登録日:2025/01/24 (金) 18:38:00
更新日:2025/02/08 Sat 23:01:30
所要時間:約 17 分で読めます
概要
等身大の人形友人と写る生前のSCP-3991-JP
SCP-3991-JPは(例によって)真桑友梨佳氏の死体である。発見された時には自宅内で首を吊っていたらしく、また遺書が発見されている。
それによると、原因は「恋人との付き合いを周囲に妨害されたため」だという。
この子、死体なのに「他の人間と音声による会話が可能」という異常性があり、この音声は音波として発せられるため録音できるという。ただ録音可能かどうかは追加検証が必要。記述は正確である。
ウェクスラー=ネルソン式汎用知能検査によれば、SCP-3991-JPの知能は平均的な女性よりも数段高いという。頭のいいSCiPって時点で嫌な予感しかしない。
自殺から結構な時間が経っていたようで、発見時には死体の腐敗が進行していた。現在、SCP-3991-JPは冷凍保存されている(なおこの状態でもコミュニケーションは問題なくできる)。
またこうした異常性は死後に発現した可能性が高い。
インタビュー記録
SCP-3991-JPの異常性や死因などには不明な点が多いため、いくつかインタビューが試みられている。分かりやすくするために一部記述を加工し、抜粋する。
映像記録 SCP-3991-JP-1
一番最初のインタビュー記録。死因に関する不審点の解明が目的。インタビュアーは大内研究員。
[中略]
大内研究員: 遺書にも書かれていた通り、恋人との仲を引き裂かれ、やむを得ず心中を選んだわけですね。お辛かったでしょう。
大内研究員: 遺書を勝手に読んだ事に関しては申し訳ありません。亡くなられた後の整理をする必要がありましたので。
大内研究員: ご理解ありがとうございます。その恋人のお名前は██市にお住まいの高田信二さんという方で合っていますか?
大内研究員: 高田さんはあなたと心中したとの話ですが、彼はご存命のようです。
大内研究員: いえ、自殺未遂ではないですね。彼は何もしていない可能性が高いです。病院に行った形跡もありませんし。
大内研究員: 真桑さんのお気持ちはわかりますが、落ち着いてください。
大内研究員: これから高田さんにその辺りの話も含めて質問する事になっています。一旦落ち着きましょう。
総括: SCP-3991-JPの異常性の性質に変化は見られなかったが、精神状態が不安定となっており、特に高田氏の話題を出して以降は支離滅裂な返答も見られた。信頼関係を保つため、特に否定的な発言を行う際には細心の注意を払う必要がある。死因に関する不審点は解消されなかったため、引き続き調査を進めていく。
大内研究員の人柄の良さが見えるインタビューだが、重要なのはそこではない。
SCP-3991-JP本人は心中自殺を図ったと言っていたが、どうも添い遂げる予定だった相手(高田氏)は自殺しようともしていなかったという。それを知った彼女はひどく取り乱した様子を見せた。
彼女からしたら想い人が自分を裏切ったも同然なのだから、妥当ではあるが。それ以外にもなにか違和感を感じた方がいるかもしれないが、一旦スルーしてほしい。
映像記録 SCP-3991-JP-2
今度は遺書の内容と食い違った行動を取っていた高田氏へのインタビューが試みられた。インタビュアーはエージェント・八坂。
Agt.八坂: お忙しい中、時間割いていただきありがとうございます。
高田氏: どういたしまして。この後バイトあるんで早めにお願いしますね。で、なんの用ですかお姉さん。
Agt.八坂: 早速ですが、真桑友梨佳さんとの関係についてお聞きしてもよろしいでしょうか。
高田氏: 真桑……?誰ですか?
[生前の真桑氏の写真を見せる]
高田氏: あ、この子真桑って名前だったんですね。
Agt.八坂: 名前すら知らないんですか?真桑さんとは恋愛関係にあったとお聞きしましたが。
高田氏: [大きなため息を吐く]誤解です。お姉さんがあの子に何を吹き込まれたのかは知りませんが。
Agt.八坂: ですがこの子の遺書には
高田氏: 遺書?遺書って、この子亡くなったんですか?
Agt.八坂: そうです。真桑さんは██月██日に自殺されています。遺書によると自殺はあなたと関係があるそうなのですが、詳しく教えて貰えないでしょうか。
[10秒間の沈黙]
高田氏: あの、彼女とはもう関わり合いになりたくないんです。別の人に当たってもらえますか。
Agt.八坂: 遺書にはあなたと心中するとまで書かれているんですよ。その態度は流石に無責任だと思いませんか。
高田氏: し、心中ですか?俺と真桑さんはただのコンビニの店員と客の関係ですよ。
Agt.八坂: いいですか、常識的に考えてみてください。単なる客が店員と心中する訳ないですよね?
高田氏: それを言いたいのは俺の方なんですよ。
[10秒間の沈黙]
Agt.八坂: どうもお互いの認識に差があるようですね。あなたと真桑さんとの関係について教えて貰っても良いでしょうか。
高田氏: 関係って言ってもほんと何もないんですよ。数か月前にバイト先のコンビニで真桑さんが来たんですが、棚の下の取りにくい所にぬいぐるみ落としてたので、俺が頑張って取ってあげたんですよね。俺から関わったのは本当にそれだけです。
Agt.八坂: 本当にそれだけなんですか?他に心当たりなどはありませんか?
高田氏: それだけなんですよ。最初の内は気付かなかったんですが、あの子ずっとぬいぐるみと会話してたんですよね。都合の悪い話は聞かないし、自分の世界で完結してるって言うか。元々病んでたんじゃないかなと。
Agt.八坂: 後から気付いたという事は、お客さんとしては良く来ていたという事でしょうか。
高田氏: そうですね、滅茶苦茶来てました。見た目は可愛かったので、最初の内だけは普通に嬉しかったんですけどね。
Agt.八坂: 最初の内だけとは?
高田氏: 俺がレジに入る度に20回、30回と買っては並びを繰り返すんですよ。しかも人形に話しかけながら。お姉さんも俺の立場だったら嫌じゃないですか?
Agt.八坂: まあ、それはそうですね。その後どうなったんですか?
高田氏: 店長が出禁にしてくれました。出禁の後にも何度か来てたらしいんですけど、最後は店長を殴り倒して警察呼ばれてましたね。
どうにも話が噛み合っていない。高田氏によれば、彼と真桑氏は友人関係ですらない店員・客の関係だったらしく、また彼女の行動により自身も迷惑を被っていたことが語られている。
総括: 高田氏との対話内容の真偽確認を行った。コンビニ店長や警察などの関係者に確認を取った所、高田氏の発言は正しい明確に誤りな事が判明した。
後の検証では、彼の発言は真実悪意を持ったウソであることがわかっている。
映像記録 SCP-3991-JP-3
上記インタビューを踏まえて、もう一度SCP-3991-JPとの対話が試みられた。
大内研究員: 高田さんとコンタクト取れました。彼は心中どころか、そもそも真桑さんと付き合った事も無いと主張しています。
大内研究員: あの、あまり大きな声を出さないでもらえると助かります。真桑さんの立場からすれば高田さんの事を許せないと言う気持ちは良く分かりますが、もう少し落ち着いてください。
大内研究員: 私ですか?[5秒間の沈黙]私はもちろん高田さんよりも真桑さんの事を信じていますよ。当たり前じゃないですか。
大内研究員: あくまでも真桑さんの潔白を証明するため教えて頂きたいのですが、恋愛関係にあった事を証明するような出来事はありますか?
大内研究員: 答えていただいてありがとうございます。もう思い出したくもないと言う気持ちもよくわかります。高田さんの部屋にはよく遊びに行っていて、合鍵も貰っていたと。分かりました。あくまでも念のためお聞きしますが、それは合意の上ですか?
大内研究員: ご気分を害してしまったようで申し訳ありません。もちろん私は真桑さんを信じていますが、念のための確認です。
大内研究員: そうですね、何故真偽に拘るのかと言うと、例えば信じているのが私だけと言うのは真桑さんも悔しくは感じませんか?
大内研究員: 私はあなたと直接お話をさせていただいているので真桑さんがとても信用できる優しい人柄だと把握しています。ですが、そう言った人はどうしても割を食いやすいと言いますか、誤解されて孤立しがちではありませんか?
大内研究員: 申し訳ありません。ご友人は多いのですね。人形だけではないと。ですが私の気持ちを分かって頂けたようで安心しました。私はあなたのためを思って
[中略]
大内研究員: 申し訳ありませんが、恋人の有無に関係なく、私がこれから毎日何時間もあなたと話をするのは難しいです。
大内研究員: 大丈夫です、友人が多いのは疑ってはいませんから。問題はそこではなく
[中略]
大内研究員: 落ち着いてください。真桑さんが嫌いとは言っていません。嫌いと言う言葉を否定しています。嫌いと言う単語だけに反応しないでください。
大内研究員: 逆に真桑さんの事を愛しているという話でもありません。[中略]仕事の関係上、私が真桑さんにかかりきりになるのは難しいんです。
大内研究員: 真桑さんとずっとお話する事が出来ないのは他の誰かから妨害を受けているとかではないんです。話を聞いてください。
大内研究員: Agt.八坂の名前をどうやって知ったんですか?
案の定取り乱すSCP-3991-JPの様子が映し出されている。しかも高田氏の部屋の合鍵を所持しており遊びに行っていたと言うが、それが合意を得ていたかどうかの説明がなされていない。
また友人は多かった(SCP-3991-JP談)ようだが、人形と話していたのもまた事実らしい。
さらに気になるのは終盤の記述。SCP-3991-JP的にはもっと大内研究員と話していたいらしいが、職務上そういうわけにも行かない。
しかし何を勘違いしたのか知らんが、彼女は自分と大内研究員との関係が邪魔されていると感じたらしく、不明な方法で大内研究員に近しい異性であるAgt.八坂の存在を感知している。この時点ではSCP-3991-JPと八坂氏との接触はない。
きな臭くなってきた。
総括: SCP-3991-JPとの対話を踏まえ、SCP-3991-JPとの対話時間の変更などのため特別収容プロトコルの改定を申請した。また、報告書のSCP-3991-JPを表す写真が不適切だったため等身大の人形生前の友人と過ごす写真に変更した。
もともと記事冒頭には腐乱死体が映されていたらしい。流石に女の子への扱いとしては酷なので、生前の人形友だちとのツーショットへと変更された。収容上変更する意義をあまり感じないが。必要な改訂である。
補遺1、映像記録 SCP-3991-JP-4
上記インタビューと同日、大内研究員の私物の中からSCP-3991-JPと似た異常性を持つぬいぐるみが発見された。コイツもSCP-3991-JPと同じ、高い知能と音波による対話能力を持つため、暫定的にSCP-3991-JP-αとして収容された。以下は翌日のインタビューである。
Agt.八坂: 初めまして。八坂と言います。
SCP-3991-JP-α: ああ、八坂か。俺が今どうなってるのか教えてくれ。声しか出せなくて体の感覚が何も無いんだよ。あとここ取調室だよな?何があったんだ?
Agt.八坂: 我々から見ると突然あなたが喋るようになったと言う認識なのですが、それで合っていますか?
SCP-3991-JP-α: 何か話してそうなんだが全然聞こえないな。俺の耳がおかしいのか?自分の声は聞こえるんだがなあ。
Agt.八坂: 合っているという事で良さそうですね。今更な話ですが、あなたの体がぬいぐるみという認識はおありですよね?[Agt.八坂は手鏡をSCP-3991-JP-αに向けた]
SCP-3991-JP-α: な、俺がぬいぐるみに?取調室にいるのは俺がアノマリーと認定されたからか?
Agt.八坂: すいません、自覚は当然ありますよね。どのように会話しているのか自身で分かったりしますか?
SCP-3991-JP-α: あー、そうだ、見た目がこれじゃ俺が誰なのかも分からないよな。研究員の大内だよ、ほら、八坂と同じSCP-3991-JP担当の大内!俺に何があったか教えてくれ!
Agt.八坂: どうなっているかは自分でもわからないんですね。会話が出来るようになる前の記憶などはありますか?
SCP-3991-JP-α: 取調室にいるんなら会話が成立してるはずだけど、やっぱ声が聞こえないと伝わってるか不安になるな。本当に大丈夫なのか?
Agt.八坂: なるほど、記憶もないと。では、自我を持つに至った理由などに心当たりはありますか?
SCP-3991-JP-α: いや待て、こいつの口の動き俺の話と噛み合ってないぞ?全然違う話してないか?
Agt.八坂: そこははっきりしてるんですね。真桑さんを悪人から守りたい、ですか。それは誰からですか?
SCP-3991-JP-α: まさか俺の存在は認識されてなくて、俺の体を介して別の誰かと会話してるのか?
Agt.八坂: え、私?悪人と言うのは私の事ですか?あなたとは初対面ですよね。理由を教えていただけませんか?
SCP-3991-JP-α: 何だ今の声は。
Agt.八坂: もしかしてそれはこの施設で働いている研究員の大内の話ですか?
SCP-3991-JP-α: 八坂!あれが聞こえないのか!
Agt.八坂: そもそもあなたと彼は会った事もないはずですよね。
Agt.八坂: 彼にすり寄るなと言われましても、仕事仲間なので食堂に一緒に行く事くらい普通ですよ。それより、あなたはどうやってそれを知ったんですか?昨日以前の記憶は無いんですよね?
SCP-3991-JP-α: おい、逃げろ!ああクソっ、せめて体が動けば!
Agt.八坂: どうしてそんなに怒るんですか?では、もし仮に私が彼を好きだと答えたらどうしますか?
SCP-3991-JP-α: やめろ。
[Agt.八坂は突如全身を30秒間硬直させ、床に倒れた後、片頬だけ引きつったような笑みを浮かべて起き上がった。]
SCP-3991-JP-α: その顔で近寄るな。
[Agt.八坂はSCP-3991-JP-αに顔を寄せ、SCP-3991-JP-αを抱きしめた]
うん、明らかに様子がおかしい。
どうやらSCP-3991-JP-αは、Agt.八坂を真桑氏と大内研究員の仲を引き裂く恋敵と思っているらしく、敵対的な態度を見せている。
否定しつつ仮定の話をした八坂氏だが、SCP-3991-JP-αはそれを挑発と受け取ったのか何かしらの異常性を行使、八坂氏に不穏な行動を取らせた。
その後の総括では、SCP-3991-JP-αは本人(?)の希望により真桑氏の近くで収容されることとなり、また八坂氏は精神的な問題を抱えていることが判明、本人の希望でSCP-3991-JP関連の任務から解任された。
後の担当官には大内研究員が専任として配属された。
映像記録 SCP-3991-JP-5
その一週間後、ウソをついてSCP-3991-JPを傷つけたことを反省させるため、高田氏へ糾弾も兼ねたインタビューが行われた。
[10秒間の沈黙]
[高田氏は号泣し、額が赤黒く変色するまでテーブルに強く頭を打ち付けている]
総括: 高田氏はSCP-3991-JPとの恋愛関係を否定するなどの暴言を吐き、心中から逃げた事に対し、深い反省の意を示している。
どうやら自分の罪を認めたらしい。内出血するほど台パン懺悔をするのはちょい大げさな気もするが。
補遺2
翌日、高田氏は自宅で首を吊って自殺していた。遺書にはSCP-3991-JPへの謝罪がしたためられていた。
コイツも真桑氏と同じ異常性を発する可能性があったため、彼の私物と一緒に一旦収容し様子を見ていたが、SCiPになる兆候は見られなかった。
押収された私物は焼却処分された。
特別収容プロトコル
上記のような試行錯誤を経て、現在SCP-3991-JPは遺体冷凍用のチャンバーに保存されている。持ち出しの際は-20℃以下を保つ必要がある。
SCP-3991-JPの精神安定のため、大内研究員には一日あたり18時間以上の対話が義務づけられている。
また新たなSCP-3991-JP-αが発見された場合は、既に発見されたぬいぐるみと同じロッカーへ収容する。
上記のインタビューに挟まれている空白は、決して書き忘れや隠し文字などではない。元記事でも「何もない空白」が挟まれている(ここでは分かりやすくするため青線を引いている)。
しかし、それは「意味のない空白」ではない。
生前の彼女は映像記録-2からも分かるように、勘違い系のトラブルメーカーだった。
彼女自身はあくまで友だちと言い張っているが、等身大の人形を友人と主張し、(恐らく)常に持ち歩いているぬいぐるみと会話する。この時点で十分変人だろう。
しかもちょっと親切にされただけで自分に好意があると勘違いし、ストーカーまがいの行動も平気で行い、なんなら自分の意にそぐわない人間は殴り倒すような攻撃性まで持つ。要は典型的なメンヘラタイプである。いくら可愛くてもボッチになるわ。
彼女は惚れた高田氏に猛アプローチを仕掛けたが、当然拒絶された。高田氏は人形ではないのだ。
言いなりにならない人間を前に彼女は自殺。遺書でも心中と主張するなど、最期まで独りよがりであった。
しかし死後、彼女は異常性を得てしまった。
手始めに彼女は大内研究員とテレパシーで会話を行った。上記インタビューの空白は、本来彼女が喋っていた部分にあたる。録音可能というのは、彼女が自身の異常性を見誤ったゆえの表記か。
彼女は優しく接してくれる大内研究員に好意を抱いた。だがあくまで「調査上必要」だから優しい対応だっただけで、彼は好意など持っていない。高田氏と同じだ。
彼女はそれを、別の女の仕業だと思い込んだ。Agt.八坂を認識したのだ。
しかも高田氏が自分の好意どころか、名前すら知ってくれていないことも知ってしまった。こうした事実は、認知の歪んだ彼女が暴走するには十分すぎる燃料になった。
手始めに彼女は大内研究員の意識をぬいぐるみに移動させた。そこにAgt.八坂を呼び出し、八坂氏の音声認識を歪めた。
ぬいになった彼の発言が記録上残っているということは、意思表明はできるのだろう。しかし八坂氏の耳には、「真桑友梨佳を悪者(Agt.八坂)から守る友だち」からのメッセージにしか聞こえない。
そして八坂氏の意識も奪取。大内ぬいに抱きついたのはSCP-3991-JPの意志だろう。あとは八坂氏を解任すれば大内研究員(中身はSCP-3991-JP)が専任になる。
時系列は不明だが、SCP-3991-JPは報告書を改ざんしている。
言うまでもなく真桑氏と高田氏は本当に恋仲ではなかったのだが、調査結果を「高田氏のウソ」だったことにした。
見た目がイヤだから、生前の写真に差し替えた。人形としか話せないコトを認めたくないから、友人と表記させた。
大内研究員の体を乗っ取ってからは他の職員に疑われない為に、本来検証が必要な事項を確定させた。
短絡的でヒステリックなのに、自分は頭がいいと報告書に表記させた。ぶっちゃけイタイタしい。
ずっと一緒にいたいから、寝る時以外は自分のそばにいるようプロトコルを書き換えた。
その後狙いは再び高田氏へ移る。
彼の意識を乗っ取ったSCP-3991-JPは、正義の味方である大内研究員がカッコよく糾弾し、自分の罪を自覚した高田氏が懺悔、自殺するという人形劇を演じさせた。
高田氏の私物は証拠隠滅のために焼却された。ひねくれた見方をすれば、彼の意識をSCP-3991-JPが持ち込んだ人形に移し、腹いせに焼却処分したとも考えられる。親切にした相手に強制自殺&焼却というデスコンボを食らう理不尽。
これからは、大内研究員…いや、大内研究員の形をした人形がずっとそばにいてくれる。元記事最後の脚注は、ごっこ遊びが上手くできた女児が手を叩きながら言う「よく出来ました。」なのだ。
しかし彼女に一途なんて言葉は存在しない。現に、あれだけ腐心していた高田氏を捨てて、大内氏に乗り換えているのだ。彼女が飽きるか、他にイイ男が現れたら大内研究員も犠牲になるだろう。
コイツの悪質性を例えて言えば、
あの悪名高きジェームズ・フランクリンとほぼ同じ。Safeどころか下手したらKeterが妥当なレベルだ。
気分で欲しくなったモノを無理やり手に入れて、思い通りに遊んで、飽きたら捨てる。
つまりは全部、最初から最後まで、独りよがりな。
余談
この記事はSCP財団日本語版11周年企画の一つ、「恐怖のコンテスト2024」出品作でもある。嫌悪感をも煽る重厚な恐怖が評価され、恐怖部門の金賞、及び顔色蒼然賞を獲得している。
追記・修正は、人形お友達と遊びながらお願いします。
- ついに作成されたかこのオブジェクトの記事。 -- 名無しさん (2025-01-24 18:50:44)
- 異常性を得たのは本当に死後なのかなぁ 生前の「お友達」も意識が入ってたりして 顔立ちがちょっと可愛いのも、実は既に美人の女の子の体を乗っ取った後とか -- 名無しさん (2025-01-24 20:57:07)
- あーでも、肉体の乗り換えとかするタイプならAgt.八坂を遠ざける理由がないか -- 名無しさん (2025-01-24 20:59:47)
- タグつけた直後に気づいたんだけど、この記事の原著者ってあの感動もののSCP-2000-JPと同一人物だったの!? -- 名無しさん (2025-01-25 10:28:43)
- その人は俺に優しくしてくれたから恋人じゃないかと思って どちらが恋人か俺にはわからなくなったからその人も異常存在になってもらったんだ -- 名無しさん (2025-01-25 10:48:41)
- これ異常性に気付いたとしてどう対処するかだよな。異常性の範囲も結構デカそうだしその気になったら自分の意識を好き勝手に移動させて逃げまくれそうだし・・・無理では? -- 名無しさん (2025-01-26 00:16:14)
- カスの一般人が異常性得て良い気になり全て思いのままことが進んで終わるのを見るとやっぱムカつくな どうせ大内にも飽きてそのうち次の獲物探すだろうし徹頭徹尾財団が良いようにされて終わってる 裏バイト:逃亡禁止に出てきそう -- 名無しさん (2025-01-26 08:25:41)
- ↑SCP財団は初めてか? 力抜けよ -- 名無しさん (2025-01-26 10:02:25)
- 報告書の書き換えが肝だね。乗り換えは高田氏が心中拒否したから(非常識発言)これからそばにいる財団職員の腕の見せ所 -- 名無しさん (2025-01-26 10:42:44)
- ↑3 実際本家のディスカッションでも「ちょっとリアルすぎて怖い、気持ち悪い」って意見があったからその気持ちも分かる -- 名無しさん (2025-01-26 14:09:41)
- 記事としてはすごくよく出来てるけどやっぱりこういう手合いが痛い目を見るオチが欲しくなる気持ちもわかる -- 名無しさん (2025-01-26 21:18:48)
- どなたかは分からないけど写真のモデルの子綺麗だね -- 名無しさん (2025-01-28 04:34:39)
最終更新:2025年02月08日 23:01