バラノドン(宇宙戦艦ヤマト)

登録日:2023/11/16 (木曜日) 11:05:00
更新日:2023/12/03 Sun 08:57:18
所要時間:約 3 分で読めます






バラノドンは宇宙戦艦ヤマトシリーズに登場する宇宙怪獣である。
もう一度言う、宇宙怪獣である。

【概要】

登場は17話の『突撃!!バラノドン特攻隊!』
銀河系とマゼラン星雲の中間にあるバラン星に生息する現住生物の一種。
バラン星の水辺に棲んでおり、単独では数メートルほどの赤褐色をした目の無いアルマジロのような姿をしたおとなしい生物。
しかし2つの特性を持っており、そのためにガミラスに生物兵器として利用されてしまうことになる。

ひとつめは数百匹で合体して戦艦並の巨大な個体となることができ、巨大化すると目の無いトリケラトプスのような姿となり狂暴化する。
もうひとつが外部からの脳波コントロールで操られてしまう性質があること。
ゲールはこれを利用してバラノドンを意のままに動く手駒とすることを目論んだ。

また、原理は不明だが、浮遊することや宇宙空間を自由に泳ぐこともできる。
宇宙空間に巨大な幻影を映し出せる超能力女性がぞろぞろ出てくるアニメなんだから気にするな

ドメルに司令の座を奪われて不満を募らせていたゲールはバラノドンを調教し、バラノドン特攻隊としてヤマトを攻撃させようと考えていたが、ドメルからのOKが出ずにくすぶっていた。
当初は脳波コントロールがうまくいかなかったが、練習を繰り返しついに完全なコントロールに成功。ヤマトの原寸大模型に体当たりして爆破させると、テストは成功をおさめる。
だがそれでもドメルの受けがよくなかったことでついに不満を爆発させたゲールは独断でヤマト攻撃に出撃させる。

輸送船から放出されたバラノドンの群体は宇宙空間で合体、ヤマトへ向かってゆく。
この時ヤマトは沖田艦長が宇宙放射線病の悪化で不在で、古代が代理で指揮をとっていたが、接近してくるバラノドンに戦闘配置がとられる。
主砲が旋回し、前部第一第二砲塔が咆哮。ショックカノンのエネルギーが炸裂し、バラノドンは粉々に砕かれる。
しかし喜んだのもつかの間、ヤマトに雨のようにぶつかるバラノドンの肉片。そしてバラノドンは集合して元の姿に戻ってしまう。
主砲の効果がなく、逃げるにももう遅い。古代はついに波動砲の使用を決意する。
真正面にバラノドンを捉え、放たれる波動砲。
さしもの不死身の宇宙怪獣も波動砲の超エネルギーには耐えられず、大爆発を起こしてすべて燃え尽きてしまう。

愕然とするゲールはドメルに
「波動砲でやられただと?馬鹿者、そんなことは最初からわかっていたことだ。応戦してこぬ模型のヤマトを撃破できたとて、そんなものが実戦で役に立つと思っていたのか」
と叱責され、
一方で独断で波動砲を使用した古代はワープ直後の艦体に損傷が発生してしまったことを手術後の沖田艦長に詫びるが、
「古代、獅子は我が子を千尋の谷に突き落として試練を与えるというが、君はその谷底から這い上がってきたのだ。傷ついて当たり前だよ、傷ついた体は治せばよい」
そう穏やかな言葉をかけられるのだった。

ヤマトがバラン星に到達した際には探索艇が使い捨てにされたバラノドンの死骸を発見。*1
むごい仕打ちに怒った古代はバラン星攻略を決意するが、それはヤマトをバラン星に引きつけようとするドメルの罠だった……。

【ゲーム版】

PS版『遥かなる星イスカンダル』ではバラン星宙域へとの途上で戦闘するイベントが発生する。
原作再現で波動砲で撃破することはできないが、「あくまで群体の中の一部の個体にしかダメージが入ってないだけ」のため、いやというほど砲撃を撃ち込めば倒せるということで砲雷撃戦で相手をする。
バラノドンは体当たりをしかけてきて、接触すればヤマトのHPを大半持っていかれる。2回受ければ轟沈確実。
攻撃方法は体当たりしか持っていないが、速度が速いので逃げ切るのは不可能。
接近してきた際にタイミングを見計らって横合いに避けよう。危ないと思ったら緊急回避もためらわずに使おう。
バラノドンは体力が非常に高いのでどうしても長期戦になる。自動砲撃に任せていては日が暮れるので手動砲撃でガンガン撃ち込むべし。
ブラックタイガー隊を出してしまうと予期せぬタイミングで分裂してヤマトの砲撃が当たる直前に無敵化……ということが起こりがちのため、こちらも非推奨。

【余談】

ヤマトシリーズでは宇宙生物や生物兵器が登場することはたびたびあるが、怪獣然としたものは後にも先にもこのバラノドンだけである。*2
当時は特撮ヒーロースーパーロボットの人気がブームを過ぎつつあった頃であり、後年の硬派なSF作品への過渡期にあったことが生んだ存在だったかもしれない。
設定は完結編に至るまでガバガバだって?雰囲気だよ雰囲気

また、バラノドンに対するドメルの評価であるが、ドメルは考慮にも入れずに黙殺していたが、実際ヤマトに波動砲を使わざるを得ないほど追い詰めた強敵だったのは確かである。
逆に言えばドメルは発言からもヤマトでも波動砲を使わない限り倒せないということはわかっていたということであり、バラノドンへの過小評価については視聴者からもよく批判の対象になる。
艦隊と組んでヤマトを襲わせるなり、バラン星で人工太陽との挟み撃ちにするなり使い道はあったはずで、ゲールへ「なぜバラノドンが使えないのか」の説明を一切しないのかも加わって、ドメルの指揮能力やトップとしての器量に疑問符が付く一因となっている。
メタ的にはこの回のクライマックスを事前に明かすわけにはいかないからだが、一説にはガミラス軍は罠が大好きなので、バラノドンがというより「相手の退路も絶たずに襲う」作戦が悪手扱いされる風潮の中でゲールの方が信用を失っていたのではないかという説もあるとかないとか……。


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最終更新:2023年12月03日 08:57

*1 この際、設定ミスか目が無い生物なのに骨格に目の穴があるという矛盾が生じている。ストーリー上「バラノドンに目が無い」ことが、古代がバラン星の太陽を怪しむ重要なきっかけとなっているので猶更である

*2 スパロボでコーウェン&スティンガーと戦うようなクロスオーバーは除外