ジェニファー・シンプソン

登録日:2024/10/30 (水曜日) 21:08:00
更新日:2025/01/20 Mon 17:35:13
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ジェニファー・シンプソン とは、サバイバルホラーゲーム『クロックタワー』シリーズのキャラクター。
シザーマンと並ぶシリーズの象徴的存在。


登場作品

演者

  • てらだやすこ(『クロックタワー』のモーション/外見モデル)
  • サロモン愛桜(『クロックタワー:リワインド』のCM)
  • こうりめぐみ(『クロックタワー2』のモーションアクター)

  • キャット・プロタノ(『クロックタワー:リワインド』のモーションコミック)
  • ミルコ・ヴァーンズ(『クロックタワー2』)
  • 西村ちなみ(『クロックタワー2』のドラマCD)

概要

『クロックタワー』及び『クロックタワー2』の主人公。

黒髪、茶色の瞳で僅かに黄色い肌の女性。やや太眉で長髪。白人というよりは日本人寄りの顔立ち。背丈や体格は平均的。
ノルウェー人。1981年生まれ。
5歳の時に父ウォルターを亡くし、9歳の時に母親に捨てられグラニット孤児院で養育されていた。

精神的には非常にタフで、如何なる状況下でも諦めない。
河野一二三曰く「ふてぶてしく生き延びる説得力」があるとされる。

『クロックタワー』では14歳で、静かでやや内向的な孤立しがちな性格。
孤児院ではボーイッシュが故に自身と同じく女子コミュニティで孤立しがちなロッテと仲が良かった。
服装は紺色のエプロンドレスと白い長袖シャツ。

『クロックタワー2』では15歳で、大学職員のヘレン・マクスウェルに引き取られている。
異性にコケティッシュな態度を取り、年上の男性にロマンチックな想いを抱くなど思春期の女性らしい背伸びした性格となっている。
服装は序盤は白いタートルネックセーターとダークブラウンのスカート。終盤は赤いロングコートと黒いタートルネックシャツ。

1995年9月に「クロックタワー事件」の被害者となったのを皮切りに、邪神「偉大なる父」の使徒である超自然的な殺人鬼“シザーマン”ことバロウズ兄弟に幾度も襲撃されることになる。

なお、小説版では母親がバロウズ一族の出身者であることが明かされている。

能力

河野一二三曰く「生き延びても違和感の無いふてぶてしさ」を持っており、 メンタルとフィジカルが非常に強い。

ホラー映画のファイナルガールをパワーアップしたようなイメージだろうか。

友達や知り合いの死や殺人鬼の襲撃に直面し動揺はするものの、決して生存を諦めず抵抗する。

主な敵対者であるシザーマンことバロウズ兄弟は 超自然的な存在 であり不死身の超人だが、そんなシザーマンに 純粋な腕力で勝り、凶器を真剣白羽取りして突き飛ばしたり、シャベルやモップでぶん殴ったり する。

また、体格で勝る相手にすら力で圧倒したりミイラを短剣の一突きで倒したりもしており、繰り返しになるが フィジカルと度胸が凄まじく人間離れしている。

ただし、走るだけで体力が減るなどスタミナは無い。
しかしその場に座るだけで急速に回復する。

ちなみに前述の通りバロウズ一族の血を引いているため、条件を満たすことで子宮内に次元の扉が生じて「偉大なる父の使徒」を産み出してしまう可能性を孕んでいる。

ゲームプレイ

『クロックタワー』

走るだけで体力が減るためファンからスペランカーを引き合いに出されて最弱主人公呼ばわりされることも多い。
体力は四段階に別れており、体力の減少に伴い青→緑→橙→赤と変化し、テキストボックスのジェニファーの表情も険しくなっていく。
しばらく操作しないでいるとその場に座って回復するが、画面端ではできない。

また、逃走中でも階段の昇降は歩いて行うためもどかしい。

シザーマンやメアリー先生といった敵対的な存在と対峙した場合はパニックボタンを連打するQTE*1が発生し、成功すると体力を大幅に犠牲にしながらも危機を回避できる。
要求される連打数は体力が低いほど厳しくなる。
シザーマンのハサミを 真剣白羽取りで受け止め菩薩拳の如く力を受け流して突き飛ばす ジェニファーは必見。

体力が「赤」状態では殆どの敵に問答無用で殺されてしまうが、 シザーマンだけはその限りではなく、かなり厳しいもののボタン連打に成功すると突き飛ばせる。

ただし、画面端で追い付かれた場合は問答無用で殺されてしまう。

追跡してくるシザーマンに対しては回避ポイントでやり過ごすか撃退ポイントで撃退できる。
一部の回避ポイントは条件を満たさないと回避に失敗する。
また、ランダムで失敗する回避ポイントもある。

『クロックタワー ザ・ファーストフィアー』

体力が少なくなっており、体力が減っても表情が変わらない。

また、体力「赤」状態でシザーマンに追い付かれると 確定で死ぬ ようになった。

全体的に弱体化している。

『クロックタワー:リワインド』

基本的にはオリジナル版と同じだが階段の昇降を走って行えるようになった。

また、回避ポイント・撃退ポイントが増えている。
シャベルのフルスイング でシザーマンをぶん殴るジェニファーは必見。
さらに、どんな場所でもボタン入力で即座に座って回復できるようになった。

ただし、『ザ・ファーストフィアー』と同様に体力「赤」状態でシザーマンと取っ組み合いになると確定で敗北する。
また、ランダムなタイミングで 転ぶ ようになっている。

全体的に強化されたが、シザーマンもイベントのみならず時間経過で出現するようになり、安全地帯も無くなったため総合的な難易度は増している。

『クロックタワー2』

走っても体力が減らなくなり 、パニックボタン連打による危機回避でのみ体力が減るようになった。
体力は時間経過でのみ回復する。

また、シザーマンに追い付かれた際には取っ組み合いはせず、パニックボタン連打に成功すると ハサミを躱してカウンター気味に突き飛ばす ようになった。

回避・撃退ポイントでシザーマンをやり過ごしたり撃退できるのは相変わらずで、前作から引き続き 勇ましくシザーマンを撃退する。

ただし、一定確率もしくは確定で失敗する回避・撃退ポイントも多くなっている。

なお一部の撃退ポイントではドア越しにシザーマンと押し合いをし、パニックボタン連打に成功すると シザーマンに腕力で競り勝つ




来歴

本編以前

産科医ウォルター・シンプソンとバロウズ一族の血を引く母の間に生まれた*2
ウォルターはジェニファーが5歳の時にバロウズ邸にて後のシザーマンとなるダンとボビィ・バロウズ兄弟の出産に立ち会い、 悪魔の双子 を取り上げた瞬間に手を噛み千切られ、双子の母メアリーに監禁され、酸欠と飢餓により衰弱死した(表向きは消息不明)
その後、ジェニファーが9歳の時に母がジェニファーを残したまま家を出て失踪する*3

ジェニファーは孤児院でロッテ、アン、ローラらと共に養育され、特にロッテとの親交を深めていた。

1995年9月クロックタワー事件

『クロックタワー』『クロックタワー ザ・ファーストフィアー』『クロックタワー:リワインド』

ノルウェー山間部に「クロックタワー」の別名で呼ばれる屋敷を持つサイモン・バロウズからジェニファー、ローラ、ロッテ、アンの4人を引き取りたいという報せが届き、メアリー先生の引率で屋敷を訪れる。

しかしそれはバロウズ兄弟の母であるメアリーの罠であり、ジェニファー達を息子達の「おもちゃ」にするために連れてきたのだった。

『クロックタワー』及びそのリメイク作品には複数のエンディングが存在するが、続編につながる「正史」エンドと思われるのはその中でもジェニファーだけが生存するエンディングA~Cの三つのみ。
特に、 ジェニファーがボビィとダンの名を知ることになるエンディングCを「正史」とするのが最も自然

執拗に襲い来る巨大な鋏を持った殺人鬼シザーマンことボビィ・バロウズ エクストリーム鬼ごっこ を繰り広げ、鋏を真剣白羽取りしたり、二階から転落させたり、シャベルでぶん殴ったり、本棚の下敷きにしたりととにかくボコボコにした。

また、屋敷に潜む殺人オウムやら殺人ミイラやら殺人フランス人形も次々と倒していく。
さらにメアリーに 襲われるも撃退したり 、メアリーに監禁され衰弱しきったサイモンと遭遇してハムを渡したり白骨化した父ウォルターを発見したりした末にシザーマンを倒すには時計塔を再起動させなければならないことをつきとめる。

最後は地下に閉じ籠りボビィを超能力でサポートしていたダンを灯油で火だるまにし、時計塔を起動してボビィを倒し、更に襲い掛かってきたメアリーも返り討ちにして 生存した。

だが、火だるまになったダンはこれにより完全体となり、美少年“エドワード”に擬態してジェニファーへの復讐を誓うのだった。

第二のクロックタワー事件(1996年12月)

『クロックタワー2』

クロックタワー事件を生き延びたあと、南オスロ大学の犯罪心理学助教授ヘレン・マクスウェルに保護され、大学宿舎で姉妹のように暮らしていた。

南オスロ大学の犯罪心理学教授サミュエル・バートンに興味を持たれ、プロファイリングを受ける。
また、サミュエルの研究助手にしてぺドフィリアであるハリス・チャップマンから偏愛を向けられる。

ヘレン編ではロンドンのバロウズ城にてダンに洗脳されシザーマンに扮したバートンに捕まってしまい、条件を満たしていないとヘレンの目の前で殺害される。
条件を満たすとヘレンがバートンを撃ち、助けられて生存する。

ジェニファー編ではオスロウィーク新聞社の三流記者であるノラン・キャンベル( 26歳 )といい感じになる。
一応小説版だとノランは前作でジェニファーが倒したミイラの兄であり、クロックタワー事件の真相を知るためにジェニファーに近付いたとフォローされているが、ゲームだけだとハリスと並んで ぺドフィリア野郎 にしか見えない。

ノランとのデートの後、南オスロ大学でダンに操られシザーマンに変装したハリスに襲われ、二度目の エクストリーム鬼ごっこ を繰り広げる。
体格で勝る 大の男 であるハリスを、モップで殴り倒したり、アンモニアを投げつけたり、消火器を吹き掛けたりとボッコボコにして大学から脱出する。

その後、過去に生まれたシザーマンを倒したとされるバロウズ一族の13代目当主クエンティン・バロウズに関する情報を手に入れ、彼がどの様にシザーマンを倒したのかを突き止めるべく、一族の故郷であるイギリスのバロウズ城に行くことを決意する.
ヘレン、ノラン、警部補スターン・ゴッツ、ハリス、バートン、ゼミ生のベス、ノランの相棒ティム、エドワード(ダン)、エドワードの保護者ケイの大人数と共にバロウズ城へ向かう。

バロウズ城へ向かう道中でキャンプしていたところで本性を露にしたハリスに拉致されて皆と離ればなれになり、シザーマンに扮した彼に迫られるも、直後に姿を現わした本物のシザーマン(ダン)によってハリスが殺害され、三度目となる エクストリーム鬼ごっこ を繰り広げる。
ヒールで何度も蹴っ飛ばしたり、火かき棒でぶん殴ったり、鍋を被せたり、本の下敷きにしたりと相変わらずボコボコにする。

殆どのエンディングではこのバロウズ城で非業の死を遂げるが、エンディングAでは再会したヘレンもしくはバートンから次元の扉を開く合言葉を教えられ、捕まっていたノランを救出し、地下でケイを殺害していたダンと対峙する。

前作にも登場したアイテムである魔像と合言葉で次元の扉を開き、ジェニファーを道連れにしようとしがみつくダンを地下の祭壇で発見した青銅の短剣で撃退し、ダンを次元の向こうへ追放し、因縁に決着をつけて生還を果たす。

なお、小説版でも結末は様々だが、そのうちの一つでは追放直前のシザーマンに騙されて「扉を開く言葉」を唱えさせられてしまい、
新たなシザーマンをみごもり邪悪な聖母と化すと言う最悪な結末を迎えてしまう。

河野一二三曰く、 ジェニファー編が「正史」 で、ヘレン編に関してはバートン教授関連の理解に必要なもので、ひとつの事件を複数の側面から見ているようなもの、としている。*4

コマーシャル出演

『クロックタワー ザ・ファーストフィアー』のCM

チョッキンチョッキン シザーマン~♪
今日も ジェニファー 追いかける~♪

ミラ・ジョヴォビッチに激似 な白人で金髪のお姉さんがジェニファーを演じており、あまりジェニファーっぽく見えない。
どう見てもただの子供 なシザーマンに追いかけられたり、前髪を切られて激怒し逆にシザーマンを追いかけ回したりした。

『クロックタワー:リワインド』のCM

この恐怖を、ゲームで。

サロモン愛桜というゲーム中のジェニファーに激似な俳優がジェニファーを演じている。

どう見てもおっさん なシザーマンに対し カウンターパンチ したり 下段攻撃で転ばし たり、ゲーム中と同様に ハサミを掴んで突飛ばし たりと強い。

トリビア

  • ジェニファーのイメージ元は映画『フェノミナ』のジェニファー・コネリー演じるジェニファー・コルビノ。
  • ジェニファーの服装やモーションは全てメインキャストとしてクレジットされている「てらだやすこ」というヒューマンの企画課に勤務していた人物を忠実に再現したもの。会社の屋上や廊下で各種モーションを録画したとのこと。実写を取り込みCG化しているため、その日に彼女が着ていた服装がそのままジェニファーの衣装になった。そのためジェニファーが北欧の人間でありながら日本人のような外見なのは必然と言える。
  • 『クロックタワー』及び『クロックタワー:リワインド』にて、てらだやすこはメインキャストとしてクレジットされている。
  • ジェニファーは『クロックタワー2』以降の作品には登場しないが、シザーマン同様にジェニファーのコンセプトを引き継いだキャラクターが登場し続ける。

追記、修正はバロウズ一族を殲滅してからお願いします。

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最終更新:2025年01月20日 17:35

*1 「RSIシステム」と呼ばれる。「連打せずにはいられない」の略称である。

*2 小説版では、ジェニファーの父は母親の出自とバロウズ家の歴史について知っていたらしく、殺されると分かっていながらバロウズ邸からの往診の依頼を受けたと語られてている

*3 PS版の攻略本では「病死」となっているが、河野一二三曰くジェニファーを捨てて彼氏と結婚したとのこと。

*4 https://www.reddit.com/r/IAmA/comments/2upnph/iama_hifumi_kono_founder_of_game_studio_nude/