バーニングライガー

登録日:2025/02/09(日) 01:35:40
更新日:2025/03/14 Fri 09:39:26
所要時間:約10分で読めます




コアドライブシステム、エネルギー充填!


バーニングライガーとは、ゾイドワイルドシリーズに登場する金属生命体ゾイドの一種である。


【スペック】

番号:ZW45
所属:帝国(ゾイドワイルド戦記)
   バーニング団(ゾイドワイルド2+)
分類:ライオン
全長:9.2m
全高:3.9m
全幅:3.0m
重量:42.0t
最高速度:215km/h
乗員:1名
基本武装:レーザーファング
     ブロウクロー
     二連ビームガン
     ソードオフショットガン
     小型格納式ミサイル
     ハイドミサイルポッド
     ウィップテイル
オプション装備:A-Zナイトソード
        A-Zメガシールド
        A-Zレーザーショットガン
        A-Z4連ショートレーザーガトリング
        A-Zレーザードリル
        サポートガンポッド
        コンパクトイオンスラスター
        A-Zロングキャノン
        インパクトガトリング
        イグニッションブースター
        ツインパイルバンカー
        バイタルチャージャー
装備:コアドライブシステム
   言語装置(2+のみ)
パイロット:ブレイズ・ジュール
      ポーラ・ブリッツ
      ハンス・シュテイン
      アーキャ



【機体解説】

帝国軍初のライオン種ゾイドにして、史上初めて正規軍によって実戦投入された地球外ゾイド。

地球外ゾイドの共通点としてボーンフレームを持たず、外装とフレームが一体となっている。
全体的なスタイルは筋肉を思わせるもので、「骨格」の要素をを特徴とする『ワイルド』のゾイドとしてはかなり異彩を放つ外見。
また、首筋のコクピットが「ガーディアンシェル」と「メインプロテクター」の2つの装甲に覆われ、完全内蔵式になっているのも大きな特徴である。
帝国ゾイドの例に漏れずZ-Oバイザーが装備されており、共和国のワイルドライガーと比べて何処か無機質な風貌だが、下にはゼノレックスと同じく眼球状の目が備わっている。

軽量化されたボディフレームとパワフルな四肢で軽快なステップを繰り出し、前脚のブロウクローで切り裂く格闘攻撃を得意とする。
その他に、全身に複数の小型重火器を備えており、シンプルな外見に反して火力も高い。

最大の特徴は、ゾイドコアのエネルギーを武器の動力に直接変換する「コアドライブシステム」。
有り体に言えば、ワイルドブラストをモジュール化し、換装出来るようにしたシステムであり、地球外ゾイドの有り余るパワーを直接利用することで従来よりも遥かに高い性能を実現した。
これに対応する武装ユニットは「コアドライブウェポン」と呼ばれ、背中に設けられたレールに装着される。
この他にも体側面のハードポイントに様々な武器を装備可能であり、換装バリエーションは多岐に渡る。
積載量にもかなりの余裕があり、フル装備で重量が増えても高速機動にほとんど支障は出ない。

総じて、高い戦闘力と汎用性を兼ね備えた非常に強力なゾイドであり、共和国はゼノレックスのロールアウトまで本機に煮え湯を飲まされ続ける結果となった。

なお、ゼノレックスと何故か装備の互換性を持っており、両者の間には何かしらの関係があるようだが、そもそも地球外ゾイド自体に未知の部分が多いこともあり、復元した帝国自身もこの辺りは詳しく把握していない模様。



【作中での活躍】

ゾイドワイルド ZERO

終盤に、ゼログライジスの故郷のイメージ映像の中でチラッと登場。
この時点ではまだ本機の正式発表がされていなかったためシルエット扱いであり、シルエットのよく似ているライガーゼロと勘違いしてしまった視聴者もいたとかいなかったとか。


◇ゾイドワイルド戦記

ブレイズ・ジュール少佐率いる3機編成の部隊が登場。
ホバーカーゴを思わせる専用の巨大輸送車両から出撃しており、装備換装もここで行う。その他、第5話ではストライクレーザークローよろしくブロウクローにエネルギーを溜めて斬り付ける技も披露しており、随所にライガーゼロを彷彿とさせる要素が盛り込まれている。

第一話冒頭から物々しいBGMをバックに共和国ゾイドを一方的に蹂躙する姿を見せつけ、「悪のライガー」という設定を視聴者に印象付けた。
たった3機で共和国の重要拠点を次々に陥落させ、イグニッションブースターを装備すればブロウクローの一撃でスナイプテラの片翼をもぎ取り、挙句の果てには露出したゾイドコアを狙ったとはいえゼログライジスを数秒ながら機能停止に追い込むという無茶苦茶な強さを発揮。序盤でまともに渡り合えたのはヴェルター・クエイド中佐のギルラプターLCただ1機だけであった。
ゼノレックスの登場で一強状態こそ崩されたものの、機体性能、パイロットの技量、巧みな連携により、1機しかいないゼノレックスは大いに手を焼かされた。

終盤、ゼロファントスの大群相手に孤軍奮闘ゼノレックスに「ゼロファントスは人類共通の敵」と加勢。
共闘してゼロファントスを全滅させ、その後に出現したゼログライジスにも果敢に立ち向かった。


◇ゾイドワイルド2+

終わりの見えない戦争が展開されている別惑星のゾイドであり、時空の穴を通って地球にやって来た。
時折Z-Oバイザー越しに本来の目が透けて見える。
ゼノレックスと同じく、武装は時空の穴から取り出して換装する。
後述のおまけ漫画では、ワイルドライガーのタテガミクローとよく似た詳細不明の武器も装備していた。

ゾイドとの円滑な意思疎通を図るべく、母星で言語装置を搭載されており、なんと喋る
…しかし、当のバーニングライガーは言葉など望んでおらず、しかも人間達は相互理解の名のもとに彼を道具として酷使し続けた。
人間の愚かさに絶望したバーニングライガーは、やがて世界を破壊し尽くす野望を抱くようになった。

時空の穴を通して地球に迷い込んだ彼は、手始めに危険思想を持つ人々を扇動してテロ組織「バーニング団」を結成し、人類への攻撃を加える傍らで自らの力を引き出せる人間の捜索を開始した。
やがて、ZIBでテツローの相棒として活躍しながらもゾイド適正を持たないアーキャを丸め込んでコクピットに乗せると、彼の劣等感を強制的に引き出し、自身の憎しみとシンクロさせることで支配下に置いてしまった。
ゾイド適正を200%にアップさせた*1アーキャの影響で元々高かった戦闘力が劇的に向上し、地球の至る所に時空の穴をこじ開けては無数のゾイドを送り込んで総攻撃を開始した。

しかし、テツローの必死の呼びかけによってアーキャが正気を取り戻し、「人間が怖いから、必死に強い自分を演じていた」という盲点を、同じように他人への恐怖と不安を抱えていた彼に指摘されて激しく動揺。自力でコクピットから脱出した彼がゼノレックスに乗り移ったことで計画が完全に狂ってしまう。
悪足搔きとばかりに、ボロボロになりながらも尚戦うゼノレックスに「人間に味方する愚かなゾイド」と吐き捨てたが、彼にもまた「人間を信じている」「ゾイドと共に生きられるのが人間だ」と説得され、逆に心の迷いが強くなる一方であった。
過去の自分が聞かされた詭弁とは異なる真の「人間とゾイドの相互理解」を目の当たりにしたバーニングライガーは、「まずは母星での戦いを止めに行く。そのあと貴様を必ず倒す」とお決まりのツンデレ発言宣言し、時空の穴を通って故郷に帰っていった。

単行本描き下しのおまけ漫画では、母星の戦場で命の危機に陥った兵士の前に現れ、「この戦いを終わらせよう」と自身に乗るよう促した。
その後は特に描写されなかったが、もう一度人間を信じることにしたバーニングライガーが、今度こそ究極の絆で結ばれた相棒と巡り会えたことを願いたいものである。



【キット】

完全新規設計で、ばら売り版と、インパクトガトリングとのセット版の2種類が発売された。前者はゼノレックスと同価格で、M型ゾイドの中では最安値。
ボーンフレーム廃止の影響か大分小顔かつ細身で、ワイルドライガーやビーストライガーと比べて実際のライオンに近いスタイリングとなっている。一方、Z-Oバイザーの下の本来の目は造形されておらず、バイザーなしの状態を再現するにはある程度の改造スキルが必須*2
各部のエアインテークが成形色で色分けされているのも特徴で、素組みでもある程度ハイディテールな姿で組み立てられる。

コアドライブウェポンはインパクトガトリング、イグニッションブースターと、『戦記』『2+』双方で未使用のツインパイルバンカーが発売。背中のカバーを外すと露わになるレールに装着され、電動走行に連動して動く。余ったカバーパーツは腰に取り付け可能で、コアドライブウウェポン装着時も余剰にならないようになっている。
ツインパイルバンカー以外の二つはギアボックスも組み立て式。
キャップを専用のギアに換装すれば脚にもコアドライブウウェポンを装備できるが、インパクトガトリングはギア構成の都合上、右脚に装着して電動走行させると最悪ギアが破損するので注意。この事態を想定してか、予備のギアもひとつ付属している。だったらそもそも壊れない構造にしてくれ
ゼノレックス用のジョイントを装着すればゼノエヴォリューションアームズも装着出来る。
その他に本機への装着を前提とした「改造武器キャノン+レーザーコンバットユニット」も発売された。内容は「改造武器ミサイル+レーザーコンバットユニット」とほぼ同じで、A-Z三連誘導ミサイルの代わりにA-Zロングキャノンが付属し、成形色がメタリックレッドになっている点が異なる。

このように、骨格形態廃止、完全内蔵式コクピット、装備換装と、原点回帰的コンセプトを打ち出したゾイドだが、過去作ファンのノスタルジーを刺激した一方で『ワイルド』らしさや目新しい個性を求める層からは厳しい意見も少なくなく、賛否両論。
この辺は後発のゼノレックスも似た評価になった。
また、設定上の重武装ぶりに反して造形にあまりそれらしさがない点もしばしば指摘される。特にミサイルポッドのハッチのディテールは言われないと気づけないレベル。


【バリエーション】

・バーニングライガー レジェンドブルー

「『バーニングライガー』VS『ゼノレックス』超対決キャンペーン」の景品として用意された青いアーマーを装着した、共和国仕様のバーニングライガー。本体は別途用意する必要あり。
フォトストーリー『ゾイドワイルド列伝』及び『ゾイドワイルド戦記外伝』ではZ-Oバイザーが外されており、本来の緑の目が露わになっている*3
なお、通常のバーニングライガーも準備稿段階では似たような青基調のカラーリングだった*4


【余談】

  • シリーズでは珍しい完全新規の悪役ライガー。
    前例であるエナジーライガーには「元々主役機になるはずだったが、玩具開発スケジュールの遅れで変更された」という経緯があるが、本機にそのような身の上があるのかは現状不明。

  • 『戦記』におけるバーニングライガーの輸送車両は、新型コロナウイルス感染拡大の影響でお蔵入りになったTVシリーズ第3作における主人公一行の拠点となるそれのデザインが流用されている

  • 2000年から小学館学年誌で掲載されていた漫画『ゾイドバトラー雷牙』には、主役機の一角として真紅のブレードライガー「バーニングライガー」が登場する。無論名前が被っているだけで本機とは何の関係もない。




コアドライブシステム、エネルギー充填!
追記、修正!

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最終更新:2025年03月14日 09:39

*1 この数値はバーニングライガーに乗っているときにしか発揮されない模様

*2 これまでのZ-Oバイザー付きゾイドは骨格形態に本来の目が造形されていたため、外装パーツからZ-Oバイザーを切り取るだけでよかった

*3 玩具は単純な色替えのため、バイザー付き

*4 あくまでメインカラーが似ているだけで、両者を比べると細かい配色はかなり異なる