ブラック企業

登録日:2013/05/22 Wed 22:10:28
更新日:2025/04/26 Sat 13:44:34
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好きな言葉は命は消耗品だ

よかったー。こいつらに払ってる給料200円が無駄になるトコだった。

産業革命の尊い犠牲となるぞい!



ブラック企業の定義はいろいろあるが、近年では
  • 労働基準法をはじめとした労働法を守らない
  • あるいは守ってはいるが法の抜け穴を突いたグレーゾーンで過酷な労働をさせる企業
を指すことが多いので、それをここでは扱うことにする。
また、労働者を過酷にこき使うこと全般がブラックと言われることもある。
最近ではワンオペとかやりがい搾取なんて言葉も取り上げられている。

仕事をして金を稼ぐのが楽ではないのは当然であり、ただ仕事が厳しいというだけでブラック企業であるというわけではない。
問題なのは厳しい労働をするための法律を守らない、あるいは("スタグフレーション"の原因になる)グレーゾーンで過酷で低賃金な労働を平気で強いることである。

就活中、転職活動中のwiki篭もりたち、あなたがエントリーしている、あなたが内定をいただいた企業はブラック企業ではありませんか?


ブラック企業の例


本家wikipediaの該当ページを参照するとブラック企業の被害者が書いたのか相当詳しいが、ここでは代表的な例だけを紹介する。

  • 誰も達成できないようなノルマを課し、達成できないと自分や家族で契約してノルマを達成した形にしないといけない(通称:自爆営業)
  • 開始早々研修をする…のは普通の企業でもやっていることだが、カルト宗教みたいなセミナーに参加させて洗脳。ブラック企業への不満=非常識と認識させる。
  • サービス残業は当たり前。タイムカードも平気で偽造。あるいは仕事は家に持ち帰ってやらせる。結果、過労死するような残業をするハメに。
  • 気に入らない社員は徹底的にいびって自主退職に追い込む、もしくは言いがかり同様の理由で懲戒解雇する。自殺者が出ることも。
  • 様々な仕事のための必須費用が全て自腹。費用を引くと実質的に最低賃金すら払われていない。 総支給額がまさかのマイナスになりマイナス分の税金を自分で収めないといけない事も
  • セクハラ・パワハラなんて当たり前。嫌がる社員は甘えといって非難する。
  • 辞職も簡単ではない(後述)。
  • 辞めたとして退職金や未払いの給与を踏み倒すのもザラ。離職票などの書類も送らず、自主退職でも解雇扱い(退職金を踏み倒すため)あるいはその逆(解雇予告手当を踏み倒すため)にされることも。
  • 求人広告に書いてあることと条件が明らかに違う。キュゥべえですら提示した約束は守っているのに・・・
  • タチの悪い弁護士や社会保険労務士*1と結託。
  • 実際には通常の会社員と同じくらい行動を拘束しているのに、社員を「本社と業務契約を持つ自営業者」という扱いにして受けられるはずの各種社会保障をカットする(偽装請負)。
  • 上司の責任を部下に責任転嫁する。
など

転じて、法律・モラルに反する業務を行う企業のこともブラック企業と呼ぶことがある。
先述した狭義のブラック企業とは区別されるため、使用の際には注意が必要である。
  • データの偽造・改ざんを行う。
  • 闇金・不法投棄・詐欺など、そもそも違法な業務を行う。
  • 表向きには真っ当なビジネスを行っているが反社会的勢力と取引を行う。
  • 暴力団・半グレ・極左暴力集団などの反社会的勢力が経営に携わっている(いわゆるフロント企業)。
  • 補助金目当てで立ち上げた会社のため鼻からまともに運用する気がさらさらない。
  • パチンコ店を建てるために架空の会社で土地を買い取る、寄付金や補助金目当てに出来もしない新技術の事業を興すなど、形だけのペーパーカンパニー。

ブラック企業の恐ろしさ


一旦ブラック企業に入社して、すぐにやばさに気づいたとしよう。

「こりゃやばい…すぐにやめて別の会社を探そう!!」

ところが、ブラック企業はそれを阻止せんと方々から圧力をかけてくる場合がある。
「お前はまだ慣れてないだけ。もう少し頑張ろう?」「このくらい辛いのは何処でも同じ。」などと精神論で抑えにかかるのはまだ優しい方だろう。
人格否定でしかない恫喝じみた物言いで萎縮させ、もみ消そうとする事すらよくあること。
「お前がさっさとやめたせいで、ほかの社員のモチベーションが下がったor納品が間に合わず取引先に契約解消された。賠償しろ」などと要求して、本当に起訴してきた例もある。
法律の専門家から見れば主張の中身がお花畑ファンタジーとしか言いようのない支離滅裂さで、実際裁判でも企業の請求は1円たりとも認められなかったが、
それでも勝つまでは大変な時間的・心理的負担を強いられる*2
さらにそもそもそんな話や手続をする時間すら与えられない。上司は耳すら貸さず退職届も受け取らない。仕方なくばっくれると損害賠償を請求されたりする。

最近では、退職代行というものがある。
自分では退職したいと言い出せない、言う勇気がない、退職したいと申し出たのに退職届を破り捨てられたなどの理由で退職出来ない人が
自分の代わりに退職の手続きをしてくれるというものである。

しかし、専門の弁護士が法律的に退職までを導いてくれる反面、値段が10万円以上する業者や、
あくまでも素人集団の交渉人なので値段は4〜5万円だが、会社側が抱えている弁護士などに退職を突っぱねられたり(その場合、一部は返金してもらえる)、
酷いものになると弁護士ですらない詐欺師が「自分たちは弁護士だからこの値段」と法外な金額をふっかけておきながら、電話一本入れるだけでオワリ、ハガキ一枚書いてオシマイなんてものもある。
退職代行の業者の評判には充分に気をつけよう。
俺たちは弁護士だ!低評価つけやがったコイツに訴訟してやる!今なら示談に応じてやるぞ!と言う形で退職希望者を徹底的に追い詰める詐欺師もいるので気をつけよう。

そこを突破して無事にやめられたとしよう。実際、さっさと辞めてくれて助かったとか考えて見逃してくれる(?)ブラック企業も多い。

「…で、次の仕事は?」

そう、この就職難なご時勢、一旦仕事を辞めてしまうと、次の仕事がなかなか見つからない
まだ年若く優れた経歴や応募先が求める業務経験や資格免許を持っていて、応募や面接で上手く立ち回れるなら別だろうが、そもそもそれが出来る優秀な人材ならこんな事態に(ry
そもそも次の就職先の内定を貰ってから退職するのがベターなのだが、ブラック企業が従業員にそんな余裕を与えるのかというと(ry
なけなしの蓄えを食いつぶしたり、失業保険を受けながら何ヶ月ハローワークに日参しても、内定の1つももらえない人は山ほどいる。
徹夜して作った履歴書を3~4社に一気に送っても1社も面接にすらたどり着けない事すら少なくない。不採用を受け続けることの心理的な負担は相当大きく、精神的にもかなり参る。
これが怖いあまりに、ブラック企業だと知りつつやめられないという人もいる。

「なんとか面接までたどり着いたぜ!!」

甘い甘い。ブラック企業はしつこくあなたに影を落とす。

「はいはい、wiki篭もりさんは…あれ、履歴書にこの会社を2ヶ月でやめたと書いてありますね?どうしてですか?」
「ブラック企業だったから…」
「…あなたね、仮にも勤めていた会社そういう風に呼ぶんですか?単に貴方が能力的についていけなかっただけでは…おっと失礼。…本日はお疲れ様でした。合否の連絡は概ね1週間前後で郵送でお送りします。今後のご活躍を期待しております。」
「ウワァァァン(;_;)」

「先輩上司と性格が合わなくて…」
「へ?…会社にはいろんな人間が働いてて、性格が合わないなんてよくある事でしょ?あなたは気の合う人としか仕事が出来ない、と?それはちょっと困りますねぇ…はは。…本日はお疲れ(ry 」
「\(^o^)/オワタ」

そう、ブラック企業を早く辞めても、それを単に「ブラックだから」だけでは信用してもらえない。解雇された腹いせや、退職の原因を隠すために嘘をいう者もいるため当然である。
そもそも上に記したような内容だけで前の会社の悪口雑言を垂れ流すだけ・自分の短所を露呈するだけでイメージが悪くなるばかりである*3
中途半端に誤魔化しても、すぐ話に矛盾が出て「こいつ、絶対何か隠しているな?」と勘付かれたり、仮に通せたとしても「忍耐力のない奴」とでも思われたら、それだけでほぼ不採用確定となる。

詳細を説明するつもりなら、可能な限り具体的にかつ詳細に、何より客観的に、会社を辞めるに至った経緯を説明することである。
どのような条件*4で働いていて、どういった手順を踏み*5、どのように話が進んでいったのか*6?また自身の身体・精神状態はどうだったか*7
詳細にメモをとり、書類や資料も残しておくとよい。日記をつけていればそれも役に立つだろう。
退職した後でも、忘れないうちに思い出せる限りの事を書き留めて整理しておこう。情報量と整合性を確保することで話に信憑性を持たせることができる。
もっとも、そうやってかき集めた資料を就活先がちゃんと目を通してくれるのかまたは考慮してくれるのかというのは全く別の話だが。
また、仮に信用されたとしても、ネガティブな話ばかりでは面接官の心象は振るわない。面接とは応募者の過去話を吐露する場ではなく、面接官に自分を売り込む場なのだ。
なので、 なんとかポジティブな話題・表現に繋げて、前社での出来事を引きずらない前向きな人間と見てもらえるよう話を付け足したいところ。
ほらそこのWiki籠りさ、『面接は嘘つき大会か?』なんて気取ってる暇があんなら、とっとと前向きな自己アピール文を考えるだよ!!

法律も厚労省も次の就職先までは用意してくれない。
挙句過去の記憶が脳裏にちらつき、どの会社もブラック企業に見えてきてなかなか次の一歩が踏み出せないままずるずると生活保護に頼るばかりになっていくという例もある。
一度ブラック企業に勤めたら、それこそやめてもその呪縛に付きまとわれることを覚悟しなければいけないのだ。
それ以前に数年単位での職歴があるならまだいいが、新卒採用者にとっては特に深刻である。
そして、困窮の果てに履歴書さえ持ってくれば即採用、な会社に飛び込めたかと思えばそこもやっぱりというか ブラック企業だった… という、最悪のスパイラルにはまることも…

これは必要ではないが、極力「キャリアチェンジ」ではなく「キャリアアップ」を心がけよう。
職種も仕事内容も全く同じ会社はまず無いだろうが、それでも完全無経験よりはマシなはずである。職場との馴染みも少しは早いだろう。
「前の職場と職種は同じなのにレベル高いことしている、給料上がった」となれば、人間やる気が出るものである。

これはあくまでも極端な例だが、学校を卒業し社会に出てから悪戯にキャリアチェンジを繰り返した結果、40を過ぎてなお新入社員と同等の仕事しかしてこなかった、プロと呼べる分野が何一つない人間がいる。
若い間はキャリアチェンジを繰り返しても問題はなかったのだが、本人は加齢による病気の発症や子供の進学などで年齢相応の給料を貰わないとキツイ状況に陥ってしまう。
その人物は本腰を入れて職を探すことになるのだが、仕事こそ見つかるもののどの会社でも新入社員と同等の給料しか提示されないという事実に直面してしまう…。
資格を取れとは言わないが、学歴や職場での実績など、自分の最低限アピールできるポイントはしっかり身につけておくべきだろう。

あなたの強みをプロと探せますよと宣伝している転職サイトがあるって?世の中にはそのプロからも匙を投げられる人間だっているのだ。
なお、無料相談が信頼できないと言うわけではなく、大抵の人はちゃんと履歴や職歴などでおすすめの転職先を紹介してもらえる。
彼らも適当に無料相談を受けているわけではないので、まずは一度電話してみるといいだろう。

ただ、ブラック企業勤めから別のキャリアに挑戦するにしても、「社会人としての経験年数」はしっかり役に立つ*8ので、そこは転職活動中も誇るべきだろう。


ブラック企業への対策


入社する前の情報収集、この一点である。
もちろん、入ってしまったのであれば場合によっては弁護士を頼んだり、労働基準監督署に駆け込むしかない。だが、これらは手間ばかりかかって効果は正直薄い*9
法的手段を使って賠償を勝ち取っても、ブラック企業にいつまでも居続けられるわけがない。
第一、被害に遭わないに越したことはないだろう?
「とにかくブラック企業には入らない」ことが必須だ。
例え一時しのぎでも履歴書を汚さないためには早まった就職はしない方がいい。

だが、当然ながら、ブラック企業が自分で「私たちは法律を守らないであなたたちをこき使います!!」だなどと正直に名乗るわけがない。
全ての企業に当てはまる訳ではないが、会社説明の文章が響きだけやたらポジティブな文体まみれだったり、「アットホームな職場です」なんかはブラック企業の常套句である。
ブラック企業は、所詮労働者など使い捨てのコマ、補充の効く部品…否、一時の燃料くらいにしか思っていない。
ベテランの社員なんていつかないから、社員数が100人以上いるのに社員の30%近い人数を募集していたり、異常に若手ばかりだし、
新人にすぐ責任ある仕事を任せ、指導もバックアップもない。もちろん仕事がうまくいかなければ精神崩壊レベルの罵倒や理不尽な処分を言い渡され、逃げ出そうとすれば上記の通り損害賠償を毟り取ってくる。
アットホームと言えば聞こえはいいが、実際には私生活干渉がひどいということもある。

これはほんの一例に過ぎないが、ブラック企業を見抜くコツは結構存在している。

ハローワークで手に入る情報だけでも、よくよく見比べれば企業の体質が透けて見えてくる。
ほかにも、今ならブラック企業に関する情報がネット上に大量に流れている。
注意して欲しいのは、インターネットには解雇された腹いせにブラック企業呼ばわりされる、冤罪ブラック企業も稀に発生するという事。
こちらも情報収集で見分けがつく。とにかく情報を集め、よく考え分析しよう。


…そして耳の痛い話ではあるが、調べるだけではブラック企業は回避できても、ブラックではない企業…欲を言うならばホワイト企業に入社することが出来なければ意味がない。
そもそもホワイト企業が労働者にとって優しいのは相応の実績と能力を持つ人材を必要としているからであって、入社するには相応の能力が求められる。
お金とは信頼の証であり、そこをしっかりしているホワイト企業だからこそ、入社において厳しく審査されるのだ。
転職するのならばらどの企業でも通用する能力を身につけることが重要である。
新卒・準新卒ならば、成長の見込みはあるか、長い時間育成する期間を設けても会社を辞めない人材かを執拗に見られるし、中途ならば、入社後すぐに実績を残せるかを厳しく見られる。
どうせどこに行っても不景気だからと、やれ国が悪いやれ政治家が悪いやれ大企業が悪いなどと何かのせいにして努力を怠る、あるいは勉強やサークル活動に力を入れるべき時期に延々とスマホと睨めっこして反政府活動を現を抜かすような学生など、ホワイト企業からすればお呼びではないどころか全身全霊で拒否る対象なのだ(尤も、そういう主張ばかり激しく御せない人間はブラック企業からしても真っ平御免なのだが)。*10*11
学生のアニヲタ諸君は勉強だけでなく、サークル、アルバイト、ボランティアなどのガクチカ作りにも身を注ぐべきである。就職するにしても独立するにしても、社会で要領よく仕事をこなすのに役立つのはこれらの経験なのだから。
無論、どれか一つだけでいい。中には「この経験は就職にアピール出来ますよ…」とやりがい搾取をチラつかせてくる人間もいるのには気をつけよう。*12仲間と一緒に情報を集めるのも立派な就活である。
転職中途採用がご希望の社会人アニヲタは他社への転職が有利になるよう日々の仕事に取り組むべきである。それが出来ないほど追い詰められているとしても、無料相談やNPO法人などを駆使して言いたい事をしっかり発言できる程度にはコミュ障の改善くらいはしておくべきだろう。

残酷な話だが、ブラック企業で壊された人間に良い待遇で雇ってくれる優しい会社はそう簡単には見つからないし、仮に見つかったとしても、ある程度の時間が経過したら「良い待遇を与えてじっくり教育してやってるんだから、そろそろ独り立ちして利益に貢献してもらおうか?」となってしまう。ブラックホワイト関係なく、会社のゴール(目標)とはお金を稼ぐことなのだ。
結局のところ最後は自己責任であり、それはブラックホワイト関係ないどころか、日本だけでなくどこの国でも共通である。

ブラック企業は採用方法もブラックだ!


採用条項に新人にとって都合の良い嘘を書き綴る…なんてのは序の口。
基本的にロクでもない採用方法を取っているので、就職・転職中のアニヲタ諸君はくれぐれも気をつけよう。

「お前の代わりなんていくらでもいる」を地でいく

学歴や経歴が社員募集のところで一切書いてなかったり、2月3月になっても新卒を募集しているところに多い。
毎年必ず現れる「ついつい就職活動を怠けてしまった大学生」や「元ニートや前科持ち、自分の銀行口座を持てない人*13など後ろめたい事情を抱えている人間」など、まともな雇い口が無さそうな人間を積極的に雇っていく。
彼らは労基に違反したところで文句は言ったり労基に駆け込んだりしないのである。何故なら、「他に行けるところがないから」
…怠けてしまった大学生はともかく、前科持ちや元ニートの方々にはちゃんとした就職相談窓口があるため、連絡先を調べてそこに駆け込もう。
銀行口座が持てなくなった人も弁護士に相談である。

内定取り消し

せっかく与えた内定を、大学卒業直前で取り消してしまう。
ブラック企業は考えなしに多数の人間に内定を与え、内定取消しでその人数を減らすということをやってのける。
タピオカブームやトレンドに登ったアプリゲームなど、一時的なブームによって莫大な利益を稼いでしまった会社にありがちである。

…世界規模の不景気、震災や感染症の蔓延、直前に控えていた万博やオリンピックなどのイベントが中止になるなどの理由で、人間を雇う余裕がなくなってしまった会社というのは、世界各国で数多く存在する。
それを責めるのは残酷というものだろう。
リーマンショック以降の大学生の就活は『内定を貰った後も就活を続ける』ということが当たり前になってしまった。
しかし…

オワハラ

内定者に対し、「お前に採用内定を出してやったぞ?だから就職活動をやめろ」と圧力をかけるもの。
別に就職内定を貰ったり、内定者懇談会の後に取り消したりしても法律上は全く問題ない。
ブラック企業は、それを「法律的に問題がある」などとあたかも犯罪行為かのように口にするのだ。
ブラック企業しか内定がもらえなかったとしても、諦めずに就職活動は続けよう。
長く苦しい就職活動に心が折れるかは別として…
大学推薦をもらい書類審査や一次試験を免除してもらった場合は、大学の信頼がなくなり後輩たちに迷惑がかかるため、たとえブラック企業だと分かっても勝手に辞退してはダメである。
もしもそのような場合に明らかなブラック企業であることが分かった場合は、まず大学に相談しよう。
なお、オワハラしておきながら大学卒業直前で内定取消しをやってのけたブラック企業も存在する

なんの経験にもならないインターンシップ

1月から3月など、明らかに世間一般から外れた時期にインターンシップを募集しているところに多い。
インターンシップの大学生をただ働きの労働者として扱う
研修やOBとの座談会などは存在しない。
期間も一、二ヶ月と無駄に長く、こんなインターンに参加していたらそれこそインターン主催企業にしか入社出来なくなってしまう。
それでも「企業側はあくまでもボランティア」「ちゃんと募集通りの仕事だけはさせてくれる」ため、逃げ出したところで悪者になるのは大学生の方なのがタチが悪い。
インターンシップだからと、企業選考や情報収集は疎かにすることがないようにしよう。

キャリアセンターとグル

地元就職が正義、ベンチャー企業は将来有望で成長出来るなど、
自分の大学の学生に対してあまりに的外れで無責任なアドバイスを送るキャリアセンターとグルになっていることが多い。
…もっとも、多少の例外こそあれど、大学の偏差値は基本的にキャリアセンターの質と比例するので、
早々に自分の学校のキャリアセンターに見切りをつけてマイナビやリクナビに頼る学生も多い。


どうしてブラック企業になってしまうのか?


これも原因はいろいろある。
  • 社長や経営陣がそもそも現代の法律を知らないという例。
  • 企業規模を拡大したものの各所の感覚が中小企業時代のままという例。
  • 人手不足をブラック化でごまかしている例。
  • 経営不振をブラック化でごまかしている例。
  • ビジネス書を自分に都合よく曲解した経営者がブラック化させる例。
  • そもそも会社を建てる目的がアレでまともに会社を運営する気がない例。
  • 労働組合がない、もしくは名ばかりで機能していない。
そもそも労働基準法のあり方自体、労働者保護に傾きすぎなので、ブラック企業を一概に責める訳にもいかないではないか?という指摘もある。

これらの指摘はどれも間違いだとは断言できない。
労働政策をどうするかは非常に難しい問題で、唯一の答えがあるものではないし、企業による部分も大きいからだ。
企業に都合のよいように法律を改正するように働きかけるのもまた、企業の自由であるだろう。
だが、「今ある法律を守らない」ブラック企業は許されてはならないのである。

そもそも、企業とはブラック・ホワイト問わず、常に資本主義的競争の荒波に飲まれているのだ。
収益を上げられない会社であればどんなホワイト会社であれ潰れる。
ブラック企業は確かに法的責任を問われるが、ブラック企業だから取り潰されると言う訳ではない(憲法上の自由権(どんな仕事をするのも自由)の観点、通報した人物以外の従業員の保護(失職者が一気に多数出ることによる混乱の回避)などから企業法人格そのものの廃止命令は実際には出せないよね…と判断されるというだけ*14)。
つまり、ブラック企業が蔓延る社会=社員を使い潰すことで効率よく金が稼げる社会、である、と言い換えることもできるのである。
ブラック企業になれば社員にこぞって逃げられ、企業が成り立たない……ということであれば、ブラック企業は自動的に潰れ、根深い問題にはならない。
だが、労働者は、解雇されれば即座に家族まで含めて生活がピンチになる。
それだけでも労働者は立場が弱く、そのためにブラック企業はどうしても出てきてしまうし、そのために労働関係諸法の保護が存在しているのだ。

我々が忘れてはいけないことは、ブラック企業で搾取されているはずの労働者もまた、ブラック企業の片棒を担いでいるということだ。
ブラック企業の労働者の中には感覚がマヒしている人がおり、
ブラック企業を当然と思ってしまうので「労働法を守る」というそれだけの希望をブラック企業の社長と一緒になって非難する例が少なくない。
それだけではない。ブラック企業の経営者も、法律を破ってもそういう人たちが働いてくれるとタカをくくってしまい、ブラック企業は今日も平気で法律を破ってしまうのだ。
ブラック企業を容認して自分が苦しむだけなら自己責任と言えなくもないが、それに他の人を巻き込む権利なんて誰にもありはしないだろう。ブラック企業の被害者だからと言って、一方的に同情ばかりできるわけではないのだ。
また、職場の人間に気を使った善意や良心から行った配慮が職場全体に広がり、由来不明なままブラックな不文律として定着するというケースもある。
たとえ善意や良心が痛むからとは言え、当然の権利を行使することに対しての萎縮や、職場への過剰な配慮も考えものなのである。

そしてまた、一般消費者もブラック企業の発生の一因と言える。
あなたは「無料○○」だとか「安価な製品」をつい選んでしまうことがないだろうか?
値段だけはどんどん安く、サービス・品質はどんどん良く、でなければ嫌、となれば、真っ先にしわ寄せを受けるのが人件費。
その企業自身が明確なブラック企業でなくとも、下請けに対して無茶な要求をしているのであればその下請け企業がブラック化していったりする。

技術の発展や企業努力による価格破壊は歓迎されて当然だが、商品・サービスの低価格化が真っ当な努力によるものなのかどうか、消費者が知る機会は少ないのが実情である。

良質の商品・サービスには相応の対価を支払う姿勢と、安いサービスの裏に何があるのか一度は考える姿勢を持ちたいものである。

「何かにお金を払っていないのなら、あなたはそこの顧客ではない――あなたの方が売り物の商品なのだ」
(Joey Tyson著"You Are Not the Product"より)

意外かもしれないが、経営者の中には、当の労働者よりもブラック企業に厳しい考え方をする人たちも少なからず存在している。
ブラック企業がのさばって、カットした人件費で安値攻勢をかけたりすることが許されてしまえば、まじめに労働法を守っている企業がバカを見るからだ。
それでサービスの質が落ちていくのは、消費者にとっても他人ごとではない。
安値のみを追い求めた結果臨界点を突破し、最低限度の安全性すら守られない商品が世に出れば、取り返しのつかない大損害を蒙るのは消費者なのである。

更に、公務員叩きの常套句のひとつ「(公務員は定時で帰れるくせに)サービス残業は民間では当たり前」。だが、本当は「サービス残業は民間のブラック企業なら当たり前」だ。
そもそも「定時で帰れる」のは臨時や嘱託といった非正規職員や独り立ちしていない新人といった一部の人だけであり、多くの職員は残業している。
たとえば経理や総務は決算の時期は定時で帰るなど夢のまた夢で、そうでない部署も選挙期間になると連日遅くまで残って議会の対応しなければならないし、休日の投票会場の設営も皆この公務員の仕事である。各市民団体や企業と密接に関連する部署では定時後にしか動けない彼らに合わせて寧ろ定時後が本番なくらいである。休日の町のイベント設営のために土日が完全に潰れたりする係だって多い。これらの部署では、非正規職員でさえ残業や休日出勤の嵐な事も珍しくない。

そもそも公務員とは「公僕」とも言われるように『市民生活の維持発展に尽力する人員』であり、災害など市民生活に支障をきたした際は、部署や立場を問わず真っ先にその対応にあたる事が義務づけられている。災害が起こると開設される避難所を何週間…場合によっては何カ月も設営、維持しているのも普段は役所勤めの公務員である。
先のコロナ流行の際、保健所の職員が連日真夜中まで詰めていた…だけでは足りず周辺の役所などからも多数の職員が派遣され同等の待遇での勤務を強いられていた&霞ヶ関の国家公務員はコロナ対応に追われて夜中の1時まで帰れなかった…というニュースが連日報道されていたのは記憶に新しいだろう。
しかも、公務員は残業代が出ないことが法律で決まっているため、民間企業とは違って残業代未払いが違法ですらなく是正のしようがない。「公務員は定時で帰れる」は過去の認識と言って良いだろう。

本来批判すべきはブラック企業なのに、関係ない場所をこき下ろして何の意味があるのか?

こんな不毛な批判はブラック企業が高笑いするだけだ。
醜いルサンチマンは、ブラック企業にとって追い風になっていることを認識すべきだろう。

なお、最後の行の「そもそもまともに会社を経営する気がない」という例だが、
これは税金対策や詐欺目的、またはパチンコ店の進出のために立ち上げたペーパーカンパニーなどが該当する。
しかし、経営者が真っ当な企業という体裁を保ちたいのか、はたまた「やっぱり真面目に経営したくなった」と心変わりしたのか不明だが、社員の募集は行っている。
そして、入社数ヶ月で潰れてしまったペーパーカンパニーに大卒の新卒枠を使ってしまった大学生も存在する。
これを「きちんとした転職、就職活動をしていなかった人間が悪い」と嘲笑うのか、はたまた「ブラック企業許すまじ」と怒りに震えるのかはあなた次第である。

…そして、社長1人が営業、新製品開発、工程管理、社員のスケジュール管理、現場作業以外の全てを賄っている会社
実際、日本国においてこう言った会社は少なくなく、その中にはホワイト企業もちゃんとある。
だが、その社長が無能、またはブラック上司だったら…?
「社長が倒れた時、誰も業務を引き継げない、あるいは引き継ごうとしなかった」という場合もあり、その会社の社員たちは再就職に難儀するどころか、カリスマ社長が居ないと何も出来ない無能と後ろ指指されてしまったケースもある…



どんなところがブラックか?


流石にここで社名を公表することはしないが、web上ではブラック企業ランキングやらブラック企業大賞が開催されるので、
興味のある人は見てみるといいだろう。
こうしたところでは、腹いせでのブラック告発も割と淘汰されていると言われる。

業界構造的にブラックにならざるを得ないことで有名なのが、中小企業の元請クラス、特に土建屋。
彼らは現場を仕切り、発注者からの注文に応えるために数多くの図面や資料を作成する。
そして下請の職人さんが現場で動いている間は基本、現場でその作業を監督する。
……じゃあデスクワークは何時やるの? 想像の通りだ。定時のアフター5からが大半なのである。
その日の作業が終わってから明日の作業の段取りをし、一方で発注者からの要請にも応え続けなければならない。
はっきり言って一人ですべてを残業なしに回すのは不可能である。だからといって、中小企業の規模では多人数をその現場につけられるような余裕はまずないのだ。
必然、現場担当にはとてつもない負担がのしかかる。
なんとか彼らの負担を軽減しようという良心的な会社だと、
一現場終わったら一週間とか10日間の休暇を与えてリフレッシュさせてから(というか現場が動いてたら土曜日なにそれおいしいの?である)次の現場に配置するが、
そんな余裕がない会社も多い。
伊達に3Kと呼ばれてはいないのだ。

そして広告代理店。
小規模なデザイン事務所だけではなく、エリートが集まる職場というイメージが強いトップクラスの最大手も危ない。
大手トップでも過労死(過労鬱による自殺を含む)やそれにまつわる裁判も何度か起きている。
不規則な生活が多いメディア業界や芸能界と関わるため、修正依頼も土日祝日問わずやってくる。
また、所謂ウェイ系やゴリゴリの体育会系が入ることが多い業界であるせいか、セクハラやパワハラ、過労自慢が常態化しやすい風土もあり、過労で鬱になりだした社員にさらなる鬱材料を追加している。
過労自慢体質は出版社、放送業界などメディア系全般の病理とも言える。

「社会的地位が安定したブラック職場」といえば学校や病院も少なくない。冒頭の爆弾発言も学校によるものである。
特に学校では生徒の素行や家庭環境の問題も持ち込まれやすく、さらにその競技に全く詳しくないのに部活の顧問を押し付けられるのも常態化しており教員の過労に拍車をかけている。近年はこれを解消するために「部活の技術指導は外部コーチに」「ガチで競技をしたい子供は外部チームに行け」という方針も勧められつつある。
病院は所謂三次救急系病院、小児科・産婦人科・外科系がブラックになりやすい。
特に産婦人科は出産時間をコントロールしきれない*15ため勤務が不規則になりやすく、そのくせ患者の親族側も「出産は大したことがない」と勘違いしている人が多いためうまくいかなかった時のトラブルも多い。このため志望者が減っている診療科の筆頭を長年走っている。
教師や医師は「聖職者」として敬意を持たれる代わりに「聖職者なんだから」と特に義務のある訳でもない仕事や金額に見合わないクオリティの仕事を押し付けられやすく、当人もその気になりやすいのである。

そして、ベンチャー企業。
誰も経験したことがない新しい仕事が出来る!と主張するものの、人手も企業体力も営業実績もないのだから、苦労するのは当然のことであり、会社の成長にリソースの全てを注ぎ込まなければ消えゆく運命なので、コンプライアンスはどうしても二の次になりがちである。
とにかく人手が欲しいものだから、採用方法も酷いもので、
興味本位で覗いてきた大学生に対して「え?俺たち新時代に道を切り開く仲間だよな?」と新興宗教のごとくズルズル勧誘したり、
実績どころか実験も成功させたことがないのに「我々は上手くいっている!」とテレビやネットで大口叩いたり、
会社の広告に何も知らない芸能人を起用したり、
事業すら固まっていないのにテレビの取材に応じたりと、
詐欺と訴えられても文句の言えない勧誘を行うところも。

なお、ベンチャー企業も玉石混淆であり、
一流大学卒で大企業勤めの経験もある社長が、大手投資家の全面的なバックアップのもと立ち上げたIT会社もあれば*16
社長は漁師、出資者は左翼系政治団体、技術提携は韓国の大学の、エネルギー会社…なんてのもあったりする。そしてそんな発足数年で消えるべくして消えた企業に貴重な国立大の新卒枠を費やしてしまった大学生もいる。
なにより、ネットで理論武装して政治家やら大企業やらを目の敵にする一部の大人が、テレビのサクセスストーリーや著名人の夢追い人ビジネスなんかの影響を受けてベンチャー企業に夢を抱きすぎてしまい、新卒の若者にベンチャー企業勤めを強要するという、あまりにも笑えない事態が実際に起きている。本人はそれが他人のためだと思っているのがタチが悪い。就職担当よりもダメな大人の戯言を信じてしまった大学生も大概だが。

ベンチャー系と似たようなものとして、「話題の店として全国に続々出店中!」などと宣伝される、急成長中の新興企業はその特性や立ち位置からブラック化することも少なくない。
事業や規模を拡大するためにはそれ相応のエネルギーや労力がいるというのは当たり前であり、その分が社員にのしかかってくるという単純な話である。
もちろん、「仕事は厳しいが、見返りも大きい」とばかりに新入社員相手にも高い給料や充実した福利厚生を用意したり、初任給こそ平均的だが昇進するほどに加速度的に給与を増加させるなど相応の見返りを用意するところもあるが、こういった対応が可能な企業はごく一部のみである。

また、「アルバイトにとっては楽」という企業も正社員になるとブラックっぷりを発揮するという例もある。
そもそもなんで右も左もわからない、嫌な言い方をするなら「業界に於いては全くの素人」に過ぎないアルバイトが何故比較的短期間で戦力になれるかというと、それに関わる面倒事の全て正社員が引き受けているからである
もっと言えば「教えれば誰にでも出来る部分だからこそ素人同然のアルバイトに任せて責任の伴う重要な作業、社運にも関わる交渉や対外的なトラブル対処、業務計画の作成~アルバイトへの指示…といった肝心要の業務は正社員に背負わせている」から表面上は「誰でも出来るお仕事」の体裁を保つことが出来る、ということである。
言い方を変えれば「正社員には最初からブラックな部分だけを抽出して押し付けている」のだ。
この例は小売業や飲食店、特に広域~全国区のチェーンに多いとされる。
頑張りが認められてアルバイトや期間工から正社員に登用されたのは良いが、単に「更に給料が増えてボーナスまでついたアルバイト」程度の感覚で臨んで飛躍的に業務範囲や責任が増える事についていけず逃げるように退職し、再び非正規生活に戻る者だって少なくない。

ほら、そこのコンビニ店員なんて誰でも出来る仕事なんて言ってる貴方、チェーン店という巨大システムとしての面倒事はプロであるオーナーやチーフ、本社のスタッフが全て背負っているからこそ「誰でも出来る」仕事になっているんですよ?
尤も、昨今のコンビニは業務の肥大化が激し過ぎてアルバイトでも仕事を覚えきれずorついていけず辞めていく者が多く、「誰にでも勤まる仕事」と言い切れなくなりつつあるのが実情だが…。

また、アニヲタ的にはアニメ業界のブラックぶりも有名であろう。
アニメーターの多くはフリーという扱いなのでブラック「企業」とは厳密には異なるのだが、扱いのひどさは唖然とするものがある。
今のアニメーターの収入は新人だと年収50万にもならず、20代平均でも100万ちょい。正社員なのに冗談抜きで最低賃金のパートタイムレベルである。副業をするか実家の援助か生活保護なしでは生きていけないのだ。
作画崩壊という現象も、こうしたアニメーターの過酷すぎる環境が一つの原因であるとも言われている。

ほら誰ですか、そこで違法配信アニメ見ながら作画崩壊乙だのまーた余計なアニオリ改変かよ…だの糞画質何とかしろ!だの広告&海外字幕UZEEEE!!だの文句垂れてるのは?あんたみたいなのがアニメ業界をますますブラックにしているんですよ?
まあ現代では高画質な見逃し配信やサブスク・海外展開が充実してきたことで法的、倫理的にはもちろんセキュリティの観点からもリスクの塊のようや違法配信を見る人はかなり減ったと思いたいが。

違法視聴サイトにはウィルスやマルウェアなどが仕込まれている場所も少なくなく、低画質&広告まみれな1話タダで視聴するためだけに個人情報を抜き取られたりデバイスの操作権を掌握されるなどの多大な被害を被る可能性がある。...どころか、お目当てアニメのサムネイルに釣られてクリックしたら得体の知れない海外AVやいかがわしい投資サイトの数々ばかりでいつまでも動画に辿り着かず、最終的に待ち受けていたのは典型的なワンクリック詐欺の請求画面でした。という骨折り損なパターンも日常茶飯事。

また、一部の外資系企業などが、「お前たちの法律?人権?知らねーよ外国人のことなんか!」と、
  • 就活ルールガン無視で優秀な新卒生を青田買い
  • 企業の技術者を金で引き抜き、知識と技術だけ搾り取ったら冤罪をでっちあげて賃金も支払わず放流
  • ショッピングモールを建てた後、地域の小売店が壊滅するまで半額セールを辞めない。
    そして壊滅した小売業者や地元の若者住民を最低賃金で働かせる。
    さらに地域が取り返しのつかないほど寂れてきたら従業員全員解雇してその地域から撤収
  • AIによる無能社員と有能社員の判別、そしてパソコンにて表示される唐突なクビ宣告*17
など、自国内では絶対に出来ない横暴を働くことがある。
もちろん日本国内ではバブル崩壊後に散々やられてしまった経験があるためそんなことしようものならすぐにでも労基を始めとしたしかるべき団体が動いてくれるのだが、
先進国の企業にすら逆らえない発展途上国では未だそのような横暴が蔓延っているのが現状である。
ただ、国外にもちゃんとしたホワイト企業で、かつ外国人の募集を行っている会社は沢山ある。ブラック企業で心壊れた日本人や韓国人が「自分の実力をしっかり見てくれる」外資系の企業で成功したという事例はたくさんある。
ただ、中国系、アメリカ系の外資系の会社というのは良くも悪くも実力主義な面が強く、生半可な力では通用しない。
これはあくまでも極端な例だが、外国人に当たりの良い外国(特にカナタとオーストラリア)では、求人倍率がアルバイトですら100倍、正社員にもなると500倍にまで上がっており、流暢な英語及び社会人経験は「持ってなければスタートラインすら立てない」レベルとなっている


ある意味「なるべくしてなったブラック企業」と言えるのが、暴力団(ヤクザ)や半グレなどの反社会的勢力のフロント企業
あの財団の職員の方々なら財団用語として度々登場するため理解しやすいだろうが、フロント企業というのは「身元を隠すために設立した企業」である。まあ要するに「世を偲ぶ仮の姿」というやつである。
例えば、名前だけを貸す建築会社。
車の展示場を作ります!と地元地域にアピールして適当にも程がある看板を建てて施工建築を開始。
土地の整地を終えた後になって「この会社は経営が傾いたので土地も建物もパチンコ会社に売り渡します!パチンコ店を作ります!」と言い張るもの。
見た目や業務内容、表向きのスタッフの態度や行動こそ真っ当に見えるが、何しろ「運営」が縦社会…を通り越して「上が白といえば黒いものでも白くなる世界」であり、そんじょそこらのブラック企業ですらドン引きするような理不尽やパワハラが当然のようにまかり通ることも少なくない。
更に酷い例となると偽造品の販売や詐欺などの犯罪の片棒を担がされて、自身が逮捕される可能性すらあるのだ。
単純に反社会的勢力と関わりがあるというだけでも周囲から白い目で見られるのは明らかなので、従業員・顧客のどちらとしても関わらないのが無難である*18


人は急にホワイトにはなれない!


自分はブラック上司にはならない!クソ上司め、覚えてやがれ!と思う方、ちょっと待って欲しい。
じゃあ、本社の社長や幹部からいきなり「クソ上司は退職させたからお前が職場の責任者になれ」と言われ、はい分かりました、と即答できる人はいるだろうか?
どうせ責任や拘束時間ばっか一人前に増えるクセに給料は半人前も上がらないからやらないって?
だが、ボーナスから退職金までの手厚い各種手当や福利厚生、雇用の保証といった恩恵を受けている以上はいずれはやる時が訪れるのだ。正規雇用というのはそういう立場なのだ。
いつまでも目先の作業だけやっていたいという人はアルバイトやフリーターでもやろう。
営業から実務、金勘定まで全部出来ると言う人ならば独立してもいいかもしれない。
そんな時…例えば技術一筋で生きていた人間が、あるいは売り場でお客様とだけ向かい合ってきた人間が、部下の予定を管理しろ、より高い利益を上げられるよう現場全体を改革して次の決算までに最低〇%の結果を示せと言われて、急に出来るだろうか?
自分の仕事の予定管理すら出来ない人間も多いことだろう。今まで上の人間がスケジュール全部組んでくれて、何かあっても上司に一言言えばその都度調整・指示をしてくれるから、 職場に20年以上居座ってもう40歳近くなるのに、言われた作業しかしてこなかった、自分でメモ帳をとる習慣すらなかった大人だってザラにいるのである。それが普通である。

無論、社内、社外での講習や研修、勉強会などでそう言った人間を育てるのも会社の仕事であり役目でもある。
だがしかし、事件や事故、人手不足や急な人事異動などで、研修をすっ飛ばした人間が管理職につくことなど、割とよくあることである。そしてそれは明日のあなたかもしれない。
そんなとき、
  • 上司や客先からの無茶振り
  • 鞭で打たなければ微動だにしない、そのくせ辛くなったらすぐ退職やパワハラをチラつかせてくる部下
  • 物価の上昇や外資の参入、温暖化や円高、円安、燃料費の高騰など、変わりゆく時勢により「いつも通りの仕事」ではどんどん悪化する一方の業績
  • 管理職を務めるまで全く意識していなかった新法律が、管理職には思いっきり関わっており、業務と並行して新システムの導入を急がされる
これらを前に、あなたはホワイト上司で居られるだろうか?
そんなときあなたは
  • 「こうなれば責任持って管理職やろう」と前向きに捉え、たとえ自費になっても率先して各セミナー等に参加したり他の管理職の仕事を熱心に見習い自分なりに取り入れてより良い上司であろうとするか
  • 思考停止してかつてのブラック上司の横柄ぶりをまんま真似して第二のブラック上司になるか
  • こんなのやってられるかと退職届を叩きつけて職場から逃げ出すか
  • 会社の社風に合わない新システムの導入、部下のフォローアップもマネジメントも無い残業禁止令など、ネットで聞き齧った知識だけで改革を行おうとして現場を混乱させる、ブラック上司よりも遥かにタチが悪い「無能な働き者」なクソ上司と化すか…

…それはあなた次第である。
だが、半沢直樹は一番最初の選択肢を完璧にこなせたからこそヒーローなのである。

余談だが、社長が出来て、かつホワイト企業を経営出来るような能力のある人間であれば、大企業なんか余裕で就職出来る。
そして、下手な中小企業の社長やるよりも、大企業の社員をやっていた方が、圧倒的に収入はいい。
会社の利益と社長の収入を一緒くたに考えて批判する社員はどこの職場にも現れる。
「会社で億単位の売り上げをあげること」と「個人の収入が億あること」は全く違うことである
間違っても、「大金稼いでるんだろ」「やる気がないなら社長なんてやるな」などと発言しないように。
そして「売上が一億円超え」の企業はたくさんあり、決して珍しいものではない。
それこそ、情報商材のためだけに立ち上げた会社であってもである。つまりは、「あなたも億を稼ぐ人になろう」「億を稼ぐ人の思考回路を学ぼう」みたいなキャッチコピーの商材はだいたい詐欺である。*19

ホワイト企業を経営してくれている上司や社長には感謝を忘れないようにしよう。大企業に逃げ出されたりしたら追うに追えないぞ。


ブラック企業は社員だってブラックだ!


ブラック企業なんて辞めてやる!俺はもっと自由に生きるんだと思う前に、ちょっと待って欲しい。
ブラック企業で働いて身につけた価値観で、ホワイト企業に行くのは、あまりにも危険である。

例えば、ブラック企業では、上司がアレしろコレしろと細かく指示をするだろう。仕事が終わらなかったらサービス残業だ。
だが、ホワイト企業ならばどうか?残業しないように自分でマネジメントしろ、その上で、部下に残業させないようにフォローアップしろと言われるのだ。
残業代出るなら残業してもいい?残業代は企業の損失であり、続けたらその分だけ信頼を失うのである。
ブラック企業で身につけた体力?精神?そんな非効率的なものは役に立たないどころか邪魔でしかない
ブラック企業では、年功序列上司が無能でさぞ不満を溜め込みがちであろう。
しかし、ホワイト企業は実力主義に移行し、社員の能力や仕事の評価を事細かに査定し、昇給や昇格をさせているところが多い。
ブラック企業における降格や降給とは、せいぜい懲戒処分だけだろう。仕事も階級相応になるだけである。
しかし、ホワイト企業にとって、降格とは不向き・能力不相応と判断されて仕事を減らさせることである。そのハードルはあまりに低い。しかしその分、同じ職場で新たな仕事や役職に巡り会える可能性も高い。
そんな環境の中で、上司の言われるがままに仕事をしていただけの人間が、果たしてついて来れるだろうか?

これはあくまでも極端な例だが、
  • 基礎学力が足りなさすぎて、周りの皆が一度の説明で理解している仕事の内容を自分だけが理解できない*20
  • メモを取る習慣がないので、同じことを何度も聞き返し、同じ過ちを繰り返す。
  • コミュ障を拗らせすぎて、同僚の名前を覚えるどころか、あいさつすら出来ない。
  • 勉強する習慣がないため、仕事に必要な知識を覚えることが出来ない。
  • 整理整頓をする習慣がないため、会社の備品を散らかしたまま元の場所に返さない。
  • 予定を立てる習慣がないため、無茶苦茶なスケジュールを組んでしまい、部下にも強要してしまう。
  • 上記のことを指摘されても言い訳ばかりして謝らない、改善しない
といった感じで仕事についてこれず、せっかくホワイト企業に転職したのに試用期間でクビになった、もしくは自主退社してしまった人間も存在するのだ。むしろよく入社できたな。

なお、ブラック企業から逃げ出した社畜がブラック企業を立ち上げる、ブラック上司のモデルケースにされるという作品は割とたくさんある。決して珍しいことではないのだ。
ブラック企業に長く在籍した結果、暴言暴力でしか人の動かし方を知らなくなったために、ミイラ取りがミイラになった風刺として描かれたり、
自分が酷いことをしている自覚はあるが、そうしなければ経営がやってられないと、世間や国や世の中を批判する作品もある。
そして、もとよりブラック企業で働くべき無能だったなどとブラック企業の社畜を酷く挑発的に描く作品もある。

社長だってブラック企業で働きたくない!

勘違いされがちだが、社長だってブラック企業で働きたくないのである。
自分からブラックにしておいて何言ってるんだという方はちょっと待って欲しい。
今の世の中、悪評はSNSで拡散され、簡単にデジタルタトゥーが残るのだから、簡単にはブラックには出来ないのである。
実際、ブラック企業の名前がニュース記事になったら、ほぼ確実にインフルエンサーや動画投稿者などが取り上げて拡散するだろう。
社員の権利などが声高に叫ばれている世の中、ブラック経営をしようものなら、即座に労基に駆け込まれておしまいである。
大企業なら専門の部署がうまいこと対応してくれるが、中小企業の社長はそうともいかない。労基への応対や今後の予防策含めて社長が全て対応するのだ。

生半可な心意気なら社長なんてするなって?
今の社長ならそれでいいかもしれないが、その後継者はどうか…?
一族経営の会社で、社長の息子が社長を継ぎたいないと言い出したらどうするのか?
そして、会社の社長が居なくなったら、たとえ黒字であろうがその会社は「廃業」である

…これらはあくまでも極端な例だが、
  • 「この会社の製品はアナログで時代遅れだ」と判断した昔ながらの由緒ある会社の社長が、黒字にもかかわらず会社を畳んだ
    従業員たちは歴史や先代の想いなどを口にして閉業反対を主張したが、誰も自分が社長をやろうとは口にしなかった
  • 社員たちが当時流行っていたドラマの影響で社長に無礼を繰り返した結果、社長業に嫌気がさした社長が夜逃げした逆に「倍返し」されちゃったね
  • 社員たちが「一部の社員だけを雇用存続するM&A」に反発し妨害を行った結果、会社が廃業して社員全員が解雇された
  • 勤め先の会社がM&Aされたが、過去のやらかしや成績の低さなどを理由に「お前のポストはない」と社員1人だけ名指しして雇用を拒否した*21
  • 社長の息子が会社を継ぐ予定だったとある会社で、息子が大卒の自分に対して社員たちが皆高卒だから会社を継ぎたくない」という理由で、引き継ぎを拒否して会社を畳んだ流石にこれは酷すぎる
  • 中年、壮年の社員たちが、若くして社長になった若手社長を「これも勉強だから」「俺も若い頃は〜」などと言いがかりをつけて支えようとしない。そのくせ、社長の仕事に完璧を求め、不都合があったら社長を全力で非難する。
    そのくせ社長よりも職務に対する知識も経験もあるはずの社員たちは責任の生じる立場に立つことをとことん拒む
    社長は政治家じゃないんだぞ
  • 中年、壮年の社員たちが、若くして社長になった若手社長に対し、絶対に反撃してこない人間だからと、ネットで政治家を叩くノリで社長に対し逆パワハラを働いた。その後?もちろん社長は逃亡し会社は潰れましたよ

という事例もある。

社長に媚びへつらえというわけでは断じてないが、社長を支えてあげることをどうか忘れないで欲しい。



近年のサブカル事情


バブル経済時期に描かれた漫画にて「地上げ屋」をモチーフにした敵ボスが出てきたのと同じように、
近年のサブカルでは「ブラック企業経営者」が敵幹部、またはラスボスになるということが増えてきている。それ以前でもアニカビで工場やアニメ業界のブラックぶりを風刺したエピソードがある。後者はロボ刑事番長ともども作画崩壊の典型的な例として挙げられる。ロボ刑事番長のアニメ化もまるっきり時間がなさ過ぎた。幸い1話で打ち切られたが
(例:プリキュア5のナイトメア)
他にもブラック企業ではないにしても、近年人気が爆発した漫画「鬼滅の刃」のラスボスが本当にブラック企業経営者のそれだったりする。

もちろんこれは日本国内だけではなく、
暗殺ゲームのターゲットがブラック企業の社長だったり、
SFゲームのラスボスがブラック企業だったり、
中世だったり古代だったりする世界観の中で主人公がいくら働いても給料が上がらないと嘆いたりするシーンがあってその後勤め先から裏切られる展開が発生したりと、
世界各国、下手をすれば架空の世界でもブラック企業=社会悪という構図は変わらない模様。

…漫画家や脚本家、監督を始めとしたクリエイターが皆社会人生活を送っているわけではない以上は仕方がないのだが、
ブラック企業勤めの人間から見ても明らかに主人公に問題がある作品もチラホラ見られるのはご愛嬌。そして本物のブラック企業戦士である読者や視聴者から叩かれる。

+ 主人公に問題のある一例
  • 前科持ちや、ネットで炎上して顔が割れているなど、「ホワイト企業に入社できない理由」を抱えているが、本人は世の中のせいにしたがる*22
  • 遅刻や早退、無断欠席など、主人公の就業態度が明らかに悪い。
    なのに「反骨している俺カッコいい」という心理描写が描かれ、やがてブラックな社会構図に一石を投じる期待の新星的な存在になっていく。
  • 主人公に業務に必要な能力が明らかに足りていない。そんな社員が「人柄が良い」など理由で特別なポストにつかされる。
    上司が学校の先生のようにつきっきりで指導しないといけないのだが、主人公は感謝をしないばかりか愚痴を漏らす。「人柄が良い」とはとても言えない、いちいち視聴者の癪に障る主人公の態度が、作中では「素直」「裏表がない」と称賛される。
    • 能力も業務に対する知識経験も足りない主人公が、「そうだ、良いことを思いついた!」と手を叩き、上司の許可なく考えついたことを即座に行動に移す。
      時間も金も会社の信頼も失いかねないあまりにも幼稚で短絡的な行動がなぜか上手くいってしまい、主人公の独断行動は非難されるどこらか賞賛される。
  • 平気で「死ね」「殺す」などと口にするなど、社会人とは思えないくらい言葉遣いが汚すぎる。
    • そしてヘイトの積み重ねもないまま本当に政治家やらブラック企業の社長やらを殺してしまう
  • 職場のデスクがとてつもなく汚く、整理整頓もしない。
    にも拘わらず「仕方ない奴」と苦笑いで流される程度だったり、それを指摘されても「あれがあの人のベストな仕事環境なんだよ。まぁ見てなって」と何故か指摘した方が諭され、最終的に主人公に感化されちゃう。
  • 逆に主人公が「5Sを徹底しましょう!」と主張すると、責任者決めやパトロール、フォローアップもやっていないのに、何故か上手くいってしまう。
  • 勤め先に貢献しようという姿勢が一切ない。
    自分の勤め先がダムや巨大ビル、ゴルフ場などの事業で自然を開拓しようとした際に、「今の我が社は間違っている…だが内部からでは変えられない…なら外部の力を借りよう!」などと会社を退社することなく反対デモに参加する。
    普通なら会社側のスパイと見做され叩き出されかねないが、『我が社の過ちを正すにはあなた方の力が必要なのです!』という頓珍漢な演説にあっさり感化され、自然団体の手綱を入ったばかりの主人公に委ねて会社と全面衝突して勝利してしまう。
    それでも翌日からさも当然のように出勤し、どんなに上層部に睨まれようとどこ吹く風、解雇を宣告されようものなら不当解雇だと裁判を起こしてでも会社に居座ろうとする。
  • 残業代が出るようになったら進んで残業する。
    残業代は企業にとって大きなマイナスであることを理解しておらず、マネジメントで残業しないように動こうなどは一切考えない。
  • 出資者やスポンサー、取材対象を会社のメディアや個人のSNSを使って貶してしまう。
    会社の信頼にも関わり他のスポンサーからも縁を切られかねない最低な行為だが、巡り巡って相手の信頼回復に繋がり賞賛される。
  • 個人主義が強く、飲み会や懇親会の類には『面倒くさい』『その間も業務として給料出してくれるなら行きますけど?(笑)』などと素で宣ってテコでも参加しない。
    上司からは嫌われているが、何故か部下や同僚からは好かれておりプライベートも知れ渡っている。
  • 近代化だIoTだ日本は外国に比べて遅れていると主張して新システムを導入するも、明らかに勤め先の社風や社員の働き方に合ってない。
    それなのに何故か社員から賞賛されて、古き良き手法に拘る上司が無能呼ばわりされる。*23
  • 明らかに非効率的な作業を「古き良き伝統」などと言い張り、素人目線どうでもいい作業を時間のかかる手作業や手入力に拘る。
    自動化やIoT化を勧める人間は決まってチャラ男であり、コミュ力不足や人徳の無さ故に敗北する。
  • 主人公が現場では確かに欠かせない存在だが、デスクワークや対人対応、金勘定などそれ以外の能力がからっきし。
    経費で高額な備品を購入するなど、目前の仕事を終えても赤字になることをやってしまうし、それを叱責する上司に気取った笑顔で筋違いな屁理屈を返す。
    そして主人公の屁理屈は「何故か」見事に功を奏し、客先に気に入られてさらなる受注に繋がるなど会社に大きな利益をもたらし、主人公を叱責した上司が悔し顔で逃げていく。
  • 仕事よりも「ざまぁ」を優先する。
    会議で上司のやらかしを暴き貶すような発言をするなど、他人の足を引っ張るような言動を繰り返す。
  • 自分の失態ややらかしなどを指摘されているのに、上司や政治家などを引き合いに出し、あいつに比べればマシ、自分は悪くないなどと主張する。
  • 会議を「既に結論が決まったことを延々と乳繰り合う無駄の塊」などと極端に嫌う。
    主人公に情報共有をするという発想はないのだが、何故か主人公の成果や思想主義は社外にも広く知れ渡っている。
    そしていざ会議の場に乗り込むと…
    • 会議業務に関係ない社員全員に声をかけてしまう。
      自分の部署と関係ない人にとっては時間の無駄なことは一切気にしない。
    • 相手の反論を「聞いてください」と黙らせ、採算?何それ美味しいの?と言わんばかりの人情話を披露し主人公に同意してくれる人間たちの拍手を以て採択。
      自分の論は主張するけど相手の主張は許さない。
    • 自分が出席していなかった過去の会議、または出席していたが発言していなかったために前に決まった内容をほじくり返して会議を振り出しに戻す。好きな言葉は「そもそも論」
      自分の私的な時間を害することは嫌うが、相手に無駄な時間を浪費させることは一切気にしない。
    • 長々と持論を展開。反論を口にされても、「じゃあ代案はあるの?」または「黙れ!」(机ドン)で相手(会社の社長はおろかグループそのものを統括する役員や会長クラスの人物だろうと)を強引に黙らせて強行採決。
      脚本家がグループディスカッションを経験したことがないのでそれ以上の発言は出来ない。
      場合によってはそこから↓の野次にすら発展()する。
    • 「帰れ!かーえーれー!」というまるで知性の感じられない野次を、自分の会社の会議室内で上司相手に行ってしまう。普通なら即座に「いやお前が帰れ」と問答無用で会議から叩き出された上で即日肩を叩かれるレベルの蛮行なのだが、何故か他の出席者(上司の被害者など)が勇気づけられて帰れコーラスに発展、それをきっかけに上司を追い詰める展開になっちゃう。
    • 「苦しい時こそ助け合い」などの綺麗事を口にするが、目の前の問題の代案や解決策は提示しない。
      経営が苦しいために派遣切りを行おうとしている中で、「派遣社員の雇用と我が社の利益、どちらも守り切る!」と会議で主張するも、肝心要の代案は他人に丸投げ。
      そして主人公側の方策はいつまでも出ないまま結局「上層部が大金を横領していた」などご都合主義的な展開にシフトしてそれを解決する。
    • 主人公はアイデアは出すが、それだけ。細かい運用やお金の動かし方は「それを考えるのがお前の仕事」で他の人間に押し付ける。
      典型的なブラック上司の思考である。
  • 上司や取引先など目上の人間への態度が悪い。
    取引先に対して無礼を繰り返すが、何故かその態度が「面白い奴」「型破りな逸材」として相手から気に入られてしまう。
    説教中の上司に面と向かって反論するわけでもなくボソボソと中途半端に口答えする。そしてその口答えが見事に的中し上司は追い詰められ、狼狽する上司を見て主人公がやれやれと一言。『だから言ったのに…』。
    嫌々ながらも飲み会に参加し、対人関係は口先だけでもしっかりしている同僚を「上司に媚を売っている」と見下す。その同僚は大体『周囲に媚びを売る事しか能のない小心者』として上司と結託して主人公を会社から追い出そうとする小悪党になる。
  • 社会人のくせに「売上」「原価」「利益」の概念を全くわかっていない。
    ハンバーガーの原価が一個当たり30円だと本気で考えており*24、「卸値で売る」「赤字になる商品」といった現実の企業でもよくある大袈裟な売り文句を本当に実行してしまう。
  • 金持ちには定価にキッチリ利益を乗せて売りつけ、貧乏人や子供には赤字上等な安値で売るという、消費者保護法的にアウトなことをしでかす。
    その金持ちを徹底的に醜悪に描き、実は貧乏人の1人は〇〇の御曹司でかつての恩義から主人公の危機を救う!的な展開で釣り合いを取る。
  • 主人公が不正アクセスや機密情報漏洩、ハッカーなど反社会組織への仕事の委託などの悪事を「大金を横領している政治家サマよりはマシだから」などと言って正当化する。
    そして実際に政治的な巨悪を倒して主人公の悪行はお流れになるかあたかも義賊的行為の如く美化されるか、精々『必要悪』と生暖かく流されるだけである。
  • 主人公が他人に教える立場になるが、「見て覚えろ」「ここにはお前の成長する環境がある」といって、教育の責務は投げっぱなし。
    それでも何故か部下は成長するし主人公は「背中で語るタイプ」などと尊敬される。
  • 主人公は外国人技能実習生に対してとても優しい人として描くが、実際は「生産が追いついてなかろうが必ず定時に帰らせる」「技能資格に繋がる事はさせず簡単な作業しか頼まない」など無為に甘やかしているだけ。
    それを理由に取引先から納期の遅れや納品数について正当なクレームを受けても「お宅らは目先のカネのためなら技能実習生たちがどんなに苦しもうが構わない、と?」からの論点ガン無視の性善説で納得させちゃう。
    一方の上司は外国人に対してひたすら奴隷のように扱う悪漢として描く。
    外国人技能実習生も流暢に日本語を話し、教わった作業を淡々とこなす。作者や脚本家は「安給料で奴隷のように扱われる外国人技能実習生」を描きたいので、文化や言葉の壁などそこに存在しない
    外国人に教えるべきことも教えず、ただただ優しくしてくれるだけの主人公が延々と持ち上げられる。
  • ブラック企業勤めを自称しているが、どう見てもしっかり休みが取れている。
    月150時間残業しているとは思えないほど生気に満ちており、ゴルフなど時間のかかる趣味も持っている。
  • 改革と称して散々会社や組織を掻き乱しておきながら責任を負うことは嫌がり、組織のトップの座は別の人間にやらせる
    曰く「自由に気楽にやりたい」「俺が現場で動いた方が早いから」じゃあ独立しろ
    酷いものになると、その会社にとって部外者で入社するつもりも客として関わる気もないなのに、会社を掻き回すだけかき回して「悪は滅びた」と正義ヅラする。

また、書き手や脚本家が取材不足なのか、はたまた「現代日本の風刺」なのか「ブラック企業を退治するファンタジー物語」なのか書いている途中で曖昧になったのか、どこまでがフィクションでどこまでが風刺なのか不明なツッコミ所がありすぎる会社が登場したりする。

+ ツッコミ所多数の一例
  • 優秀で職場には欠かせないはずの主人公の能力を、誰も気付かない
    主人公の優秀さを頑なに認めようとしないばかりに「優秀な主人公に依存しているのに、主人公を貶し続ける」という歪な空間が物語の舞台となる。
  • 正社員なのに予告なしで唐突にリストラされたり、「解雇」や「定年退職」と書いて「クビ」と読み仮名を付けたりと、雇用システムが全体的におかしい。
  • 一族経営の会社というわけでもないのに身内人事が行われ、学歴も経歴も遥かに劣る無能な人間が上司になる。
  • AIへの学習や引き継ぎ業務もなく、AIの導入で勤め先の業務が全自動化される。
    その後、正社員含めた従業員が予告無しで全員リストラされる。
  • それほど大きな企業というわけでもないのに政治家だの親会社の役員だのがしゃしゃり出てくる。
  • 社長がヤクザと繋がっており、自分の会社の社員の殺害を依頼する。
  • 社長が会社の利益よりも1人の社員を陥れることを優先する。
    会社の目的とは社会貢献や世界平和などではなくお金を稼ぐことであり、社長が「損失の責任を個人におっかぶせる」ならまだしも、「利益度外視で社員を貶める」などは絶対にあり得ない。
  • 現在の社長よりも遥かに優秀な社長の息子に、家業を継ぐように圧力をかける。
    断られそうになると育ての親のような顔をして「親不孝者」「タダ飯喰らい」などと罵る、就活の邪魔をするなどの嫌がらせを社員総出で敢行する。
  • 優秀で大企業への入社も夢ではない若手の身内を地元の零細企業に入社させる。
    若手の夢と将来を潰す鬼畜の所業をまるで美談のように話す。
  • 窓際族や追い出し部署の人間たちは実は優秀な人たちだと描く。特命係に夢を抱きすぎである。
  • 主人公が「愚鈍商事」「フーリッシュ王国」など、名前からして悪意がありすぎる会社や組織に所属している。
    お前就活の時に何してたの?


なお、長期連載の都合により、連載初期は昭和だったので、上司や客先への無礼、部下や下請け先への無茶振りアルハラなど、昭和ではまだ許されていた振る舞いをしていた主人公が、
現代になって「ブラック企業許すまじ!」と義憤に燃えてブラック企業を潰すために行動する…なんて作品もある。
とんでもないブーメランだが、作者の価値観だって停滞せず日々アップデートしていくものである。


だからと言って、社会人を経験したクリエイターならばブラック企業を題材とした作品を書けるということではなく…(後述)


社会人が数多く作品を投稿しているweb小説…特に小説家になろうあたりでは、ブラック企業の社畜である主人公が異世界転生するというものが少なくなく、それが書籍化アニメ化されるという展開も多い。
(例: デスマーチからはじまる異世界狂想曲)
その場合、ブラック企業時代に培った経験知識能力で無双したり、もう自分みたいに苦しむ人を増やしたくない...とあちらのブラックな一大商会や奴隷制度を破壊しようとしたり、異世界の文化革命改革に躍起になったりする。

変わり種としては、「理想のヒモ生活」という作品もある。
詳しくは項目を参照だが、主人公は異世界の女王様と結婚し、ブラック企業勤めから解放されて、晴れて「ヒモ」になる。
…のだが、舞台となる世界が大戦争を収束した直後とあって主人公はブラック企業と変わらずの激務に追われることになる
「理想のヒモ生活はどこ行った」「(社畜であるため)金や権力では釣れない、お嫁さんにとっての理想のヒモ」などと読者からは揶揄されている。

また、ブラック企業の社畜時代の悪いクセが抜けられず、「言われた事しかしない、出来ない」「せっかく転生先で神様からチートパワーをもらったのに生かさない、アピールしないという、転生してもブラック企業勤めの記憶に引っ張られて、見た目はイケメンなのに中身はまるでダメな大人だったりしてしまうことも多い。
主人公が都合よく手に入れたチート能力に、これまた都合よく美人な女の子たちに目をつけられて主人公が再発進する…というのが、割とよくある転生もの作品の展開である。
そして、前世のブラック企業のように主人公を馬車馬のごとくコキ使っていた側が、主人公がいなくなってからは何もできなくなって落ちぶれていく…というのが、物語のテンプレである。

一方で、ブラック企業で培ったものを何も活かない、二周目の人生でも知識や価値観を前世のままアップデートしない、それでいて天から気まぐれや手違いで与えられたチートパワーで相手を一方的に蹂躙したり、主人公の行ったツッコミどころ満載の改革が「何故か」上手くいってしまい、社会を変えちゃったりするような、主人公が社畜である必要性が全くない作品もチラホラ見かける。

そういった作品類はごく少数ではあるのだが、その手の作品を槍玉に上げて面白おかしく貶すYouTuberやブロガーが多数存在しており、結果的に「小説家になろう」というジャンルそのものへのヘイトの矛先になっている。

社会を経験したことがないであろうキッズが、「主人公がブラック企業の社畜なのはブラック企業にしか入れないorしがみつくしかない無能だから」 「主人公は見た目はロリショタor青年美女だけど、転生した分も含めて中身は30、40代のおじさんおばさん」などと作品や作者に対して心ない罵声を浴びせることもある。
彼らも社会に出たら考えも変わると生暖かい目で見てあげてそっとブロックしておこう。突っかかったところで不毛な煽り合い…もとい時間の浪費にしかならない。


最後に


ブラック企業に入ったのはお前の努力が足りなかったからだとか、就活を怠けていただろうだとか、
正論でマウントを取るのは絶対にNGである。たとえ真実だろうがトラブルにしかならない。
大学4年の10月にもなって自己分析すら済ませていない、奨学金もらって大学に入った割には成績どころか出席率すらボロボロで就活以前に卒業出来るかも危うい、忙しい忙しい言う割に暇さえあればスマホ弄っている、世の中が悪い国が悪い言って国は信頼ならない言っている割には自分自身は身動きひとつせず結局国に助けてもらうつもりでいる、そんなどうしようもない人間が毎年のように現れては大学のキャリアセンターの就職担当を困らせているが、それはごく一部の人間である。

そして、運良くホワイト企業の椅子に座り安泰を手にしたとしても、近年の情勢の不安定もあって会社が経営難に陥った時に真っ先に切り捨てられるのは、上司や後輩から嫌われている人間と、能力の低い人間である。
とくにSNSやナレッジコミュニティなんかで学生やブラック企業戦士に上記のようなネット知識でマウントを取る人間にありがちである。
無事にホワイト企業に入社出来たとしても人間関係や日々の言動には十分に気をつけよう。



え?ノルマ未達成?じゃあ追記・修正だな…

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最終更新:2025年04月26日 13:44

*1 ブラック企業の代理や顧問をしていたとしても、彼らが必死で止めているのに企業が聞かない、という例もある。だが、社員を鬱にさせて退職に追い込むことをブログで勧めた社会保険労務士もおり、流石にその社会保険労務士は厳しい処分を受けている。

*2 裁判を起こすのは憲法にも定められた権利のため、筋の通らない裁判を起こされ対応に追われても、その損害賠償を取るのは非常に難しいのだ。

*3 業界で知れ渡っているブラック企業だったりすると、同情されたり逆に「そこで○年持つ根性はすごい、採用」なんてこともあるのだが、まぁ期待しないように。

*4 働いた期間、労働時間、残業の頻度、平均の累積労働時間、仕事に対して人数は足りていたか、職場の安全・衛生状態など。

*5 やめる前に相談や抗議はしたか、労組はどう対応したか、弁護士などに頼ったか。

*6 企業の対処・態度はどうだったか、退職金は出たか。

*7 どんな症状が出たのか・病院で診察結果・どんな治療を行ったのか。

*8 製品出荷前の最終検査など、「難しい仕事ではないが、絶対に手を抜くことが許されない仕事」は、社会人経験のある人間にしか任せられない

*9 後の就職活動で「こういう経緯で」と説明できるあたりは利点といえるが、法的手続を取るような人を採用するのを就活先の方が敬遠しがちになる面もあり、一長一短である。

*10 反政府活動や学生運動が悪いわけではなく、トップに立って活動していた人間は本来やるべき責務もしっかりこなしており、立派な企業に就職するなり、独立するなりしている。

*11 かつて日本の若者代表として参加していた人間たちの多くが「就活や学業を疎かにして」「問題となるニュースや事件もさほど理解せずに」活動していたことが問題であり、周囲からしたら「ロクに勉強も努力もしてないクセに声のでかさと言い訳だけは一人前な怠け者」にしか見えなかったのだ。30も過ぎたかつての若者代表だった人間が「もう国には当てにしていない」とインタビューに応える記事があったが、逆に言えばその人間は国のことが散々当てにならない信頼出来ないと主張していながら、大学を卒業して30歳を超えるまで、自分が当てにならない信頼出来ないと主張していた存在に縋り付くつもりでいたのだ

*12 上述の反政府活動においても、人事で働いているわけでもない大人たちが「これは良いアピールになる」と大学生を唆したという声もある。

*13 元ヤクザが銀行口座を持てないのは勿論、口座売買が違法だと知らずに銀行口座を詐欺団体に売り渡してしまった人は、割と結構存在する

*14 ブラック度比べの基準でもよほど酷い場合以外は使用しない方が大半のためあまり知られていないが、実はいわゆる労基署の人もこのへんの観点から「明らかな労基法違反の職員を拘束する」ために公務員としての逮捕権が認められている。普通は実際に手錠一式を携行して現場に向かうようだ。

*15 予定帝王切開でも容体が急変することは多い

*16 世界的企業であるAmazonやGoogleなんかはこの部類。

*17 とある世界的大手企業では、かつてテレビ取材を受けた時に仕事デスクに酒を常備している、会議室に集まって堂々と仕事をサボるなどの仕事ぶりが放映され、クビ宣告を受けた社員たちは同情されるどころか非難の的となってしまった。もちろんレアケースなので、もしも日本で似たような事象を起こされたらすぐに労基に駆け込もう

*18 下手に反社会的勢力と関われば一発で懲戒解雇、芸能人やスポーツ選手などであれば大々的に報道されて引退に追い込まれる事すらある。反社会的勢力の知人がおり、過去に付き合いがあったというだけでも大問題になり得る。

*19 こういった情報商材は、「他人にはない強みを身につけよう」「机の上は置き物にせず綺麗にしよう」「なりたい自分を紙に書こう」程度の、よくある自己啓発本にある内容を反芻するような非常に低レベルなものであることが多い。しかし情報商材のターゲットは会社の窓際で不満を溜め込んでいるレベルの低い人たちなので…

*20 普通の社会人であれば、学生時代勉強してきたことを「思い出す」話だが、小中学生時代からまともに勉強してこなかった人間にとっては「一から勉強する」ことであり、時間的にも脳年齢的にもモチベーション的にもかなりきつい。

*21 ドラマ「下流の宴」では、「とりわけ優れた人間でもないのに『中流階級』であることを誇りに思い、下流の人間を見下して言葉や行動にも表す、主人公の父親」がまさにこの通りの結末を迎え、自身が見下している「下流」へと転落してしまった

*22 弁護士やNPO法人などを駆使すれば、訳アリ人材でも融通を効かせてくれる職場の探索や、デジタルタトゥー解消はある程度可能である。

*23 IoT化ばかりを目的とするあまり社員の負担が増えてしまい、IoTの目的である「業務改善」に繋がらないことは、IoT化を推し進めようとして失敗しがちな近年の会社ではよくある事案である

*24 材料費だけなら30円で間違いないが、人件費、調理およびそれを行う機材費用に電気代、店のテナント代などの雑費を全く考えていない