ボビィ・バロウズ(クロックタワー)

登録日:2024/11/01 (金曜日) 20:45:00
更新日:2025/03/17 Mon 17:35:39
所要時間:約 5 分で読めます




一般的に シザーマン として知られる ボビィ・バロウズ は、サバイバルホラーゲーム『クロックタワー』シリーズのキャラクター。
ジェニファー・シンプソンと並ぶシリーズの代表的なキャラクターである。



✂️演者

  • すけろく(『クロックタワー:リワインド』のCM)

✂️登場作品


✂️概要

『クロックタワー』及びそのリメイク作の主要な敵。

金髪、真っ白な瞳、灰色の肌とアルビノらしき特徴を持つ男性。
顔面が奇形となっているが、一般的に知られている症状とは明確に異なる悪鬼の様な顔立ち。
1986年11月7日生まれ。

ノルウェー王国ロムスダーレン地方の山間部に建つ「クロックタワー」とも呼ばれている屋敷、バロウズ邸内に潜む殺人鬼。

紺色の子供用タキシードを着用し、常に巨大なハサミを持ち歩くことから シザーマン と呼ばれる。

その正体はバロウズ一族が信仰する邪神「偉大なる父」が遣わす使徒「偉大なる父の息子」であり、メアリー・バロウズの子宮内に形成された「次元の扉」を介して双子の兄ダンと共に現世に顕現した。

「偉大なる父の息子」は通常、現世に産み落とされたあと「サナギ」と呼ばれる巨大な胎児の形態を経て完全体となるが、正常に「サナギ」になったダンに対しボビィは身体器官が未成熟な状態で生まれ落ちており、出産に立ち会った産科医のウォルター・シンプソン曰く「三日と持たない」状態であった。

しかし、我が子を死なせまいとしたメアリーの呪術によってバロウズ邸の時間が固着され死を免れる。

性格は生まれた時から非常に残忍かつ無邪気で、非のない人間を殺害することに一切の躊躇はない。
強い 殺人衝動 を抱えている一方で常に遊び半分でもあり、時には追い詰めた相手の目の前でダンスを披露したりもする。

公式攻略本等の解説では「その手にかけた人間や動物の数は計り知れない」という記述があったため、恐らくはメアリーが息子の殺人欲を満たすためにいろいろと手配していた模様(孤児院の少女たちを連れてきたのも恐らくはその一環であると思われる)。
本編後に警察によりバロウズ邸が捜査された際、屋敷内に現存していた遺体だけでも10人を超えていた*1

なお、1995年9月時点で実年齢は8歳で年齢相応な体格(14歳のジェニファーの2/3くらいの身長)であるため、少なくとも作中で見ることができる赤ん坊の頃の姿*2よりは明らかに成長している。
時を止めているのに成長しているのは矛盾しているように見えるが、ミイラ化した犠牲者が屋敷に隠されていたりシザーマンの最初の犠牲者が白骨化していたりもするため、ボビィに寿命が訪れる時間 「だけ」 が止まっていると考えるのが最も矛盾が少なく辻褄も合う解釈であろう(そう考えた場合、身体的虐待を受けた上に満足な食事を与えられないまま監禁されていたサイモンが9年間も生き伸びられていたことに説明がつかないが……。)。

✂️能力

✂️物理的耐久性

あらゆる物理的衝撃の一切を無効化する不死身の肉体の持ち主で、本棚の下敷きになったりシャベルで殴られたり二階から転落しても全く傷を負わない。

✂️怪力

その小柄な体躯からは信じられないほどの怪力を持っており、巨大なハサミを軽々と扱う。
容易く扉や壁を破壊する描写もある。

✂️瞬間移動

瞬間移動でジェニファーの行く先々に先回りすることも可能。
ただしこれは河野一二三により 屋敷地下に潜むダンの能力 であることが明言されている。*3*4

✂️弱点

✂️寿命

前述の通り本来は3日と持たないはずの命を時を止めて延命しているだけであるため、身体機能自体は無敵な一方、止められた時を解放されることで死んでしまう。
バロウズ邸の時計塔が再起動することで時の固着は解除される。

✂️行動範囲

時が固着されているのはバロウズ邸の敷地内だけであるため、相手に屋敷から逃げられると手出しできなくなる*5

✂️取っ組み合いに負けることもある

ジェニファーはいざという時に火事場の馬鹿力で反撃するタフさを秘めていることもあり、取っ組み合いになっても(プレイヤーの連打力次第で)突き飛ばされて負けることもある。

相手がむけてきた大バサミを受け止めた上で突き飛ばしているため、「ジェニファーの腕力つぇえw」とかよく言われるが、回避モーションをよく見ると 菩薩拳の如く力を受け流して相手が体勢を崩した隙に両掌底をお見舞いする という方法でボビィを突き飛ばしており、単純な腕力で負けているわけではなかったりする。

また、続編『2』の小説版では、「シザーマンは恐怖の使徒として恐怖を存分に味わわせることを旨としているため、人をひと息で殺すことは基本的にしない」と言及されているため、ボビィ自身も同様の理由であえて手を抜いている可能性も高い。
実際、バッドエンディングの大半でジェニファーは 抵抗すら許されずに一方的に殺害されている。


✂️ゲームプレイ

✂️基本行動

手にした巨大なハサミを開閉させながら、常に歩いてジェニファーを追跡する。
移動速度はジェニファーより遅いが、別の部屋に逃げても撃退ポイントで撃退したり回避ポイントでやり過ごさない限りは延々と追ってくる。

回避ポイントでやり過ごす場合、場所によっては確定もしくはランダムで失敗する。

画面端で追い付かれたり、体力がの時に追い付かれるとそのままジェニファーが殺されゲームオーバーとなるが、それ以外の場所で追い付かれた場合は ジェニファーがハサミを真剣白羽取りして 取っ組み合いとなる。
取っ組み合い中にはパニックボタンを連打するQTE*6が発動し、成功すると ジェニファーがボビィを圧倒して突き飛ばす。

特定の場所ではジェニファーが逃げた先に先回りする瞬間移動を見せる。

✂️『クロックタワー』

特定のエリアに行ったり特定のオブジェクトを調べた時にのみ出現する。
また、階段の昇降ができず、追ってこない安全地帯がある等『クロックタワー2』のダンと比べると脅威度はかなり低い。
イベントのみの出現であるため、進め方次第では殆ど遭遇せずにエンディングを迎えることもできる。
また、体力が「赤」の状態でも連打速度次第では取っ組み合いに勝てるようになっている。

✂️『クロックタワー ザ・ファーストフィアー』

ハサミのSEと唸り声が『クロックタワー2』のダンと同じものに差し替えられている。
安全地帯が増えており、 弱体化している。
一方で体力「赤」状態での取っ組み合いは 確定で失敗 するようになったためそこは強化されている。
また、 ジェニファー側も弱体化 しており体力も減りやすくなっているため総合的にはオリジナル版と大差無い脅威度と言える。

✂️『クロックタワー:リワインド』

大幅にパワーアップした。

扉の開閉や階段の昇降が可能になり、更に安全地帯が無くなったため撃退するかやり過ごさない限り どこまでも追ってくる ようになった。

また、従来通りイベントでの出現に加えて『クロックタワー2』や『青鬼』のように時間経過でも不意を突くようなタイミングで出現*7するようになった。
更にリアルタイムで徘徊しているようでエリア移動したらいきなりジェニファーの目の前にいたりするなど 脅威度が増している。
更に、イベントによる出現ポイント自体も増えている。

取っ組み合いも『ザ・ファーストフィアー』と同様に体力「赤」では確定でゲームオーバーとなる。

しかしジェニファー側もどこでも座って体力回復できるようになったり、撃退・回避ポイントが増えたりとパワーアップしている。

✂️来歴

✂️本編以前

1986年11月7日、メアリーの子宮内に形成された次元の扉からダンと共に誕生し、産科医ウォルターの右手を食い千切るほどの異常性を既に発揮していた。

前述の通り本来は3日と持たずに死ぬはずだったがメアリーがバロウズ邸の時間を固着したことで生き延びる。

その後は大量の動物や人間を殺害する日々を送る*8

✂️1995年9月14日クロックタワー事件

クロックタワー』『クロックタワー ザ・ファーストフィアー』『クロックタワー:リワインド』

メアリーによってグラニット孤児院から連れられてきたジェニファー、アン、ローラ、ロッテの4人の少女を標的として襲い掛かる。

特にジェニファーとは壮絶な エクストリーム・鬼ごっこ *9を繰り広げることになり、 ハサミを真剣白羽取りされて突き飛ばされたり 、本棚の下敷きにされたり、シャベルのフルスイングを食らったり、殺虫剤を顔にぶちまけられたり、二階から転落させられたりし、時にはジェニファーが檻から解放した カラス に啄まれたりすることになる。

それでもエンディングD~Hでは兄や母親の介入もあって4人の少女を皆殺しにする。

+ ネタバレ
一方でエンディングS~Cではジェニファーに「屋敷の時計塔を再起動すると固着された時が再び動き出す」という情報を知られてしまい、ジェニファーが時計塔を再起動したことで止まっていた症状が進行し、苦悶しながら転落死することになる。
また、その直後もしくは直前に母メアリーもジェニファーに返り討ちにされ死亡する。

『クロックタワー2』に繋がるエンディングはこの内のジェニファーとダンだけが生存するエンディングA、B、Cであり、ボビィ自身が殺害したのはローラ、アンの二人(ロッテはどのルートでもメアリーに殺害される)。
ただし、エンディングAの場合はローラもしくはアンのどちらかもメアリーが殺害するため、ボビィのこの日のキル数は一人となる(メアリーは二人)。

なお、 「正史」として最有力なのはジェニファーがボビィとダンの名を知ることになるエンディングC である。
ただし、小説版ではエンディングAを彷彿させる描写もある。

✂️1996年 第二のクロックタワー事件

『クロックタワー2』

ジェニファーの回想やOPにのみ登場する。
また、クロックタワー事件の反響でジェニファーの証言をもとに作られたシザーマンのゴムマスクがジョークグッズとして売り出されてようになっており、
このゴムマスクとボビィのハサミのレプリカが模倣犯により悪用されることになる。

小説版ではダンの口から「できそこないの弟」と散々罵られる一方、
「双子として生まれたダンとボビィは二人でひとつの存在であり蘇ったボビィの魂が合一を果たすことによって、世界に終末が訪れる」
「そのための生贄としてジェニファーが狙われている」
とヘレン編の方で語られている(ジェニファー編では筋書き自体が若干異なるためこの点は言及無し)

✂️『クロックタワー:ゴーストヘッド』

ハサミ男「今回は出番なしか。チェッ」

メモリーカードのアイコンで上述の通り愚痴っている。
なおボビィとダンのどちらかは不明。

✂️コマーシャル出演

『クロックタワー ザ・ファーストフィアー』のCM

チョッキン チョッキン シザーマン

子供用タキシードを着た どう見ても日本人の男児。
グリップに「しざあまん」と名前が記された巨大なハサミを手に、 ミラ・ジョヴォビッチに激似なジェニファー を追い回す。

床屋に就職するもやってきた女性客の前髪を切りすぎて 激怒されて追い回されたり、 植木職人になったりした。

✂️『クロックタワー:リワインド』のCM

顔を黒塗りにしてタキシードを着た どう見てもおっさん
サンソフトの社員である「すけろく」が演じている。
巨大ハサミは段ボール製。

ジェニファーに襲い掛かるも カウンターパンチ をくらったり、 下段攻撃 で転ばされたり、 取っ組み合いで力負けして突き飛ばされ たりした。


トリビア

  • シザーマンのイメージ元は映画『バーニング』の植木バサミを持った殺人鬼のポスターである。
  • もうひとつのイメージ元は映画『フェノミナ』のパトゥア(奇形の顔を持つ子供の殺人鬼。髪型もボビィと同じ)。また、パトゥアの死に様はエンディングSでのメアリーの最後と酷似している(前者はハエの大群、後者はカラスの群れにトドメを刺される)。
  • ボビィという名前は一般的にロバートの略称として知られているが、ボビィの本名がロバートかは不明である。
  • ボビィの出番は『クロックタワー』及びそのリメイク作品のみだが、ボビィ及びシザーマンの特徴を継承したキャラクターはシリーズに登場し続ける。また、河野一二三による精神的続編である『Night cry』にはシザーマンによく似たシザーウォーカーが登場する。
  • ボビィはサバイバルホラーゲームに登場する「エリア移動して追ってくる不死身の追跡者」の元祖であり、北米では「ネメシス以前にシザーマンがいた」と『バイオハザード3 LAST ESCAPE』のネメシスが引き合いに出されることが多い。
  • エンディングHでは「車でバロウズ邸から逃走したジェニファーの背後に現れるハサミ」という描写があるが、河野氏の弁によると「時が固着されているのはバロウズ邸宅の敷地内のみ」とのことであるため、これがボビィだとすると一見矛盾しているように見える。
    • このエンディングで映るのはハサミだけであるため、かなり無理筋ではあるがメアリー先生がハサミを持って車に潜んでいたと解釈すればこの矛盾は解消される。
    • また、同じく河野氏によると、エンディングGにおける『孤児院に逃げ帰ったジェニファーが3日後に変死する」エンドにおいてもメアリーの暗躍があったとのことなので、これを踏まえると屋敷から出れないボビィのためにメアリーが直々に肌を脱いでやったとするのが解釈としては妥当と言える。

追記、修正はジェニファーにしばかれてからお願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • クロックタワー
  • ジェニファー・シンプソン
  • バロウズ一族
  • バロウズ邸
  • ボビィ・バロウズ
  • シザーマン
  • ダン・バロウズ
  • 殺人鬼
  • ホラーゲーム
  • バーニング
  • はさみ
  • ハサミ男
  • フェノミナ
  • フェノミナ←オマージュ
最終更新:2025年03月17日 17:35

*1 海外ファンからの質問に答える形で河野一二三が明かしている

*2 顔の部分が塗りつぶされた写真や『ザ・ファーストフィアー』のOPムービーに出てくる赤ん坊

*3 続編『2』含めてゲーム内では詳細が語られていないが、小説版『2』では『あいつはできそこないだから僕のようにいろいろは出来なかった』とダンがボビィについて述べている

*4 https://web.archive.org/web/20180614145606/http://w11.zetaboards.com/dontcryjennifer/topic/195429/5/

*5 河野一二三がファンからの質問への返答として明言している。詳細はhttps://www.tapatalk.com/groups/dontcryjennifer/this-is-completely-true-about-nude-maker-and-ct-t403-s20.html

*6 通称「RSI(Renda Sezuniwa Irarenai)システム」

*7 前触れなく天井から落下してきたり扉を開けてジェニファーがいる部屋に入ってきたりする

*8 『2』の小説版では人間の犠牲者の中にオスロウィーク新聞社の記者ノラン・キャンベルの妹もいたことが明かされている。厨房の食糧庫に放置されたミイラがノランの妹の成れの果てと思われる。

*9 アンサイクロペィアの「不死身の敵に追われるホラーゲーム」の記事で多用されるワード