ブラックタイガー(宇宙戦艦ヤマト)

登録日:2023/11/07 (火曜日) 22:00:00
更新日:2024/11/09 Sat 19:59:16
所要時間:約 3 分で読めます





ブラックタイガー発進せよ!



ブラックタイガーとは、『宇宙戦艦ヤマト』シリーズに登場する戦闘機。
エビの名前と同じなんて言っちゃいけません!


【概要】

宇宙戦艦ヤマトの艦載機。
史実の戦艦大和の弱点であったエアカバーを補う戦闘機であり、敵空母の攻撃からヤマトを守る。

正式名称は「99式宇宙艦上戦闘攻撃機」。古代進専用機であるコスモゼロ・零式宇宙艦上戦闘攻撃機の一世代前の機種に当たる。
ヒラメのように平たいのが特徴のデルタ無尾翼機の一種で、カラーリングは上部がイエローとブラック、底部はホワイト、機首の両脇には目が描かれており、まさに宇宙の虎といった姿をしている*1
ヤマトに数十機搭載されており(格納スペースをどう確保しているかは謎)、発着は補助エンジンの下にある発進口から行う。
隊長は加藤三郎。

武装は主翼の付け根に片翼三門、両翼合わせて六門のパルスレーザー砲。
威力はかなり高く、ガミラスのデストロイヤー艦を爆沈させるほどの効果を発揮できる。

もともと地球の戦闘機は艦船と同じく、科学力に優れたガミラス軍に対して歯が立たずに劣勢を強いられていたが、イスカンダルからの波動エンジン技術の一部を応用しジェネレーター出力を向上させることでまともに戦えるだけの性能を得ることができた。
そのかいあって機動力はコスモゼロほどではないが、ガミラスの最新鋭戦闘機であるDMF-3ガミラスファイターとも互角以上に渡り合うことができる。

コクピットはコスモゼロとほぼ同一の単座式。整備性のよさがうかがえる。
また、地球の戦闘機らしく大気圏内でも変わらない機動性を持って飛行することが可能。

一方でミサイルなどの追加装備を持つことはできず*2、派生や改造機種も一切見られないことから制空戦闘以外の活用にはあまり向かない発展性や汎用性の乏しさがうかがえる。
そのためかガミラス戦後は、後継機種の「コスモタイガーⅡ」に立場を譲って完全に退役。加藤が「元ブラックタイガー隊」と名乗る以外には後のシリーズに一切登場することはなかった。
確かにコスモタイガーⅡには作画コスト以外のすべてにおいて劣っているとはいえ、ヤマトの主力戦闘機隊としては非常に寂しい末路である。あるいはヤマトに搭載されたのが地球で最後のブラックタイガーだったのかもしれない。

しかしブラックタイガーなしではヤマトの14万8000光年の旅の成功は絶対にありえず、地球のために残した功績は無限に大きい名機だったことは疑いないであろう。



【活躍】


オリジナルシリーズ

第一作

  • 4話
初登場。
ワープテストのために身動きできないヤマトをガミラス十字空母の攻撃から守るために出撃。
ガミラス高速艇と渡り合い、猛攻を食い止めた。
被弾した山本明の機体が帰艦困難に陥るが、古代の叱咤で持ち直し、ギリギリで帰艦に成功した。
  • 7話
冥王星に向かうヤマトを迎撃しに現れたガミラス艦隊と交戦。
高い機動性を生かして頭上や背後から攻撃してデストロイヤー艦数隻を撃沈した。
  • 14話
宇宙気流に足止めされ、艦内にストレスが蓄積。いざこざが絶えず、懲罰で多くの乗組員が格納庫の掃除に駆り出された。
  • 16話
ガミラスのビーメラ星へ向かうタンカーを攻撃。
  • 19話
艦外へ飛び出した相原を救助するために数機が出動。
  • 20話
バラン星の偵察に出た古代の探索艇の護衛に加藤機が同行。
  • 22話
七色星団の決戦において総力出撃。
ガミラスファイターの大編隊と空中戦をおこない、ブラックタイガーにも未帰還機を出しながらも渡り合う。
しかしドメル戦法の前に翻弄され、燃料切れで帰艦した隙を突かれて重爆撃機の攻撃を許してしまう。
  • 23話
ヤマトを攻撃してきたミサイルの破片を採取するために加藤機が危険を承知で出動。
計器が効かない中でもなんとか破片を採取して無事帰還した。


リメイクシリーズ

登場しない。
代わりに登場する「99式艦上戦闘攻撃機コスモファルコン」と言う機体がその役目を引き継いでいる。
ただし、名前がエビじゃなくなりディティールやカラーリングこそ現代航空機的なセンスになっているものの、全体的なシルエットはブラックタイガーのままであり、事実上のリメイク機体。
ということでここからはそのコスモファルコンについて説明する。

99式艦上戦闘攻撃機コスモファルコン

  • 全長:15.9m
  • 全幅:6.8m
  • 主機(エンジン):流星35型(複合輻流式コスモエンジン)
  • 武装
    • 機銃:2丁
    • 機関砲:6門
    • 空対空ミサイルないし空対地ミサイル:機体下部ウェポンベイに最大8発(両翼ハードポイントに追加装備可)

国連宇宙軍空間防衛総隊本土防空隊が運用していた戦闘機で、『宇宙戦艦ヤマト2199』における最新鋭機。高いステルス性を有している他、二次元推力偏向ノズルや機体各所のスラスターにより高い機動性や垂直離着陸能力・ホバリング能力も持っているという優れた機体。
通称は「ファルコン」だが、沖田十三はそれにちなんだ「隼(ハヤブサ)」と呼んでいた。そのため、作中では沖田の「隼下ろせ」の号令によりヤマトから発進するシーンがある。

リメイク版でもコスモゼロの一世代前の機体であるということは変わりないが、こちらは元々地球の絶対防衛圏防空用として開発された局地戦闘機という設定。
ただ、本来ヤマトの主力艦載機となるはずだったコスモゼロが開発遅延のため僅か数機程度しかロールアウト出来なかったため、定数を満たすべくヤマト艦載機として転用された。
ちなみに、ゼロが極東管区(日本)独自の試作機であるため機体各所の注意書きが「きけん」「ふむな」と日本語表記なのに対し、ファルコンは地球全域で用いられるため「CAUTION」「NO STEP」と英語表記という細かい違いがある。

武装は機銃や機関砲に加え、ブラックタイガーと違い対空・対艦・対地ミサイルも装備可能という、その小柄さに似合わない重武装。ちなみに各種ミサイルはステルス性重視のため普段はウェポンベイ内に搭載されるが、必要に応じて主翼両面にある計12か所のハードポイントにも追加搭載可能という設定があり、ペイロードも案外大きいようである。
空対空戦闘から対地・対艦攻撃まで幅広くこなすその姿は、機体分類通りの戦闘攻撃機(マルチロール機)といっても過言ではない。

『2199』作中では第1話において本土防空隊の主力機として初登場。母艦であるポルメリア級強襲航宙母艦を失ったメランカ隊を全て撃墜した。
その後はヤマト航空隊の主力機として主要な戦いで活躍。損耗も大きかったものの、ヤマトの主力航空戦力として奮闘し、その航海を支えた。

続編の『宇宙戦艦ヤマト2202』でも登場。
『2199』において挙げた戦果が評価され、そのコンセプトを引き継ぐ後継機としてコスモタイガーⅡが開発されている。そのコスモタイガーⅡ配備までの繋ぎとして国連統合軍が発展改組した地球連邦宇宙軍で引き続き運用されており、作中ではアンドロメダ級の空母型「アポロノーム」が訓練中に脱走した元ヤマト航空隊の追撃を行った。
その後も引き続き運用されていたようだが、コスモタイガーⅡの配備進行に伴い艦載機としては一線を退いたようである。

ちなみに名称を変えた理由は、『2199』総監督で本機の基本デザインも手掛けた出渕裕曰く「ブラックタイガーと聞くと米軍の『フライング・タイガース*3』のイメージが強いし、何より現代でブラックタイガーというと海老だから」というもの。
そのため、コスモゼロが零戦が元ネタであることから、ヤマト航空隊長の加藤三郎にちなみ、加藤隼戦闘隊こと旧陸軍の飛行第64戦隊が運用していた一式戦闘機「隼」からコスモファルコンと名付けられることとなった。
なお、制式名称も旧海軍が運用していた99式艦上爆撃機から取られたのではないかといわれており、そのためかコスモファルコンも対地・対艦攻撃にも投入され戦果を挙げている。

余談

  • 当初はコスモゼロが主力機と設定されていたが、作画上の都合により、よりデザインの単純なブラックタイガーに変更したといういきさつがある。




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最終更新:2024年11月09日 19:59

*1 なお設定画ではシャークマウスも描かれているが、本編の作画では省かれた。

*2 バンダイのプラモデルだと翼下にタンクが懸架されているが、設定画にも本編にもその様な装備はみられない。

*3 日中戦争時に国民党軍を支援したアメリカの義勇航空部隊。