シザーマン

登録日:2010/11/06(土) 03:19:41
更新日:2020/01/19 Sun 03:38:11NEW!
所要時間:約 3 分で読めます




ホラーゲーム『クロックタワー』シリーズに登場する殺人鬼。
独特なビジュアルデザインと恐怖演出から根強い人気を誇る、ホラーゲームのキャラクターの代表的存在。
企画自体が名作ホラー映画へのオマージュであることからも解るように、シザーマンもまたジェイソンやレザーフェイスの様なシンボル的存在として生み出された。
世界観が繋がっている『初代』と『2』では奇形の子供という共通項がある。
これは、特に初代の元ネタとも呼ぶべきダリオ・アルジェント作品の多くに共通する特徴でもある*1

以下、小説版で明かされた設定も交えて解説するので、ネタバレに注意。
















『1』おけるシザーマン(ネタバレ注意!)


ボビィ・バロウズ(9歳)
『1』おけるシザーマン。
バロウズ屋敷に出没する殺人鬼。ダンの双子の弟。9歳の少年だが、その顔はミイラか悪鬼のように醜い。服装がバーロー
手にした大バサミで手にかけてきた動物や人間は計り知れず、ジェニファーらメアリー先生に養女候補として連れてこられた孤児院の少女たちを抹殺しようと執拗に付け狙う。
物理的攻撃の一切を無効化する不老不死の肉体を持ち、いかなる手段をもってしても死ぬことはない。






実は、バロウズ家が代々信仰してきた邪教の神「偉大なる父」が遣わした使徒「偉大なる父の息子」。
人間の世界とは異なる次元より、メアリーの胎内に生じた「次元の扉」を通じて現世に降臨した。

使徒として生を受けたものは、本来は生後10年をかけてさなぎと呼ばれる巨大な胎児の姿に成長し、やがて羽化して生体となり完全な覚醒を迎える。
しかし、ボビィは兄と違って羽化が早すぎた不完全体だったため、数日ほどで死ぬ運命にあった。
彼を哀れんだメアリーが時計塔の大時計を停止させて時の流れを止めたことで生きながらえていたが、ジェニファーの手で大時計を再起動され、時の流れを再び動かされたことにより絶命した。

『2』におけるシザーマン(ネタバレ注意!)

ダン・バロウズ(10歳)
ボビィの双子の兄。『2』におけるシザーマンの正体である。

『1』では想像を絶するほどの巨大な肉塊のような見た目の胎児として登場する。
その見た目通り運動機能が未発達な代わりに、備え持った強力な念動力と透視能力でジェニファーを怪異に陥れた。
『2』では前作の醜悪な姿とは打って変わって青眼金髪の美少年として登場し、事件のもう1人の生存者を装ってエドワードとなのっている。

弟と同じくバロウズ家の信仰する邪教の使徒として生を受けた存在であるが、ダンは不完全だった弟と違い順調な成長の途上にあり、屋敷の地下にある広大な洞窟の奥で人目を隠すようにして育てられていた。
地下洞窟に入り込んだジェニファーを殺そうと襲い掛かるが、崖をよじ登っていた彼女が転げ落とした灯油缶の引火による爆発で炎に巻き込まれたものの不老不死であるため生きながらえる。そして火災の熱によって羽化が促進されたことにより時期を待たずして成体として覚醒した。(PS版『1』では焼け崩れた肉塊から人影が起き上がるというシーンが伏線として追加されている)

そして、記憶を失った事件の生存者を装って館から抜け出した彼は、ジェニファーたちの近辺に潜伏して機をうかがい、ジェニファーに強い執着心を抱いていたハリスと事件に強い関心を持っていたバートン教授を唆して協力者として利用し、パーティーグッズとして作られたシザーマンのマスクと、先の事件で使われた凶器の大バサミのレプリカを盗み出し、第二の事件を引き起こしたのである。*2


いとも簡単に人を殺し、殺しを遊びやゲームと言い切る残忍で狡猾な性格。小説版では凶器の大バサミを使わずとも強力な念動力で大の大人を軽々と吹き飛ばしその腕をへし折ってしまうなど、前作をはるかに上回る凶悪ぶりである。
それだけ簡単に人を捻り殺せるほどの能力を持ちながらもそれをしないのも、邪教の使徒として人間に恐怖と死をもたらす存在であり、散々弄んで恐怖を存分に味合わせることを旨としているからである。

人心掌握術にもたけており、テレパシー能力で人間の脳に直接語り掛けて意のままに操ることも可能。上述の通りハリスとバートンを唆した他、後見人であるグラニッド孤児院のケイをまたたくまに隷属的立場に貶め手駒として扱っている。小説版によればクロックタワー事件の際にこの能力でジェニファーを操り自殺に追い込もうともしたという。
人間の姿は擬態に過ぎず、真っ黒な粘膜と粘液にまみれた醜い獣のような姿が正体であり真の本性である。
また、ダンとボビィは2人で1人であり、蘇ったボビィの魂がダンと合一を果たすことで、この世の終末が訪れるという。

最終的には、唯一、邪教信仰に反対し邪教根絶に挑んだ13代目クエンティン・バロウズがイギリスのバロウズ城に手がかりとして残した次元の扉に吸い込まれ、現世から元いた世界へと追放された。
しかし、偉大なる父の息子は人間と異なる次元に潜む存在であるがゆえに、完全に滅ぼすことはできず、いずれまたこの世に生れ落ちるであろうことが、小説版で示唆されている。


呪われしバロウズ家の歴史

15世紀半ば、イングランドとスコットランドの国境付近を統治していたバロウズ家初代当主、セオドール・バロウズは、百年戦争帰還後、病的なまでに死を恐れるようになった。不死を追い求めて「偉大なる父」と呼ばれる邪神を崇める邪教信仰に手を染めた彼は、「死と恐怖を求める神にそれらを献上し永遠の不死を得る」という教義に基づいて領内の多くの子供を虐殺したため人喰いバロウズと畏怖された。

やがて彼は、自分自身をいけにえに捧げねばならなくなったとも、イングランド国王にその凶行が露見するのを恐れた親族に毒殺されたとも言い伝えられている。
こうして恐るべき凶行は止んだものの、邪神の呪いは一族を以後、長きに渡って絡めとることになる。
セオドールの代以降、度々奇形の怪物が生まれるようになり、怪物は血を求めて狂ったように暴れ、その度に仕方なく生贄が捧げられ、多大な犠牲者が出たという。
(『2』ではこの言い伝えを裏付けるようにバロウズ城に過去のシザーマンのミイラが納められた棺が放置されている。ゲームのみの描写で小説版には出てこない。恐らくはボビィのように不完全体として生れ落ち死を迎えた個体であると思われる)

この現状を憂えた第13代目当主クエンティン・バロウズは邪教根絶を決意してただ独り奔走し、自分の代に生まれたシザーマンを葬り去ることに成功するものの、完全な根絶を果たせぬまま邪教派に暗殺されてしまった。(この事からクエンティンは後世の邪教派の同族たちに“裏切り者”として憎悪を向けられており、小説版でもダンから蔑まれている)

その後、1912年にバロウズ家はイギリスからノルウェーへと移住して以降の80年間*3、クエンティンの尊い犠牲によってバロウズ家に平穏な日々が続いていたが、サイモン・バロウズの代になって再びシザーマンが生まれ落ちることとなった。
クエンティンが残した教えに従ってシザーマンを葬り去ろうとしたサイモンは、双子への情に支配された*4妻メアリーの妨害にあい追放の儀式に失敗してしまう。

こうして、シザーマンの恐怖は再びこの世に解き放たれ、全ては時計塔屋敷で発生した事件へと繋がっていくのである。

余談

上述の設定上、『2』でのゲーム中のCGモデルでは明らかに成人男性ほどの体格で描かれているが、ハリスとバートンがどれだけの範囲で犯行に関わっていたのかは漠然としている。
また、ダンは完全体であり、ハリスもバートンも五体満足のはずなのだが、シザーマンとして現れる際にはなぜか左足を引きずっている。この所作に何かしらの意味があるのかは不明である。

『3』におけるシザーマン

共通するのは名前だけであり、設定もリアクションも何もかもが別物。
本作では奇形の子供ではなく、単に奇抜な格好をしたテンションの高い兄ちゃんである。
おぼっちゃまともサーカス団の一員とも取れる服装。ぶっちゃけネタにしか見えない。「シザー!」とか叫ぶし。
因みにシザーウーマンなる妹もいる。
尚、兄が“ルディ”で妹が“ジャニス”である。
東洋系で、バロウズ候の配下として多数の領民達を惨殺した。
“魔のモノの配下”の中でも側近的な立ち位置だが、懲役人数は幹部級の斧さんに劣っている。
ハサミの構えは2と同じだが分解した状態で持つ場合も。
とゆうか武器がハサミを摸した剣だが、ハードモードでは日本刀となり、電流が走る。
ぶっちゃけ、シンボルキャラクターであるシザーマンを改変し過ぎたこともあり『3』の不評の原因の一つ。




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