宇宙救命ボート(ドラえもん)

登録日:2024/08/17 Sat 21:57:42
更新日:2025/04/21 Mon 18:27:55
所要時間:約 5 分で読めます





やあ、大きな機械だね。それなに?

「宇宙救命ボート」
たとえば地球が爆発するようなとき、
これにのってにげだすの

宇宙救命ボートとは、漫画ドラえもん』に登場するひみつ道具。
初出はてんとう虫コミックス21巻収録の「行け! ノビタマン」

【概要】

円錐台の形をした乗り物であり、扉が一つに丸窓が二つ。上部にも乗れるようになっているのか円形の手すりのようなものがついている。
内部は何人も乗れるくらい広いが、操縦席らしいものはなく目に見えるのは壁面のボタンが一つだけ。
この道具は言わば避難用の宇宙船であり、ボタン一つ押すだけで発射され、全自動操縦で人間が住めそうな星を自動で探して着陸してくれるというもの。
ワープ機能も備えており、かなり遠くまで航行できる。
ただし一度ボタンを押したらキャンセルできず、どこかの星に着くまでは止まらない仕様になっている。が、到着先でまたボタンを押せば再び元の星に戻れるため取り消しが効かない他の秘密道具と違いそこまで深刻な事態にはなりにくい。
ただし初使用時には墜落してしまい、直るまで帰れない事態になったことも。*1


後の話では「条件を絞り込んで星を探す機能」や「探査ユニットに物質を入れるとその物質がある星を探す機能」など話の都合に合わせて段々と便利な機能が明らかになっていった。
またAIも搭載されているようで、大長編では先述の機能で検索をかけた際「コノ物体ガ存在スルトコロハ星デハアリマセン」と返答したり、攻撃を受け損傷した際も警告音声を出していたりする。

原作で5回+大長編で2回+ゲームで2回と、どこでもドアやタイムマシンほどでないにしろそこそこ出番を貰えているひみつ道具の一つ。
これは手軽に宇宙に旅立って他の星に飛び立てる道具としての利便性が話の軸に使いやすいためと思われる。


【作中の活躍】


・「行け! ノビタマン」
てんとう虫コミックス21巻にて初登場。
いざという時に使えるようにドラえもんが庭に出して手入れしていたが、紹介がてら中に入った際のび太が興味本位で発射ボタンを押した結果、別の星へ派手に墜落。治るまで帰れない事態となった。*2
この星はほぼ地球と同じ人類・文明があるようだが、警察も手を出せないギャングが蔓延っている状態らしい。
しかしこの星にはもう一点地球とは決定的に違う点があり…。


・「のび太も天才になれる!?」
てんとう虫コミックス32巻にて登場。
初登場のときと同じようにドラえもんが手入れをしていたが、中に入ったのび太がじょうだんのつもりで発射ボタンを押したせいで、今度はのび太一人で他の星へ着陸することとなった。
学習しないヤツ…
しかし、今度着陸した星ではなんと文明どころか街・人間など全てが地球と全く一緒であり、ジャイアンスネ夫 しずかやのび太の両親まで同じ。のび太はママに叱られ「地球へもどったんじゃないか!」と思い込んだほど。
だが、ここも前回と同じく地球とは別の星であり、ある部分で大きな違いが…。


・「めいわくガリバー」
てんとう虫コミックス36巻にて登場。
ほかの子より数年遅れて生きているのび太がガリバー旅行記におけるガリバーに憧れ、小人の星を探すために使用。
この際に「小さな人間のいる星」という条件を絞り込んで探せる機能があることが判明した。


・「気まぐれカレンダー」
てんとう虫コミックス41巻にて登場。
こちらではのび太が気まぐれカレンダーを適当にいじったせいで、「地球の地軸が揺すられ地球の自転も公転も止まり、地球が太陽に引き寄せられ消滅する!」とドラえもんが言い放つ事態に。
泣いて慌てるのび太をよそに、地球から逃げ出すために宇宙救命ボートに乗り込むドラえもんとパパママ、親戚のおじさん。しかしのび太がしずかを呼ぼうとしている間にタイムリミットを迎え、宇宙救命ボートはのび太を置いて出発してしまう。
絶望と後悔に押しつぶされるのび太だったが……


・「流れ星ゆうどうがさ」
ドラえもんプラス5巻にて登場。
流れ星にお願いするため、その流れ星を実際に捕まえる道具として「流れ星ゆうどうがさ」を取り出したドラえもん。
しかしそれでのび太が捕まえたのは宇宙を漂うSOSカプセルだった。
この話で宇宙救命ボートはそのSOSカプセルを辿って持ち主を助けに行くために使用された。


・「迷子のパオパオ」
わさドラ版のアニオリにて登場。
地球に迷い込んできたパオパオを元の星に返すために使用。
パオパオが住む星しか手に入らない花を探知ユニットに読み込ませたことでパオパオを元の星に返すことができた。
ちなみにパオパオを送り返した数ヵ月後、パオパオはお礼としてのび太がパオパオに吸い込ませた0点の答案用紙を探知ユニットに読み込ませて大量のパオパオの星の花をのび太の家に届けた。


・「ドラえもん のび太とアニマル惑星
大長編シリーズ第10作にて登場。
どこでもガスが切れた中で、アニマル惑星へ向かうために使用。
のび太が偶然手に入れたホタルブクロの押し花を探査ユニットに読み込ませることで無事星にたどり着くことができた。
ロミちゃんをさらった敵を追いかけるためにジャイアンが無理やり起動させ中々のスピードを見せて差を詰めたりもしたが、戦闘用ではないため、武装した敵宇宙船からあっさり攻撃を食らって撃ち落されてしまった。
映画版では探査ユニットに何も読み込ませずに起動させたせいで目的地がアニマル惑星のままだったので、そのまま逆戻りして川に落ちてしまった。


・「ドラえもん のび太の宇宙漂流記
大長編シリーズ第19作にて登場。
宇宙人にさらわれた(と思われる)ジャイアンとスネ夫を救うため、その宇宙船の主が落としていったとされる石を探知ユニットに読み込ませて追いかけるために使用された。
その際「コノ物体ガ存在スルトコロハ星デハアリマセン」と警告していが、一応星ではないところでも出発はできるらしい。
辿り着く際にエネルギー波の直撃を受け破損。ドラえもん達は船を乗り捨てざるを得なかった。

・「ドラえもん のび太と復活の星」
プレイステーションおよびセガサターンで発売されたゲームにて登場。
冬休みの旅行としてジャイアンがこれを利用した惑星冒険を提案して、それにいつものメンバーが参加。
「条件を絞り込んで星を探す機能」で人間が住める環境の星を選んで向かったが、何かに衝突して故障・不時着した。
不時着した星でボートの修理は成功したが、この星は過去に発展した文明によって荒れ果てたため、コンピュータによる環境再生中。
人々はそれが完了するまで宇宙ステーションで冷凍睡眠中だったのだが、よりによってボートが衝突したのがそのステーションであり、その影響でコンピュータが誤作動、人々の命が危ぶまれることになってしまった。*3
これに対してのび太は、自分の道具や提案がこの事態を招いた事に責任を感じるドラえもんとジャイアン、地球もまたこの星と同じ末路を迎えるのではないかと思い悩むしずか、自分達には関係ないと地球に帰りたがるスネ夫と不和を抱えるいつものメンバーを心配しつつも人々を救うため、コンピュータから外敵とみなされ攻撃を受けながらも、その正常化のためにステーションに向かうのだった。

・「ドラえもん 緑の惑星ドキドキ大救出!」
ゲームボーイアドバンスで発売されたゲームにて登場。
裏山に落ちた隕石から、緑の惑星ジアスターを助けてほしいというホログラム映像を見たいつものメンバーが救出を決意。
「探査ユニットに物質を入れるとその物質がある星を探す機能」で隕石を使って惑星に向かった。
惑星到着寸前、ジアスターのエネルギーを宝石にして荒稼ぎを企む敵の二人組に攻撃を喰らい不時着する。


「やあ、大きなアニヲタだね。それなに?」
「項目救命ロボット」
「たとえば項目が爆発するようなとき、これで追記・修正するの」

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最終更新:2025年04月21日 18:27

*1 その時に着陸したのは地球よりも引力が弱い星だったため、墜落したのはそれが関係している可能性はある

*2 ドラえもんも具体的な直し方が分からないらしく「でたらめにいじってみてる。永久になおらないかもしれない」と発言している

*3 ただし、ドラえもんが主役のルートだと「宇宙究明ボートの衝突程度で誤作動するはずがない」と言及されている。が、結局誤作動の本当の理由は分からずじまいであった。