マアジ(魚類)

登録日:2010/03/28(日) 12:55:05
更新日:2025/07/28 Mon 07:42:34
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あじぃ↑(CV:うめてんてー)



マアジはアジ目アジ科マアジ属に属する海水魚の1種。

以前はスズキ目スズキ亜目またはアジ亜目という分類群に属していた。

学名はTrachurus japonicus(仮名転写:トラクルス・ヤポニクス)。属名は「ざらざらした尾」という意味で、種小名は「日本の、日本産の」という意味。
和名のマアジは「真のアジ、アジの中のアジ」というような意味合いである。猶、アジは「味良し」が変化した語、即ち味が良いからアジと呼ばれるようになったとされる。
漢字表記は「真鯵」または「真鰺」。語源には諸説あり、「参」が「参じる」から来て「群れをなす魚」の意味、旧暦の「参月」に因んで「三月頃に脂が乗って美味な魚」の意味、「参る」の意味に捉えて「余りの美味さに参ってしまう」の意味、抑も「喿」の誤記であって「干すと生臭くなる魚」の意味ともされていて、正確なところは不明である。

日本では重要な食用魚の一つであり、古くから全国各地で食べられている。
そのため、「アジ」と言えば通常は本種を指す。
地方名も多くノドクロ、クロアジ、キアジ、キンアジ、アカアジ、ヒラアジ、ホンアジ、トツカアジ、トツカワ、ゼンゴ、キンベアジ、デンゴ、など全て同種である。
ちなみにシマアジやロウニンアジなどはアジ科ではあるが別種なので注意。

最大で全長50㎝にもなるが、よく漁獲されるのは30cm程度で、食用に利用する際は大きさによって小アジ、中アジ、大アジなどと呼ばれる。小さなアジは豆アジとして売られる事もある。
体は紡錘形でやや側扁し、頭長は体高より長い。
側線上には稜鱗(りょうりん)、「ぜんご」「ぜいご」と呼ばれる棘状の鱗が69-72個並び、食べるときはこれを削ぎ落とす。近縁種と異なり、第二背鰭と臀鰭の後方に小離鰭がない。鰓蓋の近くに一つの黒い点が見られる。
背側は緑黒色で腹側は銀白色であるが、体色と体型は、生息地などで異なる場合がある。一般的には体色が黒っぽく、前後に細長い体型をしているが、体色に黄色みを帯びて、体高が高いものもいる。
前者は季節的に規則性のある回遊をする「クロアジ型」と呼ばれており、後者は回遊をせずに湾内に留まる「キアジ型」と呼ばれている。流通量が多いのはクロアジ型だが、キアジ型は一層美味とされる。

太平洋北西部、つまり東アジアの固有種で日本各地に分布する。特に日本海や東シナ海で個体数が多い。
前述のクロアジ型・キアジ型以外にも地方ごとに独立した地方系群もあると考えられ、これらは遺伝子・形態・生態・産卵地も僅かずつ異なるとされる。
主なものは場所と繁殖期の違いで区別され、1〜2月の東シナ海南部群、2〜3月の東シナ海中部群、5〜6月の九州北部群、6〜7月の日本海北部群(富山湾群)、5〜10月と繁殖期が長い太平洋系群があり、太平洋系群は更に九州南部、高知、瀬戸内海、伊豆関東、東北などのサブグループを認めることがある。

肉食性で甲殻類、多毛類、小魚などの動物プランクトンやネクトン全般を捕食する。
卵は直径1㎜弱の分離浮性卵で、水温が15℃以上で産卵し、産卵数は10万〜50万に達する。特に東シナ海南部群の卵は、孵化を挟んでその多くが黒潮に乗り、日本近海まで到達するとされている。
産卵から水温20℃で約40時間で孵化し、30日後には仔魚期を終えて鰭が生え揃い、60日後には全長5㎝程度の幼魚に育ち、流れ藻の周辺で群れていることが多い。
性成熟には2〜4年ほど要し、寿命は10年程度とされる。

日本では重要な食用魚として巻網や定置網を中心とした各種の漁法で大量に漁獲される。ほぼ季節を問わず漁獲されるが、旬は夏とされる。
青魚の一種に数えられ、白身魚と赤身魚の中間の身質をもつ。脂が多いわりに、さっぱりとした味が楽しめる。ありふれていて有難みがないかも知れないが、大衆魚と呼ばれる魚でトップクラスに美味な魚である。
フライ・ムニエル・塩焼き・煮付け・刺身・たたき・寿司・干物まで、使われる料理の種類は極めて幅広い。

近年ではキアジ型を中心とした地方の海域で捕れたものを、ブランド高級魚として流通させる商業戦略が各地で見られる。
特に大分県漁業協同組合佐賀関支店は、漁場・漁獲・サイズ・出荷方法などの厳しい条件をつけ、「関あじ」として地域ブランド化に成功した。
関あじの成功から他の地方でもブランドアジが生まれ、それぞれ漁法や〆方が異なり、他のブランドとの差別化を図っている。
ただしブランドのアジが特別な種類というわけではなく、生物学上の種としては同じマアジである。

釣り魚としても初心者からベテランまで人気がある。
小型・中型のものはアミ類を撒餌として使い、サビキで釣り上げる方法が一般的で、初夏になると家族連れが防波堤に集まる。
隣のファミリーより大型を釣るコツとしては、少し長めの竿を使い、隣りの人より少し沖、少し深めに仕掛けを落とすと良く、サビキの一番下にイカの切り身を付けると良い。序でに切り身にカサゴ(ガシラ)やメバル、アイナメなどの根魚が食いつく事もあり、これはこれで美味しい魚なので、釣れて損は無い。
夜には船舶や漁港などの集魚灯によく集まるので、夜釣りの対象ともなっている。
最近ではルアー釣り(アジング)などもあるが、狙って釣るのは難しい上級者向けの方法で、情報と釣り場に何度も足を運ぶ事が大切。

因みに筆者の父と母の初デートはアジ釣りだったらしい…ヤルネェ!


俺「アジングする俺カッコイイ (キリッ)」

ガキ「お兄ちゃん。サビキのが釣れるよ」
その日の釣果
俺3匹:ガキ30匹以上\(^o^)/
アジングでは良くある事


…まぁ、サビキだと一度に数尾釣り上げると絡むので一回でダメになるが。


身近な魚ということで、水族館の近海魚コーナーの定番展示種の一つである。
イワシやサバと並んで、群れを作らせる展示を行っている園館も多い。
アジ科としてはそこまで大型種ではないので、個人で観賞用に飼育している人もいる。
最終的には90〜120㎝水槽は必要となるが、サビキ釣りで釣った10㎝前後のものならば当面は60㎝水槽から飼育可能。適度な水流を付けつつ、スレ傷には要注意。


追記・修正はアジのタタキを食べてからお願いします

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最終更新:2025年07月28日 07:42