ミケラの刃、マレニア(ELDEN RING)

登録日:2022/06/27 Mon 17:31:33
更新日:2025/03/12 Wed 21:01:57
所要時間:約 21 分で読めます




…長い、夢を見ていた。

体は貧金、血は腐れ、

幾万の屍を積み上げ、ただ一人を待つ。



…貴公も、知るがよい。



ミケラの刃、マレニアを。敗れを知らぬ戦いを。




ミケラの刃、マレニアとは、『ELDEN RING』にて登場するキャラクター。



■概要

女王マリカと英雄ラダゴンの間に産まれた双子の片割れ。
「ミケラの刃」の他にも「腐敗のマレニア」、「欠け身のマレニア」といった異名を持つ。

兄ミケラ共々最も黄金律に近いデミゴットと呼ばれており、神人というマリカの後継者の一人に数えられている。ちなみに神人にはミケラの他、月の王女ラニもその内の1人。
武勇でも知られ、将軍ラダーンと双璧を成す実力者とも語られている。
また、兄は永遠の幼さを受けたのに対し、彼女は永遠の腐敗を生まれつき受けて育った。

外見は異形だらけの異母兄弟たちと違い普通の人間に近い体躯をしている。
しかし、腐敗の影響なのか身体の殆どが爛れており、右腕は欠損している。
その貌は大きく爛れ、両目だった場所には微かに跡が残るのみ。
失った右腕には精巧な義手をとりつけ、生身の部位にも腐敗に抗う為か大量の金属片が埋め込まれ、もはや機械仕掛けの人形を思わせる風貌になっている。
戦闘時は無垢金で作られた兜を被り、右腕の先に仕込まれた義手刀を使い戦う。その見た目はさながら神話に出てくる戦乙女のよう。

本編前に起こった破砕戦争では、砕けたルーンの一部を手に南進。破竹の勢いで戦を制していった。
リエ-ニエを鎧袖一触で打ち破り、リムグレイブでゴドリックを下し足指をなめさせてやった後、ケイリッドにてラダーンと衝突。
この様子はストーリートレーラーにて詳細に語られており、最終的にはこの二人による一騎打ちまでもつれ込んだ模様。
このPVの初見や、それに基づく漫画『黄金樹への道』第1話冒頭を目にすると、ラダーンが悪者で、マレニアがそれに立ち向かうヒーローに見えてくる不思議…というより「男女で戦っていたらセオリーは男の方が悪者」が刷り込みに近い昨今の風潮を念頭に置き、後々逆に利く事を狙った演出だろう。

最終的にラダーンはマレニアの義手を切り飛ばすものの、ここで抑えていた腐敗の力を開放。彼の頭上に朱い花を咲かせた。
この影響により、ケイリッドは腐敗が蔓延。動植物は大きく醜く爛れてしまい、ラダーンも偉大な武人から死体を貪るただの犬畜生と化してしまった。
特に戦場となったエオニアは、未だに朱い腐敗が沼となって湧き上がる地獄絵図となっており、残されたラダーン兵は悲壮の覚悟で蔓延する腐敗に抗っている。

こう書くとラダーンが敗北したようにも見えるが、その後の語りで「遂に誰も勝たなかった」と続くことや、遺灰「貴腐の騎士、フィンレイ」のテキストから、この腐敗の力を開放した影響で眠りにつき、撤退を余儀なくされたと思われる。
でも本人は未だに不敗を名乗っている。

そしてこの二人の激突と痛み分けを以て破砕戦争は事実上の終わりを迎え、荒れに荒れた狭間の地に大いなる意志は親の目の届かないのを良いことに好き勝手やらかした悪ガキ共デミゴッドらを完全に見限り、かつて追放した褪せ人達を再び招き寄せる事になるのである。

本編では、巨人たちの山嶺の更に北、禁域の奥にある「ミケラの聖樹」の地下にて一人静かに兄ミケラを待っている。




■ゲーム本編にて





ここから先はエルデンリングにおけるネタバレ要素を含みます。

これからプレーする予定のある方はブラウザバック推奨です。




























ストーリートレーラーでは、ラダーンなどに次いでその姿を現しており、ELDEN RINGにおける顔役ともいえる扱いを受けているマレニアであるが、ぶっちゃけストーリーをクリアするだけなら彼女に会う必要はまるでない。
実質的な裏ボスの一人となっている。

彼女の名前が印象的な場面で出てくるのは、OP以外で見れば王都でのボス戦による語りであろう。
この時「裏切り者」の名を論うなかで、他のデミゴットの名前と共にマレニアの名も出て来る。

そして円卓にて現れる百智卿ギデオンとの会話にて、彼女の詳細な話を聞くことができる。
…逆に言うならこれくらいしか情報がない。ギデオンもどこに居るかまでは教えてくれない*1ので、結局は自分で探すこととなる。
後は各地にある大剣に刻まれた歴史や、手に入るアイテム類からかろうじて名前が出るくらい。

彼女が潜む「ミケラの聖樹」に行くためには、広大なマップのどこかにある「聖樹の秘割符」を両方集めたのち、それを「ロルドの大昇降機」にて使用。
そうすることで進める「聖別雪原」の先、「典礼街オルディナ」の謎を解くことで開かれる門を潜らなければならない。
会うだけでもここまで面倒な大ボスは、当ゲームでは彼女くらいだろう。

そのミケラの聖樹も、実質的な裏ステージに相当するため出てくる敵もまあ強い。
巨大な蟻や信託の使者が蔓延る「聖樹の高枝」、門番として出てくる騎士ローレッタを乗り越えた後、たどり着く「エブレフェール」でも、
自爆を厭わない聖樹兵や屈強な騎士、貴腐騎士ほか腐敗した化身*2といった強モブ敵が待ち構えている。
なので攻略する際は、十分なレベルと装備を整えること。逆に言うならここを突破できるくらいの強さがあるならば、ラスボスでも十分通用するともいえるか。

そいつらを越えた先、がらんどうとなった聖樹の内側で溢れる腐敗の沼の先を進み、「聖樹の最下層」まで降りることで彼女に会うことができる。
大ボスとしての登場なので、出会ったらその場で戦闘となる。




■戦闘力





知り得たか?ミケラの刃、マレニアを。



一言で言うと、強い。とにかく強い。
裏ステージだから当たり前と言われればそうなのだが、同じく裏ボス相当の血の君主モーグや、竜王プラキドサクスと比較しても、とある特徴によりその強さは群を抜いていると思われる。
勿論その時のレベルや装備で、苦戦した、しなかった度合いは人によると思われるが、それでも上記のセリフをトラウマレベルで刻み込まれた褪せ人も多いとか。

高い攻撃力と体力、即死レベルでダメージを与える掴み攻撃もさることながら、なんとこいつ。



回復する。




回復してくる。




体力を回復してきやがる。





大事なことなので3回言いました。
しかもその条件が「攻撃に被弾すること」というお手軽なもの。ちなみにガードしてもダメで微量ながら回復してくる*3
そのため一度ペースが崩れて攻撃が当たってしまうと、みるみる撃破から遠ざかってしまう。終盤になって焦って畳みかけてしまい、被弾して更に焦るという負の連鎖は恐らく誰もが経験したことだろう。

ちなみにこの力は遺灰*4にも適用されるため、半端な霊体では(彼女にとって)ただの体力タンクと化す可能性が高い。
なので勝つためには、被弾をとにかく避ける方向で戦わなくてはいけない。

そしてマレニア自身の挙動も、とにかく手早くて隙が無い。
連撃攻撃や距離を詰める刺突、上述した掴み攻撃など、近距離中距離で弱みが無く、劣勢になれば素早く背後に下がる身のこなし。
それを矢継ぎ早に繰り出してくるため、上述した回復能力との相性の良さもあってかなりの長期戦を強いられがち。

他のボスが比較的ゆったりした動きの中、こいつだけ縦横無尽に動き回るのだ。
みんながDark Soulsをやる中一人だけSEKIROやってるような感じである。

しかし、逆に言うなら理不尽な広範囲攻撃や、永続的な分身を呼んでの複数戦などはしてこない。
挙動も比較的素直なので、最初のうちは被弾しながら攻撃パターンを見極めていくという、正当な「死んで覚えるタイプのボス」といえる。
以下、特徴的な攻撃を紹介。

・突き
義手刀を用いての突進突き。高火力ではあるが、彼女の技の中では比較的大きな隙をさらす。
なのでうまくローリングで回避しながら、確実に反撃したい。
義手をパチンと鳴らしながら軽く跳び上がるのが予備動作。


・連続斬り
義手刀を展開しながら素早い連続斬りを繰り出す。隙が少ない上にある程度離れても当たるくらい広い判定に加え、防いでもそれなりに回復される点も中々厄介。
接近し素早く3連続で攻撃した後、広範囲の横なぎを1回、追加で放つ。
実は刀を展開する段階、火花が散る時と散らない時で密かに攻撃のタイミングが違ってたりする。


・キック
後隙をつぶすような形で使用することが多い。喰らうと大きく吹き飛ばされる。
接近して使用することもあるので注意。


・掴み
義手ではない方の腕を振りあげながら、こちらに向かって接近。
つかまれると頭上へ投げ飛ばされた後、刀で串刺しにされる。
即死技ではないものの、生半可な体力だとほぼ一撃。


・溜め二連斬り
刀を展開しながら力をためた後、接近しての2連斬りを繰り出す。大きく分けて2パターン存在する。
一方は大きく切り上げた後斬り下ろす攻撃。もう一方は回転しながら2回攻撃。

攻撃前に大きな隙をさらすが、スパアマ状態なので反撃に注意。
当たり判定は広いが、素直な挙動なので回避はしやすい部類。


・水鳥乱舞
大技の一つ。
片足を上げながら跳躍した後、恐ろしい速さで接近し連続斬りを浴びせた後、遅れて真空波が発生させる。
威力もさることながら追尾性能も高く、ちょっと距離を開けるだけではすぐに追いつかれてしまう。

当然回復性能は据え置きなため、被弾すればするほど回復されてしまう。その前に死ぬことが多いだろうが。
一応、矢鱈めったらというわけではなく、ひと呼吸おいて攻撃してくるため、その間を見切れば回避は可能。
この攻撃を安全にさばけるかどうかが勝利への第一歩となる。慣れない場合は初段だけ盾で防ぎ、間を置いた瞬間に回避するのがおすすめ。

あまりにこの攻撃が某渦雲渡りに似ているため、この技についぞ実装されなかった巴の姿を見た褪せ人がいるとかないとか。






■関連アイテム

マレニアの大ルーン

破片の君主、マレニアの大ルーン
それは半ば腐敗しており、恩恵により
緋雫の聖杯瓶の回復量が少なくなる

しかし恩恵はまた、マレニアの抗う意志を宿し
ダメージを受けた直後であれば
攻撃により、ダメージの一部を回復できる

マレニアは、女王マリカとラダゴンの子である
その大ルーンは、最も神聖なはずであった

孤絶の神授塔にて解放できる、マレニアのルーン。こちらもやはりというか腐敗している。
「ルーンの弧」を使用することでその恩恵が受けられる。

その効果はダメージを受けた直後に攻撃すると、少しだけ回復するというBloodborne仕様。回復するのは攻撃を受けてから約4秒間。
また、デメリットとして聖杯瓶の回復効果が7割まで下がる。

散々苦しめられたマレニアの回復能力を模した能力だが、ぶっちゃけ使いづらい。
まず、ただ攻撃を与えればいいのではなく、受けた上で反撃するという手順を踏まねばならず、活かそうと思うなら自然と受け身になりがち。

その回復効果も1回1回では微量な上に、デメリットの回復量減少も気になる所。
一応、広範囲で殴れる攻撃を複数名に叩き込める状態ならば、そこそこ有効と思われるが…。

ちなみにテキストを見るに、かの吸収回復効果は腐敗の力でもルーンの恩恵でもなくマレニアの抗う意志…すなわちただの気合であることが判明する。
気合で回復とかどこの冥人だよ……。


マレニアの義手刀

マレニアの義手に仕込まれていた武器
聖別された刃は、決して腐ることがない

マレニアの戦義手は、即ち不敗の象徴であった
人々は、掲げられたそれに翼を見たという
敗れを知らぬ、熾烈なる意志の翼を

彼女が使っていた義手刀。追憶により手に入る。分類も当然刀である。師の盲目の剣士もさらにその師の青い踊り子も曲剣の使い手だけど
比較的高い物理攻撃力に加え、出血の状態異常も付属している。それ以外に特筆すべき効果は無し。
これ自体は良くも悪くも高水準な武器といったところ。

固有技として「水鳥乱舞」が使用可能。出だしやモーション自体が長いので状況は選ぶが、火力や差し込みの強さなどは申し分ない強力な技となっている。
出血もちゃんと蓄積させるため、対人はもちろん敵対NPC相手などに非常に有効。そして何より格好いい。
巴流とは違うのだよ巴流とは!

どうでもいいけど高く空中に留まるために行けない高所にもいけてしまうこともある。

ネックなのは必要能力値。技量をなんと48も要するため、使うなら技量特化のビルドにしなければならない点が面倒か。


朱きエオニア

マレニアの腐敗の女神たる技

大輪の花を開き、朱い腐敗を爆発させる

こちらも追憶を消費することで会得可能。こちらは信仰が35必要。
朱い花弁を纏いながら高く跳び上がった後、そのまま地面に向かって強襲。
周囲一帯を朱い花で染め、近くにいる敵にダメージと腐敗ゲージを蓄積させる。

非常に優雅で荘厳な技であるが、出だしから開花中まで隙だらけな点がどうしてもネックとなる。
なので、どこでも使えるような利便性は残念ながら無い。

腐敗という強みも、「腐敗ブレス」という技が対抗であるのも辛いか。
ただし、ダメージや腐敗ゲージの蓄積量は随一なので、当て所さえ見誤らなければ爆発力自体は高い部類。
装備スロットは3つ消費するので、使うなら大ルーン以上に状況を見極めていく必要がある。


■余談

マレニアの攻撃による回復効果が発動する際、かのヤーナムの狩人の「リゲイン」と同じ効果音が鳴る。一種のファンサービスとも言える。

・兄ミケラとの関係
実際に会話するシーンがない以上、双子の兄ミケラとはどういう間柄であったかは不明。
とはいえ、マレニアは兄をずっと待ち続けていたこと、兄の刃を自称することから、少なくとも良好以上のものはあったと見るべきだろう。
ただ、彼女の装備品テキストを見る限り、兄の持つ「あらゆるものを篭絡する力」に対し畏れのようなものを抱いていた様子も垣間見える。

誘惑の枝
無垢金の祈祷が施された枝木
神人ミケラは、あらゆる者から愛された
愛するを強いることができた

マレニアの装備一式
彼女は、抜け殻の足元でミケラを待ち続けた
兄さまが、約束を違えるはずがない
神の知恵、神の誘惑。ミケラこそ
もっとも恐ろしい神人なのだから

一方、兄からは妹をどう見ていたかというと、下記のアイテム類からある程度推察することができる。

ラダゴンの光輪
父ラダゴンの、幼きミケラへの返礼
しかし、幼きミケラは原理主義を捨てた
それが、マレニアの宿痾に無力だったから
無垢なる黄金、そのはじまりである

ミケラの針
外なる神の干渉を退けるため
ミケラが紡ぎあげた無垢金の針のひとつ

これを見ると、ミケラは彼女の持つ腐敗の力を抑えること、または取り去ることに腐心していたことがうかがえる。
後にミケラはモーグウィン王朝の君主モーグに誘拐されていたことが判明するが、ミケラは強力な「洗脳能力」を持っていること、兄の刃を名乗るマレニアが助けに行かずただ兄の帰りを待っていることから、「ミケラはモーグを洗脳し、わざと連れ去られて血の力の供給を受けていたのではないか」と読み解くこともできる。



・ミリセントとの関連性
また、彼女の性格やバックホーンについて、ある程度推察できるNPCも登場している。
それが、ケイリッドの「腐れ病の教会」にいるミリセントである。

彼女も、マレニア同様腐敗の力をその身に宿しており、右腕がない。
その力故に弱っている彼女に、賢者ゴーリーから託される*5「無垢金の針」を与えることで元気になり、以後各地をさすらうようになる。

またマレー城にある義手を渡すと、味方NPCとして戦ってくれるようにもなる…のだが彼女、病弱とは思えないほどに強い。
というより、その動きはほとんどマレニアと酷似しているのだ。
腐敗の力までは使わないものの、水鳥乱舞まで使用するミリセントの正体は、



・公認マレニアスレイヤー
数多の褪せ人を切り伏せてきたマレニアだが、逆に数多のマレニアを狩ってきた褪せ人もいる。プレイヤー名「Let me solo her」で知られる、裸に頭の壺だけ被った褪せ人が特に有名で、名前に違わず他プレイヤーに召喚されては単身マレニアを撃破していくことで知られていた。遂にはマレニア1000回斬りを達成し、後日中の人、配信者Klein Tsuboi氏はバンダイナムコから限定グッズとメッセージカードが届いたことを報告している。
そして同氏は全敵マレニア化MODにも挑戦し、これもクリアしている。
マレニア殺すべし、慈悲は無い




…貴公も、知るがよい。ミケラの刃、マレニアを

敗れを知らぬ追記・修正を。


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最終更新:2025年03月12日 21:01

*1 というより、逆に教えてほしいと言ってくるので、ギデオンがいる状態で聖樹まで進むととある祈祷をくれる

*2 一応こいつは倒すとアイテムを落として以降は登場しないが

*3 なおVer.1.04アップデート時は、回避しても回復するという恐ろしいバグが発生していたが現在は修正済み。もっともその頃のマレニアに挑んで、見事勝利を掴み取った褪せ人もいたようだが…

*4 かい摘んで言うと、呼び出して共闘出来る味方NPCシステム

*5 正確には、エオニア付近にいる二アールを撃破して手に入る折れた針を、ゴーリーに渡すことで「無垢金の針」に修復してくれる