百智卿、ギデオン=オーフニール(ELDEN RING)

登録日:2023/07/06 Fri 23:48:32
更新日:2025/03/09 Sun 19:23:47
所要時間:約10分で読めます




The pursuit of knowledge is without end,(識る事に終わりはなく、)
for knowledge is never a thing complete.(また完全もない)



百智卿、ギデオン=オーフニールとは、『ELDEN RING』に登場するNPCの一人である。

CV:ジョー・マッギャン

◾️概要


百智卿」の名を冠し、エルデの王にならんとする褪せ人たちの集う「円卓」を率いる褪せ人の男性。

その二つ名の通りに「世界の全てを識る事」を志としており、円卓に属し、率いているのもその一環である。

大いなる意志の使者「二本指」からもその実力は認められており、
二本指の通訳たる指読みからは「百耳の坊」として信頼されている。

エルデの王になるという使命を忘れ、私事に惚けている円卓の褪せ人たちに内心嫌気がさしており、ゲーム序盤に円卓を初めて訪れた主人公に対しても、
「君は所詮居候」「それが嫌ならば、せめて祝福の最初の言葉を思い出せ」
として冷たく接する。

だが、その言葉に従い「大ルーンを手にする」という褪せ人の使命を果たし、円卓の最奥に座する「二本指」に見えるとこちらを「同志」として認め、褪せ人が未だ出会っていないデミゴッドの情報を提供してくれるようになる。

また、「聖樹のミケラ」「不敗のマレニア」「血の君主と呼ばれる何者か
などの円卓が未だ居場所を掴めていないデミゴッド達についても熱心に調べており、特に「ミケラの聖樹」へ至るための秘割符の在処については強い興味を示して褪せ人に調査を依頼してくる。

いつも厳かな感じで話をする彼だが、新しい情報、特にミケラに関連した何かが判明した際には興奮を見せたり、早口になったりする。オタク特有の早口

また、柔軟性も持ちあわせており、黄金樹を焼く禁忌を犯すと主人公が伝えた際には、
円卓の筆頭という立場上殺してでも止めるべきところを

「行くがよい。例えそれが、大罪であろうとも」

「…二本指など、とうの昔に壊れていたのだ」

として、その行為を肯定してみせた。

そして物語終盤、死のルーンを解放し、黄金樹を焼いた後に話しかけると、
項目冒頭の台詞を話し、知るという事が終わらない故に、自分もまた百智卿であり続けるのだ、と話す。
そして、祝福の導きがもたらす戦いも、同じような物なのかもしれないと語り、

「その戦いが終わるとき、我らは我らであり続けるものか?」

「君は、どう考えるね。エルデの王に、ならんとする者よ」

…意味深な問いである。

+ その知の探求について
ここまで聞くとフロム作品の登場人物とは思えない程に常識的な人物だが、彼の狂気は知識に対する異様なまでの執着にある。

端的に言うと、己が知を深めるためならばどんな犠牲をも厭わないのである。

例えば、前述の聖樹の秘割符であるが、この割符のうち半分が「しろがね村」という村にあると判明した際には割符を手にするために住民であるしろがね人を皆殺しにしてみせた。

皆殺しにしてみせた。劣等民族だからね!仕方ないね!

この他にも、義理の娘を使い捨ての駒として使ったり、割符を手に入れた主人公に対して刺客を差し向けたりするなど、その所業は留まるところを知らない。

良くも悪くも、識る事に対してひたむきなのである。


◾️人間関係


・ネフェリ・ルー


義理の娘で、風の戦士。

導きを失い、彷徨っていたところをギデオンに拾われたらしく、恩返しとしてギデオンが王になるために各地で尽力している。

ギデオンも、「愚直で、疑いを知らぬところが好ましい」として、信頼を置いている様子。

+ ストーリーを進めると…
しろがね村で行われた虐殺がギデオンによる物だと知り、彼を信じられなくなってしまう。

ギデオンも、「疑う事を知ってしまった以上、もう用済み」として彼女を勘当するという、クズ親とかそういう次元ではないムーブを見せる。

結果、拠り所を失ったネフェリは何も考えられなくなってしまい、彼女の今後はプレイヤーに委ねられる事となる。

ただ、結果的にネフェリが主人公によって立ち直り、自立した場合には「一応だが、娘が世話になった」として礼をしてくるなど、単なる手駒として見ていたという事でも無い模様。

・王骸のエンシャ


ギデオンの従者。骸骨を被ってるヤバい人。
ギデオンの部屋の前に突っ立っているが、主人公が話しかけても「貴公、何用だ」のジェスチャーが貰えるだけでだんまりを決め込んでくる。
寡黙キャラ、ジェスチャーから二人称が「貴公」、見た目のヤバさなどから、古参ファンからはダイスンスーン裏切りを予期されていたが…?
+
案の定裏切り。知ってた

主人公が聖樹の割符を所持した状態で円卓に帰ると敵対NPC「王骸のエンシャ」として侵入してくる。

敵対NPCとしては、「縋り付く手骨」という人の手骨をそのまま武器にした武器と、重力魔法を使って攻めてくる。
誰もおらず暗い円卓で、骸骨を被って人の骨を持った彼が襲ってくる様は最早ホラーゲーム。

割符を手に入れる為にギデオンが差し向けた刺客らしいのだが、ギデオンは「エンシャが先走っちゃったみたいゴメンネ♡」として全部エンシャのせいにしてくる。コイツ…

また、後から主人公が割符を揃えた際には、「エンシャとかいう役立たずより余程有能」と言われるなど、何かと不遇。

・魔術教授セルブス

みんな大好き傀儡おじさん。過去、知人であったらしい。

現在の仲は険悪の一言で、「不快な男」「大事な事は何も知らず、そうと気づく事もない腐れ儒者」など散々なdisられよう。
ネフェリを傀儡にするよう依頼してきた時、傀儡の精薬の処分をギデオンに依頼できる。

+ 過去に…?
過去、ギデオンのよき理解者であった「眠りのドローレス」という人物を傀儡にしたらしい。さすがブレない。
ギデオンの現在の暴走具合はドローレスという理解者がいなくなってしまった事にも起因するのではないかという考察もあるので、ある意味全ての元凶とも言える。

◾️その後


崩れゆくファルム・アズラをクリアすると、円卓から姿を消してしまう。
どこに行ってしまったのだろうか…?



追記・修正は識る事の終わりを恐れない方にお願いします。



















※ネタバレ注意!








ああ、やはり君だったか



エルデンリングに見え、エルデの王になるのだな



…だが、残念だ



その意志はよい、ただ、達せられるべきではないのだよ



女王マリカは、私たちに望んでいるのだ



ずっと、足掻き続ける事をね

◾️真の概要


 百智卿ギデオン=オーフニールとは、『ELDEN RING』に登場するボスの一人である。



◾️ボスとして



灰都ローデイル、黄金樹の大聖堂にて、ボスとして突如として立ちはだかる。

今までのNPC戦の集大成のような戦いで、今作のNPC型のボスの中では最強を誇る。
「百智卿」の名に恥じずあらゆる魔術や祈祷を使いこなし、こちらを追い詰めてくる。
今までのボスの撃破状況に応じて使う技が異なるのも特徴で、主人公からの情報提供を元に確実に実力を高めている事がわかる。
幸い体力は少ないので、状態異常を狙うか、ゴリ押しで倒してしまおう。

◾️行動パターン


赤字は要注意技。

・ほうき星

百智インチキその1。

プレイヤーが使用しても燃費の悪さと詠唱の遅さが災いして攻略では余り強い魔術とは言えないが、彼は百智パワーによる無限MPと異様に速い詠唱速度で以って連発してくる。
火力も中々にイカれており、終盤の生命力でも防具によってはツーパン圏内に入るレベル。これが連発されるのだからたまらない。

幸いエイムはあまりよくないので横に動けば当たらないが、設置系の魔術との併用で当たらないように注意しよう。

  • カーリアの円陣
自分の周囲に魔術の輝剣を発生させ、一定時間後に射出する魔術。
幸い、威力がそう高くないのであまり脅威ではないが、ほうき星などの回避中に当たってしまうと硬直でそちらに当たってしまうので気をつけよう。

  • 彗星アズール

みんな大好きレーザービーム。
威力は高いがモーションが長いので、前隙を狩るか落ち着いて回避しよう。

・三なる光輪

残留する光の輪を三つ前方に向けて投げる祈祷。
もう一度読んでみよう。
残留する。そう、残留するのだ。
おまけにこの光輪、多段ヒットする上そこそこでかい。それが三つである。
他の魔術の回避時に残留した光輪に当たって多段ヒットで硬直、魔術も喰らう…などとなれば目もあてられない。
デミゴッドを全員倒していれば使用してこないので、どうしても勝てない場合は倒しに行ってもいいかもしれない。どう考えてもマレニアの方が強いが

  • 黒炎の儀式

同じく残留する設置技…だが、範囲が狭い上近寄らなければまず当たらない。
どちらかと言うと視界妨害としての意味合いが強いか。


・因果性原理

百智インチキその2。
敵の物理攻撃を何度か受けるとカウンターの爆発が発生する祈祷。
正直プレイヤーが使ってもゴミの一言…だが、そこは百智パワー。
まず、火力が異常に高い。どれだけ生命に振っていようと大抵ワンパン。
また、カウンターなので発生が速く、回避はほぼ不可能と言っていいレベル。
あと、何気に1番の問題が、発動の有無が分かりづらい事。
一応少しオーラのような物が出るのだが、まぁ見づらい。
これのお陰で、今なら大丈夫と思って殴っていてもカウンターがきて即死なんて事がザラにある。
対策としては、ヒットアンドアウェイの徹底か、こちらも遠距離から攻めること。

  • 血授

モーグを倒していると使用。血炎を地面に撒き散らす。
ダメージは小さいので、出血の蓄積にだけ気をつけよう。

  • ライカードの怨霊

ライカードを倒していると使用。
移動する頭蓋を召喚し、その軌道上に爆発する煙を設置する。
遅いので、実質目くらまし技。

  • 朱きエオニア

マレニアを倒していると使用。

みんな大好き宴会芸。
発動が見えたら離れて、長い硬直に戦技を叩き込んであげよう。


彼を撃破すると、百智装備一式と彼の武器である百智の王笏、150000ルーンを得られる。






私は、識っているぞ



褪せ人は、王とはなれぬ



例え、君であっても



人は、神を殺せぬのだ









+ …ぶっちゃけ
実際NPCとしては最強クラスではある。
しかし他のボスと比べるとかなり大人しく、ここに来るまでのおかしな性能のボスたちを倒してきた褪せ人であれば、何度か負ける事はあっても勝てずに詰まるような事はないと思われる。

確かに行使する魔法は強力であるし、真っ当に彼が立ち回れば苦戦を強いられるのも事実ではある。
エルデンのボスだけあって火力も殺る気満々なので、隙を見せればあっという間に殺される。
何度か挑み直さなくてはならなかったりもするだろう。

しかし所詮はオーソドックスな魔法タイプのNPC。
基本的なアクション自体はそのへんの敵対NPCと何ら変わらず、これまで戦って来たような大型ボスたちのように、好き放題暴れ回り飛び回るような事もしない。
そればかりか魔法教授ミリアムのような、褪せ人の挙動から逸脱したチートワープ等も全く行わない。
ただただ地道に徒歩とローリングで立ち回るのみである。

そのため「ごく普通に近寄って魔法を使わせないよう攻撃し、ローリングで回避しようとするならそれも狩る」、という極めてセオリー通りの対NPCを意識すれば、強力な魔法も大して発動させないまま攻略が可能。
そもそも彼と対峙する部屋もそんなに広くないので、上手く隅っこに追い込めばローリングで逃げる余地も無くなり、嬲り殺しのチャンス。
「低体力に付けこんでゴリ押しで倒してしまいたい」…と言うより、ゴリ押ししてるだけで普通に死んでる事も全く珍しくはない。

そして初戦時限定とは言え、彼最大の弱点が「ボス戦開始時に長台詞を棒立ちのまま喋り倒す」という点。
この時の彼は当然ながら隙だらけであり、どんな大技も決め放題。
ダメージの高い戦技や魔法をぶち込めばそれだけでその後の展開が楽になるし、何なら「特定の戦技or魔法にひたすら特化した装備とステータス調整を施し、出会い頭のスピーチ中に瞬殺する」なんて芸当も可能。
このおかげで一時期の褪せ人たちの間では「いかに面白くギデオンを瞬殺するか」という遊び場と化していた事もあった。





…ただし周回プレイにおいてはその限りではなく、何度も周回を重ねていると体力にも大きな強化が入り、段々とゴリ押しでは殺しきりにくくなっていく。
さらに火力も大幅に上昇するために「引き撃ちしながら高火力の魔法を次々放って来る」という非常にいやらしいボスに変貌。
攻略チャートが分かっているからってサクサク周回を進めてレベル上げを怠っていると、以前は楽勝だった彼に苦戦させられる日が来るかもしれない。




関連アイテム


・百智装備



百智卿、ギデオン=オーフニールの装束

知とは、自らの無知を知ることであり
知ることの終わりなきを知ることである
だが、女王マリカの遺志に触れた時
ギデオンは恐れてしまった

あるはずのない終わりを


彼の身に着けている防具。
悪趣味な耳や目の装飾が目立つ。
首のデザインは集合体恐怖症戦慄モノ。

百智の王笏


珠を掴み取る手を象った王笏
百智卿ギデオン・オーフニールの得物

その珠は、世界であり、宇宙であり、瞳であり
識ることの終わりなきを示している
それでも、百智卿は手を伸ばすのだ

彼の扱う武器。知力で補正がかかる槌。触媒*1じゃねぇのかよ
戦技の「百智の世界」は敵と自分の聖属性防御を15%下げるというもの。
使い方によっては非常に強力だが、相手によっては自爆にもなり得るので注意。

王たる聖防護


二本指が、百智卿ギデオンに授けた祈祷

周囲の味方を含め、聖カット率を大きく高める
長押している間は祈り続け、効果は発動しない

二本指との長き対話の後、ギデオンは悟った
すべて、とうの昔に壊れていたのだ
老いさらばえた震える指も、黄金樹も

デミゴッド調査のご褒美その1。
聖カット率を60%軽減してくれる強力な祈祷。
マレニアを倒す事が入手の条件なので少し入手難度は高いが、ラダゴンや害獣エルデの獣に対して非常に有効なので、取っておいて損はないだろう。


因果性原理


黄金律原理主義の祈祷
その根本をなすひとつ

小さな因果の輪を体に宿し
一定量の攻撃を受けると、自動的に反撃する

原理主義は、黄金律を二つの力で説明する
それ即ち回帰と因果であり、因果とは
万物を関係性の連環となす、意味間の引力である

デミゴッド調査のご褒美その2。
彼も使ってきた、非常に強力な祈祷。
…だが、プレイヤーが使っても弱い。
ダメージを受けないと発動しないという点で既に微妙な上、威力も彼の物ほどないので、普通に祈祷を撃った方が多くの場合良いという悲しい祈祷。




+ なぜ裏切ったのか
主人公に対して刺客を差し向けつつも友好的だったギデオンだが、なぜ戦うことになってしまったのか。

百智の兜

無数の目と耳が散りばめられた兜
百智卿、ギデオン=オーフニールの装束

知とは、自らの無知を知ることであり
知ることの終わりなきを知ることである
だが、女王マリカの遺志に触れた時
ギデオンは恐れてしまった

あるはずのない終わりを

各地に残る言霊や、様々なテキストから読み取るに、女王マリカは”永遠”たる黄金律を終わらせる事を目的としていたと考えられる。

これが、「女王マリカの遺志」である。

そしてそれは、「永遠」もまた終わり得る事をギデオンに示した。

「黄金律」という”永遠”が終わり得るのならば、「知」という永遠もまた終わり得るかもしれない。

これが、彼の恐れたという「あるはずのない終わり」である。

それは、「識る」事が”永遠”であり、その限り自分もまた「百智卿」であるという彼の人生哲学を全否定するものであったと考えられる。

故に、彼はそれを拒んだわけである。

女王マリカの遺志、その否定の為に、彼は主人公の前に立ちはだかり、永遠の終わりを、「識る事」が終わり、自分が「百智卿」でなくなる事を否定しようとしたのだ。

彼が姿を消す直前に語った「我らは我らであり続けるものか?」という問いは、そういった彼の心境を如実に表していたものと考えられる。



追記・修正に終わりはなく、また完全もない

それ故に私は、Wiki篭りであり続ける

この追記・修正が終わる時、我らは我らであり続けるものか?

君は、どう考えるね。建て主に、ならんとするものよ

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最終更新:2025年03月09日 19:23

*1 大まかに言うと飛び道具を撃つための武器