トッパーのえんぴつ

登録日:2024/02/10 (土曜日) 05:55:27
更新日:2024/02/11 Sun 15:36:00
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『トッパーのえんぴつ』は、デンマークの児童文学作家オーレ・ロン・キアケゴーの作品。描いた絵を実物にする能力を持つ鉛筆で少年が描いたサイの起こす騒動を通して、
子供の自由と創造力に対する大人の権威と規則、子どもと大人の視点の対比を描く。
原題は『Otto er et nasehorn(オットーはサイ)』。キアケゴーはこの作品で74年に国際アンデルセン賞優秀作品賞を受賞した。

1983年に実写化、2013年に3Dアニメ化されている。
日本の劇場では未公開だが実写版は『魔法のサイ、オットー』の邦題でNHK教育で放映された。

あらすじ

父親が不在で暇を持て余す少年トッパーは、港で鉛筆を拾い、空き箱に魚を落書きし、町の壁に好きな女の子シルレの名前を書くが、そこに本人がやってきた。
慌てて隠そうとするトッパーだが、そこには何もなく、シルレはトッパーを怪訝そうに見ながら去って行った。
鉛筆で描いたものが消えることを知ったトッパーは、親友のビゴーを誘い母親の不在中に家のリビングに大きなサイを描く。
そのころ港では企業のロゴの描かれた奇妙な魚が見つかりちょっとした騒動になっていた。
トッパーの予想に反し、家のリビングには壁紙の柄のサイが出現し、家具を食べ始める。大量のパンを買い込む子供たちからやがてサイの存在が知られ、
下の階のフロラ夫人や管理人のホルムさんはサイを可愛がるが、物件の持ち主であるビゴーの父は動物園や警察署に電話してサイを追い出そうとするが信じてもらえない。
やっと話を聞いてくれた消防士たちがやってくるが人数が多すぎたのでアパートの床を踏み抜き、フロラ夫人が皆にコーヒーを振る舞う。

登場人物

トッパー

アパートの3階に住むやんちゃな少年で、主人公。父親が船乗りで不在のため、退屈な日々を送っているが、想像力が豊かで冒険好き。

ビゴー

1階に住むトッパーの友だちで、サイの世話を手伝う。トッパーと対照的に父親が口うるさくて困っているが、やんちゃで楽しいことが好き。

オットー

トッパーが鉛筆で描いたサイで、本物になった。大きくて力強いが、おとなしい性格。お腹をすかせると何でも食べる。

フロラ夫人

トッパーたちの下の階の住人。耳が遠いがコーヒーを淹れるのが上手く、サイにコーヒーを振舞う。

ホルムさん

アパートの管理人で、フロラ夫人に憧れている。サイのえさ探しに協力する。子ども心を忘れていない。

オットー・ライアン(ライオン)

1階でカフェを営むビゴーの父親で、頭が固く子どもたちの気持ちを理解せずビゴーからサイとあだ名されており、サイを嫌がり追い出そうとする。
鉛筆を取り上げて地下室にビール樽を描くが、ビールが無限に湧き出して困り果てトッパーに降参する。
原語での姓はデンマーク語でライオンを意味する「レーヴェ」だが、ライオンとサイの対比を日本人にわかりやすくするためか岡崎晋訳では「ライアン」NHK訳では「ライオン」と変更されている。

消防士たち

ライアンの通報を受け、サイを捕まえようとするが、床が重さに耐えられずに失敗する。

シルレ

トッパーの好きな女の子。トッパーのことは変人だと思っていたが、サイのえさ探しを通じてトッパーと急接近する。

トッパーの父

港ごとに恋人がいると豪語する船乗り。トッパーの自慢の父親だが現在は出張中。


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最終更新:2024年02月11日 15:36