ザ・ウィーケストリンク(クイズ番組)

登録日:2024/07/21 Sun 03:21:00
更新日:2025/04/28 Mon 22:03:35
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「ザ・ウィーケストリンク」は賞金をかけた協力対戦型のクイズ番組である。
元々はイギリスで放送された番組で、日本ではフジテレビ系列で2002年4月から半年間放送された。

概要


イギリスの公共放送であるBBC Two*1が2000年から放送していた番組で、世界各国へとフォーマット販売が行われ同じ英国発のクイズ番組「Who Wants To Be a Millionaire? (クイズ$ミリオネア)」と人気を二分した実績を持つ。

暗いスタジオの中クールでソリッド、重々しい雰囲気のクイズ番組という点はミリオネアと同じだが、
常に孤独な闘いとなるミリオネアに対し、こちらは複数人の参加者が協力し合うと同時に蹴落とし合うというシビアなサバイバル型の形式となっている。

また司会者は「一切笑わず」「冷徹に進行する」という、これまたミリオネアとは対照的なスタイル。これはオリジナルであるイギリス版の初代司会を務めた辛口コラムニストのアン・ロビンソンの芸風が元だったのだが、フォーマット販売にあたり司会者は同様のキャラで進行するよう指定されるようになったという。

日本版ではミリオネアの二匹目のドジョウを狙ったフジテレビが「ウィーケストリンク☆一人勝ちの法則」として2002年4月8日から放送開始。
MCは伊東四朗で、伊東家の食卓など他の番組で見せていた朗らかな一面を完全封印。淡々と容赦なく参加者を追い込むコワモテ全開で司会を務めていた。
しかし協力と蹴落としを同時に行うという方向性が日本人にマッチしなかったか、はたまた裏番組だった赤坂の遊園地麹町の名探偵が強すぎたのか、
徐々に効果音やテロップなど日本のテレビ的なローカライズを進めていったものの効果は出ず、半年後の9月16日で打ち切りとなってしまった。

ルール


複数人の参加者*2が即席チームを組み、高額賞金の獲得を狙う。
1ラウンドごとに賞金を増額していくと同時に1人が脱落していき、最終的に残った1人が皆で積み立てた賞金を総取りする。
番組の冒頭、参加者はまず氏名・年齢・出身地・職業を一人ずつ述べる(他番組における出場者の紹介)。

クイズラウンド

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ラウンド毎に設定された制限時間いっぱいまで、1人ずつ順に一問一答のクイズへ口頭で解答していく。司会者は答えが当たっていれば「正解」、間違っていれば答えを述べて次の解答者に繋ぐ。
全体としての制限時間はあるが1問における制限時間はないため、ルール上は分からなければ時間を使って考えても構わない。

1問正解するたびに「マネーツリー(賞金表)」に従って獲得できる賞金が雪だるま式に膨れ上がる。
日本版のマネーツリーは以下の通り。
正解数 賞金
8 ¥2,000,000
7 ¥1,500,000
6 ¥1,000,000
5 ¥500,000
4 ¥250,000
3 ¥100,000
2 ¥50,000
1 ¥10,000

しかし誰かが誤答する度に賞金は0にリセットされてしまう為、最高賞金額に到達する難易度はかなり高い。

そこで解答者は自分の解答順が来た時、問題の読み上げが始まる前に「BANK」とコールすることで、現在の賞金をチームに確保・積み立てることができる
代償としてマネーツリーの金額は0から再スタートになるが、BANKによって確保した賞金はいくら誤答しても没収される事は無い。

極端な話、解答順が来るたびに全員がBANKをコールすれば、単純に正解する度1万円ずつ賞金が増える状態にできるという事である。
だが、そんな事をしても端金しか稼げない。そのため基本的には連続正解でマネーツリーの賞金を育てつつ、程よいタイミングでBANKをコールして収穫していくという戦略が基本となる。

タイムアップになった段階で、BANKにより確保していた賞金がそのラウンドでの獲得賞金額となる。
そのためどれだけ賞金を上げていても、最後にBANKされていないまま時間切れになった場合は無効う。
また1ラウンドの賞金上限額はマネーツリーの最高額と同じ(200万円)になっており、BANKで積み立てた分かマネーツリーの金額がそこまで増えた場合、どれだけ時間が余っていてもそこでクイズ終了となる。


……さて、ここまでクイズのルールを説明した所でこうは思わないだろうか。
これってクイズできないバカが1人紛れてるだけで賞金が全然増えていかないんじゃないの? ……と。
まさしくその通りで、参加者の人数が多い序盤ラウンドでは高額賞金の積み立てはかなり稀。
大抵は司会者から「はっきり言って少なすぎます」「呆れました。どうしたというんでしょうか」などとなじられる事になる。

そして、「次のラウンドでもっと賞金を獲得する為に」と司会者に促され、
参加者たちはクイズの後にある1つの決断を行うことになる。

投票

足を引っ張った人、
ウィーケストリンクが誰か書きなさい!

チームに不要な足を引っ張る人=「ウィーケストリンク」を追放する事である。
生き残っている参加者が1人1票ずつ追放したい参加者を記名投票し、最も票を集めた1人が追放となる。
なお最多得票者が複数名居た場合、クイズパートで最も正解率が高かった人=「ストロンゲストリンク」が候補者の中から独断で決定する。

なおこの投票にあたって事前の会議や正解率の提示などは行われず、参加者それぞれの印象でいきなり票を投じる事になる
そのため単に正解率が低い人が必ず追放される訳ではなく、印象に残る珍解答を残した人や高額賞金のかかった問題で失敗した人、長考して時間を使った人が追放されるというケースも多い。

とは言え、確実にちゃんと正解し続けていれば生き残れるはず ……という考えも甘い。
この番組の最後に待っているのは残った2人のクイズ対決である。よって賞金がある程度溜まった後半戦は賢いヤツ、デキるヤツを追放した方が自分が勝つ可能性が大きくなるため、正解率の高いプレイヤーに投票が集まる状況が発生する
チームの足を引っ張る人を追放していたのが、自分の足を引っ張る人を追放する事にいつの間にかすり替わっていくのである。

そして開票を行い誰が退場になるかが決まった後に、改めて司会者から各解答者へ珍解答やミスプレイに対するイジリと、なぜその人へ投票したのかを聞くトークタイムとなる。
この時司会者から本当の(正解率が最も低い参加者を指す)ウィーケストリンクも改めて発表される。
そして軽くトークが済むとウィーケストリンクに選ばれた人は「〇〇君、退場!」と宣告され、即スタジオから退場となり以降画面に映る事は無い。


ファイナルラウンド

以上のクイズラウンドと投票を繰り返し、残り2人になった時点でファイナルラウンドとなる。

ファイナルラウンドではまず通常と同様にクイズラウンドを行うが、獲得賞金額がBANK額の2倍*3になるボーナスラウンドとなっている。
そして投票の代わりにサッカーのPK戦方式で行う1vs1のクイズ対決「ヘッド・トゥ・ヘッド」で賞金を総取りする優勝者を決定する。

Head to Head(ヘッド・トゥ・ヘッド)

参加者2人に対し1問ずつ交互にクイズが出題され、口頭で解答を行う。
先行・後攻は直前のボーナスラウンドでの「ストロンゲストリンク」が決定する。

1人に対し5問出題し、正解数が多かった方の優勝。今まで積み立ててきた賞金を総取りできる。
仮に同点で両者5問を終えてしまった場合はサドンデスに突入し、点差が開いた段階で決着となる。
また出題数が5問に満たない場合でも、以降全て正解しても取り返せないほどの点差が開いてしまった場合もその時点で決着。


余談

  • 「ウィーケストリンク」とは、イギリスのことわざ "A chain is only as strong as its weakest link."(鎖の強さは一番弱い輪に左右される) から転じて「(そのものの中で)最も弱い要素」を指す。弱い人を排除しより強いチームで賞金を狙うこの番組のコンセプトを端的に表した単語と言えるだろう。
  • 司会の伊東四朗は出演者に対して一律して「君」付けしていた。これは後に同じくフジテレビで司会を務めたクイズ番組「脳内エステ IQサプリ」でも同様だった。
  • めちゃイケがミリオネアのパロディコーナーを放送したように、ウィーケストリンクも「とんねるずのみなさんのおかげでした」が本物のセットとBGMを使い暴露大喜利大会としてパロディコーナーを行っていた。問題はキワどいパーソナルクイズとなり、正解・不正解は司会の石橋貴明のさじ加減しだいというもの。
    • 番組終了後もフォーマット利用許諾の期間が残っている間は引き続き行われていたが、それが切れると「ドーンゲストリンク」という建前上無関係なコーナーとしてセットとBGMを新調して続行された。コーナーとしては人気だったか、はたまたとんねるずやスタッフのお気に入りだったのか。



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最終更新:2025年04月28日 22:03

*1 日本でいう所のNHK教育→Eテレのようなもの

*2 国ごとによって異なる。日本版は6~8人だった

*3 放送国によっては3倍のこともある