スマートウォッチ

登録日:2023/07/14 Fri 09:22:09
更新日:2025/04/27 Sun 11:18:08
所要時間:約 5 分で読めます




スマートウォッチ (Smartwatch)とは、時計、または腕時計の一種である。

概要

機種にもよるが、大体のものにはタッチスクリーンに多数のセンサー、通話用マイクやバイブレーションが搭載されている。
だいたいスマートフォンの時計版みたいなものと考えていればいい。
まあわかりやすく言えば、『ウルトラセブン』みたいなSFもののドラマに出ていた腕時計型のテレビ電話、あれみたいなもんである。


歴史

意外にも歴史は古く、1980年には電卓やらプログラム言語に対応した、シングルボードパソコン内蔵の腕時計が販売されている
尤も、この頃はまだ高価の割に出来る事が限られており、「電卓を買えば良くないか」「普通の腕時計を買えば良くないか」という状態であった。
1990年代、デジタル腕時計の技術が一区切りを迎え、「小型化、安価化、頑丈化」の開発にシフトしていく中、
デジタルパソコンが一般家庭に普及するようになってから、ようやく「パソコンと接続して使用する」という時計が発売されるようになった。
なに?この頃には腕時計型コンピューターで悪魔を召喚していた高校生がいたって?それは知らない。
1999年、サムスンが世界初の腕時計型携帯電話を発売、 2006年にはソニーが、携帯電話とリンクして、着信通知・テキストメッセージ表示機能を持った腕時計を発売している。

それでもまだマイナーから脱しておらず、デジタル腕時計には勝てなかったスマートウォッチだが、
2015年にApple Watchの発売を機に一般にも広く知られるようになった。
また、「スマートウォッチに対応したスマホアプリを開発すればいい」という形でOS開発の敷居も低くなり、市場は大きく拡大、
数多くの会社がスマートウォッチの業界に参入するようになった。

2023年現在では、街中でスマートウォッチを身に付けて歩いている人は確実に多くなっている。
ちなみに機能を省略し縦長の画面で簡易化した「スマートバンド」というものもある。
主に健康管理面を重視した設計で、機能が少なく画面が小さいおかげで消費電力が少なく、充電頻度が少なくて済む。
またスマートウォッチより構造が単純なので耐久性も高く、運動などにも適している。


出来ること

スマートフォンとの差別化のため、「腕に密着している」「カバンから取り出すことなくすぐに使える」ことを活かした強みが多い。
ここでは特に代表的なものを挙げていくが、今後の技術の進歩によってはその強みがさらに追加されていくかもしれない。

時計機能

腕時計なので、当然現在の時間が分かる。
...数千円程度の格安のスマートウォッチにありがちなのだが、スマホやパソコンと同期せず長いことネットにつないでいないと次第に時計がずれてしまう。
時計としては割と致命的かもしれないが、一日一度は同期すれば済む話である。
それすらも気になる人々...タイムキーパーなどで一分一秒が気になる仕事についている人ならば、電波時計機能をついているものを購入する必要がある。
どこかの映画ではスパイ用の最新腕時計に大量の副機能を付けたせいで時計機能をつけられなかったという失敗を挙げられたが、これはある意味予言?

アラーム機能

腕に直接取り付けてのバイブなので、目覚まし時計としての性能は抜群。
無論、普通の目覚まし時計、スマートフォンのアラーム機能で目覚められる人には無縁な機能である。

スケジュール機能

スマホのスケジュール機能と連動させる事で、次の予定を設定した時間に通知してくれる。
腕に装着されバイブで教えてくれるので、うっかり忘れや遅刻を予防できる。
もちろん、スケジュールをきちんと管理できている人には無縁の機能である。

心拍センサー・温度センサーによる装着者の健康状態の可視化

毎日の健康管理の一環として、体温と脈拍数を測定する。
使用者によっては「危険領域に達したら警報が鳴る、親族に連絡が行く」という設定をしている人もいるらしい。
塩分やアルコールを摂り過ぎて高血圧気味*1、運動不足で太り気味になってしまった人にお勧め。
他にも座り過ぎ注意や水分補給注意なども知らせてくれる。女性用には生理周期などの管理も。
当然のことながら、日頃から健康的な食生活を過ごしている人には無縁な機能なのでどちらかというとストイックに求めるスポーツ選手向けである。
ちなみに安物のスマートウォッチはゴムブロックに巻いても心拍数が図れてしまうぞ!*2

加速度センサーによる装着者の運動状態の計測

スマートフォンをポケットに入れるだけでは、GPSの動きから「装着者がどれだけ歩いたか」「装着者がどの距離だけ移動したか」を測定することしかできない。
だが、スマートウォッチであれば、筋トレやランニングマシーンなど一切移動しない運動であっても消費カロリーを測定してくれるし、歩数計としても有用である。
パソコンと併用すれば、消費カロリーを可視化し、一覧表にすることも可能である。他にも睡眠モニタリング機能などもある。
当然ながら、日頃から(ry

電子決済

わざわざ鞄からスマートフォンを取り出すまでもなく、「シャリーン♪」と決済できてしまう。
たくさんの電車を乗り継いで通勤通学する人にとって、改札を通過するのにとても向いている。改札口の関係上、時計を右手につけなければならなくなるが。
当然ながら、鞄からすぐスマートフォンを出せる整理整頓が出来る人には無縁な機能である。

SNS通知

インスタやLINEといったSNSでのメッセージを受信し、画面に表示させられる。
スマホと違い常時腕に装着されているので、メッセージを見逃しにくいという利点がある。
他のアプリに関しても設定可能なものが多い。
無論、そんなに頻繁にSNSを確認しなくてもいいアニヲタ諸兄には無縁な機能である。

Bluetooth通話機能

Bluetoothによって内蔵されたマイクとスピーカーとペアリングして使用する。
スマホを出さなくても直接スマートウォッチで通話できる。気分はどこぞの特撮隊員。
当然だが音質は送受信ともあまり良くはないし雑音も拾いがち、そもそも通話内容がダダ漏れする。
SNSの通知受信もBluetooth機能であり、これを利用した下記のような機能もある。
  • スマホのカメラのシャッターを遠隔操作する
  • 失くしたスマホを探す(Bluetoothの届く範囲限定)
  • 音楽アプリのオーディオを操作する
  • 音声アシスタントを操作する

文字盤のカスタム

液晶画面なので文字盤を気分に応じてカスタムが可能。好きな写真を取り込んだりも出来る。
Falloutシリーズでおなじみの携帯型デバイス風にしたりも可能。気分はキャピタル・ウェイストランド。
こればっかりは流石に他の腕時計にはできない機能である。

天気予報

当たるかどうかは別として大体のものはスマホの位置情報を基に、「AccuWeather」のような気象レーダー情報から予報を出す。
高価なものには本体自体に気圧計の機能などが搭載され、その変化から予測するタイプもある。
無論、普段お外にあまり出ないアニヲタ諸兄には無縁の機能である。

セーフティ&トラッキング機能

恐らく最も有用な機能。
屋外で事故を検出すると、緊急連絡先にメッセージと現在地の位置情報が送信される。
アウトドア時に一命を取り留められるかどうかの鍵となる。安物に命を預けない事をおすすめする。
無論、普段お外にあまり出ないアニヲタ諸兄には(ry

座標測位・コンパス・高度計等

多分2番目に便利な機能。
いちいちスマホや専用機器を出さなくても自分の自己位置を測位できる。
アウトドア、特に登山や山の中を突っ切るような「軍事」向け機能。
とくに軍事だと、くっそ明るく電波出しっぱですぐ居場所ばれるスマホなんぞ戦場では使いたくない。
モタつく一秒が命取りだったり、物品滑落の心配もなく、パッと見れてかなり有用。
無論、普段(ry

非侵襲血糖値センサー(血糖値測定)

最近見かけるようになった機能。なんと装着しているだけで血糖値が測定できるという。
血糖値の測定といえば血液を採取しなければ測れなかったのに、技術の進歩とはすごいものである。
不思議なことに大手のハイエンドモデルにはついておらず、ノーブランドの安物にしか搭載されてないが…

………そんな技術はまだ完成していないのだから当然だろう*3

これを謳っている商品はまず間違いなく詐欺商品なので、購入しないよう注意されたし。
あたかも血糖値を測定しているように数値化やグラフ化をするが、実際には決められた変動曲線を誤差を入れて表示しているだけ。
物によっては腕に装着してない状態でも「測定できました」と数字を出す。無茶苦茶である。

そもそも最上位機種とも言えるあの『Apple Watch』でさえ、2023年3月の時点で血糖値測定はまだ数年先と断言している。
2023年5月にHuaweiが発売した『Watch 4』には血糖値監視機能が搭載されていると主張しているが、こちらは医学的根拠はない。
ちなみに光学式センサーで血圧を測れると謳っている商品もあるが似たようなもので、数万円の大手機種以外は適当に表示しているだけ。


スマートウォッチの難点、不便なこと

ここに書かれていることはいずれ技術の進歩によって解消されるかもしれないので、購入するときの目安として考えよう。

電池が長持ちしない

だいたい無充電では2週間が限界であり、機能を使えば使うほどそれがどんどん短くなる。
中にはソーラーパネル搭載で太陽光充電が可能なものもあるが、消費電力の都合上、半そで常に腕時計を露出していないとすぐ使い物にならなくなってしまう。
また安物のスマートウォッチ全般に言えることだが、充電についての不具合が非常に多い。

あまり丈夫ではない

CPUにタッチパネルまでついているのだから、通常の腕時計やデジタル腕時計と比べると明らかに脆弱である。
無論、カシオのG-SHOCKブランドなど「頑丈なスマートウォッチ」がないわけではないが、お値段は「頑丈なデジタル腕時計が数台も買える」レベルとなる。
機能の豊富さはその分だけ本体への負荷や、無理やり積み込んだ機構の脆弱性に繋がっている。

なおペンタゴン認可の軍事向けガーミンであれば当然ながらくっそ頑丈である。高いけど。

セキュリティの脆弱性

CPUはあまり高度なものではない関係上、満足なウイルス対策が出来ず、個人情報流出の可能性もある。
電子決済以上のお金のやりとりは控えるようにしよう。

計算機やミニゲームの扱いづらさ

たまに無理やり入れてある機種があるのだが、言うまでもなく死ぬほど使いにくい。
そもそもスマートウォッチはスマホと併せて運用される前提なので、ゲームや計算がしたいならスマホを使えば事足りる。

試験会場で使えない

カンニング防止の観点から試験会場では外す必要がある。
普段からスマートウォッチを腕時計感覚で運用している人は要注意。
特に大学では意外と教室に時計が置かれていない場合も多い。
TOEICや資格試験などの会場になることもあるので受験する際にはくれぐれも気を付けよう。

麻酔銃がついていない

ついていてたまるか


最後に

ここまで読んで「スマートフォンでよくない?」と思った人が居るかもしれないが、おおむねその通りである。
流行りに乗っかってスマートウォッチを購入してはみたものの、結局後悔する人もSNSや口コミサイトを見る限り沢山存在する。
ただ、今後のスマートウォッチの開発・事業の拡大により、思わぬ機能が追加されるかもしれないし、
スマートフォンのように普及率が人口の8割を超える日がいずれ訪れるかもしれない。



追記、修正は、スマートウォッチとともにお願いします。

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最終更新:2025年04月27日 11:18

*1 血圧については計測できる機種が限られるので注意。さらに血圧測定機能として医療認可を得ているのはごくわずかな機種にとどまる。医療認可を得ていない機種は精度が劣るので参考程度に考えること。

*2 後述の機能でも説明しているが、測定しているように数値化やグラフ化をするが、実際には決められた変動曲線を誤差を入れて表示しているだけという詐欺商品。

*3 一応、最新技術として存在しないわけではないがまだ開発段階。非常に高価で端末も大きく、とてもスマートウォッチに搭載できるような代物ではない。採血無しで測れるタイプもあるが、そちらは痛みを感じない針で刺して測定し、センサーも定期交換が必要。もちろん非常に高価。