初音ミク「マジカルミライ」

登録日:2024/09/16 Mon 19:15:34
更新日:2024/10/06 Sun 14:38:52
所要時間:約 3 分で読めます






マジカルミライとは、バーチャルアイドル「初音ミク」を主役とするライブイベント。
初音ミクのイベントとしては国内最大級の規模を誇る、ボカロの大祭典である。

概要


初音ミクの誕生日である毎年8/31(およびその前後日程)に、東京(2016年以降は幕張メッセ)で定期開催されるクリプトン社公認のライブイベント。
2018年以降は大阪の「インテックス大阪」でもほぼ常連で開催されているほか、年によっては福岡、札幌等、第三の開催地が設けられることもある。

大きく分けて、
  • ミクが歌って踊る「ライブコンサート」
  • 企業個人問わずボカロの創作者が入り乱れて開催される「企画展」
の2つで構成されている。


参加するには


ネット予約限定、かつ予約制のため、コンサートチケット、企画展チケットをインターネット経由で事前に購入する必要がある。
お値段はライブコンサートが1万円弱、企画展が2000円ほど。

この手のライブあるあるだが、参加には事前予約チケットを販売期間(開催日時から数えてだいたい4か月くらい前)に購入せねばならず、さらに抽選制であるため、早めのスケジューリングが必要。


なお、企画展の方は抽選がなく購入さえすれば無条件で入場できる。
また、午後の企画展に限り当日入場チケットが会場前で販売されるので、ふらっと中を見てみたい場合は午後ならば参加可能。
とはいえ気になるグッズが売れ残っている保証はないので、宝探しをしたいなら事前予約チケットの購入を強く推奨する。


3DCGライブコンサート


読んで字のごとく、アイドルが歌って踊るオーソドックスなタイプのコンサート。
登場するアイドルは「電子の歌姫」こと初音ミクを主役に、鏡音リン&鏡音レン、巡音ルカ、KAITO、MEIKOの5名を合わせた「ピアプロキャラクターズ」の6名。企画展でグッズ化されるのもこの6名であり、ちまたで流行のパチモン登場時期の近い「めぐっぽいど」「がくっぽいど」等、別会社の音声合成ソフトは出てこない。

また、ステージの両サイドにはのバンドが控えており、バーチャルの存在であるピアプロキャラクターズの声以外の音……たとえばベースやドラム、キーボード等は生演奏である。



実在しないアイドルを踊らせるということ


「初音ミク」はクリプトンによって製作された音声合成システムのため実体を持たない。
ゆえに普通のアイドルのようにコンサートホールに出現することはない。
……と思いきや、当たり前のように出てくるし、歌うし、ダンスもする。ついでに手も振る。

どういうことかというと、3Dモデルで描画されたミクの立体映像をステージ上に投射し、それを踊らせることで、実在するように見せる「ディラッドスクリーン」という手法を用いているのである。
ライブステージのお立ち台には限界まで透明度を上げたアクリル板(のようなもの)が斜めになるように設置されており、ここに特製の投影機で映像を当てることで「ライブ席のどこから見ても本当にいるようにしか思えない、実在する初音ミク」を実現するというカラクリ。

この立体映像がとにかく凄まじいクオリティであり、陰影や輪郭線は横に人間のギタリストが並んで立っても違和感がないレベル。
6人のピアプロキャラクターズが同時にダンスをする、手を繋ぐ、スピーカー等の小物を振り回す、台の上に乗る、といった激しいアクションにも難なくついてくる。
逆に「実在しないこと」のメリットもふんだんに取り入れられており、一瞬で衣装を着替える、光の粒子になって消滅したり出現したりする……といった、神の御業のようなアクションも見どころといえるか。

また、各種アクションもYoutube等で視聴できるPVとは異なるライブ仕様。
ライブ中のミクは拍手やコーレス*1の催促、客席に向かって小さく手を振る、といった細かいアクションも頻繁にとるため、「生のバーチャルアイドル」という言葉にするとなんだかよくわからないものを楽しめる。
観客側からはわかりにくいが、2019年の公演以降は「リアルタイム3DCGコントロールシステム」が導入されており、生演奏のタイミングや観客の反応を見てモーションをその場その場で変更しているのだそうな。

ちなみに、本イベントで採用されているのは「Project DIVA」に準じたデザイン。
衣装を中心に何度かリファインされてはいるが、大まかな造形がDIVAから乖離することはない。

Digital Stars


ピアプロキャラクターズを前面に押し出したライブコンサートとは異なりミクは一切出ない代わりに、(主に流行曲を作った)ボカロPがDJとなってボカロ楽曲のリミックスを行う「裏・マジカルミライ」とでも言うべきイベント。
基本的に不定期開催であり、マジカルミライで開かれることもあれば、大阪限定だったりアメリカだったり、と場所も時期も安定しない。
が、基本的に年に一度は開催されている。



企画展


本イベントのもうひとつの目玉。
ピアプロキャラ関連グッズの公式展示・物販展……
……と言いたいところだが、外部企業が紛れてミクコラボのグッズを売ってたり、ボカロPを目指す人向けのDTM講習会をやってたり、有名ボカロPが即売会&握手会をやってたり、新製品(フィギュア、楽器etc...)のお披露目ブースがあったり……と、会場内はかなり混沌としている。
強いて言うなら、「展示ブース」と「販売ブース(企業)」がスペース的にメインではあり、その合間を縫うようにその他のブースが設置されているといった感じ。

会場内ではついつい物販ブースの方に目が行きがちだが、そことは別に、ミクをはじめとする「ピアプロキャラクターズ」が辿ってきた歴史や登場・参加したイベントを振り返る展示ブースも設けられており、のんびり見て回りたい人にはこちらもおすすめ。
歴史の長さあって、結構な情報量であり、ゆっくりじっくり見て回るだけでもいい暇つぶしになるだろう。
新千歳空港の常設展「雪ミクスカイタウン」でもこのくらいの規模の展示をしておいてほしいものである。


また、「初音ミク」はその特性上二次創作が盛んなため、公式であるクリプトン社製グッズよりもコラボした外部企業やユーザー手作りのグッズの割合が多め。
参加するファンも、単に全身をミクグッズ*2で固めるファンのみならず、コスプレ衣装を着るファン、ビスクドールで作ったミクのジオラマを持ち込むファン等、ファン側にもクリエイター気質の参加者が多いのが特徴で、雰囲気はコミックマーケットのそれに近い。




開催済イベント一覧

毎年、イベント用に書き下ろされた「テーマソング」と、ミクの新衣装がそれぞれ新規で作られる。

マジカルミライ

開催地:横浜アリーナ


マジカルミライ 2014

開催地:東京体育館、インテックス大阪
テーマソング:ネクストネスト/さつき が てんこもり


マジカルミライ 2015

開催地:日本武道館(ライブコンサート)、科学技術館(企画展)
テーマソング:Hand in Hand/kz(livetune)


マジカルミライ2016

開催地:幕張メッセ
テーマソング:39みゅーじっく!/みきとP


マジカルミライ 2017

開催地:幕張メッセ
テーマソング:砂の惑星ハチ


この年から、企画展にて「クリエイターズマーケット」、および「楽曲コンテスト」が開催される。


マジカルミライ 2018

開催地:幕張メッセ、インテックス大阪
テーマソング:グリーンライツ・セレナーデ/Omoi


マジカルミライ 2019

開催地:幕張メッセ、インテックス大阪
テーマソング:ブレス・ユア・ブレス/和田たけあき


マジカルミライ 2020

開催地:幕張メッセ、インテックス大阪
テーマソング:愛されなくても君がいる/ピノキオピー


マジカルミライ 2021

開催地:幕張メッセ、インテックス大阪
テーマソング:初音天地開闢神話/CosMo@暴走P


マジカルミライ 10th Anniversary

開催地:幕張メッセ、インテックス大阪、札幌文化芸術劇場 hitaru
テーマソング:フューチャー・イヴ/sasakure.UK+有形ランペイジ


マジカルミライ 2023

開催地:幕張メッセ、インテックス大阪
テーマソング:HERO/Ayase


マジカルミライ 2024

開催地:幕張メッセ、インテックス大阪、福岡サンパレス / 福岡国際会議場

テーマソング:アンテナ39/柊マグネタイト




追記・修正をお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2024年10月06日 14:38

*1 コール&レスポンスの略で、観客に歌わせたり叫ばせたりすること

*2 Tシャツや法被やリュックといったオーソドックスなもののみならず、初音ミク仕様のクレカをわざわざ契約してお会計をそれで行う猛者もいる