ゾイドワイルド

登録日:2018/12/01 Sat 19:39:57
更新日:2025/07/13 Sun 23:09:02
所要時間:約10分で読めます




ゾイド

それは金属の肉体と

動物の本能、闘争心を合わせ持ち

生態系の頂点に立つ

最強生命体である

ゾイドと人間が究極の絆を結んだ時

秘められた力が覚醒する

その名は

ワイルドブラスト

【概要】

「ゾイドワイルド」とは、タカラトミーが発売している玩具「ZOIDS」を題材としたアニメである。
2018年7月からTBS/MBS系列にて土曜朝6時30分から放送していた。

ゾイドのアニメシリーズとしては無印新世紀/0フューザーズジェネシスに続く5作目。また、前作から13年という長い空白期間を持っている。*1
そのため、舞台も従来の惑星Ziから地球に変更*2。作風も共和国軍と帝国軍という軍隊ものから荒くれ者達が荒野を駆ける野性味の強いものとなっている。また、より幅広い年代を取り込むためかそれまでの作品に比べるとぶっ飛んだギャグシーンの数も多く、低年齢向けの作風となっている。
一方で人やゾイドの死亡するシーンも存在しており、シリアスな時はとことんシリアスなのも特徴となっている。
…というより、話のノリの明るさでカバーされてこそいるものの、敵組織のデスメタル帝国だけでなくゾイド野党や凶暴な野生ゾイドの脅威に脅えて暮らす無力な人々が数多く登場し、味方キャラの中にも生きるために後ろ暗い行いに手を染めざるを得ない者も多かったりと、世界観そのものはかなり過酷
過去作では基本的に憧れの対象だったゾイドが「破壊と殺戮をもたらす存在」として人々の恐怖や嫌悪の的となる場面も多い。
ゾイドの設定も大幅に変更されており、登場する機体は全て本作から登場する完全オリジナルの物になっている。

今までの機械路線から一気に変更した為か旧作ファンから賛否の声はあったものの、その甲斐があって年末頃にはゾイドの購入者層の80%は小学生以下とアンケート結果に出ており、売上も大変好調であった事をコロコロオンラインで語られている。
それにより、これまで失速していた新規低年層の大獲得に成功しており、ある意味ゾイドシリーズの新たな出発点とも言える作品となった。
コラボ商品のみにはなったが、玩具展開自体は現在も続いており、未だ一定の支持を集めていることが窺える。
また、視聴ハードルの高さに定評のある過去作と違い、レンタルDVDやオンライン配信も存在するため、ファンからは「他人に勧めやすいゾイド」としても重宝されている。
ちなみに物語中盤からは視聴者から募集した自作ゾイドの紹介も行なっていた。


アニメーション制作は「ポケットモンスター」「イナズマイレブン」「妖怪ウォッチ」「ドライブヘッド」「シンカリオン」のOLM。
「ロストテクノロジー」と言われて久しかった*3無印や『スラゼロ』にも迫るほどの高品質なCGで繰り広げられる派手な格闘戦は非常に高く評価された。

2019年10月より放送局をテレビ東京系列へ移動した第二期の「ゾイドワイルド ZERO」が放送開始。「ゾイド -ZOIDS-」のメインスタッフが復帰し、ミリタリ色の強い路線になり、惑星Ziなど旧作との関連性をうかがわせる設定の登場など原点回帰を意識した作風になっているが、公式の位置付けとしては本作の遥か過去という事になっている。
また、それとは別にコロコロで500年後を舞台にした続編「ゾイドワイルド2」の連載が開始している。


【ストーリー】

遥か未来の地球。そこには人間だけでなくゾイド達も住まう「ワイルド大陸」があった。そこにある辺境の地「イナカ村」にすむ少年アラシはゾイドハンター(要はゾイドの乗り手)である父イカヅチに憧れて立ち入り禁止の場所で相棒となるゾイドを探していたがいつも失敗し、祖父タイフウと喧嘩ばかりしていた。
ある日アラシは有名なゾイドハンターチーム「シュプリーム団」とデスメタル帝国から逃げ出したゾイド「ワイルドライガー」と出会う。
紆余曲折を経てライガーと相棒になり、シュプリーム団のリーダー・ベーコンに修行を付けられたアラシは自分だけのチームを作って、ベーコンから聞いた「古大秘宝Z」を手に入れるべく冒険の旅に出る。
しかし、ライガーの相棒となったことはそれを狙うデスメタルと戦い続けることも意味していた。


【登場人物】

〔フリーダム団〕

アラシ
燃えろ!ライガー!俺の魂と共に!
CV:小野賢章
主人公。相棒ゾイドはワイルドライガー。
フリーダム団の創始者。
礼儀知らずで無鉄砲かつ脳筋と人間としてはまだまだ未熟と言わざるを得ないが、内には確かな正義感を秘めた熱血漢。
人並外れた大食いで、各話冒頭の日常シーンでは腹を空かせているのがお約束。
当初はゾイドを乗り物扱いしていた為、ライガーに雑に扱われてばかりであったが、故郷に襲い掛かってきたデスメタルを共に撃退したことを機に考えを改め、旅の中で絆を深めていく。
ネーミングセンスと画力が壊滅的であり、当初フリーダム団は「旅は自由にのびのびするもの」という発想から「のびのび団」という何とも締まらない名前であり、エンブレムも本物とは似ても似つかぬライガーの顔であった。(後に二つともペンネに酷評された)
ライガーの相棒となったことやデスメタル帝国が管理するゾイド開発研究施設ロウヤを壊滅させたことに加えて第13話にて謎のゾイドキーをベーコンから託されたことから賞金首として指名手配される。


ペンネ
狙え!スコーピア!私の魂と共に!
CV:小松未可子
ヒロイン。相棒ゾイドはスコーピア。
賞金稼ぎの他に道中見つけたお宝を売って旅の資金にしている。手先が器用でゾイドの整備と絵描きが得意。
サバサバとした性格だが、確かな優しさも持っている。その性格上直情的なアラシのことはよく小馬鹿にしているが、彼の揺るがぬマイペースぶりに振り回されてもいる。
チーム加入直後は「やることがある」といってアラシ達とは別行動をとっていたが、その後ほとんど同行してるも同然の頻度で再会を繰り返し、カンゴクでの一件以降アラシを放っておけなくなり、彼らと合流した。因みにフリーダム団の真の名付け親であり、エンブレムも彼女が書き直した。


オニギリ
怒れ!ガノンタス!僕の魂と共に!
CV:小桜エツコ
相棒ゾイドはガノンタス。
メンバー最年少。自他共に認める「ゾイド博士」であり、基本的には臆病だがゾイドを目にすると状況を問わずその解説を行ってしまう癖がある。
但し、根っこは心優しい人物であり、相棒や仲間のためなら声を荒げて怒ることもある。
かつては周りからマニア呼ばわりされて孤立していたところをデスメタルに騙されてしまい、彼らの研究に不本意ながら加担させられていたが、アラシとライガーに救われそのままフリーダム団に鞍替えした。
上記の通りしばらくペンネが別行動をとっていたためアラシと彼の二人旅の時期があった。

以下途中参入者

ギョーザ(第25話~)
轟け!トリケラドゴス!俺の魂と共に!
CV:木村昴
相棒ゾイドはトリケラドゴス。
ぽっちゃり体型のDJのような姿をしており、ラップを歌つような口調が特徴だが普通に喋ることもある。
金銭には非常にがめつく、どんな頼まれごとも報酬がなければ絶対に引き受けないが、気が回りさえすれば無償で人助けを行うこともある。
行く先々で猿回しの如くトリケラに芸をさせて金を稼いでいる。
一見するとお調子者だが、故郷の都市「キンコ」に風土病である「キンコ咳」を患う妹「ラーユ」を残してきており、金儲けに執着していたのも彼女を治す薬を手に入れる為であった。
またそのための資金調達の手段として悪党から金銭を奪い、さらにその一部を貧民に分けているため彼らからは「正義のゾイドギャング」として尊敬されている。
しかし、トリュフに足元を見られて薬を値上げされ続けた為、薬の強盗を決意。アラシたちの説得も突っ撥ねるが、その先でトリュフと相対して、自分が騙され利用されていたことに気付き激怒。トリケラと究極の絆を結び、彼を倒して妹と街の人々を救った。
その後、妹の後押しもあり「世界中を旅したい」「古代秘宝Zを見つけてゼニーがなくても皆が幸せになれる世界を作る」という夢をかなえるべく、フリーダム団の一員となった。


ソルト(第29話~)
駆けろ!ハンターウルフ!俺の魂と共に!
CV:内田雄馬
相棒ゾイドはハンターウルフ。
ただひたすらに強さのみを求める賞金稼ぎ。強さに関して非常に貪欲でを強さ手に入れる為なら無関係な野生のゾイドも平気で巻き込む等、手段を選ばない。「何事においても最強」が信条。
一方で極度の方向音痴であり、道を教えられた直後にその人の目の前で道を間違えるほど。また、信条故に負けず嫌いすぎてしょうもない挑発に乗ってしまい、意味不明かつ無益な戦い(?)に飛び込んでしまうこともあったり、興味のあること以外はほとんど視野に入らず、そのせいで重要な情報を見落とす等の所々でコミカルな面も垣間見せる。
本人曰く、ウルフに育てられたらしく、その為かゾイドの気持ちや言わんとしてることを推し量ることができる。但し幼少の頃は人間の両親と暮らしていたようだが・・・?
自分たちこそが最強であることを証明すべく、デスメタルに指名手配されているアラシとライガーに戦いを挑む。しかし、嘗て一戦交えたことのあるベーコンの面影を彼らに感じて興味を持ったことや、デスメタルのベーコンに対する仕打ちを知り、アラシ達と共通の敵と認識した為、フリーダム団に合流する。


ヨウカン(第35話~)
絡め取れ!スパイデス!私の魂と共に!
CV:小清水亜美
相棒ゾイドはスパイデス。
忍者を思わせる和風な恰好の美女。
デスメタル専門の女盗賊であり、アラシとは彼を一時的に用心棒として雇ったデスメタルに出入りしている武器商人の屋敷からゾイドの強化パーツの設計図を奪おうとしたことから知り合う。
ペンネに比べると大人の余裕を感じさせる、大人の色気漂う人物。
嘗て故郷の「エンニチ村」をデスメタル小隊長ベイベに壊滅させられた過去を持つ。
アラシとの共闘後、「やること」がある為同行することは断ったものの、「困ったときはいつでも駆けつける」と約束し、別動隊として加入した。


〔シュプリーム団〕

ベーコン
吼えろ!ファングタイガー!俺様の魂と共に!
CV:櫻井孝宏
相棒ゾイドはファングタイガー。
アフロヘアが特徴で当初アラシからは「モジャ頭」と呼ばれていた。
少し粗暴だが頼りがいのある兄貴肌の持ち主。アラシにとってはゾイド操縦の基本を教わった師匠にして、ライガーと共に自分を冒険へと駆り立てた全ての始まり。
嘗ては生きるのに偽一杯でその為の手段を選ばない生活を送っていた。そんなある日タイガーと出会い初めは力づくで従わせようとしていたがうまくいかず、旅の最中だったイカヅチと出会い「相棒になりたいという気持ちを伝えてみろ」と助言されたことがきっかけで、相棒になることが出来た。
一度アラシと別れる際「またどこかで会おう。この広い世界のどこかで」と言い残したのだが....
演者の櫻井孝宏氏は『ZOIDS』でラスボスのヒルツ、『スラゼロ』で主人公ビット・クラウド、『フューザーズ』でゲストキャラのジーン・ホリデーを演じており、ゾイドシリーズではお馴染みの声優となっている。


クロアメ
砕け!グラキオサウルス!俺の魂と共に!
CV:未発表
相棒ゾイドはグラキオサウルス。
ロボットのような外見の大男だが変装なのか本当にロボットなのかは不明。
ワイルドブラストと必殺技の時以外は決して喋らないが心優しい人物。
アラシからは父親と同じゾイドを連れているため一目置かれている。


ソース
飛べ!カブター!私の魂と共に!
CV:小清水亜美
相棒ゾイドはカブター。
団の紅一点。真面目な性格で団の常識人。アラシを弟のようにかわいがっている。


キャンディ
CV:生田鷹司
相棒ゾイドはカブター。
サングラスと金髪のリーゼントが特徴。明るく前向きな性格でベーコンを強く慕っている。


ガーリック
CV:西山宏太朗
相棒ゾイドはパキケドス。
休むことばかり考えている怠け者でお調子者だが、空気を読むことに優れるチームのバランサー。


アボカド
CV:木村隼人
相棒ゾイドはアンキロックス。
ぽっちゃり体型で半裸。体中にある傷は歴戦の証。語尾に「~だな」と付けるのが口癖。温厚だが仲間想い。


〔無所属〕

サンラータン
穿て!キャタルガ!私の魂と共に!
CV:三森すずこ
相棒ゾイドはキャタルガ。
運び屋兼情報屋。見た目は可憐な少女だが既に成人している模様。普段は語尾に「~たん」と付けるなどふわふわとした言動だが、その実ギョーザ以上の守銭奴であり、金の無い物には鬼のような形相で威圧的な態度を取る。
しかし、時と場合によってはツケで済ます等冷酷で無慈悲というわけではない。フリーダム団とは行く先々で出会うが、その度に輸送費をツケにされており、ギョーザの値下げ交渉と彼らに仕事を手伝わせたことで後に完済させた。
...と思われていたが、その後もツケを溜め込んでいる模様。
キャタルガは元々同じ運び屋であった父・ワンタンから引き継いだもの。当初は父が仕事に没頭して家庭を顧みなかった為に運び屋という仕事を嫌っていたが、そんな父の「運び屋は品物だけでなく人々の思いを運んでいる」という信念を聞いたことで
心変わりし、今に至る。
シュプリーム団とは面識がある模様。


イカヅチ
CV:桐本拓哉
相棒ゾイドはグラキオサウルス。
アラシの父親。世界中を旅しているゾイドハンターであり、嘗ては相棒と共に隕石からイナカ村を救ったこともある。
「心を開けばゾイドは絶対に答えてくれる」という絶対的な信条を持っており幼少のアラシやベーコンにゾイドとの関わり方について教えた。


ムシ仙人
参るぞ!グソック!我が魂と共に!
CV:山口勝平
相棒ゾイドはグソック。
「ゾイド寺院」に住み着いている老人で500年間ゾイドに乗っているという謎多き男。
一人称が「俺ちゃん」だったり、ファッション誌で性的興奮を覚えるなど極度のマイペースかつ変態だが、その正体はベーコンと若かりし頃のギャラガーことミミガーにゾイドの乗り方を叩き込んだ人物であり、ベーコンにとっては師匠のような人物。
故にゾイドハンターとしての実力は相当なもの。また、自身も常人の肉眼ではとらえられないほどの速さで動ける高い身体能力を持ち主である。
ギャラガーとの第二戦で大敗を喫したアラシの新たな師匠となる。
アラシにはベーコンだけでなくギャラガーにも似た素質を見出した。実はイカヅチも彼に弟子入りしていた時期があるのだが、昼寝ばっかしてロクに修行をしていなかった。

もし本当に500歳だとしたらZEROの時代から生きていることになるが……。


ソダース
CV:内匠靖明
ザマース
CV:遠藤大輔
アザース
CV:岡林史泰
搭乗ゾイドはいずれもラプトール。
ビブラートがよく効くスキンヘッドがソダース、ザマス口調の片目隠れがザマース、ゴーグルをかけた後輩キャラがアザース。
番組序盤はデスメタルの小隊長としてライガーを狙っていたが、相次ぐ失敗の責任を問われてクビになり、盗賊団として一発逆転を狙う。
フリーダム団を宿敵として付け狙っているが、当の本人達からは顔も名前も忘れられており、「しょっちゅう襲ってきては瞬殺される出オチ集団」扱いされている。
チーム名はソダース曰く「ソダース団」だそうだが、他の2人からは認められていない。


〔デスメタル帝国〕

本作の敵対勢力。ワイルド大陸の大半を支配する巨大国家。
その名の通りメンバーの殆どがデスメタル風ファッションに身を包んでいる。
目的達成の為ならどれほどの命が犠牲になろうと意に介さず、ゾイドのことも兵器扱いして酷使したり実験材料にするなどの極悪な所業をあちこちで働いている。
一方、調達手段が捕獲や発掘に限られ安定供給の難しいゾイドを大量に揃える組織規模や、ゾイドの研究・強化改造を自力で行える技術力、優れた情報網を持ち、その脳筋じみた風貌に反して組織体制は非常に強固。
構成員も基本的に「力こそ全て」を信条とし上司の強さには素直に従っているため、士気や結束力も高く、外部協力者からは少なくない離反者を出した一方で生え抜き構成員の間での裏切りや内部抗争はほとんど起きなかった
言うなればゴロツキ集団がヒャッハー根性据え置きのまま組織力と技術力だけは際限なく拡大していったような、非常に厄介な連中である。

ギャラガー
CV:関智一
搭乗ゾイドはギルラプターとデスレックス。
帝国の頂点に君臨する帝王。
白塗りのメイクと太陽の塔よろしく放射状に広がったピンク髪がトレードマークのマッチョマンというインパクト抜群の風貌だが、実は昔は線の細い美男子だった。
チャラ男のような軽い言動を連発し自分勝手かつ気まぐれな命令で周囲を振り回す等一見するとおちゃらけたギャグキャラだが、本性は相手を蹴散らしたりゾイドを破壊することに喜びを覚える好戦的かつ残虐な人物。そんな性分故に部下たちからは大いに恐れられている。
帝王の肩書は伊達ではなく、伝説的存在であるデスレックスを初乗りの時点でほぼ完全に乗りこなす等、ゾイドハンターとしての実力は驚異的なもの。
ベーコンとは面識があるようだが....


●デスメタル四天王

帝王ギャラガーに次ぐ実力を持った4人の幹部。たった一人で町の一つや二つを容易に壊滅させられる実力を持つ。
元々はドレイク以外の3人で「三銃士」と呼ばれていた。

ドレイク
CV:石川界人
相棒ゾイドはギルラプター。
通称「春菊瞬撃のドレイク」。
年齢はアラシと同じくらいであり恐らく四天王最年少。
「クズ」や「カス」といった過激な言葉を用いることや部下に暴力を振るうことに一切躊躇わないなど気性は荒く、相手を拷問に掛けようとするなど冷酷な一面も持つ。一方で無駄な行為を避けようとしたり、どんな任務も遂行しようとするような真面目な一面もあり、それ故かギャラガーからパシり扱いされることも多い苦労人。その都度心の中で毒を吐いており、ギャラガーに心酔していたり、忠誠を誓っているわけではない模様。
ギルラプターを酷使するなど、ゾイドを兵器扱いしている点は他の構成員と同様だが、その割にはオニギリ以上にゾイドに関して博識であるため、彼から「本当はゾイドが好きなんじゃないの?」と指摘されているが、本人は否定している。
また当のギルラプターも、どれだけ酷使されてもドレイクを庇う様子を見せるが……?
本作のライバルポジションであり、ライガーを捕獲するべくアラシやフリーダム団の前に幾度となく立ちはだかる。


キャビア
CV:奈良徹
搭乗ゾイドはガブリゲーター。
通称「豚骨狡猾のキャビア」。
「奴隷都市カンゴク」の支配者にしてその支部的存在である「ゾイド開発研究施設」の最高責任者。
命を奪うことを楽しむ残虐な性格で、これまでに元部下も含めて9999人をガブリゲーターに食い殺させ処刑してきた。また、相手の弱みに付け込む様な別名にたがわぬ狡賢くて陰湿な面も持つ。
バトルスタイルは改心したふりをして予め仕掛けておいた罠で攻撃することを得意としており、真正面から攻撃することは殆どない。
アラシとの戦いに敗れてカンゴクを解放されて以降は専用のゾイドカスタム工場の責任者へと左遷される。
仕事中は常に意気消沈している一方で戦闘では狂気的なまでもにハイテンションになり相手を蹴散らすガブリゲーターに恍惚とする姿から新たに「恍惚のキャビア」を自称するようになる。


フォアグラ
CV:小山力也
搭乗ゾイドはナックルコング。
通称「便器原始のフォアグラ」。
煌びやかな外見の裏でデスメタルの兵器を製造する街「キラキラタウン」の支配者。
筋骨隆々としており、バトルスタイルもそんな見た目にたがわぬ力任せなものだが、脳筋というわけではなくキャビア同様に悪知恵の働く面もある。二つ名は、彼が暴れた場所は原始時代に戻ったかの如く荒れ果てるという意味から。
音楽好きらしく、部下をドラムに見立ててよく叩いたり音楽用語を会話の中で多用する。因みに楽器役の部下たちは決して喋ってはならない。
実はとある人物を直属の部下としていたが後に離反されている。


トリュフ
CV:檜山修之
搭乗ゾイドはステゴゼーゲであったが、第32話以降はディメパルサーに搭乗する。
通称「コサック奇策のトリュフ」。
四天王のまとめ役的存在で、誰に対しても常に敬語で話す。ペンネ曰く「とびぬけて頭がいい」らしく、用意周到な策略で大金を儲けているらしい。
都市「キンコ」の支配者。風土病の「キンコ咳」の薬や、町の食べ物に日用品を管理している。キンコ咳の薬の材料が不足している為その値上がりを許さざるを得ない状況を嘆いているが....?

●その他の構成員


ラッキョー
CV:矢部雅史
搭乗ゾイドはクワーガ。
ギャラガーの側近を務める小男。目下のものには権力を笠に着て偉そうにふるまっているが、その立場上ギャラガーの顔色を常に窺っているなどの苦労人。
その実力は次期四天王候補と噂されているほどだが、その腕を披露する場には恵まれていない。……というのも、実はギャラガーからは「口ばかりで行動が伴わない」として既に愛想を尽かされているため。
ギャラガーから言われている「君はずーっと最終秘密兵器のままでいいから」という言葉の真意に当の本人は全く気付いておらず、むしろその言葉通りに自分は高く評価されていると完全に履き違えてしまっている。
ただ副官・中間管理職としては割と有能で、帝国に集まってきた情報の整理や真偽の判断も自ら行っている。役立たずには容赦のないデスメタル帝国でなんだかんだ側近の立場を保っていることからも分かる通り、決して完全な無能ではない。
と言うより、素直に副官に徹していれば有能なのに、己の適性を履き違えて前線に出しゃばろうとするのが真の問題点ということか。


Zボーイズ
帝国最下層の兵士達。早い話が戦闘員。
全員半裸で簡素な顔の描かれた白い仮面で素顔を隠している。
髪型はモヒカン、アフロ、スキンヘッドの者が多い。
命令を受けた際の掛け声は「We are メタル!
基本的に破壊や略奪が大好きなヒャッハー集団だが、身内では上司の怖さについて愚痴ったりと何処か憎めないところもある。
あまり出番は多くないが、女性メンバーの「Zガールズ」も存在。こちらは残念ながらタンクトップを着ている。
主な搭乗ゾイドはラプトール、クワーガ、ディロフォス。
手持ち武器としてゾイド捕獲用電気銃、火炎放射器、スタンロッド、ロケットランチャー等も使用する。


【本作のゾイドについて】

前作「ジェネシス」と同じく基本的には野生体の捕獲や発掘によって調達され、後者の場合は組み立ててから「ZED」と呼ばれる機材で特殊な電流を流すことで起動される。
今作ではゾイドの生命体としての側面が強調されており、「ジェネシス」のバイオゾイドの様な瞳のある目を全ての個体が持っている。
また、大きさも前作までに比べるとひと回りほど小さくなっている他、人に使用される様になっても強化改造のなどは一切施されることは無く、コックピットには壁も天井も存在しない為、ゾイドハンター達は皆首や背中に露出しているコックピットに直接跨っている。
外付けの武器を装備することもほとんどなく、銃火器などの飛び道具を使えるゾイドは数えるほどしか登場しない。
このため、本作におけるゾイドの戦闘はゾイド同士が激しくぶつかり合う格闘戦がメインとなる。


〔ワイルドブラスト/本能解放〕

本作のゾイドの最も大きな特徴。
ゾイドと人間が「究極の絆」を結ぶとゾイドから与えられる鍵状のアイテム「ゾイドキー」をコックピットに差し込むことで発動するゾイドのパワーアップ機能。
発動するとゾイドは普段は隠されている武装が展開してより戦闘に特化した姿に変形し、基礎能力も大幅に向上するが、ゾイドと人間に多大な負担を掛ける*4為、長時間使用と連続使用は危険を伴う。
ワイルドブラスト中はゾイドの全身が青いオーラで覆われ、ゾイドと人の左眼に青緑色の炎が灯る。
更に、ゾイドとの絆と両者の精神が極限まで高まることで、更に上のステップ「覚醒」へと移行出来るが、負荷もワイルドブラストを遥かに超える。
ゾイドとの絆が切れていたりライダーが極度に消耗している状態では、ゾイドキーを差し込んでも何も起こらない。


〔デスブラスト/強制解放〕

デスメタル帝国は人工的に開発した「デスメタルキー」でワイルドブラストを強制的に発動させる「デスブラスト/強制解放」という技術を確立しているが、これはゾイドにのみワイルドブラスト以上の負担を強いる。
デスブラスト中はゾイドの全身が赤いオーラで覆われ、ゾイドと人の右眼に赤黒い炎が灯る。
量産が難しく、当初はギャラガーと四天王しか使えなかったが、終盤ではZボーイズも使用できるよう汎用化されたものが量産され、行き渡ることになった。


〔一覧と解説〕

・ワイルドライガー

ゾイドの王」と呼ばれる、白いたてがみを備えた唯一無二のライオン種ゾイド。
非常に高い戦闘能力を持つがプライドも高く、極めて乗り手を選ぶ。
アラシのこともパートナーとして信頼してはいるが、戦闘以外の時には機嫌を損ねると軽く暴れる*5など、割と奔放に振る舞っている。
主な武装は爪や牙で、強烈な切り裂き攻撃が持ち味。
口の中には咆哮の衝撃を強化し音波攻撃を可能とする「咆哮砲」が備わっており、枷程度ならこれで破壊出来る。
ワイルドブラストを発動すると背中に格納された「タテガミクロー」が展開され、ボディ全体でライオンの前足を思わせるシルエットを形成。持ち前のスピードで敵目掛けて疾走し、タテガミクローですれ違いざまに切り裂く「キング・オブ・クロー」が必殺技。
更に、ゾイド寺院での修行を経て、命中直前に機体をクイックターンさせ、突進の勢いに捻り運動を加えて下から斬り上げる新技「キング・オブ・クロー・スパイラル」も会得。全力で繰り出せば重装甲ゾイドすら真っ二つにするほどの凄まじい威力を発揮する。
今のところアニメシリーズ主役機では唯一、乗り換えはおろか装備すら経験しておらず、終始一貫して素の状態のまま戦い抜いた。
一応、物語後半にはワイルドブラストの次のステージである「覚醒」を発現したが、これも強大なエネルギーがボディ各部から排出され、たてがみと爪が輝くのみで、見た目自体は通常形態と同一。
主役機だけあって玩具もダントツの売上を記録しており、番組終盤には成型色を変更してモーターの電圧を上げた「覚醒ワイルドライガー」も発売されている。

+ ネタバレ
その正体は「古代秘宝Z」ことデスレックスが悪しき者の手に落ち暴走した時のための抑止力
デスレックスにまつわる古文書には「デスレックスの傍に王在り」という記載があり、ギャラガーはこれを「デスレックスを手懐けた者は世界の王になれる」と解釈していたが、おそらく実際は「ゾイドの王」であるワイルドライガーを指しているものと思われる。

『ZERO』ではトリケラドゴスを失ったクライブ・ディアスの新たな乗機として、重火器を満載して登場。ライジングライガーとの対決シーンもある。

・ガノンタス

頑強な装甲を誇るプロガノケリス*6種ゾイド。シリーズ伝統の大砲ガメが遂にレギュラーに。
本作のゾイドでは珍しくコクピットが完全に装甲の内側に位置しているが、モニターの類はないのか、オニギリは基本的にハッチを開いて顔を出した状態で乗っている。
ワイルドブラストを発動すると甲羅が展開され、内側に隠されていた大砲「ガノンキャノン」が露出。これを使って繰り出す「亀甲砲」が必殺技。
ワイルドブラスト技のため一発撃つ度にライダーも消耗し、また他の武器がないので平常時は防御しか出来ないなど欠点も多いが、格闘戦がメインの本作において「飛び道具持ち」というアドバンテージはそれを補って余りある。
援護や大物取りはもちろんのこと、超ロングレンジ砲撃や精密射撃をこなすことも多く、どちらかと言えば大砲よりも対物ライフルに近い感覚で扱われた。
『ZERO』でも共和国軍の砲撃支援用ゾイドとして度々登場している。

・スコーピア

鋭敏な感覚を持つサソリ種の小型ゾイド。
先輩のガイサックと同じく砂地に潜んでの奇襲攻撃を得意とし、機体後部の「ポイズンタンク」に蓄えた毒液を尻尾の毒針「ポイズンテイル」から敵に注入する。なんとゾイドにすら有効であり、共に発掘されたガノンタスの装甲が溶けているケースすら確認されたという。
サイズの割には格闘能力も高く、1対1なら大型機にもある程度善戦出来る。
ワイルドブラストを発動すると尻尾が3つに分かれ、隠されていた2つの毒針「ポイズンスピア」が展開される。
必殺技はハサミで敵をしっかりと押さえつけ、ポイズンスピアとポイズンテイルを続け様に突き立てて毒を流し込む「ヒット&デス」。

・トリケラドゴス

大柄なトリケラトプス種ゾイド。
普段は温厚だが、一度怒ると周りが見えなくなってしまう。
その有り余るパワーによる突進が持ち味で、3本のツノによる攻撃力と頭部の「フリルシールド」による防御力を兼ね備える。
パワータイプの常として小回りは効かないが、ギョーザに曲芸を仕込まれている辺り、動作自体はかなり器用な模様。
ワイルドブラストを発動すると額に埋め込まれた巨大な4本目のツノ「インパクトホーン」がフリルシールドと共に展開し、これを用いた強烈な体当たり必殺技「フォースインパクト」で頑強な標的をも打ち砕く。エヴァとは関係ない。あっちは「4th」でこっちは「force」である
『ZERO』ではディアスの乗機として、左右の2本のツノを対空機関砲に換装したトリケラドゴス改が登場。ジェノスピノに敗れて破壊されたが、機関砲がワイルドライガー改に移植されている。

・ハンターウルフ

強い脚力を誇り、全ゾイドの中でも最速と呼び名の高いオオカミ種ゾイド。
体側面の空気圧振動発音鏡「レゾカウル」で風を読み取って敵を察知し、喉元の小型衝撃波動砲「ハウリングガン*7」で攻撃や姿勢制御を行う。
強力なゾイドだが乗りこなすのも難しく、ゾイドハンターの間ではウルフ乗りというだけで一目置かれる存在となる模様。
ソルトとは彼が子供の頃からの長い付き合いだが、散々彼の方向音痴に振り回され続けて懲りたのか、道案内だけは全く信用しない。
遠吠えに共鳴して地中の化石から風が起きることがあり、ゾイド発掘の際にはこれを手掛かりとすることも多いんだとか。
背中に「ソニックブースター」を備え、ワイルドブラスト発動によって展開。
更に二段階目のワイルドブラスト「セカンドギア」も可能であり、ゾイドキーを90度捻ることで発動。ソニックブースターが前方に展開し、ここから発生させた音波をレゾカウルで反響させて周囲に無数の音波鎌を撒き散らす「ハウリングシャウト」が必殺技。
ガノンタスの亀甲砲のような精密射撃こそ出来ないが、威力と攻撃範囲は凄まじく、雑魚の一掃から撤退の際の目眩しまで様々な用途に活用出来る。
その後は『ZERO』で機動性と隠密製を強化したビクター・シュピーゲル専用機が登場した他、『機動警察パトレイバー』とのコラボとしてバイザーとパトランプを追加した警視庁仕様も登場。
更にコラボ漫画企画『ZOIDS×PATLABOR Code Name B.U.D.D.Y』も発表され、イングラムと共に主役機となることが決定した。

・スパイデス

鋭い反射神経を持つゴケグモ種ゾイド。
敏捷性に優れ、8本の鋭い脚「ヴェノムスパイク」と尻から放つ糸による変幻自在の空中機動を得意とする。
発掘時には骨格が「デススレッド」と呼ばれる特殊な繭に覆われている代わった特性を持ち、これを溶かす溶剤が開発されるまでは「正体不明のゾイド」として知られていた。
ワイルドブラストを発動すると頭と胸が大きく前方に反り上がり、獲物に掴み掛かる手のようなシルエットを形成。
糸と腹の車輪で敵の懐に飛び込み、8本のヴェノムスパイクを一気に突き立てて毒液を流し込む「スパイダーポイズン」が必殺技。
同じ毒属性ゾイドのスコーピアと比べると、格闘能力で劣る代わりに機動力は勝る模様。

・ファングタイガー

圧倒的なパワーとスピードによる単騎戦闘が得意なサーベルタイガー種ゾイド。
真偽は不明だが千体のゾイドと単独で渡り合えるとも言われている。
背中に発電能力を備えたヒレ状の機関「エレキジェネレーター」を備え、大型の牙「ボルトシックル」や尻尾の「サンダーテイル」による電気を纏った攻撃を得意とする。
化石も強力な磁気を帯びており、冒険者の方位磁針に偶然反応したことで発見された。
ワイルドブラストを発動すると背中の「ツインドファング」が展開し、低く構えた姿勢から敵を一気に両断する「虎振」が必殺技。
ベーコンの死後も彼の志を受け継ぎ、単独でフリーダム団やシュプリーム団を支援している。
第一話からベーコンの相棒として登場しているが、玩具は年末商戦の要として温存されており、多くのファンをやきもきさせた。
余談だが、スタッフによるとデザインは一番最初に完成しており、本機を主役とする案もあったんだとか。
『ZERO』では特殊工作用のダグラス・アルドリッジ専用機が登場した。

・グラキオサウルス

作中屈指の巨躯を誇るブラキオサウルス種ゾイド。
雨が多く薄暗い密林に適応した青いボディカラーも目を引く。
そのパワーにより、戦闘だけでなく物資の輸送にも活躍する。
ワイルドブラストを発動すると体側面の「ハンマーボーン」が首に装着され、頭部そのものが巨大なピッケルに変形。
脚部のアウトリガーで身体を地面に固定し、ハンマーボーンを振り下ろす必殺技「グランドハンマー」は標的を周囲の地面ごと打ち砕くほどの威力を誇る。
玩具は駆動とワイルドブラストの動作を全てフルオートでこなせる最初の商品として発売され、またイカヅチ機を再現できるシールも付属している。

・アンキロックス

ゴツゴツとした装甲が特徴的なアンキロサウルス型ゾイド。
頑強な装甲「ロックバック」と「ウイングリブ」で敵の攻撃を耐え忍び、隙を見て「メイステイル」による打撃を叩き込む。ライダーは首筋に搭乗するので、あまり重装甲の恩恵を受けられないのが隠れた難点
ワイルドブラストを発動するとメイステイルが背中まで持ち上がり、先端の「バッシュボーン」が展開して巨大なハンマーを形成。メイステイルを高速回転させて横殴りの打撃を何度も喰らわせる「金剛旋撃衝」が必殺技。

・パキケドス

跳躍力に優れたパキケファロサウルス種ゾイドにして、シリーズ初の硬頭竜型。
背骨をはじめ各部に備えた伸縮自在の骨「スプリングボーン」がその敏捷性の秘訣で、工業用スプリング開発のヒントになったこともあるんだとか。
些細な刺激ですぐに興奮状態になり、一度走り出すとなかなか止まれない、豪快そうな見た目に反して中々繊細なヤツ。
ワイルドブラストを発動すると頭部の王冠状の骨「ボスクラウン」が展開。スプリングボーンに溜めた力により、これを額の「パンプヘッド」と共に連続で叩きつける「弾丸鈍破」が必殺技。

・カブター

何気にテレビシリーズ初登場となるカブトムシ種ゾイド。
小さいが格闘能力は高く、頭角で自身より大柄な相手も投げ飛ばせる。
ボディカラーは青みがかった緑色だが、同じ場所から違う色の個体が発掘されることもあるという。
作中では極めて稀少な飛行可能なゾイドであり、空中からの奇襲攻撃はもちろんのこと、偵察や伝令にも活躍する。
ワイルドブラストを発動すると胸角が展開し、隠されていた大型のツノ「ギガントホーン」が出現。これで空中から敵を串刺しにする「メリケンストライク」が必殺技。
キャンディ機とソース機の他、レジスタンス戦力や野生ゾイドとしても数多く登場しており、ラプトールやクワーガ共々本作における代表的なモブゾイドである。

・デスレックス

この世に1体しか存在しないせず、全ゾイド中最も凶暴かつ凶悪なティラノサウルス種ゾイド。
大顎と巨大な尻尾「カイザーテイル」による圧倒的な破壊力が持ち味。
更にゾイドとしては唯一の捕食本能を持ち、本調子で戦うためには多数のゾイドを喰らう必要がある。番組後半ではゾイドをライダーごと食べることを好んでおり、不要と判断された何人ものZボーイが悲痛な断末魔と共に食い殺されていった。
殆どのステータスが最高、若しくはそれに近い数値をマークしており、唯一低めな知能も他のゾイドと比べれば十分高い部類に入る。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動すると体側面の装甲が第二の顎「デスジョーズ」として展開。これで敵を押さえつけ、通常の倍以上に開いた口の中から迫り出す「ウブラドリル」で粉々に粉砕する「ジェノサイド ド ドリル」が必殺技。
玩具はファングタイガーと同じく年末商戦の要として登場し、大きなサイズと二段階ワイルドブラストに加えてウブラドリルに電飾も搭載した非常に気合いの入った逸品。
搭乗者であるギャラガーが高い人気を獲得したことから、発売され次第店頭から消えていき、公式からも「安定供給に苦労した」と言われるほどのヒット商品となった。

+ ネタバレ
アラシ達が探し求めていた「古大秘宝Z」の正体
かつてある文明がデスレックスの脅威に晒されており、一縷の望みをかけて1人の女性が生贄に捧げられたが、なんと彼女はデスレックスと心を通わせることに成功し、その圧倒的な力で他のゾイドを制圧することで世に平和が訪れたという。
その様子を描いた壁画にはゾイドキーらしきものの存在も確認でき、デスレックスとも分かりあうことが出来ることが示されていた。
次第に古大秘宝Zを「デスメタル帝国を倒すために切り札」として見るようになったアラシもこれを知ったことで、デスレックスに「最初からやり直せばいい。俺達の仲間として一緒に旅をしよう」と呼びかけ、デスレックスも一度はこれに応えかけた。
…が、デスレックスの強大な力に執着するギャラガーは抜けかけたデスメタルキーを無理やり差し込みデスブラストを再起動。
そして、ドレイクとギルラプターをジェノサイドドドリルで葬り去ろうとしたことで、彼らを助けるために覚悟を決めたアラシとライガーのキングオブクローを受け、アラシの悲痛な叫びと共に「古大秘宝Z」はマグマの中に消えていった…

『ZERO』では帝国軍が複数の復元に成功しており、とある島に生息している野生のデスレックスが登場した。更にデスレックスの突然変異であるオメガレックスも存在する。

・ギルラプター

俊敏なディノニクス種ゾイド。
バネ状の機能を備えた脚と軽量な装甲による機動性と、これを利用して繰り出す一撃離脱戦法が持ち味で、その複雑な構造から復元難度は高い。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動すると背中の「ジェットブースター」が露出し、折り畳まれた鉤爪型武器「ウイングショーテル」が展開。さながらレブラプターを思わせる姿となる。
目に見えないほどの速度で敵に肉薄し、ウイングショーテルとカマイタチで一瞬のうちに斬り刻む「瞬撃殺」が必殺技。
赤いドレイク機の他、ギャラガーも紫の専用機(玩具は「指揮官機」名義)に搭乗。デスレックスの復元完了と共に彼からは既に見限られ、ロクな整備もされずに酷使されているが、それでも主のために健気に尽くす姿はどこか哀愁を覚えさせる。
そしてもう一体、幼少期のドレイクと仲良しだった白い個体が存在する。
『ZERO』では帝国軍が前衛ゾイドとして運用していた他、ランド博士も逃亡生活中は何処からか調達したギルラプターを使っていた。
更に『ゾイドワイルド戦記』ではレーザーガンを搭載したギルラプターLCが登場し、実質的な序盤の主役機として活躍した。

・ガブリゲーター

水中戦と奇襲攻撃を得意とするサルコルクス*8種ゾイド。
大顎「クランブルジョー」で繰り出す噛みつきは破壊力抜群で、背中の「ミストチャージャー」から霧を発生させて敵の視界を奪うことが出来る。
非常に凶暴性が高く、先述の通りキャビアの指示により多数の人間を食い殺していた。「捕食本能を持つゾイドはデスレックスのみ」という設定を踏まえると、食事ですらなく、単にキャビアの享楽のためだけに喰っていたものと思われる。
本作のゾイドの例に漏れずコクピットは剥き出しであり、必然的にそのまま水に入ればパイロットも溺れるバリゲーターといいネプチューンといい、懲罰席はワニ型ゾイドのお約束みたいなもんである
キャビアは自前で酸素マスクを用意することで対処し、その上で標的を水中に引き摺り込んで相手だけを溺死させる戦法を持ち味としている。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動するとクランブルジョーが大きく裂け、体の前半分そのものが大顎に変形。これで敵に噛みつき、口内部の「メタルミキサー」で粉微塵に擦り潰す「顎関節地獄噛」が必殺技。
一度噛みつかれれば正攻法で抜け出すのはほぼ不可能だが、顎があまりに大きく開き過ぎているため、脚などを喉の奥に突っ込んでえづかせれば脱出可能(もちろんこれもかなりギリギリの戦法だが)。
『ZERO』では帝国軍の水中用ゾイドとして登場しており、偵察、護衛、奇襲攻撃など様々な用途で活用される汎用性の高い機体とされていた。

・ナックルコング

漆黒のボディが目を引くゴリラ種ゾイド。
発見された当初は、その人間とよく似た骨格構造から「ヒューマゾイド」と呼ばれていた。
優れた腕力によるパワフルな格闘戦を得意とし、胸の頑丈な装甲「大胸板」はあらゆる攻撃を跳ね返す。
普段はゴリラらしくナックルウォークで移動するが、ワイルドブラスト/デスブラスト発動によって二足歩行に移行し、肩アーマー「パワーショルダー」がナックルダスターとして拳に装着される。
この状態で高速ドラミングを行ってわざと拳に負荷を溜め、赤熱化した拳で繰り出す一撃必殺のパンチ「胸熱拳」が必殺技…なのだが、一撃必殺ということで喰らえばフリーダム団の機体も必然的にバラバラになってしまうということか、全編通してマトモに命中したためしがない不遇な技である。
一方、キャビアとトリュフが次々に機体を乗り換えたのに対し、破壊されたステゴゼーゲのボーンソーを腕に装着してようやく攻撃が当たるようになったり、最終決戦では胸部に増加装甲を装備して更に防御力を高められたりと、本作では何気にレアな強化改造を施されて最後まで戦い続けており、フォアグラからは(あくまで「道具」の範疇ではあろうが)それなりに愛着を抱かれていることが伺える。
アイアンコングから続くシリーズ伝統のゴリラ型であり、玩具では何気に今までありそうでなかった自動ドラミングギミックが搭載されている。
『ZERO』で登場した際はシュバルツのアイアンコングを意識してか、肩にガトリングガンと三連装砲が装備されている。

・ステゴゼーゲ

ノコギリ状のヒレが特徴的なステゴサウルス種ゾイド。
ヒレが地上に露出した状態で埋まっていることが多く、発掘の際の目印にもなっている。
何気に歴代の剣竜型ゾイドでも珍しい接近戦特化型。トゲのついた尻尾「テールスパイク」を振り回して攻撃することもあるが、やはり真骨頂は背中の「バックボーンソー」と「ボーンソー」による切り裂き攻撃。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動するとボーンソーが左右に展開し、無数の刃を高速振動で赤熱化させ敵をズタズタに引き裂く必殺技「十五の夜(ナイフ・オブ・フィフティーン)」を繰り出す。
中盤で破壊されたが、先述通りボーンソーがナックルコングの強化パーツとして再利用されている。

・ディメパルサー

シリーズ伝統の、電子戦特化のディメトロドン種ゾイド。
高性能アンテナとして機能する8枚のヒレ「スペクターフィン」と電磁パルス発生器官「パルスコア」を備え、遠隔地の情報を収集することができる。
デスメタル帝国がこの機能をレーダー装置に利用しようと目論んだため、各地でスペクターフィンとパルスコアだけが抜かれた化石が幾つも発見されたという。
ステゴゼーゲを失ったトリュフの新たな乗機だが、劣勢を鑑みた彼がすぐさま部下に連絡して持って来させていた辺り、最初から真打ちはこちらだったと思われる。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動するとスペクターフィンが左右に展開し、ゾイドの機能を狂わせ感電させる高周波パルス「マッドオクテット」を放つ。
更に、デスレックスのDNAデータを機体に組み込んだことで過去にデスレックスに食われたことがあるのと同型のゾイドにデスレックスへの恐怖心を無理やり惹起させて洗脳するという反則級の必殺技「ファイナル・マッドオクテット」を獲得。ディロフォスとの連携もあって効果は非常に強く、正気を取り戻させることは極めて難しい。
なお、機体側面にレールガンの銃身のようなパーツが配置されており、ワイルドブラストと共に前方に展開するが、これはただのパルスチューナーであり、射撃には対応していない。

・ラプトール

集団戦を得意とするヴェロキラプトル種ゾイド。
俊敏な動きと優れたスタミナを誇り、熟練のライダーが登場して連携を取れば大型ゾイドでも手を焼く強敵になり得る。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動すると背中の「ドスクロー」が頭越しに展開。これで斬りかかる「リッパーエッジ」が必殺技。
デスメタル帝国に配備された赤い機体が代表的だが、他にもレジスタンスの黄色い機体や、野生の緑の機体など、様々な場所で何度も登場。
主役回も何度か盛り込まれており、「ゾイドワイルドの顔役」であるワイルドライガーに対する「ワイルド世界の顔役」とでも言うべきゾイドである。
物語後半ではデスメタルキー量産化によって集団デスブラストが可能になり、大きく驚異度が増したが、なまじ換えが効くだけにデスブラストの乱発で再起不能になってしまった個体も少なくない。

・クワーガ

青いボディが先輩のダブルソーダを思わせるクワガタムシ種ゾイド。
哨戒や偵察を得意とする点もダブルソーダと同様で、頭部のレーダー管によって瞬時に敵を捉える。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動すると胴体に格納されたノコギリ状のもう一つの顎「デュアルシザース」が展開され、大顎で敵をホールドしてからこれで真っ二つにする「四連蟹挟」が必殺技。
公式からはラッキョーが主なライダーとされているが、どちらかと言うとZボーイズがラプトールと共に扱うことの方が多い。
カブターと同じく野生の個体も多く登場する他、レジスタンス小隊長バーガーの機体はワイルドブラストが可能であり、過去に数多くの戦いで活躍したという。
『ZERO』でも帝国軍の空中用ゾイドとして多数登場しており、戦闘や偵察だけでなく空輸にも度々用いられた。

・キャタルガ

掘削と牽引が得意なカイコガ種ゾイド。早い話がグスタフ枠だが、見た目はどちらかと言うとモルガ寄り。
強靭な顎と吸着力のある多足によって硬い岩盤も難なく掘り進み、高いパワーで自身の体重の何倍もの重さのものも牽引出来るが、生息地の地盤を掘りまくるせいで地盤を脆くしてしまうことも多い困った奴。
サンラータン機は父から運び屋稼業と共に引き継いだもの。登場時点で既にワイルドブラストも発現済みであり、父だけでなく彼女自身とも固い絆で結ばれていることが窺える。
ワイルドブラストを発動すると、大きく開いた口から巨大ドリル「ドリルジョー」が出現。これで地中を高速潜航し、敵の足元から奇襲攻撃をお見舞いする「ディグ・ジ・アース」が必殺技。
玩具にはゾイドを載せられる牽引キャリアと、ゴム製の拘束バンドも付属している。放送当時はかなり人気が高く、ハンターウルフやデスレックスと並んで入手困難だった。
『ZERO』でも両軍共通の運搬用ゾイドとして登場し、一度だけクリストファー・ギレルも乗り込んでワイルドブラストを繰り出した。

・グソック

ダンゴムシ…ではなく、その名の通りダイオウグソクムシ種ゾイド。
小型だが、身体の大部分が二層の装甲に覆われ、極めて頑強。ライダーは背中に搭乗するので以下略
主に水中に生息しているため海底で発見されることが多く、発掘数は少ない。
本来はあまり素早くないが、ムシ仙人の卓抜した技量により、作中では非常に捉えづらい俊敏な動きも持ち味。
ワイルドブラストを発動するとライダーを格納して丸まり、高速で転がりながら必殺の体当たり攻撃「撃転棘」を繰り出す。
その威力から「戦場の掃除屋」の2つ名を持つ。
割と早い段階から登場している機体なのだが、何故かアニメ公式サイトのゾイド紹介コーナーに記載がない。
変形ギミックはヴァルガとよく似ており、実際にあちらをヒントにデザインされた模様。

・ディロフォス

通信能力を持つディロフォサウルス種ゾイド。
ラプトールと骨格構造がよく似ており、同時に発掘されると化石の選別作業に時間がかかって復元に苦労する羽目になる模様。
ワイルドブラスト/デスブラストを発動すると背中の「ディスシールド」と頭部の「ディスラペル」の2枚の襟が展開する。
単独でも撹乱電波「ジャミジャミング」を放てるが、真骨頂はディメパルサーのマッドオクテットを複数機で受け、ディスシールドとディスラペルで増幅して放つ連携技。撹乱と洗脳の強化だけでなく、ライダーにもダメージを与えられる威力は極めて凶悪。
何故かこちらもアニメ公式サイトに記載がない。

【キット】

アニメにあわせてプラキットも販売されている。
ゼンマイもしくはモーター動力によって動き、ゴムキャップをはめて組み立てるところはこれまでのゾイドと同じだが、最大の特徴はランナーがない点である。
ニッパーの使用やゲート処理の手間が省け、格段に組み立てやすくなっている。
「どれがどのパーツなのか分からない」という問題を避けるため、「復元の書」こと組み立て説明書には全パーツの見取り図がある他、フレーム(骨格)部分のパーツとアーマー部分のパーツで袋分けされている。対応したパーツを探して組み立てる過程にはパズルのような面白さがある。
また、アーマーの各部には3mm径のハードポイントがあり、そこに武器を付けることが出来るなどカスタマイズにも配慮されている。
スケールは従来の1/72から1/35に変更されている。

これとは別に高年齢層向けのコトブキヤHMMからもキット展開がされている。

海外でもハズブロから発売された。
機体名称の変更、パッケージの全面的リデザイン、細かい設計変更、押し相撲遊び*9用のバトルフィールドシート同梱など多くの変更点がある。
しかし、最大の違いはなんと言ってもライダーフィギュアが、汎用の兵士フィギュアからアラシ達アニメキャラに変更されたこと。塗装や造形もそこそこの出来栄えで、コアなファンの中にはタカトミ版とハズブロ版で2個買いする者も多いとか。
説明書にも発掘に見立てた要素はなくなったが、代わりに漫画版のコマが至る所に載せられており、タカトミ版と比較すると全体的に「キャラクター玩具」としての性格が強い。


【OP&ED、挿入歌】

ゾイドシリーズのアニメとしては珍しく、1クールごとにOP曲が変更される。*10
一方で、挿入歌の「WILD BLUE」は一年通してほぼ毎回使用された。基本的にワイルドブラスト発動時に流されるため印象に残りやすく、最終回でエンディングテーマに用いられたこともあって、こちらをメインの主題歌と認識している人も多いかもしれない。

〔オープニングテーマ〕

Starting Over
歌:DISH//
作詞・作曲:新井弘毅、編曲:新井弘毅とトオミヨウ

Defiance
歌:ジェジュン
作詞:森若香織、作曲:成海カズト、編曲:佐久間誠

Sky Flight
歌&作詞:スカイピース
作曲:宮川拓とスカイピース、編曲:宮川拓

決闘
歌:PENGUIN RESEARCH
作詞・作曲:堀江晶太、編曲:堀江晶太とPENGUIN RESEARCH


〔エンディングテーマ〕

少年の僕へ
歌:PENGUIN RESEARCH
作詞・作曲:堀江晶太、編曲:堀江晶太とPENGUIN RESEARCH

blue moon
歌:中川翔子
作曲:中川翔子とmeg rock、作曲・編曲:加賀山長志

スピードアップ
歌:noovy
作詞:葉澄草子、作曲:鴇崎さとし、編曲:Akihito TanakaとSeiji Motoyama

best friends
歌:スフィア
作詞:yozuca*、作曲:黒光雄輝、編曲:矢鴇つかさ


〔挿入歌〕

WILD BLUE
歌:PENGUIN RESEARCH
作詞・作曲:堀江晶太、編曲:堀江晶太とPENGUIN RESEARCH


【余談】

キャラの名前を見てピンと来た人もいると思われるが、大半の登場キャラが食べ物から名前が取られている。
通貨も「ゼニー」だったりと、某7つの珠を集める冒険バトル漫画の影響と思われる(小学館的にはむしろコッチな気もするが)。
海外版ではパソコンや電子部品関係の用語に因んだキャラ名が多く用いられている。



 編集しろ! アニヲタ! 俺の魂と共に!


 追記・修正!!ワイルドブラスト!!


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最終更新:2025年07月13日 23:09

*1 さらにいうと、MBS発TBS系列でのアニメシリーズの放送は『/0』以来である。

*2 ただし「地球」や「ワイルド大陸」といったワードは作中に全く出てこないため、裏設定くらいのものと考えても問題はない

*3 尤も、現在ではデマと見る意見が多数派だが

*4 劇中では明言されていないが、ゾイドが受けたダメージが乗り手にフィードバックされていると思しき描写もある

*5 暴れると言っても、乗っているアラシが困るくらいにジタバタ動く程度で、物を壊したりはしない

*6 中生代三畳紀に生息した、カメ目の中では世界最古と言われる絶滅種

*7 アニメ公式サイトでは「バウワウガン」と記載されている

*8 前期白亜紀に生息していた、現在知られている中では最大級のワニ

*9 付属の説明書には「1回相手を押し出すごとに1ポイント獲得し、3ポイント先取で勝ち」という公式ルールが記載されている

*10 本作以前のゾイドアニメだと、OP曲は最終回まで変更なしが通例だった。続くゾイドワイルドZEROではOP曲が1~2クールまでのものと3クール目以降のものとで2曲。