ライガーゼロ

登録日:2010/01/30 Sat 22:09:05
更新日:2024/11/06 Wed 07:20:37
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ライガーゼロは、タカラトミー(旧トミー)から展開されていた『ZOIDS』シリーズに登場する金属生命体
アニメ『ZOIDS新世紀/0』と『ゾイドフューザーズ』では主役機を務めた。
複数のアニメ作品で主役機を務めた唯一のゾイドである。


▽目次



【設定】

共和国のライオン型ゾイド。
人工培養したゾイドコアではなく、厳しい環境で生き抜いた野生体のコアをそのまま使い建造された「完全野生体ベース」と呼ばれる機体で、西方大陸種のライオン型野生体をベースとしている。

オーガノイドシステムは採用されていないが、野生状態でも並みの戦闘ゾイド以上のパワーを持つゾイドのコアをそのまま使う事でオーガノイドシステム搭載機に引けを取らない性能を獲得。
野生由来の高い反応速度や回復力も有する機体となっている。

一方で、野生の本能が強く残っているためかパイロットの影響を受けやすく、乗り手との相性やシンクロ率で能力が大きく変化するなど、非常に不安定な性能になってしまった。
それでも、搭載すると例外なく凶暴化し操作性が悪化するオーガノイドシステム搭載機よりははるかに扱い易いとされているが。

またベースにできる野生ゾイドは絶対数が少ないうえ、その戦闘力から捕獲も非常に困難なため、量産性にも欠ける。

本機は元々帝国側が開発したゾイドであり、バーサークフューラーの姉妹機。
共和国はそれを奪取して製造している。そのため共和国ゾイドでもコックピットがキャノピー式ではない。
帝国、共和国双方に存在する稀なゾイドで、それぞれ色が違う。ちなみにガイロス帝国所属は試作1号機のみで、2号機以降はネオゼネバス帝国所属である。


【チェンジング・アーマー・システム】

略称「CAS」。
ライガーゼロの装備換装システム。
従来機のようなカスタムパーツ・オプションパーツの範囲にとどまらず、フレーム以外の外装をすべて換装することで機体そのもののコンセプトを180度変えることが可能となり、単機のゾイドで高速戦闘から砲撃戦闘までこなす幅広い戦略的運用が行えるほどの拡張性を獲得している。
また、装備を後付け式にすることでライガーゼロは完全野生体が持つ本能を色濃く残すことに成功している。
とはいえ良いこと尽くめというわけではなく、CAS採用によってブレードライガーの三倍以上とも言われるコスト高を招き、量産性の悪化を手伝っている。


◆ライガーゼロ(素体)

番号 RZ-041
分類 ライオン型
乗員 1名
《固定武装》
◆ストライクレーザークロー×4(共通のため下記では省略)
◆レーザーファング(〃)

CASを何も装備していない状態で、緊急時くらいしか使われない。
射撃は一切出来ず戦う術が牙と爪のみな上、装甲も申し訳程度にしか付いていないが、余分な物が付いていないため高い運動性を発揮できる。
帝国仕様は赤いフレームに金の装甲と緑のキャノピー、共和国仕様は黒いフレームに白い装甲とオレンジのキャノピーを備えている。

◆ライガーゼロ(タイプゼロ)

所属 ヘリック共和国/ガイロス・ネオゼネバス帝国
全長 24m
全高 8.3m
重量 85t
最高速度 307km/h
《追加武装》
◆イオンターボブースター×2
ダウンフォーススタビライザー×2
◆AZ208mm二連装ショックカノン(共通のため下記では省略)
◆AZ108mmハイデンシティビームガン
必殺技
◆ストライクレーザークロー

基本装備。
この装備も本来は帝国軍が開発した装備であり、共和国軍におけるタイプゼロは帝国軍が残したデータから共和国軍が再現したもの。帝国側は赤く、共和国側は白い
ショックカノンとブースターを備え平均的な能力を持ち、装備の貧弱さから閃光師団のパイロット間でも不評なアーマーとされるが、このままでも量産型ブレードライガーに引けを取らない戦闘力を持つ。
ゼロ本来の運動性をほとんど損なわず、他アーマーほど特化していないが故の扱い易さ・汎用性から、この形態を愛用したパイロットもいたとされる。



◆ライガーゼロ イエーガー

所属 ヘリック共和国
全長 24.1m
全高 10.8m
重量 132t
最高速度 330km/h

《追加装備》
◆大型イオンターボブースター×2
◆対物ブレードセンサー×8
◆マルチブレードアンテナ×2
◆バルカンポッド×2
◆エアロフィアリング×4
◆サイドスラスター×2
◆フライングバルカンポッド
《必殺技》
◆ストライクレーザークロー

深い青色のアーマー。
帝国の高速ゾイド、ライトニングサイクスに対抗するために開発された。背面に大型ブースターを備えた高速戦闘用形態で全アーマー中最速を誇る。
さらに、ブースターを横に向けられるため旋回性も高い。直角ターンとかも可能。そのため、公式ファンブック4の時点で唯一の運動性能S+(=全ゾイド中最高)となっている。
ただし武装はバルカンが追加されただけなので戦闘力は大して上昇しない。重装甲相手では基本的に不利(アニメでは高機動で振り回して関節を破壊したりしたが)。
加えて軽量化された装甲は素体よりマシとはいえ紙。ゾイドvsではいらない子。
アニメでは例のごとく超強化されてる設定で、音速を優に超えて衝撃波のみでモルガを撃破していた。



◆ライガーゼロ シュナイダー

所属 ヘリック共和国
全長 24.1m
全高 10.1m
重量 135t
最高速度 310km/h

オレンジがかった赤いアーマー。共和国の主力ゾイド〈ブレードライガー〉のコンセプトを引き継いだ後継機でありシールド、ブースター、ブレード(七本)を備えた格闘戦用形態。
詳細は項目参照



◆ライガーゼロ パンツァー

所属 ヘリック共和国
全長 23.3m
全高 9.7m
重量 145t
最高速度 285km/h

《追加装備》
◆ハイブリッドキャノン(AZ216mmレールガン AZ108mmビームガン)×2
◆AZ6連装マイクロホーミングミサイルポッド×4
◆AZ3連装マイクロホーミングミサイルポッド×2
◆AZ2連装マイクロホーミングミサイルポッド×2
◆AZ2連装ミサイルポッド×4
◆バルカンポッド×2
◆AZ3連装グレネードランチャー
◆マルチブレードアンテナ×2
◆エアロフィアリング×4
《必殺技》
◆バーニング・ビッグバン


緑色のアーマー。
全身に堅牢な装甲と大量のミサイル、大口径火砲を搭載した重武装型。詰め込み過ぎ。
敵地まで高速接近して大量の火力をばらまく事が出来るチート装備。
圧倒的火力を誇るが、特有の機動力は損ねていない『高機動要塞』となっている*1
ただし格闘戦能力は重武装相応に低下しており、実際に格闘戦の必要が出た際には装甲を排除し、素体となって対応する。
アニメでは動くことさえままならず、挙句の果てにはオーバーヒートで爆発する可能性まであった。対策として、一斉射後にアーマーをパージすることで暴発を回避した。


◆ライガーゼロ マリナー

改造バリエーションの1つである水色のアーマー。
その名の通り、水中戦用CASとして開発された武装形態。水中用に再設計されたイエーガーのイオンブースターを搭載することで60ノットのスピードで水中を移動する事が可能となった。
共和国海軍絶対殺すマンであるウオディックとも互角の性能を持ち、実戦投入されれば最強の水陸両用ゾイドとなるはずであったが、開発コストの問題でハンマーヘッド以上に量産が困難となり、さらにマリナー自体がライガーゼロとの相性も悪かったため、最終的に実用化は見送られた。

キットの作例ではイエーガーをベースにしており、ウオディックのブースターと尻尾が移植されている。
ちなみに後ろ脚にはイエーガーのイオンブースターが装着されている。



◆ライガーゼロ イクス

番号 EZ-054
所属 ガイロス・ネオゼネバス帝国
詳細は項目参照

帝国版ライガーゼロが使う装備。
本来、帝国製である本機にとってこのアーマーこそが本来のCASといえる(帝国にはイクス以外に換装パーツがない)。
電気武装を備え、近接・遠距離問わずこなす汎用性を持ち、光学迷彩まで積んでいる。ライガーゼロの換装装備の中では最強の性能を持つ。ただし背中のコンデンサーが弱点で、破壊されると性能が著しく下がる。

『スラゼロ』の放送終了から半年ほど経ってから発売されたため、CASでは唯一アニメに登場していない*2

漫画『ZOIDS惑星Zi』ではグゥの愛機として登場したがフライシザースに両断された



【ブロックス・チェンジング・アーマー・システム】

チェンジマイズ!!

分解したブロックスゾイドをアーマーとして装着する合体機能。略称は「B-CAS」。
『フューザーズ』においては他の合体ゾイドと纏めて「Ziユニゾン』と呼称される。
また、こちらではタイプゼロの上から重ね着するのも特徴。旧キットでは従来通りの交換式だが、AZ版ゼロフェニックスは部分的にではあるが重ね着が再現されている。


◆ライガーゼロフェニックス

番号 RZ-071(フューザーズではFZ-001)
分類 ライオン/フェニックス
全長 26m
全高 12.2m
重量 106t((表記ゆれで120t説もあり)
最高速度 340km/h

ブロックスゾイド〈フェニックス〉と合体した状態。二機のゾイドコアを共振させる『フェニックスシステム』により基本能力自体が向上している。
短時間ではあるが飛行可能になったため、従来のライガーでは不可能だった戦術をとることができる。
詳細は項目を参照



◆ライガーゼロファルコン

分類 ライオン/ハヤブサ型
全長 23.4m
全高 13.7m
重量 108.8t
最高速度 560km/h

《追加装備》
◆バスタークロー(高速回転ドリル:マグネーザーAZ185mmビームキャノン マグネッサーシステム)×2
◆ザンススマッシャークロー×2
◆AZ108mmハイデンシティビームガン
◆AZショックカノン×4
◆マグネッサージェットウイング×2

エナジーライガーに対抗するため開発されたブロックスゾイド〈ジェットファルコン〉と合体した状態であり、全形態中最強スペックを誇る。
フェニックス同様、基礎能力が向上に加え、姉妹機でありライバル関係だった〈バーサークフューラー〉のバスタークローの改良型装備。
ブースター併用で時速560kmという超速度を発揮できる。唯一の取り柄が速度だったイエーガー涙目である。もっとも、あちらは直線の速度よりも総合の運動性能が強みなのだが。

『フューザーズ』では、凱龍輝によりファイヤーフェニックスを破壊されたライガーゼロフェニックスの後継ユニゾン機として登場。
エネルギー量がとにかく異常に凄まじく、ホエールキングを背負って飛行することが可能であったり、エナジーシステムを搭載したユニゾン機・エナジーレイライガーのトライホーンシールドを真っ向から貫く。
その上、ユニゾンと分離と繰り返したり、バトル時以外でも平然とユニゾンしており、ユニゾン制限時間自体が存在していないような描写が観られる。
必殺技はバスタークローから放たれる「ストライクレーザーランス」と、ゼロフェニックスから継続される「ダイビングレーザークロー」。
なお、ウルカの森でのジェットファルコンとの初ユニゾン時と、セイスモサウルスとの最終決戦での描写から、封印されていたジェットファルコンにファイヤーフェニックスの魂が乗り移った転生ゾイドの可能性がある。



【バリエーション】

◆ライガーゼロ(バン仕様)

漫画『機獣新世紀ZOIDS』に登場した主人公バンの機体で、シールドライガーから続く『シーザー』のゾイドコアをライガーゼロのフレームに移植した機体。後に出撃時の仮装備と素体を経てライガーゼロ・シーザー・ザ・キングへと換装された。
ちなみに同作ではこの個体以外にシュナイダー仕様のロッソ機とイェーガー仕様のヴィオーラ機が登場しており、本作において唯一複数個体が登場したライガータイプである。

◆ライガーゼロBiS(ビットスペシャル)

『/0』に登場した主人公ビット・クラウドの機体。
ライガーゼロといえばこれを想像するファンも多いことだろう。
詳細は当該項目を参照。

◆ライガーゼロ(RD仕様)

『フューザーズ』に登場した主人公RDの機体で、父親のアッシュから譲り受けたもの。
頭の従来は黒い部分が白くなっている点と、キャノピーが赤い点以外は通常のライガーゼロと同じだが、コクピットが複座式になり、背中に手荷物収納スペースが設けられていたりと内装は結構異なる。
カーステレオ(ゾイドステレオ?)も積まれており、長距離移動時の暇つぶしも問題なし。
100年前の大戦を生き残った大変珍しい機体とされ、「旧式」呼ばわりする者もいる一方で熱心なファンもいる模様。

◆ライガーゼロ(懲罰部隊仕様)

懲罰部隊に降格された閃光師団に配備された青いライガーゼロ。
全機がゼロフェニックスとして運用され、うちレイ・グレッグ機のみゼロファルコンにもユニゾンしている。

◆ライガーブルー・ソウガ

◆ライガーレッド・ヒオウ

ライトノベル『ゾイドジェネレイションズ』に登場。ソウガは青色のフレーム、ヒオウは赤色のフレームとクリアピンクの装甲を持っている。それぞれ具足と呼ばれる専用アーマーが用意されている。

◆ライガーゼロDASH

ゲーム『ゾイドダッシュ』に登場。大きさは大型犬程度とかなり小型。ライガー零と呼ばれることもある。
ゲーム『ゾイドバトルコロシアム』に登場した際はコックピットハッチに傷のあるライガーゼロとして登場している。

◆ライガーゼロリミテッド・オーダー

ソーシャルゲーム『ZOIDS 鋼の絆』に登場するオリジナル機体。
詳細は不明だが、ゼロの上位機種と思われる。
頬のフェアリング、肩部・腰部パーツやイオンブースターのエッジ部、前腕部装甲などに金色の意匠が施されており、胸部とイオンブースターが青く発光しているのが特徴。
基本形態のゼロ以外にも3形態全てにリミテッド・オーダーが存在しており、エッジ部に金色の意匠とブースターが発光しているのが共通しているが、パンツァーはアクチュエーターの強化のためか、前腕部のフレームと腰部パーツが発光している。

◆ライガーゼロ(アルティメットX仕様)

ソーシャルゲーム『ZOIDS 鋼の絆』に登場するオリジナル機体。
アルティメットXの力を最大限に引き出す事に成功した姿とされており、機体内部のフレームや駆動系がオレンジ色に発光しているのが特徴。
ゲーム中では通常のゼロの5倍近い能力を有していた。





追記・修正はライガーゼロを愛する方にお願いします。

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最終更新:2024年11月06日 07:20

*1 メディアによって扱いが異なっており、「ゾイド妄想戦記」では高機動性は“カタログスペック”に過ぎず、装備の仕様変更が原因で実際は歩くこともままならないとしている。しかし、HMMシリーズでは時代によって材質の違いがあり、レプリカ品では重量から機動性が極端に低下しているとされている

*2 そのため「『スラゼロ』は元々4クール放送の予定だったが、後番組として『ウルトラマンコスモス』の放送が決まり2クールに短縮された」という噂が一部で囁かれたが、勿論デマである