登録日:2024/12/09 (月曜日) 22:58:15
更新日:2025/02/22 Sat 21:34:44
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「愚かなゾイドめ‼なぜ、人間などに味方する‼」
《人間を信じているからだ》
ゼノレックスとは、
ゾイドワイルドシリーズに登場する金属生命体
ゾイドの一種。
アニメシリーズ初にして今のところ唯一の恐竜型主役機である。
【スペック】
番号:ZW52
所属:共和国(ゾイドワイルド戦記)
ZIB(ゾイドワイルド2+)
分類:
ティラノサウルス種
全長:9.8m
全高:4.9m
全幅:3.1m
重量:45.0t
最高速度:200km/h
乗員:1名(戦記)/2名(2+)
基本武装:レーザーバイトファング
マルチアーム
ストライクヘヴィクロー
スマッシュテイル
装備:ゼノエヴォリューションシステム
コアドライブシステム
パイロット:リューク・ストレイカー
絶斗テツロー
【機体解説】
共和国が3年かけて発掘・復元した、地球外を起源とする恐竜型ゾイド。
眼球状の目を持ち、遠目には従来の地球ゾイドと大差ないが、地球ゾイド共通の特徴であるボーンフレームを持たず、青色の外装と駆動系が一体になったもの。
コクピットが頭部に完全に内蔵されているのも特徴で、クリアオレンジのキャノピーで覆われている。
青いカラーリングと併せ、どこか
別世界の英雄を彷彿とさせる顔だち。
格闘戦を得意とし、基本装備としては火器を一切持たない。
最大の特徴は、ライダーとのシンクロやゾイドコアへの刺激によってエネルギーを増幅し、ライダーと共に成長する「ゼノエヴォリューションシステム」。
その恩恵で巨大化すら可能であり、実際のところカタログスペックがほとんどあてにならない未知数のゾイドである。
これを応用した、空中母艦からのエネルギー照射によって装備を生成・換装する次世代型換装システム「ゼノエヴォリューションアームズ」も搭載されており、汎用性にも優れる。
ライダーとのシンクロ率が極限まで高まると、更なる強化形態「XAモード」に移行し、装備するゼノエヴォリューションアームズに応じて機体色が変化する。
エネルギーの消耗が激しく、長時間は維持できないが、この状態での戦闘能力は間違いなく共和国ゾイドの中でも最強クラス。
また、何故か
バーニングライガーと装備の互換性があり、帝国製のはずのコアドライブウウェポンを装備できる。
互いの出現に呼応してゾイドコアが共鳴することもあり、両者の間に何らかの関係があることが示唆されているが、現状では実態は明らかになっていない。
総じて謎の多い機体であり、復元した共和国自身も未だ全容を把握出来ていないようだ。
◇ゼノエヴォリューションアームズ各種
いずれも、XAモードを発動すると名前の末尾に「XA」と付く。
・ゼノレックスシザース
最初に完成したゼノエヴォリューションアームズであり、フレキシブルに動く複合兵装「
フリーラウンドシールド」を装備した格闘形態。
XAモードの色は白。
フリーラウンドシールドで敵の攻撃を凌ぎながら間合いを詰め、頭部のレーザーチャージングブレード、尻尾のスタビライズソード、シールドに搭載したアサルトエクスシザースで斬りかかる。
巨大化によってリーチとパワーも強化されているため、接近戦では向かうところ敵なし。
フリーラウンドシールドに搭載された二連衝撃砲で射撃も可能であり、様々な間合いで戦えるバランスのいい形態である。
・ゼノレックスバスター
巨大化による積載力を活かした遠距離砲撃形態。
XAモードの色は黒。
頭部の可変式光学センサーと
脚部のロケットアンカーを活かし、脚部のミサイルアーマーと背中のマイクロミサイルポッドで弾幕を張り、巨大な「アサルトエクスバスター」で敵を仕留める。
『2+』では本形態自体は登場しなかったが、代わりに背中に大量のアサルトエクスバスターを装備した脅威の弾幕バカ仕様「
ゼノレックスフルバスターXA」が披露され、100体のキルサイスをマルチロックオンで撃ち落としてみせた。
追加の砲身とジョイントを用意すれば玩具でも無改造でフルバスターXAに出来るが、漫画では作者がそこまで把握していなかったのか、単に作画に手間がかかるためか、砲身の接続方式については二次元の嘘でカバーされている。
・ゼノレックスストーム
『ゾイドワイルド列伝』で新たに登場した飛行形態。
XAモードは銀色で、この形態のみキャノピーもスモークブラウンに変わる。
ドラゴンのような印象を本機に付加している
巨大なウイングユニットと頭部に追加されたアンテナは、ライジングライガーのデータの返礼として供与されたスナイプテラを参考に生み出されたもの。
主武装は腕のブレードと翼のA-Z三連誘導ミサイル、尻尾の銃(詳細不明)。必殺技はその加速力を活かした体当たりで敵をぶち抜く「
アサルトエクスストーム」。
【作中での活躍】
◇ゾイドワイルド戦記
各地で猛威を振う帝国のバーニングライガーへの切り札として投入され、リューク・ストレイカー大尉がパイロットに任命された。
ゼロファントス鹵獲機の強襲により基地諸共爆破されるところだったが、すんでのところで起動し、迎撃に向かう。
当初こそ苦戦したものの、危機に呼応するように巨大化。一切の火器を使わずに撃破してみせ、戦闘の痕跡を分析した帝国を驚愕させた。
その後の戦いでもバーニングライガー相手に圧倒的な強さを見せ続けるが、人口密集地に向かう
ゼログライジス出現の報を受けて戦闘を中断。
ゼロファントスの大群に苦戦を強いられたが、そこに「原始ゾイドは人類共通の敵」として駆け付けたバーニングライガー隊と共闘してゼロファントスを撃破。
バスターユニットに換装してゼログライジスに一撃を浴びせ、勢いよく飛び掛かっていくところで物語は幕を閉じた。
打ち切りエンドとか言ってはいけない
◇ゾイドワイルド2+
無印『ワイルド』の世界観を踏襲している本作では、時空の穴出現に伴う社会の混乱を受けてZCF内部に設立されたスパイ組織「ZIB」に所属する絶斗テツローの相棒として登場。
物語より5年前に時空の穴から出現し、そのままテツローと心を通わせた模様。
コクピットは「ゾイドとの更なる絆の証として人間がゾイドそのものに身を委ねるシステム」という説が有力視されている。
ゼノエヴォリューションシステムによる巨大化については特に言及されておらず、輸送車両から射出された装備や、ゼノレックス自身が開いた時空の穴から取り出した武器で換装を行っている。
コアドライブウウェポンはイグニッションブースターを使用し、また装備シーンはなかったものの時空の穴からインパクトガトリングを出す場面もある。
テツローの操縦とアーキャの戦術支援によってゾイドテロリスト達を相手に活躍していたが、ゾイドに乗れないアーキャの劣等感に付け込んだバーニングライガーが彼を取り込んで力を増し、時空の穴から無数のキルサイスを出現させて地球への総攻撃を開始してしまった。
アーキャ救出のためにシザースユニットを装備して立ち向かうが、アーキャが乗る頭部を避けて戦っていたため劣勢に追い込まれる。
しかし、テツローの呼びかけに応えて自我を取り戻し、自力でバーニングライガーから脱出したアーキャがサブシートに乗り込んだことで形勢が逆転。
一進一退の攻防の中で、過去のトラウマから人間を憎むバーニングライガーを説得し、テツローとアーキャが心を通わせる姿を見て迷いが生まれていた彼を改心させ世界を救った。
【キット】
現状シリーズ最後の完全新規設計。
『ワイルド』シリーズでは初めて、電動歩行時に膝が動くように分割されている。
ゼノエヴォリューションアームズ用の背中のジョイントを外すとバーニングライガーと同じ接続レールが露になり、コアドライブウウェポンを装着すると歩行に連動して武器が動く。
巨大化は付属の追加パーツによる首、足、尻尾の延長で再現する仕組み。
M型ゾイドとしては最安値となるばら売り版と、成形色を変更してゼノエヴォリューションアームズを同梱したセット版が発売。
アームズの単体発売もされており、ばら売り版と組み合わせることでXAモード未発動の状態も再現できる。
両腕のキャップをギアに交換すれば両腕にもコアドライブウウェポンを装備可能であり、拡張武器との互換性も高い。
ただし、『ワイルド』末期のキットなのでなにかと不遇。
デザインも先述通り過去作の様々なゾイドの要素を盛り込んだものであり、オールドファンをにやりとさせた一方で「ゼノレックスならではの個性が乏しい」という厳しい声も少なくない。
また、
バーニングライガーにも言えることだが、「骨格形態廃止」「完全内蔵式コクピット」「ワイルドブラストを廃止して装備換装をメインに」という原点回帰的な設計とコンセプトは、悪い風に言えば「『ワイルド』らしさを放棄してしまった」ものでもあり、組み立て説明書の簡素化もあって賛否両論となった。
【バリエーション】
・ゼノレックス デスレッド
「『バーニングライガー』VS『ゼノレックス』超対決キャンペーン」の景品として用意された真紅のアーマーを装着したゼノレックス(ゼノレックス本体は別途用意する必要あり)。
キット自体は純粋な色替えだが、原型機の爽やかな青から一転してかなり悪役チックな姿になっている。
・ボルメテウス・ホワイト・ドラゴンZOIDS
『
デュエル・マスターズ』20周年を記念して発売された「デュエル・マスターズ超全集 20thパーフェクトボックス」の特典として付属する、
ボルメテウス・ホワイト・ドラゴンをモチーフとしたゾイド。
「ボルメテウス・ホワイト・ドラゴンが、21世紀から飛来した隕石群に含まれていたゾイドコアと融合してゾイド化した姿」と設定されている。
ボルメテウス・ホワイト・ドラゴンの全身を覆っていたボルメニウムはZボルメニウムに、背中のフレア・メガブラスターはA-Zフレア・メガブラスターに強化され、ゾイド因子コンバーターによって大気中のゾイド因子を取り込んでエネルギーに変換する。
本機をイラストに採用した限定版ボルメテウス・ホワイト・ドラゴンのカードも付属しており、「20thパーフェクトボックス」のキービジュアルにも採用された。
パッケージも同カードをあしらったもので、裏面がデュエマのカードのそれになっているという、なんとも粋な仕様であった。
キットとしてはゼノレックスストームのリデコ品で、頭部と背中のA-Zフレア・メガブラスター、一部の装甲が新規造形され、各部に既存の拡張武器を装備することでシルエットをボルメテウス・ホワイト・ドラゴンに寄せている。
元々ドラゴン寄りの姿だったストームがベースとはいえ、僅かな改修でティラノサウルスからドラゴンにモデルチェンジされているのは見事。
新規パーツも組み換えの汎用性が確保されたものであり、純粋なゾイドキットとしても高評価だが、「20thパーフェクトボックス」が8000部限定生産のため、希少性は高い。
どこかでリカラーなりして再販されることを願おう。
【余談】
- ティラノサウルス種とされる本機だが、三本の指を持ったそこそこのサイズの前足を持つこと等からデザイン上はどちらかというとアロサウルス寄りに見える姿をしている。
しかし、ティラノサウルスの骨格とゼノレックスの巨大化後の姿を見比べてみると実際はかなり近い構造であり、巨大化後の姿を基準としたスタイリングなのが見て取れる。
頭が大き目なデザインと合わせて「巨大化前の姿は幼体がモチーフなのでは」という説もある。
- 先述の通り、各ゼノエヴォリューションアームズは過去の様々なゾイドを意識したかのような姿だが、「換装する共和国製ティラノサウルス種ゾイド」という点や、青基調のカラーリングと頭部のキャノピーから、本機そのものに対しては凱龍輝を連想する声も一定数存在する。
特に、バーニングライガーのイグニッションブースターを装備した際のシルエットはかなり凱龍輝に近い。
中には本機を改造して「なんちゃって凱龍輝」を作るファンもいるとかいないとか
ゼノエヴォリューションアームズ、追記・修正、照射!
- 「ワイルドの技術で旧ゾイドを作り直したらこうなりました」みたいな趣を感じて個人的には結構お気に入り -- 名無しさん (2024-12-10 22:57:12)
- ギミックもデザインも好きだけど時期がね…。出番が欲しいな。 -- 名無しさん (2024-12-11 09:39:53)
最終更新:2025年02月22日 21:34