登録日：2020/03/22 Sun 23:37:21
更新日：2024/04/09 Tue 21:46:22
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カノンは存在しないなんて考えは時々だけれどもちょいとバカっぽい考え方になる。俺たちが何も持ち合わせていないなんて事はない。俺たちには、触れ合わせたり、混ぜ合わせたり、ちょい足ししたりできる物がいっぱいある。何を信じ、何を受け入れてこの世界の中心に据えるかはあんた(そして読者)次第。それは作者がそういった意図や筋書きを盛り込めてないって意味じゃないけど、協力するってことは革新の王道なんだ。
カノンってなんだっけ
この項目を読んでいる方はすでに
ヘッドカノンを読んでいるかもしれないし、そうでないかもしれない。
読んだ方も読んでいない方も最低限の知識として確認しよう。
カノンとは公式設定/一次設定のこと。
つまり、「
博麗 霊夢は博麗神社の巫女である」とか「空を飛ぶ程度の能力」とかの
公式設定に対して、創作者の「賽銭がないので貧乏である」とか「妖怪には強いけど同人誌のおっさんには弱い」とかが
二次設定。
二次設定は創作者の中では公式設定なので、「ヘッドカノン」と呼ぶ。
最低限の公式設定がなく、赴くままに好き放題書けるSCP Foundationでは「カノンは存在しない」という概念が唱えられる。
本当になんでもオッケーだとそもそもシェアされるべきワールドがなくなってしまうので、実際には多くの作者・読者間で共有されている部分ががそれなりにある。
細かい部分こそ違っても
記憶処理がどうだのとか、
Dクラスがどうだのとか、幾千の記事中でだいたい同じ認識で通用するのが、
共有ヘッドカノンである。
で、カノンハブはなんなのよ
簡単に言えば、「特定の作品群で共有が前提となるヘッドカノンのまとめ」である。
『世界オカルト連合事件簿』のような例外もあるが、カノンハブで共有されているヘッドカノンは他の記事群とは明確に違う世界が多い。
こう『特殊なシチュエーション』がカノンハブの特徴だ。
SCP-ENのカノンハブ
壊された虚構/Broken Masquerade
雑に言えば、財団の本来の使命である「アノマリーを人々の目から隠す」という役目が
完全に破綻してしまった世界
。
あるXKシナリオを防ごうとした財団とGOCは共同の作戦でその回避に漕ぎ着ける。代償に北朝鮮の大部分が破壊され、かつ国連から機密情報が漏洩し、人々はこの世に異常存在が溢れていることを知った。この世界の財団は普通に採用募集を行っている。
……さあ、どうなるでしょうね？というストーリー。
- SCP-3241 - "蒸気船ゾンマーフェルト号"
太平洋の日本沖を漂流する貨物船。「DLS」という技術会社が使用していたもので、財団が輸送を依頼した
サイト-97の異常物ごと沈没する
という嫌な予感しかしない経歴を持つ。その後2015年になって再発見されるが、調査を行ったエージェント達は、フィラデルフィア計画もビックリな現象を目の当たりにする。
- SCP-4720 - "さあ小さな英雄たちよ！ページから立ち上がらないか？
創作作品を扱う「パルプ・マガジン」63冊。その雑誌を手に取ると、
搾取的で扇情的な文学を連想させるイベント
(原文ママ)をその人の周りで展開させる。ある日4720を収容しているサイトに「SCP-4720はワシが育てた」と名乗り出る人物が現れ…
- SCP-3739 - "モォ～スフィア(株)のマインド・ミルク™"
異常物を取引する市場に出現した、脳内にまで出現する広告。感染すると、その広告の製品である牛乳製品を異常に欲しがり、
夢に牛を見る
という認識災害オブジェクト。またその真面目な報告書内に企業名と目されるモォ～スフィア(株)が頻繁に登場する温度差もツボ。
死の終焉/End of Death
ある日を境に
ありとあらゆる生物は死ななくなってしまった
。死なないということは、どんな苦痛を受けても逃れるすべもないということである。
そんな世界でどう正常性を維持していくか？
すべての始まり。地球上のあらゆる動物が不死身になった、という現象オブジェクト。当然全ての生物が正常性を保てない
K-クラスシナリオなのだが、実験ログにもう一つの特徴を発見することになる。
Thaumielオブジェクト。平たく言えば
人間の意識を保ったまま死亡させる
オブジェクト。SCP-3448を使用した人間は、いわば「霊体」となって空間をさまよう。コミュニケーションも可能だが、ある理由によりインタビューの記録はほとんど残っていない。その代わりにヤング博士による研究ノートが残されている。そしてラストには『死の終焉』に繋がる結末が待っている。
Thaumielオブジェクト。財団が開発した
不妊ガス
。噴出したガスを摂取した生物の生殖能力を無力化できるのだが、どうも薬の名を騙った現実改変能力を持つらしく…？
安楽死をもたらす(とされる)錠剤。「dado」と呼ばれる謎の人物が安楽死のための薬を販売することに端を発する。詳しくは当該項目へ。ちなみに「dado」を主役に据えたカノンハブも存在する。(というよりそちらがメイン)
人を殺せるナイフ。我々からしてみればなんてことない説明だが、こと『死の終焉』で塗り替わった正常な世界では、立派なアノマリーなのである。詳しくは当該項目へ。
SCP-2000-JPコンテストに投稿された作品。オブジェクトクラスの
「Ticonderoga」
は「収容が難しいがその必要もない」アノマリーに割り当てられる。全ての人間が持つ謎の記憶の報告書だが、
SCP-2998のように次々とページが改定されていく。こちらは後述する『わるいざいだん』、そしてメタタイトルを冠した『rror』カノンハブも兼ねている。
一定の確率で睡眠中の足元に、その人自身の死体と命日が書かれたメモが出現するアノマリー。何故『羨ましい』かはお察しの通りである。
シニアスタッフたちは自分たちも気づかぬまま、世界を改変し続ける。バカ騒ぎが大好きで、オブジェクトを軽率に収容違反させては、どんちゃん騒ぎ。
まともな感性を持つ人達は、皆振り回され、おもちゃになり、死ぬ。
財団のない世界/Unfounded
unfounded 【形容詞】1.ものごとに根拠がない 2.世界に財団がない
もしこの世界に財団がなかったら、あの人は、あのアノマリーは、あの組織はどう動くのだろうか？
世界オカルト連合が今以上の勢力を有する一方、すべての脅威に立ち向かわざるを得なくなるので、一部アノマリーが見逃されたりするようになる。
人間や物体を時間軸から消滅させることができる儀式。財団はあらゆるものを儀式によって消し去っていく。
ちなみにこの報告書は世界オカルト連合が発見しているが、財団なる組織は「存在していない」。その理由は…？
SCP-JPのカノンハブ
カノンハブ-JP掲載最古の『財団日本支部年中行事 ― 2013年忘年会』は2013年末で、現存する最古のJP発カノン『わるいざいだん -確保・収容・支配-』は2015年の2月。
約4年後の2019年1月に『〈オフィサー、ドクター、ソルジャー、スパイ〉』が成立した。
JPの新たなカノンを成立させる動きが2020年に活発化して、1月に『扶桑紀』、2月に『1998年』、3月に『スシブレード』『ファウンデーション・コレクティブ』と急増。
更に、9月から11月にかけて開催されたチームコンテスト2020で新たに7つのカノンが成立した。
2023年8月時点で、20種のカノンが存在する。
わるいざいだん/evilFoundation
財団は変わらず確保・収容・保護を続ける。
しかし、それは世界の正常性を守るためではなく、自分たちがアノマリーを研究し、世界を支配するためである…。
たのしいざいだんと違うのは、ただバカ騒ぎが大好きで暴れるのではなく、人々をDクラスとして動員し、アノマリーで効率的に支配しようと目論んでいる点である。気が狂っていて、残酷に成り果てたが、同時に官僚的になっているため、合理性は失われてしまっている。
1940年生のモンゴロイド女性。年代からわかるように財団が日本に進出する前、蒐集院が保護していた時代から現代までの収容を描いている。こちらもSCP-2000-JPコンテスト作品であり、報告書が改定されていく点も同じである。
〈オフィサー、ドクター、ソルジャー、スパイ〉/Officer Doctor Soldier Spy
頭文字を取ってODSS。財団、世界オカルト連合、日本国政府そして『機構』らその他GoIが、国家の陰でその覇権を争い合うポリティカル・サスペンス。オブジェクトの確保・収容・保護よりは、機動部隊や政治局の活躍がメイン。
このカノンの特徴として、Species' Constituent Power(種としての人類が持つ制憲権)という理念が財団やGOCなどの正常性維持機関が立憲国家、つまり日本に対する政治介入、超法規的活動を行う際の根拠となっている。
扶桑紀/FusoPeriod
大日本帝国で存在していた要注意団体の姿や昭和帝を描いた世界。
「確保 蒐集 保護」を掲げる蒐集院や帝国異常事例調査局がメイン。
旧大日本帝国海軍の航空母艦「飛龍」
(本物)
。史実通り1942年のミッドウェー海戦で沈没。直後の米軍艦艇の沈没をきっかけに発見され、そのときは潜水艦よろしく太平洋を潜航していた。財団が調査を行ったところ攻撃をかましてきたので反撃し、不活性化に成功。その後は財団が管理し、終戦後に発足した財団日本支部に引き渡された。周囲に生息する魚やクジラの生体組織を利用し自己修復もしくは攻撃する能力を持つ。開発の経緯には国家を跨いだ要注意団体が関わっており…？
1998年初夏のポーランドで起きた大事件を分岐点とする、壮大な歴史改変SF。ありとあらゆる異常性が人類に知られており、人型オブジェクトも普通の生活を送るようになったが、超常事件も世界各地で起きている。
ヴェールが存在しない点は「壊された虚構」と共通しているが、こちらは「"それでも前に進んでいく"人類」「未来への希望」をテーマとしている。
王道を捨て、外道に堕ちた
闇寿司。その脅威に立ち向かう財団、スシアカデミア、そして彼らを取り巻くスシブレーダーたちの物語。
スシブレード！それは熱きスシブレーダーたちの戦い！
スシブレード！それは人生の縮図、男のロマンである！
おーしゃにれっ！
筐体造り/Making The Arca
64日後に発生する「SDクラス:"シャットダウン"シナリオ」、約束された滅亡を回避するために財団が
筐体を建造し、世界を"
再起動"する姿を描くカノン。
「なぜ出来ないと？やったことがないんだ、試してみないとわからないだろう？」
二重の故郷/Double Hometown
未知の現象により、2020年5月19日に突如海面が3,000m上昇し、世界の半分以上が水没し9割以上の人類が死亡した世界。
海底施設や船の上、山の頂上といったごく僅かな土地となっている
そんな世界でも、財団はオブジェクトを収容し、要注意団体はそれぞれの目的を果たしつつも生き残った民間人に手を差し伸べる。
佐渡島そのもの。実は佐渡島は島ではなく超巨大たらい舟だったんだよ！
ﾅ ﾅﾝﾀﾞｯﾃｰ!!
Ω ΩΩ
佐渡島をなかったことにすることも、そもそもそんな超巨大たらい舟を収容することも不可能なので情報隠蔽や監視にとどまっていたのだが、そこに海面上昇イベントが発生し、超巨大たらい舟こと佐渡島は沈まずに済んだ。だが、天変地異のせいでインフラは壊滅。同島にいた財団職員や、彼らに合流した東弊重工や日本生類創研、マナによる慈善財団や妖怪らが協力し、復興は進んでいたのだが…
ちいさなざいだん
この世界の異常存在は危険度の少ないものばかり。
収容はうまく行って、組織体制もホワイト、Dクラス職員も危険だけど捨て駒にされるようなものでもない。
そんな小さな世界で生きる者たちの人間模様をメインに描くカノンハブ。
「あなたの1番なりたい名前を書いてください」と書かれているA4サイズの紙切れ。発動条件が厳しく『日本国籍を持つ人間が』『日本の登録基準を満たす名前を』『本当になりたいと願いながら』書き込むことで記録上の氏名が改竄される。効果範囲は本人から二親等以内で、記憶に影響なし。裏工作で修正は可能……とかなり安全なSafe。
そんな世界であっても厄介極まる『隔離すべき異常』というものはあるわけで……？
相貌失認
人類はある時点から恒常的に『幸せ』を感じるようになり、一方でネガティブな感情を感じられなくなった。この世界の人類は、悲しむことも、怒ることもない。しかしごく一部の人類はそうではなく、私たちと同じ普通の情動を抱えている。
そんな世界で、『幸せ』な人の輪に入ることもできずに、世界のためにひたすら孤独に努力する財団を描いたハブ。
既存のオブジェクトで例えるならば、人類の大半が
SCP-4560に感染してしまったら、を体現したような世界である。ただ、ネガティブな感情を表現できないだけで感情自体は有しているあちらとは違い、こっちはネガティブな感情そのものがなくなるのだが。
カノンハブには属するものの、基底現実世界で収容されているオブジェクト。
折紙によって整形された鶴に類似した外見的特徴を保有する生物群。飛行を伴う移動能力、周囲状況の認知能力、一定以上の命令遂行能力等を有する。触れた人間は、自身の持つ『負の感情』に起因する記憶及び情動反応を失う。
どうやら『相貌失認』の世界から基底現実にやってきたようだが……？
とある日本人女性の体組織内に存在していたウイルス。
血液感染および粘膜組織からの接触感染によって広がり、感染者の免疫系および前頭葉を変質させることで、ポリアンナ症候群と似た症状を発症させることで、感染者のネガティブな感情を徐々に喪失させてゆく。
初めはアジア地域のみの感染だったが、次第に……
ある意味『相貌失認』の前日譚の１つともいえる記事。
まずしいざいだん
財団の日々の活動には莫大なお金が必要。もしそれがなかったら？
財団だって組織、財政破綻してしまえばそれまでだ。そんな惨状になって尚働く職員や、既に財団がなくなってしまった後の世界を描く。
このカノンハブでは、貧困にあえいでいた怪奇部門の末路が描かれている。
出入り口はサイト-19のカフェテリアのバックヤードに存在する塩化ビニル製の幕だし、怪奇部門でよくあるプラカードは段ボール製だし、収容オブジェクトは「売却済」だしと悲惨な様子。
補遺には、どうして怪奇部門がこうなってしまったかの記録が残されているが……
共異廻歴
人類が繁栄したのも、財団が健全だったのも過去の話。23世紀に起きた戦禍によって、人類の世界はとうに終わっていた。人々は辛うじて残された土地での生活を余儀なくされたが、残されたのは人類だけではない。戦禍は異常を世界に解き放った。荒廃し、孤立し、恐怖に囲まれた小さな世界の中で生きるために、人類は異常と共に生きることを選んだ。
ポストアポカリプスな世界観で描かれる、ヴェール無き世界。
氷我記
世界はすべて氷漬けになる…
とあるオブジェクトによってそうなることが判明した時、財団はどのように動くのか。
このカノンハブは氷漬けになる未来に抗う者たち、氷漬けになった世界でなおも足掻く者たちが描かれる。
すべての始まりとなるオブジェクト。
定期的に世界各地でその地を埋め尽くすように繁殖…というかスポーンするノコギリソウのような見た目をした白い植物。
一度に出現する面積はまちまち。
世界中がこの花で埋まるようなことがあれば、日光を地表に届かせず反射することで地球全土を氷漬けにしてしまう。
ある時ケプラー1649cという惑星に似たような痕跡が存在していることが判明し、このアノマリーの正体が明らかになる…
やっぱり君は追記・修正したいか。
- アポセオシスハブとかも欲しいなー -- 名無しさん (2020-03-23 00:59:12)
- 追記大歓迎です -- 名無しさん (2020-03-23 08:56:27)
- 世界オカルト連合事件簿が例外っていうか,そもそもカノンハブは「設定集」みたいなもんだと思ってる。一般の記事にでてくるあれこれに関して詳細な設定をしてみようってのも「設定集」だし,普通の世界とはまるっきり違うifを共有するのも「設定集」 -- 名無しさん (2020-03-23 11:59:54)
- ↑ある意味それもヘッドカノン次第ってこったな -- 名無しさん (2020-03-23 12:16:57)
- 扶桑紀のああいった雰囲気好き -- 名無しさん (2020-03-23 17:27:14)
- Pitch Haven(SCP Foundation)と[class-of-76]もどなたかお願いします。自分じゃうまく要約できなくて… 前者については別ページができてるので「詳細はリンク先参照」でもいいかもしれないですが。 -- 名無しさん (2020-03-24 06:20:02)
- スシブレードよりもっと先に挙げるべき奴いくらでもあるだろ！ -- 名無しさん (2020-03-24 09:00:11)
- ↑↑Pitch Havenとclass-of-76はシリーズハブであってカノンハブではないんだ -- 名無しさん (2020-03-24 09:38:01)
- 扶桑紀を追加してみたけど文才無いから後は任せた…。 -- 名無しさん (2020-03-24 16:52:09)
- 霊夢のくだりで草生えた -- 名無しさん (2020-06-05 23:23:38)
- SCP-2316のコメ欄でclass-of-76の記事書いてる途中だって言ってた人、その後どうなったんだろう -- 名無しさん (2020-06-12 22:11:49)
- 主な(というほど量もありませんが)属するSCPをまとめてみました。追記お願いいたします -- 名無しさん (2020-07-14 21:46:57)
- ちいさなざいだんハブ、つい最近できたハブだけど良さそうだな -- 名無しさん (2021-03-14 00:36:26)
- 「プロジェクト・パラゴン」なるカノンがあるのですが、夜闇の子並びに妖精やダエーバイト文明にトランプのジャックのモチーフ人物他etcが強固に混ざっていて知識的に理解しきれません -- 名無しさん (2021-09-03 17:12:16)
- カノンハブは一つのカノンとそれに属する作品をまとめたページなんだよなぁ -- 名無しさん (2021-09-13 20:18:21)
- 直接カノンと関係あるわけじゃないけど、カノン収穫が最盛期 今年は大豊作ってtaleはカノンハブjpの項目のどこかに入れておくといいかも -- 名無しさん (2022-02-27 15:52:27)
- 一部追加しました。後はまかせます。 -- 名無しさん (2022-05-25 20:26:34)
- コウプスコウパスという不気味なカノンも誕生している -- 名無しさん (2023-12-11 20:44:50)
最終更新：2024年04月09日 21:46
