登録日:2024/01/25 Thu 02:55:00
更新日:2025/04/25 Fri 21:59:54
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だが私は必ずしも「競馬は人生の比喩だ」とは思っていない
その逆に「人生が競馬の比喩だ」と思っているのである
突然だが、あなたにとって「競馬」とは何だろうか。
ただのギャンブルだと言う方。おそらくそれは正解である。
汗水垂らして得た金賭けて、当たれば増えるし外せば消える。それ以上でもそれ以下でもないし、そこに変なドラマ性を見出すなんて野暮な話…かもしれない。
しかしそれでも、そんな
"単なるギャンブル"は多くの人を魅了する。
連綿と受け継がれていく
サラブレッドの血統。
騎手や陣営の並々ならぬ情熱。
そしてそんな雑事に一切気づかず、ただひたすら前に向かって走る競走馬たち。
ファンはそこに自分を重ね、小さな紙切れを握りしめながら応援するのだ。
これは、競馬という運命によって導かれた、"一人"と"一頭"の物語……
■[誕生。試練。]
2005年12月18日、アメリカに住むドーマン夫婦の間に、小さな命が産声をあげた。
とてもかわいい男の子だった。
彼は優しい両親と、後に生まれる妹のもとで、すくすく育っていく……はずだった。
生き物には、遺伝情報を決定する染色体というものが備わっている。
ヒトの場合、22対の常染色体と1対の性染色体で構成される。
そんな染色体のうち、4番目の常染色体が欠損することで発症する病気の一つ。それが、ウォルフ・ヒルシュホーン症候群だった。
NICUに連れていかれる我が子を尻目に、医者が伝える残酷な現実。
WHSの発症率は約5万分の1。根本的な治療は不可。
「長くても生きて2年でしょう」
それが最後の言葉だった。
「どうして私たちの子に限って……」
耳にしたこともないような病名を聞いて、ドーマン夫妻がどう思ったかは定かではない。
しかし、彼らはそれでもあきらめなかった。
出来る限りの治療と、精いっぱいの愛情を。
家族の決意と絆は、どんなものより固かった。
コディーという名を授かった赤ん坊は、そうして、波乱万丈な人生を歩み始めた。
■[お馬さんに、会いたいな。]
幾度におよぶ手術と、度重なる困難。
大人だってくじけそうな試練が、コディーを襲った。
いつ死んでいたとしても、おかしくはなかった。
しかし、彼は闘った。
自分のために、闘った。
みんなのために、闘った。
決して、くじけることはなかった。
……いつの間にか、彼は12歳になっていた。
宣告された余命の、実に6倍。
ドーマン一家の"運命への反抗"は、間違いなく実を結んでいたのだった。
12歳の誕生日、コディーは家族にプレゼントをねだった。
「お馬さんに、会いたいな」
それが、すべての始まりだった。
メイク・ア・ウィッシュ・ファウンデーション。
難病と闘う子供たちの、夢をかなえるボランティア。
コディーの父ケリーは、愛する息子の願いを、その団体に託すことに決めた。
ゲインズバラ・ファーム。
偉大な英国
三冠馬の名がつけられた、由緒正しき名門牧場。
2018年のある日、車いすに乗った少年がその牧場を訪れた。
最高の、誕生日プレゼントだった。
ワクワクしながら馬たちを見つめ続けるコディー。
ふと、自分の膝に変な感触を覚える。
仔馬が一頭、熱心に鼻をつけてるではないか!
仔馬は興味津々に、コディーのことを嗅ぎ続けた。
コディーは、この上ない喜びを感じていた。
■[奇跡は、ロングスパートから。]
最高の牧場体験を終えて数日。
コディーの体を異変が襲った。
胃血管の突発的な破裂。
コディーは、生死の境をさまよった。
悪夢はそこで終わらない。
やっと治まったと思ったつかの間。
世界的に新型コロナウイルスパンデミックが発生。
生活様式変貌の波は、コディーとて例外なくのみ込んでいった。
ただでさえきつい重病に加え、"外出制限"という名の新たな追い打ち。
一般人ですら辛かったその日々が、コディーにとってどれほどストレスだったかは想像に難くない。
いつしか彼は、鬱という病にも苦しめられるようになった。
「コロナ禍で最もきつかったのは、息子の鬱病への対処でした」と父ケリーは後に語った。
コディーを何とかして元気づけたい。
ドーマン一家は悩んだ挙句、彼をもう一度あの馬に会わせてあげることを思いついた。
そう。牧場見学でコディーに懐いたあの仔馬である。
ただ、そうはいっても牧場見学は2年も前の話。
コディーの方はともかく、馬の方が彼のことを覚えているはずもなかった。
それでも、少しでもコディーが元気になってくれれば。
そんな願いをのせて、一家はゲインズバラ・ファームへと向かった。
牧場についたコディー。
久しぶりに大好きな馬たちを眺めはじめた。
おもむろに、近づいてきた馬がいた。
がっしりとした体格の、大きな馬だった。
年齢でいえば、大体二歳くらい…?
間違いない。
あの馬だ。
あの日あの時あの場所で、初めて出会えたお友達。
覚えていて、くれたんだね。
何と、二年の月日を経てなお、仔馬はコディーのことを覚えていたのだ!
久々に会えたコディーに近づいた仔馬、いやもう立派な二歳馬は、あの日と同じく彼の膝に鼻をあてがった。
すると、二度目の奇跡がおきた。
鬱に苦しみ、わずかな笑みすら漏らすことのなかったコディーが、ケラケラと笑い出したのである。
長年寄り添ってきた家族さえ、彼の笑顔を見たのは片手で数えられるほどしかなかった。
そんなコディーが、心の底から、笑ったのだ。
(「どうしてあなたは、この馬とこれほど特別な繋がりを感じるのか」という記者の質問に対し)
だって、アイツは僕を見つけてくれたんだ。
アイツは僕のことを忘れないでいてくれたんだ。
アイツはいつも僕のことを探していたんだよ。
僕とアイツは、同じハートを持っている。
約束したんだ。絶対あきらめないようにしようって。
その二歳馬は後に素質を見出されてW.モット厩舎に所属し、翌年競走馬としてデビュー。
関係者はコディー・ドーマンに敬意を表し、その馬にこんな名前を授けた。
と。
■[僕が見に行かないと。]
満を持してデビューしたコディーズウィッシュ。
関係者の評価も高く、順風満帆にキャリアを積んでいくと思われた。
ところが、初戦で3着に敗れると、次もその次も3着と連敗。
3戦連続で3着となり、中々未勝利戦の突破に至らなかった。
歯がゆい思いをしていたのは関係者だけではない。
当のコディーもまた、友達の勝利を願っていたのだ。
そして、彼はある作戦を思いつく。
病に苦しむ体に鞭打ち、コディーは友の応援に駆け付けた。
その結果、作戦は見事大成功。
4戦目で初勝利をあげたコディーズウィッシュは、破竹の3連勝を決めた。
ウィナーズサークルには毎回、車いすに乗った青年の姿があった。
その後は病の具合もあり、毎度応援しに行くことはできなくなった。
しかし、覚醒したコディーズウィッシュは以降も勝ち星を重ねていく。
そこにはもう、未勝利戦であえいでいた馬の面影は消えていた。
ウェストチェスターS、ハンシンSという重賞二つを連勝したのち、陣営は初のGⅠレースフォアゴーSへの出走を決める。
ところが、ここにはかつてない強豪が存在した。
当年無敗の4連勝、通算GⅠ5勝を誇る名馬ジャッキーズウォリアーである。
本番では、ジャッキーズウォリアーが単勝1.15倍の圧倒的人気に支持された。
ゲートが開き、先頭に立つジャッキーズウォリアー。
気持ちよく逃げたかったが、4番人気パイプラインが外から絡み始める。
最終直線で何とか振り切ったが、スタミナの減耗は明白だった。
最後の最後、2番人気だったコディーズウィッシュが猛然と追い込む。
並ぶ間もなくかわし、先頭でゴール板へ。
初めて浴びるGⅠの美酒は、番狂わせの味だった。
■[キミの願いだ、コディー!]
ブリーダーズ・カップ。
年末の大一番にして、米国競馬最大の祭典。
晴れてGⅠ馬となったコディーズウィッシュは、「最強」を決めるレースへと歩を進めた。
選択したのは、最も得意なダートマイルだった。
"友"が挑む最高峰の舞台。
僕だけ寝ているわけにはいかない。
本番の数日前。
病床に臥していたコディーは、両親におねだりをした。
「新しいスーツを用意してほしいんだ」
「どこに行っても恥ずかしくないようにね」
両親は快諾し、すぐに立派なスーツを用意した。
いつも病衣を着ている息子の、一世一代の晴れ姿。
慣れない服に身を包むコディーは、なぜだかとても格好よく見えた。
ドーマン一家は決戦の地、キーンランド競馬場へ向かった。
車いすにのった正装姿の青年は、目の前でコディーズウィッシュの勇姿を見届けることになった。
運命のゲートが開く。
コディーズウィッシュは、前走と同じく後方待機の競馬を選択した。
第3コーナーあたりから猛然とまくりをかけはじめる。
最後の直線、まず先頭に立ったのはGⅠ2勝馬サイバーナイフ。
しかし、コディーズウィッシュは、彼をしっかり照準に捉えていた。
内で粘るサイバーナイフ。
外から追い込むコディーズウィッシュ。
今にも馬体がぶつかりそうな、至極のデッドヒートが繰り広げられた。
そして……
THAT ONE'S FOR YOU, CODY!
最後方から、最高峰へ。
アタマ差しのいだコディーズウィッシュが、友の目の前で見事に優勝。
父ケリーは感動のあまり、大粒の涙を流しながらコディーにギュッと抱き着いた。
ドーマン一家の大きな夢が、また一つ叶った瞬間だった。
NBCスポーツの名物アナウンサーラリー・コルムスは「願いが遂に結実する!」「キミの願いだ、コディー!」という超絶名実況でコディーズウィッシュを称えた。
このシーンは、一年の中で最も人々の心を掴み、競馬の価値向上に寄与したことを称える賞「セクレタリアト・ヴォックスポプリ賞」に認定された。
…そしてこの4時間半後、
一頭の神話生物が、
このレースより速いペースでマイルを走り"史上最強"の玉座に蹄を置くことになるが、それはまた別のお話。
まるで何かの魔法みたいだったよ。
本当に沢山の人が喜びに満ち溢れていたんだ。
コディーズウィッシュ。
僕は君のことを心の底から誇りに思う。
……神様には感謝しないとね。
こんな経験をさせてくれたんだから。
アイツは僕の命を救ってくれた。間違いなくね。
ブリーダーズカップでの体験が、あの後もコディーを前進させてくれたのだと、私は思います。
今、コディーは頑張って回復に向かってますよ。
■[立ちはだかるは、葦毛。]
明けて5歳となったコディーズウィッシュ。
始動に選んだのはGⅠチャーチルダウンズS。
挑戦する側にいた2022年。
挑戦を受ける側に立った2023年。
初めての、チャンピオンとしての戦いだった。
ふと、客席に目をむける。
そこにはあの日と同じ、正装に身を包んだ青年とその家族がいた。
聞こえないはずの応援は、確かに友へ届いていた。
いつも通り最後方から進めるコディーズウィッシュ。
最後の直線、先行していたホイストザゴールドをとらえると、あっという間に突き放す。
その差は、ぐんぐんと伸びていった。
CODY'S WISH roars back!!
再びラリー・コルムスの名実況に彩られ、コディーズウィッシュは4馬身差の圧勝を決めた。
コディーの優しい妹カイリーは、人目もはばからず感動の涙を流した。
ドーマン一家の周りだけではなく、場内全体からあがる大きな歓声。
コディーズウィッシュはもはや、みんなの愛馬となっていたのだ。
220ボルトの電流が流れたような感覚ですよ。
こんなとてつもない体験、したことありません。
……ごめんなさい。今は何と言葉で表したらいいか、さっぱりです。
一か月後、伝統あるGⅠ、メトロポリタンハンデキャップに出走。
トップハンデを背負ったコディーズウィッシュだったが、ここでも見事に後続を突き放し、3馬身差の大楽勝。
これで合計6連勝。GⅠ通算4勝目。
彼の勢いを止める者は、もういないように思われた。
次走に選ばれたはGⅠホイットニーS。
9ハロン(=約1800m)の舞台は、二年ぶりの挑戦。
未勝利に苦しんでいた、あの頃の自分はもういない。
距離延長の不安なぞ、恐るるに足りなかった。
ゲートが開き、後方へ下げるコディーズウィッシュ。
しかし観客は驚かない。
最後の鬼の末脚が、全てを切り裂くはずだから。
最後の直線。
期待に違わぬ捲りを見せるコディーズウィッシュ。
しかし、このレースのヒーローは彼ではなかった。
ホワイトアバリオ
泥まみれの情景に、白く映えるは葦毛の戦士。
彼の最後の末脚は、王者を軽く置き去りにした。
事前予想をひっくり返す、6馬身差の圧勝劇だった。
先行馬に末脚で負けてはなすすべがない。
ホワイトアバリオ圧勝の陰で、コディーズウィッシュは3着敗退。
連勝は6でストップした。
ホイットニーSから約3カ月。
全米現役最強を決める総決算とも言える
GⅠBCクラシック。
葦毛の勇者は、砂の頂点に挑むことになった。
地元のライバルに加え、
ドバイを制したチョコボ異国の刺客など、多くの強豪が立ちはだかった。
本番では、いつも通り好位からの競馬を選択。
最後の直線、早めに先頭に立つホワイトアバリオ。
追い込みをかける他馬を置き去りにし、見事先頭でゴール板を駆け抜けた。
ダート大国アメリカの、意地を見せつける勝利。
"少年の願い"を超えた先には、輝く玉座が待っていた。
…後のBCクラシック馬が相手では仕方ない。
時系列を巻き戻して、コディーズウィッシュはBC前哨戦のGⅡヴォズパークSへ登録。
得意舞台の7ハロンで、隙を見せる程やわじゃない。
今度こそいつもの末脚を見せ、余裕の勝利を決めた。
確かな手応えを感じた陣営。
年末の大一番として、前年制覇したBCダートマイルの連覇を目標にスイッチ。
そして、このレースこそが
願いの旅路の最終章になったのである
■[そして、あなたの。]
運命の日。
コディーズウィッシュ最後の勇姿を見届けるべく、全米から多くの観客が集まった。
有力馬の回避のせいか、あるいは期待の表れか。
単勝オッズは1.8倍と、圧倒的支持を集めた。
チャンピオンがいたのはパドックだけではない。
観客席の中心にいたのは、車いすにのる正装姿の青年。
二年の余命を宣告されながら、幾度もの試練に打ち勝ち、十七年間生き続けた「真のチャンピオン」の姿がそこにはあった。
正真正銘、最後のゲートが今開く。
ラストランでも、やることは変わらない。
コディーズウィッシュはいつも通り、最後方からの競馬を選択した。
…ところが、ここで思わぬ誤算が生じる。
一番後ろなのはいつもと同じだが、少々前との距離が近すぎたか。
コディーズウィッシュのポジションは、前の馬の蹴り上げる砂をもろに食らう位置になってしまった。
馬というのは非常に繊細な生き物である。
砂を被るというだけで、臆病な馬なら途端に走る気なんて削がれてしまう。
仮に平気だったとしても、
パフォーマンスが落ちることは明白だろう。
そのため、ダート戦は原則、砂を被らずスムーズにレースを運べる外枠の方が有利とされている。知らなかった人はメモしておこう。
最後の直線。
悠々逃げていた3番人気ナショナルトレジャーが先頭に立つ。
するとそこに、泥まみれの馬が一頭猛然と追い込んできた。
綺麗な鹿毛はぐちゃぐちゃで、もはや色さえわからない。
並大抵の馬なら、やる気をなくして当然のはずだった。
しかし勢いは止まらない。
あんなに泥をかぶってなお、末脚は全く衰えない。
汚れた馬体の奥底では、混じり気の無い想いが燃え盛っていた。
逃げ粘るナショナルトレジャー。
追い込みを図るコディーズウィッシュ。
同じ鹿毛馬のはずなのに、二頭の色は真逆だった。
馬体をぶつけ合う激戦の末、二頭並んでゴールイン。
そして……
AND THANK YOU CODY'S WISH!
檄に応えたコディーズウィッシュが、ハナ差さしきり堂々の優勝。
自身の現役生活を、最高の形で締めくくった。
観客席では、コディーに抱きつく父ケリーの姿が。
その眼には、大粒の涙が浮かんでいた。
実況担当ラリー・コルムスは、全観客を代表して、あるいは一人の競馬ファンとして、一人と一頭のチャンピオンに心からの言葉を叫んだ。
「ありがとう」と。
ハリウッドストーリーの最後には、ハリウッドエンディングが待っていた。
これ以上の"脚本"を著すことは、誰にもできない。
───馬主ゴドルフィン代表 マイケル・バナハン(項目作成者訳)
■[Thank you Cody Dorman]
BC連覇達成の夜。
友の勇姿を見届けたコディーは、家族と共に帰路へついていた。
その途中、突然体に異常が発生。
家路についていたこともあり、治療が間に合うことはなかった。
コディーズウィッシュのキャリアを見届けてから、わずか一日での逝去。
悲痛な出来事であることは間違いないが、親友のラストランを見届けられたことはせめてもの救いであったと信じたい。
遺族は声明の中で、「コディーが空から私たち全員、特に世界一の妹であるカイリーを見守ってくれるよう祈っている」と述べた。
コディーの死に対し、多くの個人や団体からメッセージが寄せられた。
その中には何と、ブリーダーズカップ主宰団体からのものもあったという。
一方、現役生活を終えたコディーズウィッシュはジョナベルファームにて種牡馬入り。翌2024年1月26日にはアメリカ競馬の年度表彰・エクリプス賞において、23年の年度代表馬と最優秀古牡馬のダブルタイトルに輝いた。
そしてエクリプス賞プレゼンターは年度代表馬発表の場で1人の少女に舞台を譲った。カイリー・ドーマン。この名は、彼女が読み上げるべきだと確信して……
順当にいけば、2027年に彼の産駒はデビューとなる。
空からコディーに見守られながら、ハリウッドストーリーはまだまだ続く。
コディーズウィッシュ
父:カーリン
母:ダンスカード
母父:タピット
調教師:W.モット
馬主:Godolphin
通算戦績:16戦11勝[11-1-4-0](完全馬券内)
主な勝鞍:
'22 フォアゴーS(GⅠ)、BCダートマイル(GⅠ)
'23 チャーチルダウンズS(GⅠ)、メトロポリタンH(GⅠ)、BCダートマイル(GⅠ)
主な表彰歴:
'22 セクレタリアト・ヴォックスポプリ賞
'23 エクリプス賞年度代表馬、最優秀古牡馬、セクレタリアト・ヴォックスポプリ賞
特記事項:
BCダートマイル連覇(史上二頭目)
2023年ロンジンレーティング124ポンド(米国一位/ダート馬一位)
そのあまりにドラマチックな馬生ばかり取り上げられがちだが、コディーズウィッシュは米国競馬史上でも指折りの名マイラーである。
生涯馬券内を外さなかった安定感に加え、GⅠは通算5勝をマーク。
2023年の公式レーティングでは、晩年のライバルホワイトアバリオと並び米国一位の値をもらっている。
戦法は一貫して後方待機からの差しあるいは追い込みだった。
上述の通り、ダートにおいてこの戦術は砂を被るリスクが高く決して褒められたものではないのだが、コディーズウィッシュはそれでも勝ち続けた。
裏を返せば、それほど確固たる実力があったのだといえる。
しかし、やはりこの馬を語る上ではコディー・ドーマン氏の存在は欠かせない。
まるでおとぎ話のようなストーリーだが、この項目の内容は決して項目作成者のイタい妄想などではなく、概ね実際に起きたことである。
「事実は小説より奇なり」。そんな言葉を体現したような馬だったといえよう。
とにかく、まだ見たことのない人は一度でいいから2022年BCダートマイルの映像をご覧いただきたい。
競馬の本質をありのままに映したような、あるいは何故人々が競馬に魅了されるのかを教えてくれる伝説の名勝負である。
コディーには歩ける脚がありません
あの馬はきっと、コディーのものだったはずの脚をもっているのだと思います
"二人"が合わされば
きっと、完璧になれます
- ウソのようなホントの話。競馬の神様は時々お茶目でこういうコトするから困る。 -- 名無しさん (2024-01-25 09:37:03)
- こんなん脳焼かれるだろ…創作ならやり過ぎっていわれるレベルだぞ… -- 名無しさん (2024-01-25 12:03:38)
- 神はいるかと聞かれれば、時々馬の姿で現れると答える -- 名無しさん (2024-01-25 20:01:32)
- 読んでて涙出るかと思った 良い記事をありがとう -- 名無しさん (2024-01-25 21:33:08)
- つい読み流してしまったが、2021年のBCって、この30分後&2時間30分後にアレがあったんだよな・・・なんだこのよくばりセット。現地に行けた人が羨まし過ぎる。 -- 名無しさん (2024-01-26 11:03:38)
- ↑見返したら2022年だった・・・穴があったら入りたいorz -- 名無しさん (2024-01-26 12:01:00)
- ホワイトアバリオとアルカンジェロをおしのけ年度代表馬認定。ドラマ性だけでなく、普通に「強い」なこの馬 -- 名無しさん (2024-01-26 18:32:38)
- 何百年か前の不思議なエピソード、じゃなくて本の数ヶ月前までリアルに紡がれてた奇跡ってのが凄い -- 名無しさん (2024-01-26 20:59:34)
- 事実は小説より…だなぁ。恥ずかしながら全く知らなくて、この項目読んで軽く泣きそうになったぞ俺。 -- 名無しさん (2024-01-26 22:17:22)
- 項目名に(競走馬)を付ける事を提案します -- 名無しさん (2024-01-30 02:33:58)
- 変更 -- 名無しさん (2024-02-09 04:07:35)
- しました -- 名無しさん (2024-02-09 04:08:00)
- 神はいる。そう思った -- 名無しさん (2024-02-18 08:26:29)
- メンコも着けずにモロに泥被ってる状態で叩き合いを制するとか強すぎるんだよな。アメリカの名馬ってこういうシンプルにめちゃ強いのとドラマチックなエピソード持ってる馬多いイメージ。 -- 名無しさん (2024-04-18 02:10:12)
- 感動的なお話だけじゃなく、戦績まで優秀という名馬。映画作れるわこんなん… -- 名無しさん (2024-06-04 11:05:00)
- コディー・ドーマン氏の名前はこの馬の名前とともに歴史に残る。 -- 名無しさん (2024-07-17 20:13:05)
- ハリウッドで映画化して欲しい -- 名無しさん (2024-08-19 20:51:32)
- お涙頂戴系の逸話以外に特にないって訳じゃなくむしろそっちがおまけで、アメリカ史上最強マイラーと推す人がいてもむしろ当然という戦績がイカつい馬 -- 名無しさん (2024-08-20 21:02:12)
- 映画化決定と聞いて -- 名無しさん (2024-10-09 07:52:03)
- 映画になるんだってね。すごいや -- 名無しさん (2024-11-03 06:33:36)
- オルフェ然りコディー然り誰かの為に、約束を果たす為に走る感情があるのかなって… 産駒がドーマン一家と逢えたらしいね… -- 名無しさん (2025-04-25 21:59:54)
最終更新:2025年04月25日 21:59