている。
何だかんだでドンキの商売に貢献している辺り、この手のマスコットキャラとしては相当な働き者である。

majica

ドンキで使える電子マネーサービス。電子マネーカード、クレジットカードとの一体型カード、アプリなどで提供されている。
カードの発行手数料は100円と有料だが、会員登録後に100ポイントが還元されることによって手数料は実質無料になるという理論をアピールしている。

会員登録をすればクーポンの発行やランク特典などのサービスを受けることが出来る。
1の位の端数を割引する「円満快計」などのサービスもあるが、カットの数値が改悪されるなど質が低下した。

ジャストボックス

「ジャストBOX」とも表記される。レジ周辺に1円玉が大量に入った専用の箱を設置し、税込1000円以上の会計の際ちょっと足りない1円玉を4円まで自由に持ち出して使って良いというサービス。
買い物したのによりによって数円足りずに買えず、小銭を探すのに時間を費やしてレジに並ぶ列が詰まるという状況を防ぐことが出来る効果がある。
2020年6月末に円満快計に役目を譲る形でサービスが廃止された。

情熱価格

一見ただの安売りのように見えるが、実はこれがドンキのプライベートブランド(PB)。
2009年から登場したが、他社のPBとの差別化が図れなかったことから2021年から大規模リニューアルを実施。
パッケージが「」と書かれ、こだわりを長々とつづった大胆なデザインに変更された。
積極的な消費者からの意見収集も実施しており、そちらは「ダメ出しの殿堂」と称している。

【主な派生業態】


MEGAドン.キホーテ

ファミリー向けのドンキ。通常のドンキでは取り扱わなかった生鮮食品を提供していることが特徴。
店舗が大型(公式曰く平均9000m2)になっており、家族連れが店内を歩き回ることを想定してか圧縮陳列が緩め。

食品などを扱う都合から、前身が長崎屋という店舗が多い。これらの店舗は運営が長崎屋のため、よく見ると長崎屋のロゴが確認できる。
ピアゴやアピタが前身のMEGAドンキは、PPIH傘下のユニーから名前を取って「MEGAドン.キホーテUNY」と名付けられている。
なおMEGAドン.キホーテUNYは運営会社も別(従来店舗は株式会社ドン・キホーテだが、UNYが付く店舗はドン・キホーテ子会社のUDリテールが運営する)

MEGAドンキよりも小型店舗を意識した(平均4,000m2)「NEW MEGAドン.キホーテ」という派生店舗もある。
こちらはMEGAドンキの売りだった生鮮食品の取扱量を減らし、加工食品などに力を注ぐことで効率性の向上を図っているとのこと。

長崎屋

昭和から平成初期に「サンバード長崎屋」として知られたスーパーマーケット。詳細はリンク先参照。
2007年にドンキの子会社になって以降は殆どの店舗がMEGAドンキへと転換したが、一部のみは長崎屋として生き残っている。

エキドンキ

JR大阪駅構内に展開されている小型店舗。取扱商品は通常店よりも大きく激減している。
一見すると圧縮陳列が維持されているように見えるが、実は法的規制の都合で圧縮陳列は避けられている。

専門店ドンキ

東京駅の八重洲地下街や千葉県など一部地域で展開されている、特定の商品の専門に特化した小型のドンキ。
菓子専門店の「お菓子ドンキ」、酒類専門店の「お酒ドンキ」化粧品専門店の「コスメドンキ」などがある。

パワーコンビニ情熱空間

ドンキが2000年代にコンビニ業界でのシェアを狙って展開したコンビニエンスストア。
弁当の店内調理での提供など新型コンビニを掲げていたが、オリジン弁当の買収失敗*2などを経て不振の末にすぐに撤退するという結末に終わった。
安田氏曰く、店内調理のためにキッチンを設置した影響でコストパフォーマンスが悪すぎたらしい。

驚安堂

ドンキが2010年代から展開しているコンビニエンスストア。ある意味情熱空間のリベンジマッチとも言える。
通常のコンビニとは違う品揃えで差別化を図っていたが、展開からしばらく後に商品数の絞り込みや低価格戦略の徹底化などの路線変更に走っている。

ドイト(DOIT)

かつて存在したグループのホームセンター。
現在はすべてコーナングループに入っているが、一部DOITの看板が残っている。

【アニヲタ的には】


ドンキはアニヲタ的には注目すべきディスカウントストアでもある。
何しろドンキはアニメやゲームと積極的にコラボしており、Tシャツを初めとした多くの限定グッズが排出される。
正直言って何かしらの話題作とは大体コラボしているというレベル。
また店舗によってはガンプラを取り扱っていることもあるためお世話になる人もいるだろう。

2018年にはリズムゲームに『maimai』に進出、アイコンの配信やテーマ曲の収録が行われた。

【余談】


  • ドンキが深夜営業に拘るようになったのは前身の泥棒市場時代における客の勘違いからだったとされている。
    深夜営業など殆ど見られなかった昭和の時代、従業員の人手不足のために営業終了後の深夜に安田氏が作業を行っていた光景を営業中と勘違いした客が入店してしまったという。
    追い返す気まずさと少しでも金も欲しかったことから安田氏は特別に対応することにしたのだが、これが「深夜営業している店」として口コミが広がったことで安田氏は「深夜には予想以上の売り上げが見込める」と確信する理由になった。

  • かつて北海道を中心に展開していた家電量販店・そうご電器は、経営が悪化したことで2001年にドンキと業務提携を結んだ。
    しかし、ドンキは特に支援することはなくそうご電器は提携後にすぐに経営破綻するという結末を迎えており、この一連の流れについては様々な憶測がある。



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最終更新:2023年10月31日 12:40

*1 前述の通りドンキは既にキャッチコピーが「驚安の殿堂」に改められており、そちらと区別するために「ドンペンは驚安になったが、大王は引き続き激安」という形式がネット上では暗黙の了解とされているとかなんとか

*2 当時のドン・キホーテがオリジン東秀の株式公開買付を実施したが、イオンが対抗で入ったため成立せず