クロックタワー:リワインド

登録日:2024/10/31 (水曜日) 18:32:00
更新日:2025/01/21 Tue 13:59:52
所要時間:約 3 分で読めます




クロックタワー:リワインド 』は、カプコンとサンソフトにより共同開発され、『シャンティ』シリーズ等で知られるWayForwardとLimited Run Gamesにより追加要素・改善が加えられた『クロックタワー』のリメイク・リマスター版である。

発売日は2024年10月29日。

対応機種はPS4、PS5、XBOXX|S、switch、steam。
PS4以外の各対応機種の物理的なパッケージ版も発売されたが日本のみX|S版が除外された(普及率の都合と思われる)。
また、元々XBOX ONEでも発売予定だったが見送られた。

概要

それまで正規の日本国外版が存在しなかった初代『クロックタワー』の正式な多言語及びマルチプラットフォーム対応版。

開発にはカプコン、サンソフト、wayforward、Limited Run Gamesの4社が関わっており、carbon engineが使用されている。
また、オリジナル版の監督である河野一二三が監修している。

オリジナル版をベタ移植したオリジナル版モードと、多くの追加要素・改善を行ったリメイク版であるリワインド版モードの二つのモードで遊べる。

スペシャルコンテンツ

追加されたファン向けコンテンツ。

主題歌

『サイレントヒル』シリーズのテーマソングの歌手として知られるメアリー・エリザベス・マクグリンの主題歌『Sharp Laughter』が収録されている。

オープニングムービー

オープニングにアニメムービーが追加されている。

モーションコミック

過去の小冊子や攻略本などで収録されていたコミックが多言語翻訳された上でフルボイスのモーションコミックになって収録されている。
ゲーム進行に伴い解放されていく。

イメージギャラリー

過去に発売された小冊子や攻略本、スーパーファミコン版のパッケージイラストや説明書等が収録されている。

河野一二三のインタビュー

オリジナル版の開発の中心人物で本作の監修もしている河野一二三に対するインタビューが収録されている。

体験版

オリジナル版の販促用デモが収録されている。

音楽プレイヤー

SEやBGM、悲鳴など収録された音源の全てを自由に再生できる。

ゲームプレイ

二つのモードが追加されたが、モードに関係なく 巻き戻し と手動セーブが可能。 

また、画面はオリジナル版と同様の4:3と16:9を選ぶことができ、4:3画面の場合は余白の背景をいくつかのイラストから選択できる。

また、ブラウン管風フィルターで当時の雰囲気を再現できる。

オリジナル版モード

オリジナルのSFC版に忠実なモード。
致命的なバグを修正したベタ移植。

リワインド版モード

SFC版を原型とし、PS1版である『クロックタワー The first fear』での追加カットシーンやイベントを全て収録し、更に数々の追加要素で改善されたモード。

また、PS版ではSFC版と比べ劣化していた部分(SEやキャラクターの表情など)はSFC版に忠実であり いいとこ取り となっている。

リワインド版モードの追加要素

✂️『ザ・ファーストフィアー』の追加要素

オウムのカットシーンや襲ってくるミイラ、ピエロ人形、ダンを撃破した後の『クロックタワー2』への伏線描写などが収録されている。

✂️指定カーソルの移動速度調整

操作説明には記されていないが指定カーソルの移動速度(感度)を三段階から調整できる。
Switchなら-ボタン、XBOXならメニューボタン、PS4、5ならセレクトボタンで調整可能。

✂️シザーマン出現ポイントの増加

調べるとシザーマンが出現するポイントが増えた。

✂️シザーマンのランダム出現

オリジナル版では敵であるシザーマンは時間経過では出現せず特定のイベント時や特定箇所におけるランダム出現でしか現れなかったため、慣れたプレイヤーなら殆ど遭遇せずクリアすることも可能だった。
本作ではイベントでの出現に加えて続編「2」以降と同様にシザーマンが時間経過によりランダム出現するようになっているため、 追われる感 が大幅にアップしている。

また、出現方法もいきなり逃走BGMが鳴り出して隣の部屋からやって来たり、扉を開けたらジェニファーの目の前にいたり、 天井から降ってきたり とバリエーション豊か。

バイオハザードRE:2』のタイラントのようにAIに操作されリアルタイムで徘徊しているようである。

チョッキンチョッキンシザーマン~♪

✂️シザーマンの行動範囲

オリジナル版ではシザーマンが追ってこない安全地帯があり、PS版ではその範囲が拡大されてい居ため襲撃を受けても危機に陥ることが激減していた。
本作では殆どの場所に出現するようになったため緊張感が増している。

きょうもジェニファーおいかける~♪

✂️シザーマンが扉を開閉する

オリジナル版ではシザーマンが扉を開閉する描写がなく、ジェニファーがエリア移動するとシザーマンも同じエリアに出現するのみだったが、本作ではしっかりと隣の部屋から扉を介してジェニファーを追ってくる。

✂️シザーマンが階段を昇降する

オリジナル版ではシザーマンは階段の乗り降りができなかったが、本作では可能になった。

✂️どこでも休憩

オリジナル版のジェニファーは画面中央でしばらくじっとしているとその場に座って回復できるが、画面端ではできず、さらに座るまで少し待たなければならなかった。
しかし本作では画面端だろうと座ることができ、ボタン入力で即座に座って回復できるようになった。

そのため本作ではシザーマンに追われながらもふてぶてしく回復するジェニファーを拝むことができる。

✂️ジェニファーが走れる場面の拡大

オリジナル版では階段は 緊急時だろうと 歩いて昇り降りし、画面奥のものを調べる時も常に歩きだったためもどかしかったが、本作ではジェニファーに階段を駆け上がらせたり駆け降りさせたり、画面奥や画面手前にダッシュさせたりできる。

✂️逃走中のアクシデント

逃走中にはランダムなタイミングで ジェニファーが転ぶようになった ため、緊迫感が増している。

✂️パニックアクションの仕様

『ザ・ファーストフィアー』と同様に体力が「赤」の状態で敵と対峙してしまうとパニックボタンを連打するQTEが発生せずに問答無用で即死となる(オリジナル版では要求される連打数が厳しいとはいえ危機回避可能だった)。

✂️撃退/回避ポイントの増加

オリジナル版よりもシザーマンの撃退ポイントや回避ポイントが増加している。
ガレージのシャベルでシザーマンをぶん殴ったりするジェニファーを拝める。

やれ!ジェニファー!

ストーリー

1995年9月14日。
グラニット孤児院で養育されていたジェニファー、ローラ、ロッテ、アンの4人の少女を引き取りたいとの要望が舞い込んだ。
ジェニファーたちはメアリー先生に引率され、ろむすだーれん地方の山間にひっそりと立つバロウズ邸へと赴く。

そこが CLOCK TOWER と呼ばれる恐るべき場所だとも知らず……。

ジェニファーとシザーマン

✂️ジェニファー・シンプソン

演:てらだやすこ(外見・モーションモデル)
演:サロモン愛桜(公式CM)
声:キャット・プロタノ(モーションコミック)

グラニット孤児院で養育されていた14歳の少女。
紺色のエプロンドレスと白いシャツを着用。

5歳の頃に父ウォルターが失踪し、9歳の頃に母に捨てられ*1*2グラニット孤児院で育てられていた。

キャラクターのイメージ元は『フェノミナ』の主演女優ジェニファー・コネリー。
モーションモデルはオリジナル版を開発していた当時にヒューマンの企画課に所属していた「てらだやすこ」という人物で、会社の屋上や廊下で撮影した映像をCG化してゲームのドット絵に落とし込んだ。
そのため、その日にてらだやすこ氏が着ていた服装や髪型がそのままジェニファーのものとなった。

河野一二三曰く、社会性に難のある「静かな子」であり、孤児院ではボーイッシュなロッテと似た部分が多かったため最も仲が良かった。

もともと河野一二三曰く「生き残る説得力のあるふてぶてしさ」を持つ精神的にタフなキャラクターではあったが、本作ではオリジナル版より パワーアップ しており、どこでも体力を回復でき、撃退ポイントも増えている。

追い付かれた場合はオリジナル版と同様に取っ組み合いとなり、シザーマンのハサミを真剣白羽取りし、 力を受け流して突き飛ばしノックダウンさせる。
合気道でもやっていたのだろうか……。

しかしその一方で逃走中に時折転んだり、体力が「赤」の状態で敵に組み付かれると問答無用で即死するなど弱体化した部分もある。

なお本作の公式コマーシャル映像では シザーマンをカウンターパンチで撃退 していたりハサミを掴んで押し返したりしていた。
公式の認識もそうなのね……。

✂️シザーマン(本名:ボビィ・バロウズ)

醜い奇形の顔を持つ、灰色の肌に白い瞳、金髪の男性。8歳(数え年では9歳)。

バロウズ邸を徘徊する、巨大なハサミを持った殺人鬼で、シザーマンの異名を持つ。
その正体はバロウズ一族が代々信仰してきた邪教の神「偉大なる父」が遣わす 「偉大なる父の息子(使徒)」
バロウズ一族の現当主サイモンの妻メアリーの子宮内に形成された「次元の扉」を介して双子の兄ダンと共に現世に降臨した。

ダンは「サナギ」と呼ばれる完全体になるための中間形態になることができたが、ボビィは体機能が未成熟であり
本来は3日ともたないだろうとされていたが、葉はメアリーが施した時を固着させる秘術により生き延びていた。

根っからの邪悪であり、生まれた瞬間に産科医であったウォルター・シンプソンの手を噛み千切った。

本編ではジェニファーの友人達を次々と殺害してジェニファーを執拗に追跡する。
物理的攻撃の一切を無効化する不死身の肉体の持ち主であり、高所から落下したり本棚の下敷きになっても無傷。
また、屋敷の地下にいる双子の兄ダンの超能力による援護により瞬間移動が可能。

しかし、秘術によって延命しているにすぎないため、屋敷の固着された時間が動き出すと死んでしまう。

……と、このように設定は恐ろしいが本編では相変わらずジェニファーに 真正面から力負け したりスコップでぶん殴られたり棚の下敷きにされたりジェニファーが逃がしたカラスに襲われたりと とにかくボコボコにされる。

ただし本作ではリアルタイムで徘徊しており、時間経過によりランダムなタイミングで出現し、さらに安全地帯も殆ど無くどこまでも追ってくるなど しっかり追跡者としてパワーアップしている。


追記、修正はジェニファーとシザーマンのガチンコバトルの行く末を見守りながらお願いします。
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最終更新:2025年01月21日 13:59

*1 海外ファンの質問に対する返答として河野一二三により明言された。なお母親は新しい男を見つけて結婚したとのこと

*2 続編では「ジェニファーを放置して蒸発」とされており、こちらが公式設定となっている。