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人面犬

登録日:2018/08/25 Sat 15:51:30
更新日:2026/07/15 Wed 10:12:15
所要時間:約 3 分で読めます




人面犬とは、顔は人間・身体はの姿をした妖怪、またはそれにまつわる都市伝説

人面犬の噂が広まったのは平成初期(1989年 - 1990年)だと言われ、同時に日本各地から多くの目撃情報が相次いだ。

似た妖怪には、人面牛身の「件」や「人面魚」などがいる。


特徴

前述のように、人面犬の姿は犬の顔が人間のものとなった外見である。
人間の言葉を理解し、自身も人間の言葉で話すとされる。

人面犬を見たという内容に関する情報は、
時速100㎞の猛スピードで東名高速道路を疾走する様子が見られた。
繁華街でゴミを漁っており通行人が声を掛けると、「ほっといてくれ。」「うるせえ。」などと言い返して立ち去る。
など、驚異的な身体能力を発揮したり、少々乱暴な口調とその姿で相手を驚かせる話が殆どである。

小中学生の間で爆発的に噂が広まったことから、『学校の怪談シリーズ』を始めとするホラー・妖怪ものの映画、アニメ、漫画にも度々登場した。
また、これらの作品の影響からか、「人面犬=おっさんの顔」と連想する人が多い。

実は人面犬に関する噂は平成初期よりも以前、少なくとも江戸時代から存在することが分かっている。
梅毒に罹った者が雌犬と性交すれば、すぐさま完治すると信じられており、その梅毒患者と雌犬のあいだに生まれたのが人面犬だとされていた。
『街談文々集要』『我衣』といった与太話の類の随筆では、顔面が人間のような犬の評判についての記述がある。

世界各地にも古来から、人間の顔と別の生物の胴体を持つ化け物や、伝説上の生物の伝承が多く伝わっている。
人面犬っぽいのは『山海経』などの中国系古典籍から見られる「サンキ」のような顔が猿の犬など。
古代ギリシャから伝わるマンティコアは、顔はもろに人面だが体はライオンなどと言われている。
江戸時代の日本には「くだん」という人面とでもいうべき妖怪の存在が噂されており、人語を話せるくだんは様々な予言をしてはそれらを当てていたという。
このくだん、人偏+牛で「件」と漢字表記されることもあり、そのせいか、件をくだんと読むのはコレが語源であるという説もある。
また、日本の人魚は大昔は人面魚の姿であったとされていた。
南米の狼男のルイソン又はロビソン、ロビスオーメンには人面という伝承もあり、ルイソンに噛まれた人は、その日の12時の鐘が鳴るまでに他人を咬んで感染させない限り、永遠にルイソンになるとも言われる。

正体

妖怪とも言われるが、その他にも、
  • 遺伝子操作による生物兵器
  • 実験動物
  • 突然変異による奇形化
  • 猿の見間違い
など、様々な仮説が挙げられている。

メディアでの派生

『SF/ボディ・スナッチャー』という映画は人間が寝ている間に人間の養分を吸い尽くして殺害し、同時に取り込んだDNAから人間の容姿と記憶をそっくりコピーしてその人間に成り代わる宇宙生物が登場するのだが、終盤ではホームレスと一緒に近くにいた犬の遺伝子まで取り込んでしまった個体が登場した。
そして、人間と犬のDNAがごちゃ混ぜになった結果、頭が人間で胴体が犬というクリーチャーが誕生したのだが、これはまさに我々がイメージする人面犬そのものである。
書籍『学校の怪談』では、この映画のシーンこそが人面犬の噂の原型になったのではないかと考察している。

地獄先生ぬ~べ~』では、人面犬の正体は「生前、多くの人間をに追いやった悪徳金融業者」で、
生前に犯した罪が大きすぎた為に魂が穢れ、正しい転生ができなかった結果という設定。
これは畜生道に則って完全な動物として生まれ変わるという形にした場合、自分の大切なペットの前世が悪人だったかもと読者の子供に思わせてショックを与えてしまいかねないという理由があったため。
なお、作中の人面犬は町おこしで100万円の懸賞金がかけられており、懸賞金目当てに主人公の鵺野鳴介や、彼の生徒達が人面犬の捕獲に専念していたが、ギャグシーンとはいえ犬の着ぐるみを着たパートタイムの学生を人面犬と間違えて、鉄パイプのような凶器で袋叩きにする迷場面もあった

ジョジョの奇妙な冒険』では、ディオ・ブランドーが似たような屍生人(ゾンビ)を作っていたが、何か気に入らなかったために踏み潰された。

妖怪ウォッチ』では、じんめん犬として登場。解雇された会社員のおっさんがトイプードルと一緒に事故に巻き込まれた結果として生まれた。
ゲーム版初代では二匹(でいいのか?)を合成すると双頭の「かおベロス」になる。図鑑に「気持ちの悪い顔」とか書かれている。
アニメ版では、初登場回では旧来の都市伝説に沿ったキャラ付けがなされていたが、ストーリー的に使い勝手が良かったのか以後も様々な場面で登場し、それに伴ってキャラクター像も掘り下げられていった。だが、コマさんのほうがウケると判断されたのか、いつしか入れ替わるような形で出番が減っていってしまった。
レジェンド妖怪にはイケメン犬という似たような、さらに恵まれた存在もいる。

バンダイチャンネルのCMでは『熱血人面犬』という無駄に顔と性格が濃ゆい犬キャラが宣伝していくことがある。
何処に需要があったかは謎だが、後にそこそこスタッフを揃えたOVA版も発売された。

コロコロコミックで2006年12月号から2010年8月号まで別冊で連載された漫画『世にも奇怪な物語 Xゾーン』では、人面犬に噛まれた小学生の三人が人面犬になってしまうという話となっている*1
また、小西紀行が描いた漫画版『妖怪ウォッチ』や2014年8月号に同じく別冊で読切として連載された漫画『バク×バク アクム』においても『Xゾーン』と同じ設定になっているが、前者はギャグが主体というのもあり、コミカルな作風となっており、後者は主人公の友達からの怪談のみで、話の本筋はバクという化け物が主人公を唾液で眠らせることで見せる悪夢の中で、最初は普通の白い柴犬だが、主人公に対して加害した「悪い奴」だと判断すると、その顔を喰らい、喰らった者の顔に変化するというものとなっている。
人面犬作品には珍しい吸血鬼のような能力だが、1990年代前半の書籍『学校の怪談』で読者から収集されており、マニアックながら以前から一部の噂にはあったようだ。
コロコロコミックには1990年のブームの時も1月号にて樫本学ヴの非常に印象に残る怪奇なイラストの記事、
2月号では無人カメラを仕掛けたが空振りに終わったというあすかあきおによるレポート漫画、3月号では全国から寄せられた情報を基に同作者による記事が載り、犬の散歩中の老夫婦が暴走族に撥ねられ、助かったおばあさんはジェットババアとなって暴走族を追い、おじいさんと飼い犬の霊は人面犬となっておばあさんを追っているという話になっていた。
1989年から1990年まで連載されていた河合一慶の漫画『サイキッド謎丸』では意識不明に陥った老人の生霊が飼い犬に憑依した姿という設定で登場し、無関心だった近所を恨んで「ほっといてくれ!」と叫んだ他、10月号には竹村よしひこによる読み切り漫画『人面犬太』が掲載された。

鬼灯の冷徹』では、現世でのブームが去ったため、地獄に移住。
声:浪川大輔
マダムキラーと評されるほどの麗しい見た目だが、稀にの妖怪ゆえの本能が出ることも。
匂いを嗅ぐ目的でお香のお尻に擦り寄ったため鬼灯の逆鱗に触れて殴り飛ばされた*2

最近は美人な人面犬がヒロインのエロCGも存在するとか…。




追記・修正は人面犬を目撃してからお願いします。

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最終更新:2026年07月15日 10:12

*1 正確には人面犬に噛まれると身体が犬になってしまい、人面犬に引っ掻かれると顔が犬になってしまうという話である。作中で散々ボールの的狙いとして虐めた野良の白い柴犬を庇ったことが引き金に心臓発作で孤独死し、人面犬と化した犬じじいとの激闘の最中に右腕を引っ掻かれたひとしは顔が犬(ラブラドール・レトリバー)になってしまい、家の鏡で自身の顔を見た時、これまで自身らが犯した罪を悔やむように悲鳴を上げた。

*2 ただし、現時点で人面犬がお香のお尻に擦り寄って、鬼灯の逆鱗に触れるエピソードは映像化されていない。