ゴートマン(未確認生物)

登録日:2025/02/09 Sun 21:00:00
更新日:2025/02/15 Sat 15:06:37
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ゴートマン(GoatMan)とは、アメリカに生息するとされる未確認生物(UMA)である。


【概要】

Goatはヤギ、Manはニンゲンのことなので「ヤギニンゲン」とでも訳すべきかもしれないのだが単に「山羊男」と呼称されることが多い。日本ではヤギとヒツジは混同されることも多いため「羊男」*1と翻訳され紹介されることも。
海外においてもシープマン(SheepMan)と呼称される事がある。
1950~60年代にカリフォルニア州及びメリーランド州での目撃情報が多発、
テキサス州やケンタッキー州でも目撃情報がある。
ある種滑稽な見た目から現代では「危険な生物」というよりも「ゆるキャラ」のごとき愛され方をしている都市伝説的存在である。


【形態】

  • 頭部はヤギやヒツジを思わせる長い角を持つ
  • 全身は灰色の毛で覆われ筋肉質で2m前後の全長を有する
  • 二足歩行で足先は偶蹄類のような蹄を持つ
  • 指には鉤爪を持つものもいる
  • 棍棒などで武装するものもいる
  • 人面犬」ならぬ「人面羊」が目撃された例もある
  • 人間の悲鳴や怒号に似た鳴き声をあげる


【カリフォルニア州のゴートマン】

サンタ・ポーラの酪農工場Billiwack Dairy(ビリワック・デリー)}の倒産後からその周辺で目撃報告が出てきたことからBilliwack Monster(ビリワック・モンスター)と呼称されることもある。
カリフォルニ州では高校生の目撃情報が多く、棍棒で襲撃された、車に50ポンドのを投げられたなどの被害報告がある。

1942年の工場閉鎖後から周辺で幽霊や奇妙な生き物の目撃情報はあった様だ。

1950年代に9歳の少年が奇妙な生き物に鉤爪で襲撃されたのが「ゴートマン」としての最初期の目撃情報だろう。

1964年に峡谷地帯にハイキングに来ていた少年グループが奇妙な生き物に追い回された事件が発生。同年こどもを追い回された女性が散弾銃で応戦し撃退した事案が発生。

【メリーランド州のゴートマン】

1930年代後半、プリンスジョージ郡で多数の犬の死亡・失踪事件が発生、後年ゴートマンの仕業という風説が流れる。

1960年代から目撃が多くなる
1963年、ハティントン*2にある森で若い夫婦が奇妙な生き物に遭遇、「ボロボロで背の高い人間のようだ」という証言がある。

1968年、ハロウィンの夜子供の失踪事件が発生、「ゴートマンにさらわれた」という風説が流れる。

1971年、農夫がハティントンの森でブタの死骸を喰らう奇妙な生き物を目撃。農夫に気づくとすぐに逃げ出した。

1972年、グリーンベルトで犬の散歩中の女性がゴートマンの死体を発見。「腕時計をしていた」という情報もあり、この事案はゴートマンに襲われた人物の死体とも言われている。

1976年、ウッドモアのゴルフ場で庭師がゴートマンのものと思しき死体を発見。
死体を片付けるため接近したところ低い物音を聞き、音の方向を見ると奇妙な生き物が見ていたという。

1977年、ドライブデート中のカップルが斧を持ったゴートマンに襲われる。車を急発進させ逃げ出すもしばらく追跡された上、斧で車を滅多打ちのボロボロにされたという。ちなみにこの地域、「デートスポットであるガバナーズ橋道で車を停めて3回クラクションを鳴らすと斧を持ったゴートマンに襲われる」という都市伝説があるらしい。「リア充死すべし、慈悲は無い」

この他様々な目撃情報があるが、メリーランド州では未解決の変死事件や子供の失踪事件があるとゴートマンと結びつけるのが一部では「あるある」らしい。
「ゴートマンがここにいた(Goatman was here)」という落書きがそこかしこにあるとか。

【テキサス州のゴートマン】

テキサス州の人造湖ワース湖に生息するとされ、レイクワースモンスターと呼称される。
1969年7月、「鱗と毛皮を持つ半分ニンゲン半分ヤギ」の怪物が車にタイヤを投げつけた目撃情報が報告される。
それから数ヶ月間、木から飛び降り車の前にたちふさがった、10匹以上で練り歩いていたなどの目撃情報が挙がる。
10月には写真が撮影され新聞に掲載されたが、最初の目撃から半年後には全く目撃されなくなった。

【ケンタッキー州のゴートマン】

ポープリック川にかかる鉄道の高架下住みポープリックモンスターと呼称される。
声まねや催眠術で架台に人を誘い込み、列車に轢死させるという。

【その他目撃・遭遇例】

2016年、ワシントンの森の中で目撃され、写真が撮影される。


【正体の考察】

生物兵器説

カリフォルニア州の酪農工場ビリワッック・デリーが操業を開始した1920年代では当時最先端の工場設備を持っていた。
地下室や地下トンネルを持つ“怪しげな工場”は周辺住民の耳目を集め、「経営者は軍部と深いつながりを持っている」、「地下で生物兵器を開発している」など、胡乱な噂があったようだ。
なお、地下でそのような開発実験が行われた痕跡は一切発見されていない。

ミュータント説

メリーランド州の農務省の施設、ベルツビル農業研究センターではヤギの遺伝子研究をしており、
研究者の一人が自身とヤギを融合するDNA実験を行った結果の産物という都市伝説がある。
具体的な個人名を挙げ実施した実験の内容を説明するなど、様々な伝説に派生している。

黒魔術の儀式説

ヤギのマスクを被り廃墟で集会(サバト)を行っている様を「ゴートマンを見た」と誤認した形。
斧や棍棒を所持している理由、人に襲いかかる凶暴性の説明がつく。
悪魔にヤギを生け贄に捧げた農夫のなれの果てという話もある。

虚言、イタズラ説

上記の伝説や儀式をまねてカップルを脅かすドッキリ、車を破損した言い訳にした可能性。

レイクワースモンスターについては当初から着ぐるみを用いたイタズラだと言われていた。
後年、自分が犯人であるという匿名の投書が新聞・雑誌社に数件あったという。

ポープリックモンスターは子供に鉄道の近くで遊ばないよう言い聞かせる寓意であろう。度胸試しをする若者などが轢死する事件があったのだ。
だが怪物の実在を確かめんと線路に進入する「犠牲者」が短くないスパンで発生している。

野生動物見間違い説

暗がりにいたヤギやクマを誤認した。*3
2016年の目撃例はヤギを咥えたクマという説がある。

+ ???

ビッグフット誤認説

カリフォルニア州で多くの目撃例があるビッグフットと誤認した説。まさかね・・・*4
シロイワヤギをビッグフットと見間違えたというネタの派生である。
真面目にビッグフットと考える者も多いけど。


【ゴートマン関連作品】

「ゴートマン」をモチーフにしたものも記載。「ヤギの獣人」や「ヤギモチーフのキャラ」はこちらへ
キャラ名 作品名 備考
Goatman The Goatman ゴートマンの捕獲が目的のゲーム
シープスカッチ Fallout76 「未確認生物」に分類されている
Sheepman The Legend of the Pope Lick Monster ポープリックモンスターを題材にした短編映画
ビーストマン ウォーハンマーシリーズ 作中では獣人(けものびと)やゴウル族とも呼称され、人間から変異した個体もいる
羊男ゴートマン 妖怪ウォッチ 矢良瀬(やらせ) 古里(こり)(ない)が寄稿する雑誌、激写!不思議マガジン「ヌー」で紹介される。「今ここにいないからと言って、この世に羊男ゴートマンいないとは限らないわけです!」*5

追記・修正は角と蹄を持つ方にお願いします。

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最終更新:2025年02月15日 15:06

*1 同名の種族が村上春樹氏の著作に登場する

*2 カリフォルニアにも同名の地域がある。英語圏ではよくある地名である。

*3 カリフォルニア州では稀に体重200kg越えのクマが捕獲されている

*4 1939年にビリワック・デリーから15km離れた町でサルの様な半人半獣の生き物が目撃されている

*5 by.未空イナホ