ジャイアン(剛田武)

登録日:2012/02/08(水) 05:45:54
更新日:2020/04/30 Thu 08:19:46
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ボエ~~~!
(おっれ~はジャイア~ン!)
(ガ~キ大将~!)


ジャイアン(剛田武)とは、漫画『ドラえもん』に登場するガキ大将である。


【演じた人】

  • 肝付兼太(日テレ版アニメ)
  • たてかべ和也(テレ朝版アニメ初代)
  • 木村昴(テレ朝版アニメ二代目)
  • カイジ タン(アメリカ版)
  • 脇知弘(舞台「のび太とアニマル惑星」)
  • 小川直也(トヨタのCM)

意外にもテレ朝版で初代スネ夫を務めた肝付兼太氏が日テレ版で担当している。
声優としても、つくづくスネ夫と縁があるようだ。
ただ、肝付氏も当時の事は覚えておらず、カラーであったはずが白黒と勘違いしている。
現在声優を担当している木村昴氏は今のドラえもんレギュラー陣の中で最年少であり、一人だけ異常に若い(1990年生まれ)。わさドラ開始当時は、「新しいジャイアン役が14歳」という事実に驚く人が多かった。
因みに、最年長はスネ夫役の関智一氏。


【人物】

野比のび太のクラスのガキ大将。骨川スネ夫とつるんで、よくのび太をいじめている。のび太の眼鏡が何回壊されたかは既に定かではない。
横暴が服を着て歩いているような性格。
スネ夫は舎弟に近い友人であり、彼の新しいおもちゃを強引に借りては壊す事も多数。
その被害総額は、子供のお小遣いじゃ払えないような相当な額になっているものと思われる。

「おまえのものはおれのもの おれのものもおれのもの」というセリフはあまりにも有名で、「ジャイアニズム」という言葉まで生まれるほど。
平然と他人の物(主に漫画)を奪っては未来永劫返そうともしない。
子供だからまだ母ちゃんにこっぴどく叱られる程度で済んでいるものの、大人が同じ事をやれば窃盗罪・強盗罪で牢屋にぶちこまれるべきレベルの事をやっている。
また、「ムシャクシャしてるから殴らせろ」「新しいバットを買ったから殴り心地を試させろ」等というセリフも結構有名。
…予めちゃんと宣言してくれるのは、彼なりの優しさだろうか。いずれにせよ理不尽極まりないので、到底許せるような代物ではないのだが。
一度無表情&無言で手招きして、無警戒に近寄ってきたのび太をいきなり「俺は今ムシャクシャしてるんだ!」と殴りかかる不意打ちを見せた。普段と逆のパターンなので見事ひっかかった。

その他にも、軽く殺人未遂のようなことをした事も。
原作ではスネ夫に対して「殺してやる!」とも言っていた。

また「さからうものは死けい!」「アハハ。いい気持ちだ。」等独裁者全開な暴言を吐いたこともある。

こいつ完全にいじめっ子ってレベルじゃない。
なにせこいつ草野球で負けたことをのび太のせいにしたりすることを始め、なにもかもをのび太の責任にするのだから。

いじめる相手をしつこく追いかける他、人の話に勝手に入ってくる図々しい一面も伺える。
作中のキングオブトラブルメーカー。逆に言うとジャイアンがいないと、だいたいの話が始まらないのも皮肉である

しかし、上記のように暴君のように振る舞う反面、実はお人形遊びが大好きという隠れた趣味があったり、
ホンワカキャップで酔っぱらった際にはオネェ言葉でサメザメ泣き出したりと女性願望を伺わせる一面もあったりする。
ちなみに(ドラえもんの道具でリリースした)初シングルレコードは「乙女の歌」などという破壊力のある字面が並んでいる。


友情に厚い兄貴らしい一面も持っており、普段はいじめているのび太が危険に晒されている時は、どんな危険も顧みず助けに行く。
友達の間に何か問題があると、自分に関係のない事でも親身になって相談に乗るほど。
この現象は劇場版になると特に顕著に表れ、ドラえもん一行のリーダーシップを取る事が多い。
一つだけ例外も存在するが、俗にいう「映画のジャイアンはいつにも増して良い奴」というジンクスである。


また、彼ものび太に助けられた時には「心の友よ~!」といって縋り付くのも超有名である。


一見怖いもの知らずなように見えるが、目上の者には弱い。
特に母親にだけはどうやっても抗えないようだ。
横暴な態度の結果、被害者の兄貴として中高校生等が出てくると手も足も出ないなんて事もあるし、
また、カミナリさんの家にラジコンやボールを突っ込ませては逃げるのもよくある話。

運動能力は高く、草野球チーム「ジャイアンズ」のキャプテンを務める。
しかしその反面、勉強の方はのび太と大して変わらない(辛うじてのび太よりは上)。

趣味は歌と料理で、いつか紅白に出るのが夢。
ただし、そのジャイアンが音痴なのもあまりにも有名である。
どれくらい音痴かというと、擬音にすると歌詞が「ボエー」「ホゲー」としか表現できなくなるほど。
またその威力は圧倒的であり、人間はおろか害虫やサメ、はては魔界の悪魔さえも苦しめるほどである。
寝込んで熱を出したヤツがいたり、その歌声を放送したテレビが爆発したりするなど二次災害も半端ではなく、
夜に電波ジャックして行ったリサイタルでは先生がウッカリ聞いてしまい、TVの電源を落とすより早く落ちて翌日学校を休んだ。
2003年の映画『のび太とふしぎ風使い』では悪霊・ウランダーに憑依されたスネ夫を元に戻すために歌い、この際、ドラえもんは音痴ぶりに耳を防いでいた。
ちなみに、この歌を「素晴らしい」とホメたのはひみつ道具「ヤメラレン」で中毒になったドラえもん&のび太と、
のび太の南海大冒険』に登場する女海賊のベティの3人だけである。
打算込みで褒めた例としては音楽教室の先生も。よほど下手な歌を聞きなれているのだろうか。
また、わさドラ「新曲発表!ジャイアンにボエボエ?」に登場したゲストキャラクター・たか子もジャイアンの歌を絶賛していたが、その理由は「昔飼っていた犬の鳴き声に似ている」というものだった。その犬もガラスとか割ってたんだろうか
本人は自分の歌を聞いても苦しむどころか「素晴らしい」と目に涙を浮かべるほど(ドラえもん曰く「フグが自分の毒で死ぬか!?」)だが、
さすがに寝起きでいきなり聞かされた際には「誰だ! 夜中にこんなへたくそな歌を!!」と跳ね起きていた。
詳しくはジャイアンリサイタルを参照。
因みに、歌が好きになった理由は「リサイクル」と「リサイタル」を間違え、人前で歌う事を意識しだした為。
また、彼の得意料理であるシチューの味も酷いものである。
詳しくはジャイアンシチューを参照。

意外な特技として、絵がそれなりに上手い(少なくとものび太よりははるかにまとも)。
また、ステージ衣装も恐らく自作であり、がさつにみえてこの手の細かな作業は得意なのかもしれない。また、そろばん教室に通っている模様。(プラス6巻「うつしぼくろ」より)

ジャイアンのモデルは作者である藤子・F・不二雄先生の少年時代のガキ大将であるが、作中本編のジャイアンのキャラとは対照的に「弱い者を助けるガキ大将」であったという。
そういう意味では大長編シリーズのジャイアンはモデルとなった当時の少年のキャラに近い。


【関わりの深い人物】

  • 家族
家族は剛田商店を営んでいる。
ただし、何の店かというのは作品によってコロコロ変わり、実際のところ何屋なのかは不明。
商品は缶詰だったり卵だったりトイレットペーパーだったり様々。ただ、ジャイアン曰く「乾物屋」らしい。
八百屋と言うイメージを持つ人は恐らくブタゴリラと混同している(作者も混同しており、よく野菜や果物も並んでいる)。
新キャストアニメでは雑貨屋と明言。
ジャイアン曰く「ボロ屋」であり、家のトイレは昔のボットン便所である。

小学生なのに母から仕事を任されるあたり、店番をするくらいのセンスはあるようだ。
劇中ではいつも何らかの理由で店から離れ、母に叱られるのがお決まりのパターンとなっているが
「超大作特撮映画「宇宙大魔神」では自ら店番をしないといけないと焦っている事から責任感はある模様。
食事シーンが描かれるときにはいつも必ず家族のうちの誰かが欠けている(=店番している?)描写がみられる。

家族は両親と妹の4人家族。
しかし日テレ版では母ちゃんは 既 に 死 ん で い た 。更にジャイ子も出てこなかった。
また、ペットに犬のムクがいる。(エピソードによって名前はデカだったりする)

  • 母親
母にはどうやっても頭が上がらないが、「俺は母ちゃんの奴隷じゃないっつーの!」と反論をすることもある。
が、結局母には勝てないようで、だいたいオチでフルボッコにされるのがお約束。なお、周囲の人たちからもその怖さは承知で、わさドラ2回目のママをとりかえっこでは、親を取り替えるさいドラえもんに「ジャイアンの家ともとりかえられるけど」と言われたらのび太、しずかちゃん、スネ夫が全力で拒否した。
わさドラでは、ジャイアンの母はひみつ道具による呪縛を気合で無効化したり、
未来の凶悪犯罪者を大根で殴り倒すこともできるほどの超人なので無理もないが。なお、ジャイ子同様料理が得意で、彼女が作ったカレーをのび太が食べたときは「おいしい」と感激したほか、町内マラソン大会の際におでんを作り、そのおでんはドラえもんのひみつ道具「なべ奉行」より好評だった。

  • 父親
非常に影が薄いが、ちゃんと登場する。
「バカでもいいから不正はするな!」という江戸っ子気質の性格のようだ。
短気で時には説教もするが、母ちゃんが輪をかけて短気なため、
小遣いをやろうとしたり映画に連れて行ってくれたり仕事帰りに鯛焼きを買ってきたりと優しく振る舞う描写が多い。
後述する叔父と同じく柔道をやっており、ジャイアンに教えていたらしいが、ジャイアンはケンカにばかり使っている。
その腕前は大きな木の板を真っ二つにするほど。
日テレ版では「小助」という名前があり、ジャイアンと同じ髪型で体格はジャイアンよりも小柄で息子思いの父親として
かかれており、ジャイアンも彼のことを大切に思っている。(具体的なエピソードとしては物体瞬間移動機がある。)また、妻を供養している表写もある。

妹のジャイ子を何よりも大切に思い、ジャイ子の願いならどんな無茶な事でも叶えようとする。
また、妹の悪口は絶対に許さない。
映画『がんばれ!!ジャイアン』の回想シーンから小さいころからジャイ子のことを思っており、
ジャイ子のクレヨンとスケッチブックを滅茶苦茶にしたいじめっ子を追い払い、のび太のクレヨンを奪って渡そうとして、
おそらくそのことが原因で母ちゃんに雪が降る中、物置にお仕置きとして閉じ込められた。

  • ムク
飼い犬。小さい頃、捨てられていた所をジャイアンに拾われた。
今ではすっかりバカ犬に成り果て、人の家の靴やおもちゃを盗んでうめたり、ゴミをあさったり、スネ夫の愛猫のチルチルに吠えられて逃げたり、
ジャイアンが気になっていた美少女の愛犬に喧嘩を吹っかけてボコボコに叩きのめしたりと醜態をさらしている。
しかしジャイアンは煮干しの頭ばかり餌に与え、ニャーと鳴けだの臍踊りやれだの無茶ばっかり言っているようで、
こういった情けない行為もひとえにムクのせいとも言い難い。(散歩に連れて行ったときには雪が降ると思っていたほど)
一度ジャイアンから愛想を尽かされてのび太のペットになった時には
「でもおれ、あいつ(ジャイアン)が好きさ。小さい頃から可愛がってくれたしな」と涙ながらに訴え、
ジャイアンがライオンに襲われそうになった時には身を挺して庇い、仲直りした。

  • 親戚
親族関係もまあ全員予想の付く顔立ちをしている。
叔父は寺の住職をやっている人(未登場)と柔道十段の髭もじゃ男がいる。
後者はもっと喧嘩に強くなりたいと教えを乞うたジャイアンを叱咤し
「君の考えている強さはただのケダモノだ。弱い者を護るものが本当に強いんだ」と武の心を教えた大物である。
大学生の従兄もおり、カワイイ彼女がいる。性格はジャイアンそのもの。

また、母ちゃんの妹(叔母)も登場している。
のび太からサル呼ばわりされた際には殴り掛からんばかりに激怒していたが、弱い者いじめをしていたジャイアンをしかりつけるなど正義感に強いおばちゃんなようだ。
ちなみにこのサル顔の叔母さんは、洋服キジを持って可愛いイヌ(わさドラではムク)と一緒に鬼のジャイアンを懲らしめていた。




【伝説的なエピソード】


きれいなジャイアン
秘密道具「きこりの泉」で登場した人物。
顔と性格、言葉使いだけが妙にきれいになったジャイアンである。
1度しか出てきてないキャラなのにインパクトは抜群で、フィギュア化されたりオブジェ化されたり、異常な人気を誇る。
しかし、特筆すべきはオリジナルのジャイアンの末路。
泉の女神に頭を抑え込まれ、沈められそうになっている。
どうやって助かったのか、気になるところである。
因みに、原作ではシャツをつかまれているだけ。

がんばれ!ジャイアン!!
ジャイアンの主演映画。
ジャイ子の初恋を応援するジャイアンの兄としての奮闘を描く。
ジャイアン達が良かれと思った行為が逆にジャイ子を傷つけてしまい、ジャイ子は「漫画もお兄ちゃんも大嫌い!!」とまで言ってしまう。
その際ジャイアンが発した、
「お兄ちゃんの事はいくら嫌いになってもいい!でも…漫画は嫌いになるな!!」
は前述の妹愛に溢れた名言。
風で飛散した漫画の原稿用紙をボロボロになりながらも集めるジャイアンの姿に観客は感動したとかしないとか。

因みに翌年のアニメの新年会でこの映画が放送された際、スネ夫は
「良いよねぇ、ジャイアンは映画作ってもらえて…。
僕の映画なんて、何時になることやら…去年がジャイアンだったから『今年は絶対僕だ!』と思ってたら、またのび太の映画だしさ…。」

涙混じりにぼやいていた。 


【余談】

何を考えたのか、カラオケUGAのイメージキャラクターを務めたことがある。
音痴がここまで上手くなった、という意味では間違いではないが…違和感はバリバリである。

2012年現在放送中のトヨタのCM「20年後のドラえもん」では、プロレスラーの小川直也氏がジャイアンを演じている。
アニメに比べてかなりスマートではあるものの、濃い表情はよく似ている。
しかしジャイ子役が前田敦子であるのを見て、「ジャイアンの妹がこんなに可愛いわけがない!」と思った人も多いだろう。


ジャイアンの名前の由来は諸説ある。
単にジャイアントの略だったり、ジャイ子の兄(あん)ちゃんだからジャイアンだったり…
ドラえもん同様、設定が固まっていないと言える。
周りからジャイアンと呼ばれているためか、自身もテストの名前欄に「ジャイアン」、「剛田剛」、リサイタルの看板にも「剛田猛」と誤表記がある。
初期には作者の藤子ですら間違えている。(7巻で「郷田武」と書かれたことがある)。

1993年放送の『ドラえもん15周年記念SP』ではたてかべ和也はよくジャイアンの声で結婚式のスピーチを頼まれ、
バカ受けするものの間違えて変なことを言ったりすると「今のすべてジャイアンでーす」とジャイアンのせいにしていると言い、
アニメのジャイアンが「ひどいよ~」と困る場面が見られた。

2015年6月18日に大山版でジャイアンの声優を務めたたてかべ和也が死去し、翌日6月19日にアニメ冒頭のテロップで追憶コメントが流された。
奇しくもジャイアンの設定上の誕生日・6月15日のわずか3日後であった。


【以下、名言・迷言】


「お前のものはおれのもの、おれのものはおれのもの……な!」

「おれがいつ返さないと言った!? えいきゅうにかりておくだけだぞ!!」

「おれがこの手で皮を剥いでやる」

「フンガァ!」

「お前は今日からおれの奴隷だ」

「冗談じゃねぇっつーの! 毎日店番やら配達やら草むしりやら、子どもにも人権はあるっつーの! おれは母ちゃんの奴隷じゃねぇっつーの!」

「心の友よ!」

「欲しいものは手に入れるのが、おれのやりかたさ」

「見逃してくれたら、あとで一万円やるぜ」

「ようし! そういうことなら、ゴウモンにかけてもききだしてやる」

「のみみたいにつぶしてやろうか」

「うれしいわ、のび太さん」 

「こうなれば、ただじゃおかねえ。腕の二、三本へし折ってやる!」


以下、歌詞の一例
  • オーレはジャイアーン! ガーキ大将!(キャラソン『おれはジャイアンさまだ!』)
  • おいらのォ~~心の愛は~~♪ お空の月の~~星のなみだよォ~~オ~~♪
  • おいらの~ハ~トの心は~~~♪ きみの~~ひとみのまなこに~~~♪
  • おいらの~~胸の心のせつなさよ~~~♪ 雨が~降れば~~~胸の心の頭も濡れるよ~~♪
  • おいらの~~胸の心はよ~~星に流れて~~夜ぎりの~~むせぶよ~~~♪ お~~~~あの子は~二度と帰るぞ~~~♪
  • オレはジャイアン~男だぜ~~!!
  • 歌こそ命~~~我が命よオ~~~オ~~~♪


ムシャクシャしてるんだ!
誰でもいいから追記・修正しろ!

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