ゼログライジス

登録日:2023/08/13 Sun 17:05:23
更新日:2024/12/07 Sat 09:55:39
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古の皇帝竜

ゼログライジスとは、タカラトミーが発売している玩具「ZOIDS」の1シリーズ「ゾイドワイルド」の一体。


【概要】

地下神殿エリアを破壊しながら突如出現した謎の超巨大ゾイド。
分類は原始ゾイドのようで、アーマーとボーンが一体化した構造となっている。
血管に似た「リアクターライン」が露出した特徴的な構造もゼロファントスと共通。全身に生える 銃砲類「ドーサルキャノン」や重力を操る掌「Gグラップクロー」、他のゾイドを操ることができる強力な電波を発生させる「マインドホーン」などを持ち戦闘能力が極めて高いようだが、未だ謎も多い。

地下神殿の地中奥深くに埋まっており、その上を防護するように多数のゼロファントスが埋まっていたため、人類に全く察知されていなかった。同型種も未だ発見されておらず、唯一無二の謎多き存在である。

クラスはXLサイズ、種類はギガノトサウルス種。
…しかし、実際の体形は、凡そ地球の生物がモチーフとは思えない怪獣体形である。

アニメ『ゾイドワイルド ZERO』と『ゾイドワイルド戦記』、漫画『ゾイドワイルド2』でラスボスを務める。

【ステータス・武装】

全長:15.5m
全高:9.8m
重量:220t
スピード:6(最大スピード:158km)
アタック:10
IQ:10(具体的な数値は152)
スタミナ:10
ディフェンス:8
ワイルドブラスト:10
※以上のデータは公式サイト内の『機体説明』より引用。

兵装

  • ドーサルキャノン
背中から背びれの如く生えたビーム砲。
『2』ではこれを”兵器解放”名義で使用している。
  • 3連ビーム砲
コックピットの真下に装備。
  • インフィニティミサイル
尻から尾にかけて装備。
  • テイルレーザー
尾から生えたレーザー砲。
  • Gグラップクロー
その巨大な爪と手。
『2』では自らに向けて放たれたミサイルを空間を掴むようにして別の場所へ投げ捨てている。

その他装備

  • グライジス・コア
腹部に格納されたゼログライジス最大の武器。
吸引したゾイド因子をここから原始解放(ゼロブラスト)”ZI・END”として放つ。
  • ゾイド因子吸引装置
口内に隠された、ゾイド因子吸引の為の吸引口。
ここから原始解放の為に、空気中からゾイド因子を吸引する。
  • アイブレイン
原始ゾイド共通の、ゾイド核及び頭脳と直結した複眼。
実際のキットではクリア成型かつ裏地を銀で塗装されており、非常に美しい。
  • マインドホーン
原始ゾイド共通の、他のゾイドを操る為の突起。
実際のキットでは拡張武装のジョイントとしても使用できる。
  • インティグレイションアーマー
腹部に存在する装甲。
グライジス・コアを守っている。
  • リアクターライン
ボディ内部を流れる毒液「バイオアシッド」が満ちている。
士気の高揚などで光り輝く。
  • コアリアクター
特に触れられている訳ではないが、先に発見されたゼロファントスに装備されている為便宜上記載。
バイオアシッドを体全体に染み渡らせる機能を担う。

原始解放技「Zi・END(ジ・エンド)」は単なる破壊兵器ではなく、敵ゾイドのコアを機能停止させ、ゾイドそのものを崩壊させる恐るべき効果を持つ。
終焉を意味する英語「The end」とゾイドを象徴する「Zi」のかばん語であり、その名の通りにゾイドを終わらせる光線、といった所か。

【メディアでの活躍】

アニメ『ゾイドワイルド ZERO

アニメでの初登場は38話。
リジェネレーションキューブを求め旅を続けるレオ達だったが、その中でレオの父ジョシュアが発見した「ゾイドの聖地」にたどり着く。
ジョシュアの助手ビーンズの協力を取り付け、奥地へと踏み込んでいくレオ。
最深部の6500万年前の地層が露出する地点にて、紫の茨に覆われた巨大なゾイドコアを見つける。
レオが茨に触れた途端、あるイメージが彼の頭の中に映し出された。

6500万年前の地球、そこでは恐竜達が暮らしていた。
しかし、突如としてゼロファントスを引き連れたゼログライジスが襲来。
瞬く間に恐竜を滅ぼしてしまった。

ランド博士が独自にキューブを再起動している事にも気づいたレオは、すぐにゾイドコアの危険性に気づき破壊しようとするが、ゼロファントスの前に攻めあぐねている内に逃げられてしまった。

本格的な登場は42話から。
同話ラストにて、ランドをライダーとして起動する。
続く43話では合同軍の攻撃も意に介さず、ゼロファントスが洗脳していたゾイド達を呼び出して破壊、そのエネルギーを吸収して去っていった。
この時はドーサルキャノンが半数しか存在しない等、まだまだ本調子ではないような描写が見受けられる。
それでもライジングライガーやガトリングフォックスはゼログライジスの頭部よりも小さく、さながら人と子猫程度のサイズ差である。
特殊なゾイド因子を有しており、触れたものは自分の住む環境に適した金属に変えてしまう能力を持ち歩くたびに周囲は金属化するため、ライジングライガーやジェノスピノ・オメガレックスのような特殊なゾイドでもなければ近づくこともかなわない。

その後、解析の結果、腹部のコアが弱点だと判明。
急ピッチで用意されたグラビティーキャノンでコアを撃ち抜く作戦が開始された。
激闘の末、グラビティーキャノンとライジングバーストブレイクの前に敗れた…が、大量の鋭利な金属が寄り合わさったようなエボリューション・コクーンとなり、そのまま合同軍の監視下に置かれた。

真帝国との小競り合いの末、最後のキューブが失われてしまったのとほぼ同時に活動を再開。
ゼロファントスに触れると石化するオーラを纏わせ、自らは繭のまま待機していた。
そこにギレル少佐の駆るジェノスピノとディアス中佐の駆るオメガレックスが到着。
それぞれの兵器解放技で繭は破壊され、まともに荷電粒子砲を喰らうが、中から出て来たのは…

完全体と化したゼログライジスだった

前回より1.5倍以上のサイズとなり、ゼロファントスをあっさり踏みつぶすほどのオメガレックスとジェノスピノでさえ子供に見えるほどの成長を遂げる。
その圧倒的なパワーを前にジェノスピノとオメガレックスは敗北してしまう。
そしてオリジナルデスザウラーのようなリングを展開し、そこにZI・ENDを放つ。
こうして発生したブラックホールの中に、二人はゾイドごと封印されてしまうのだった。

その後は失われた端末の代わりに自らを使用し地球のZiフォーミングの完全化を実施。
異星ゾイドのみが暮らせる惑星を作ろうとする。
その為のポジショニングに向かい、その進路にあった共和国首都・ネオヘリックシティも破壊しようとする。
そこで連合軍は火山のマグマにゼログライジスを叩き落す作戦を行うが、完全体となったその装甲には通じず、マグマをもあっさり金属化してしまい強引に突破してしまった。

共和国大統領ダン・クレストウッドは苦渋の決断の末、惑星ZIから地球への移民船でもあったネオヘリックシティのマグネッサーウィングを再起動させての自爆特攻を行う。
巨大宇宙船を前にしては、最大級のゾイドでさえも小さな蟻程度のサイズしかなく、いくら原始解放(ゼロブラスト)”ZI・END”で何度攻撃しても貫通こそすれネオヘリックシティの移動すら止められず、まともに爆発を受けてしまう。
かくして、古の皇帝竜も破壊された…と思いきや、一旦休眠しただけで、尚も活動を続けていた。

流石にダメージは大きく、右目を失い武装も一部剥がれ落ちてしまったが、それでも目標地点に向けて歩みを止めないゼログライジス。
しかし背水の陣を敷いた共和国・帝国連合軍の士気は上がる一方だった。
金属化から奇跡の復活を果たしたレオがゼログライジスの負のゾイド因子を正のゾイド因子に書き換えながらことで到着。
加えてゼログライジスが気を失った事でブラックホールから生還したジェノスピノとオメガレックスが参戦、同じくボロボロの武装ながら格闘戦で挑む。

「邪魔だ!人間ども!」

ランド博士にすでに人間としての意識は残っておらず、彼らをも蹴散らしたゼログライジスは、全ての元凶イレクトラ・ゲイトが待つリジェネレーションキューブの元にたどり着き、世界をゼログライジスが住むのにふさわしい環境へ書き換えようとする。
再び立ちはだかったライジングライガーに対し、ZI・ENDを放とうとしてライガーが特攻し自身の体内に突入。
正のゾイド因子の光を放つライガーは尚も体内で抵抗を続けており、ライジングバーストブレイクで完全にグライジスコアを破壊することに成功する。
更にはライガーから放たれた正のゾイド因子によりランドもイレクトラも消滅してしまい、世界各地のリジェネレーションキューブの光もすべて正常なものに戻った。

ウェブアニメ『ゾイドワイルド戦記』

本格的に始まった共和国と帝国の戦争に触発され目覚める。
完全に人の手から離れた野良ゾイドと化しており、戦場に出没してはゼロファントスを引き連れて暴れまわる、災害に近い存在と化してしまった。
同じ地球外ゾイドと思われるバーニングライガーの攻撃の前には、三機がかりかつコアを狙った攻撃とはいえ沈黙してしまうなど、未だ傷は深い模様。
それでも数秒の停止が精一杯のようで両軍ともゼログライジスが出没したら撤退するのが通例の模様。
ゼロファントスと共に大都市襲撃を目論み、ゼノレックスとバーニングライガーが一時休戦してこれに立ち向かうところで物語は終了した。

漫画『ゾイドワイルド2』

世界を守る「ZCF(ゾイドコマンドフォース)」の提督であり、それに敵対するテロ組織「レッドケルベロス」のリーダーでもあるデイビス・マイルス…に憑りついていた古代ゾイド人の愛機として登場。
レッドケルベロスをマイルスに組織させてZCFとの戦争を煽り、そのエネルギーを吸収して復活したゼログライジスに地球を破壊させようと目論んでいた。

目覚めてからはZI・ENDで世界を滅ぼそうとするも、獣騎カイのライジングライガーを中心に協力したZCF・レッドケルベロス両軍のありったけの武装を合体させた「ライジングライガー・最終決戦(ファイナル)アーマー」の前に地球を追放される。
しかし、カイは「自分の星に帰れ」と命までは取ろうとせず、それを受けたゾイド人はどこか清々しい気持ちで、相棒と共に宇宙に旅立っていくのだった。

【余談】

月間コロコロコミック付録のオリジナルポスターで先行登場するも、名前は伏せられていた為、顔の近くにあったサロンパスの広告塔から取って『サロンパス』というあんまりな仮名称がファンの間で使われる事に…。

上記の通りギガノトサウルスモチーフといいつつ怪獣体形だが、スタッフ曰く「ゴジュラスなどの旧作の大型ゾイドを意識し、特別に怪獣に近づけた」とのこと。
ゼロブラストのギミックはかのキングゴジュラスが参考になっており、箱絵もどことなく似ている。
また、背中の背びれのような武装や長い尻尾・背びれからも放つビームから、「『シン・ゴジラ』を意識しているのでは」という説もある。
言うなればシン・ゴジュラスといったところか。
キットには機体各部にゼネバス帝国のマークが刻印されており、シールも付属している。
これは他のワイルドシリーズのゾイドとは出自が異なることを示す印ではあるが明確な設定は決められておらず、旧来からのゾイダーへのファンサービスみたいなものだという。


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最終更新:2024年12月07日 09:55