デルウハ(アンドレア・デ=ルーハ)

登録日:2023/11/11 Sat 03:49:25
更新日:2025/04/04 Fri 23:32:42
所要時間:約 6 分で読めます




毎日パンとサラミが食える立場を守れるなら 世界がガスに埋もれようと
化物を殺す仕事(・・・・・・・)に就かされようと構わない そういう男だ …よろしくな

デルウハ」ことアンドレア・デ=ルーハは、漫画『Thisコミュニケーション』の主人公。


人物

ツンツン頭で四白眼の、屈強な体格の男性。
単行本表紙を見ればわかるが髪色は薄いピンク
若々しくも厳つい風貌のため実年齢は読み取りづらいが、30代前半*1。身長190cm超、体重90kg超の巨漢。

マトモに体を成さず失敗した対イペリット反撃計画、UNA(世界連合軍)に所属していた士官で、寒冷地対策装備の下にはUNAの軍服を着用している。
元はスイス生まれのスイス軍人であり、モンテローザ*2で従軍していたとのこと。

一言で言えば冷酷非情な合理性の塊
砲兵士官としての能力は折り紙付きで、地は粗野なものの軍人としてあるべき振る舞いのできる社会性もあるが、味方殺しの悪癖があり、「勝利・生存のために不都合となる味方」を殺すことに一切の躊躇も罪悪感もない。
度重なる味方殺しの疑惑から軍属時代は「悪魔」の異名で知れ渡っていたが、決定的な証拠を掴んだ者は当然殺した。
そんな人間が生き返るので好きなだけ殺して出来事を隠滅させていい部下を手に入れてしまうところから物語は始まる。

「愛だの情だのはただの勘違いだ!」と断言するが、本人の情緒は豊かな方である。大半は喜怒哀楽のうち怒。
殺人への忌避感が皆無なことを除けば人並みの感性は一応持ち合わせており、時には打算抜きと思われる温情を見せる場面もなくはない。
しかし情に絆されるようなことは決してなく、いつでもその感性を塗り潰して合理的に行動できてしまう。
また、人心掌握の観点でも感情を軽んじることはなく、巧みな話術で人心を操れるが、年頃の少女の情緒はさすがに全くの門外漢なのもあってそのことに苦しめられることも。

6人の少女たちに囲まれ、戦いの中で信頼を示すようになられても恋愛感情だの性欲だのを示すことは皆無。そもそも性欲自体無いかもしれない。
記憶のないうちにハントレスたちに情を抱いて何かした疑惑が生じた時には、(嫌すぎる………)と情にまみれたかもしれない自分への絶望だけが露わになった。

そんな彼が見せる唯一の欲。
それは、飯を食うこと
と言っても質に拘る美食家ではなく、食い意地は張っているが人並みの食事ができればいい程度の、欲と言うにはあまりにもささやかなもの。
それはただの生理的欲求なのでは……と言いたくなるが、その実、「生きてるけど飯はもう食えない」ならその場で死を選ぶほどの強固な意思を伴っており、
物語の要所要所で、この思想が選択に大きな影響を与えることになる。
生への執着は強いが、要は「死んだら飯が食えないから」「1日長く生きれば3食多く飯が食える」ということである。

合理的な計算のもとに最高の指揮官かつ味方殺しの殺人鬼として振る舞う一方、わずかな見落としから生じた大事故、他人の衝動的な行動、そうはならんやろと言いたくなる理不尽などに見舞われる因果応報ことも非常に多く、そういった事態でのリアクションの数々も本作の大きな見所
また、殺人の際によくホラー映画のようなインパクト抜群の登場をする。本人も、(この出方した方が驚くことがあんの…??)とそのことに自覚的なリアクションを見せたことも。

半ば相棒ポジである所長からの呼び方に準じて、読者からも「デルウハ殿」という敬称で呼ばれることが多い。
ちなみに、所長に限らず研究所の所員からは総じて「デルウハ殿」呼びである。

本名を名乗る場面は少なく、特別フルネームを名乗る理由がある時以外は「デルウハ」としか名乗らない。
軍人としての肩書きで名乗りを上げた時にハントレスたちも初めて本名を知ることになったが、全編を通して「アンドレア」と名を呼ぶ人物は軍時代の仲間であるオスカーだけ。
単行本のコラムによれば、「ルーハ(地名)のアンドレア」という、故郷ではありふれた名前だったため、変わったイントネーションにして「デルウハ」という渾名で名乗っているとのこと。
なお、「デルウハ」を作者は「ガルーダ」のアクセントで読んでいるが担当は「つけもの」のアクセントで読んでいるらしい。「デ=ルーハ」に準じれば前者が自然だろうが、「変わったイントネーションにした」をどう取るか次第だろうか。

来歴

UNAの惨状に見切りをつけ、日本軍が決戦兵器を造っているという噂話に賭けて*3同期のオスカーと共に航空機で脱走。
目標地点で不時着を余儀なくされ、4日×2人分の備蓄食料を独占するために迷わずオスカーを射殺。這々の体で研究所のある地点へと辿り着くが、研究所が潜伏していて見つからなかったためハズレと勘違いし、自害しようとしたところで運良く保護される。
直後、襲撃してきたイペリットに対して軍人としての能力を証明してみせたことで、居住と食事の権利を対価に、研究所をハントレスと共に守る指揮官となる。


能力


鍛えてるの…?
はぁ――!? 当たり前だろ…
(人間を一発で殺せるようにするのは大変なんだぞ)

砲は数学だ
正確な照準 目標の未来位置
気温・気圧 風速風向 地球の自転による弾道の変化
それらを正しく計って初めて弾が9割方当たる
俺は合理的な男でね

前述したように、指揮官および砲兵としての能力は極めて高い。
幸い、研究所には使い手のいない大砲が常備されていたため能力を活かすことができ、見た目に似合わぬ超人的な計算能力によって驚異的な精度で撃ち込まれる砲撃はデルウハがイペリットを倒すための強力な武器として活躍する。
イペリットは真っ当な人類が生身で戦うような相手ではなく、かつて初めて至近距離で遭遇した時には一瞬でそれを判断し、部下の脚を撃ち抜いて囮にして逃げた。

とはいえ、見た通りの鍛え抜かれた肉体のため身体能力は優れ、白兵戦の技術も高い。
イペリット相手には無為に危険を犯す価値がないので緊急時以外は後方支援だが、銃器での射撃精度も抜群で、人間同士での戦いでは無類の強さを誇る。
身体能力が化物でも所詮ド素人のガキであるハントレスに対しては少なからずアドバンテージがあり、戦術を駆使すれば複数人でも相手取れるだけの能力がある。何度も役に立ってほしくない能力である。

格闘戦では、理由は定かではないがあまり合理的な武器とも思えない手斧を愛用する。殺人鬼っぷりに一役買っている。
研究所に来る前から斧を所持しており、デザインからしておそらく戦闘用ではなく消防斧の類だが、その肉体から繰り出される斬撃は本人も言っているように少なくとも不意討ちなら必殺の威力を誇る対人メインウェポン。
次点で手首の下に仕込んだナイフもサブウェポンとして活躍する。



デルウハ殿語録

+ LINEスタンプの2/3くらいを一人で埋め尽くし、「名場面アクキー」に至っては8種全てを占有する男の台詞の数々
  • …だが まさか パンとサラミの後追いをするハメになるとはな…
  • 俺は別にお前とそういう関係になりたいわけじゃない ※にこの好感度を上げすぎたので即射殺。
  • あんた ホラー映画は見ないのか? 勝手に出てって一人になった奴は 死ななきゃいけねぇんだぜ ※これから殺しに向かう。
  • (2人の世界作ってんじゃねぇ! 殺すぞ!!) ※なお、実際に殺す予定。
  • お前がいて良かった ※言った方と言われた方を殺してパクった殺し文句。
  • (痛み止めを使っているのに 痛みで気付けをしようとしている!!)
  • 皆殺しだッ 怪物だろうと化物だろうと全てッ 世界を俺が食っていけねぇ場所にしようって奴は全て殺してやる!!
    地獄の業火で焼き尽くし 明日は テメェらの死体の上で ハイキングだ――ッ!!
  • 俺は「死ぬと体と記憶が一時間前に戻る」というハントレスの能力を利用して都合の悪いことが起きたら殺して記憶を消している! ※自白しろと言うので仕方なく自白。
  • 医者が言うには 血液がサラサラじゃなきゃ死んでたってよ
  • あの状況で一人分の戦力なんていらねーよ! 殺してメシを奪った方が得だろ!
  • (今 言う?) ※組織のための大人同士の取り決めを私情で反故にした理由の告白を受けて。
  • Exactement(その通り) ※「一人ずつ殺されて捨てられるのよ!」
  • こんな俺でも 選んでくれるか? ※こんな=「死ぬと体と記憶が一時間前に戻る」というハントレスの能力を利用して(略)
  • 殺人鬼がいるぞォ――ッ!!! 誰か来てくれ――ッ!! ※殺人の直後に目の前で別の殺人が起きてた時の躊躇無きなすりつけ。
  • なにが「世界を救う」だッ バカバカしいッ 下らん妄想だ
    (どこへ行ってもこんな奴らばっかりだ ありもしない光に惑わされなんでもする―――…)
    そんなものは 人間の領分だろうが!!
  • 分からんか 世界を救うのは俺達だって言ってんだよ!!
    さァ! 腹ァ括ったか!? ―――行こうぜ ※人殺しの大義を付与するためだけの名演説。
  • 「大義を与えて人を殺せるようにする」なんて俺だって良い方法だとは思わん
    あいつらを そんなものにはしない
    (ハントレスが人を殺れるようになったら 最初に死ぬのは俺だからなァ――ッ!!)
  • どんな強者にも俺に救世を騙らせた奴はいない 取っときな…ド素人
  • 殺らねぇか?】
  • (ショッキングな死体 ガチすぎじゃない?)
  • (誇りを持って環境破壊(そんなこと)をするな!!)
  • (これでいい…俺はこれを見に来た! ――さぁ 救えぬ世界など救いに行かず飯を守ろうじゃないか)
    (お前らは俺と共にあの山頂で息絶えるのだ!!)…どうやら 死ぬ刻は一緒のようだな
  • (もう…全員死体でいいか…?)
  • (なんなんだこのっ…アクロバティックかつ全く言い逃れできんバレ方は―――…!!)
  • (久しぶり…だな… あんなブッ殺した方がお得な上司はよォ!!)
  • (この出方した方が驚くことがあんの…??) ※監視モニターの裏から斧持って顔を出したらモニター見てるのがイペリットだった。
  • (後で薬を飲ませて全部忘れさせる予定だが)俺でいいのか?
    お前にそう言ってもらえると(扱い易くて)うれしいよ
    俺には…(お前みたいなバカは)できない
    分かってくれよ
    他の奴にはこんなこと…言わない
    (殺人を)…誘ってるのか?
  • (何故…何故殺っちまった後で言う? 殺っちまってんだよ!! こっちはよォ――――ッ!!)
  • (説得なんかより このクソ初歩失敗に振り回された文句を言いてぇよ……)
  • (死体が足りなかった時のために半殺しで動けなくしておいたが…殺しておけば良かった…! いらねえことする奴は本当何度でもするからな!!)
  • っ…俺でも…俺でも引くわ―――…!! ※怪物モード時の所業への感想。
  • それが俺と 俺の合理性(本能)の答だ
  • 行ってぶっ殺してこい 俺より恐ぇモンがあんのか?


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  • ※主人公です
  • 質素
  • 合理主義者
最終更新:2025年04月04日 23:32

*1 正式に明かされたのは単行本11巻だが、序盤で「子供の頃にしかなかったものを『25年ぶりくらいか?』と言う」場面があったため、大体類推はできた

*2 イタリアとスイスの国境にある山。標高4634m。

*3 もっともデルウハは「(飯があれば)兵器はなくてもいい」と思っていた。

*4 作者もTASをイメージソースにしていた旨を明言している。