レベル1だけどユニークスキルで最強です

登録日:2024/10/20 Sun 23:35:43
更新日:2025/06/24 Tue 09:11:24
所要時間:約 6 分で読めます




最弱で最強の冒険が、今始まる———!

レベル1だけどユニークスキルで最強です』は三木なずなによるライトノベル作品である。
小説家になろう」にて2017年から2020年まで連載された。
2017年8月からKラノベブックス(講談社)より書籍版が刊行されている。
既刊9巻。

【概要】

小説家になろうに掲載されている異世界転生作品
タイトルの通り主人公は「レベル1」である。さらにこれといって特筆すべきステータスではないどころか、Fランクという最底辺のステータスである。
そんなステータスでは戦闘に}おいて役に立たないと言われても致し方ない主人公が、「ユニークスキル」である「ドロップスキル」を用いて、ダンジョンの中でレアアイテムや様々な報酬をゲットして冒険者として成長していくことが特徴的である。

また、本作での主人公の生い立ちは、ブラック企業で過労死して異世界転生したというものである。だからこそ前世で味わった苦い思い出を現世では繰り返したくない。ブラック企業に代表されるような理不尽な境遇に屈せず思いのままに自由に生きることをテーマにしている。(そうしたこともあってか、主人公はダンジョンから帰って来る時間を必ず決めている。つまり「定時退社」と言えるものである。

小説家になろうでは日間・週間・月間・四半期で1位を獲得した
メディアミックスにおいては、真綿作画によるコミカライズ版が「水曜日のシリウス」にて連載されている。また、テレビアニメ版が2023年7月~9月の間で放映された。

【あらすじ】

ブラック企業に勤めるサラリーマン・佐藤亮太は、
ある日ふと気がつくと、見知らぬダンジョンの中にいた……!
そこは、あらゆるものがモンスターからドロップされる不思議な世界だった。

偶然出会った少女・エミリーの助けで自身のステータスを確認するも、
体力や魔力などのステータスは全て【F】(最弱)!
さらにレベルは固定で【1】(最低)!

絶望の淵に立たされた亮太だったが、
最強のユニークスキル【ドロップスキル・オールS】の持ち主であることが判明!!
果たして亮太は、この不思議な世界で生き延びられるのか!?

最弱で最強の冒険が、今始まる———!
(アニメHPより引用)

【キャラクター】

・佐藤亮太
CV:石川界人
本作の主人公。
元々はブラック企業に務めていたサラリーマン。
しかし、あまりの過酷な労働条件の中で過労死してしまった。*1
故にブラック企業で酷使された過去が都度蘇ることがあるものの、エミリーの献身的な優しさに触れて、本当に自分がやりたいこと、生きていることの大事さを実感する。
ステータスは軒並み「F」でエミリーからも「能力低いです・・・」と言われる有様であったが、ユニークスキルである「ドロップスキル・オールS」というのを持っている。
これは「ドロップアイテムを持たないモンスターを倒すと、その世界に存在しないアイテムがドロップされる」というものである。これを使い亮太は、様々なレアアイテムの武器を手に入れ、それを駆使することによって、有名な冒険者になっていった。

ブラック企業時代と異なり、健全な労働生活を営むことを心掛けている。*2
そして自身の世話をしてくれたエミリーに恩義を感じており、後に冒険者で稼いだ資金を元に共同生活をスタートさせた。後に、パーテイーメンバーという名のハーレムが集まり、活気で満ち溢れるようになっていった。

・エミリー・ブラウン
CV:久住琳
亮太が転生した際に初めて出会ったヒロインである。
本作の天使。
小柄な体格でありながらも、100キロはありそうな巨大なハンマーを振り回して戦うというワイルドな戦闘スタイルである。
しかし、家事のスキルはなかなかのものである。転生した直後、亮太に振る舞った「もやしのスープ」は亮太が感極まるほどに美味である。*3
他にも彼女の作ったオムレツに亮太は感動した。

一方で家庭内を徘徊することで有名なは大嫌いな様子。見つけた瞬間に殲滅行動を開始する。普段見せてきた温和でお淑やかな性格が豹変するレベルである。

・イヴ・カルスリーダー
CV:高野真里佳
うさ耳とバニーガール衣装が印象的な冒険者。
亮太とはダンジョンで偶然であったわけだが、彼のスキルの影響か、モンスターからドロップされた「ニンジン」を気に入り、彼に付き纏ってはニンジンを要求する。(「デッドオアニンジン」と呼んで迫るのがお約束)

上記の通り、ニンジンには目がない性格(バニーガールもそれが所以か?)。そのまま食べることもあるが、エミリーの作るニンジンを使った料理も好んで食す。
亮太のことはステータスの低さも相まってか「低レベル」と呼んでいる。

元々は肉食で他者を群れることを嫌っていたが、過去に亮太のような少年からニンジンをもらい、その味に感動したことから、ニンジンを好んで食すようになった。

・セレスト
CV:大西沙織
亮太がダンジョン長からの依頼でヘテロという街にやってきた際に出会った女性。
ゴミから「ハグレモノ」というモンスターが発生しないように、1日中ゴミを燃やす作業に没頭していた。本来なら黒髪ロングヘア―でモデルのようなスレンダー体型の「美人さん」なのだが、明らかにやつれている表情と風貌が、ブラック企業で酷使された「企業戦士」を彷彿とさせる。同じブラック企業で駒のように働かされた経験がある亮太はそんな彼女に自分を重ね、思わず共感してしまった様子である。

ちなみにこのような状態になってしまった背景としてセレスト自身がレベル3の炎系高位魔法である「インフェルノ」しか使えず、いわばゴミに対して不相応の魔法を使い続けた結果、彼女の体力はみるみるうちに消耗されてしまったとのことである。

その後は亮太と共にダンジョン探索にてモンスターを撃破。亮太から「役に立てた」ことを言われて涙をすることも。(よほど道具のように酷使されたことについて体力だけでなくメンタルも来ていたことが読み取れる)
後に亮太・エミリーらと共にパーティーを組み、新しい人生を踏み出すことになる。

・アリス・ワンダーランド
CV:高尾奏音
亮太のパーティーメンバーの1人。
自身の出自はダンジョンに深くかかわっている。当時妊娠していた母親がダンジョン内で陣痛を起こし、ダンジョン内で出産したことから、「ダンジョン生まれのおんなのこ」とされている。
ステータスは基本EかFと低め。しかし、ダンジョン生まれも起因してか、モンスターのいる位置を感覚的に把握できたり、モンスターとも会話が出来たりする。何なら特定のモンスターを仲間にすることもできることから、扱い用によってはダンジョン攻略を楽に進められる。

亮太と出会った際は、精神論ばかり仲間に浴びせて根性でダンジョン攻略を無理やり進めようとする「ブラック企業」ならぬ「ブラックギルド」にスカウトされかけるところであった*4。そのこと自体は亮太に阻止され、亮太のパーティ―に迎えられたあとは充実した生活を過ごしている。

・エルザ・モンスーン
CV:渕上舞
買取屋である「燕の恩返し」の受付スタッフ。
異世界転生作品でよくある受付嬢キャラ。ダンジョンでドロップされるアイテムやダンジョンやモンスターそのものを解説してくれるゲームで出てきそうな案内人キャラである。

亮太に想いを寄せているがなかなかうまく行かない。食事に誘うなどエルザなりに精一杯アプローチはしているのだが、亮太の鈍感さが影響していると言えるだろう・・・。

【テレビアニメ版】

2023年7月から9月までの期間でアニメ化された。
主に原作第1章から第3章くらいまでの内容がアニメ化されている。原作にもある通り、ブラック企業で酷使されてきた苦々しい過去を持つ亮太の経験を踏まえ、前向きに「生きる」ことをテーマにして描いている。
監督は柳瀬雄之 シリーズ構成は山田由香
アニメーション制作はMAHO FILM

主題歌

OP「Chase Me」 ノラfrom今夜、あの街からによるオープニングテーマ。
ED「タンバリンの鳴る丘」宮川愛季によるエンディングテーマ。

追記・修正はブラック企業から脱却して異世界で活躍できたときにお願いします。

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最終更新:2025年06月24日 09:11

*1 原作なろう小説では、過労で倒れた後、入院して初出社したあとにクビを言い渡されてしまい、その後転生したとされる。第1話時点での死因は不明

*2 共同生活しているエミリーとの約束で必ず「定時」で帰ってくることを基本としている

*3 とは言え、ブラック企業で酷使されてきた亮太としてはこうした「温かい手料理をいただく」ことに幸せを感じたという感情もある

*4 亮太もリーダー格の初老の男をダンジョンで確認したが、精神論だけ振りかざし疲弊している部下に無理やり仕事をさせているブラック企業の上司を思い出したとのこと