TVチャンピオン 手先が器用選手権

登録日:2025/03/13 Thu 23:00:00
更新日:2025/03/29 Sat 23:13:28
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さあWiki籠り選手、サイコロを1個……積みました。
これであと10個です。あともうすこし……

(グラッ)

あっ!
ああああぁ~~~っ!

(ガシャーン!!!)

やってしまいましたWiki籠り選手
これでまた最初から、サイコロ1000個積みなおしです…!




手先が器用選手権』とは、かつてテレビ東京が放送していた名番組『TVチャンピオン』シリーズで行われた拷問もしくは無間地獄種目の一つである。

概要

1992年10月1日に第1回が放送。
文字通り番組オリジナルの競技を行い一番手先が器用な人を決める企画である。

…と言っても、元々TVチャンピオンには「プロモデラー王選手権」や「ドールハウス王選手権」といったミニチュアや、「パティシエ選手権」「和菓子職人選手権」と言った料理など、細かい物を作る腕やセンスを競う種目は他にも沢山あった。

しかし、この手先が器用選手権はそれらとは異なり、常軌を逸した手先の器用さが求められる種目で、1mm未満の精度が要求される競技が殆どというレベルの大会となっている。
出場する選手も現役の歯科技工士、カメラの精密部品修理士といった専門家、つまようじの先に観音像を掘る特技を持つ造形作家と言ったスペシャリスト揃い。

そしてもう1つの特徴が極限まで神経をすり減らす事になる決勝戦
競技内容は後述するが、どれも一瞬の油断でそれまでの作業進捗が全て水泡に帰すようなものばかりで、十数時間を超える収録がザラにあるというとんでもないものばかり。
余りの過酷さに選手権にも関わらず、誰も課題を達成できなくてチャンピオン不在になった事が2回もあった。



主な競技


ミニチュア作成

オーソドックスな種目。指定された材料で課題となる品物を作成する。
ただしその課題が「茹でる前のそばやパスタの断面を掘ってハンコを作る」「弾を発射できる全長5cmの人形*1を作り、それで的当てをする」といった、ほかの「プロモデラー王」などの種目では出されない精密さを要求される課題ばかり。

基本的には第1ラウンド、第2ラウンドで行われることが多く、決まった時間でしっかりと作り上げることが求められる。
このため出場する選手にとってはホームグラウンドと言っても良い種目であり、目を見張るような作品を仕上げてくる選手も多い。


早積み・早並べ

決勝戦や敗者復活戦で行われる勝負。
指定されたものを見本通りの形に積んだり並べたりしていき、先に早く完成させた方の勝ち。
完成させたあと手を離して5秒間崩れなければOK。

ただしその課題は1個あたりが極小、必要とする個数が莫大という途方もないもの。
具体例を挙げると……
  • 五円玉200枚でドミノを並べる。しかも並べ終わったら1本の糸を五円玉全部の穴に通して完成。
  • 5mmのサイコロを1800個使ってサイコロのピラミッドタワーを作る。積み上げたタワーとタワーの上に板を乗せて渡し、その上にさらにタワーを作り……を繰り返し、最終的に3段組み・計18個のピラミッドタワー「サイコロ万里の長城」を完成させる
  • 幅1.4cm高さ2.2cmのドールハウス用グラスを360個使ってシャンパンタワーを作る。積んだらちゃんと綺麗に1段ずつ色分けされるよう中身の色水も注いで完成。

これらを誰かが完成するまで延々と収録を行う。
疲労の余り休憩として気絶するように仮眠する挑戦者の姿が映し出されるほど過酷である。

え?崩しちゃったらどうなるって? 一からやりなおしです。

ちなみに上述の「サイコロ万里の長城」は決勝戦で登場し、十数時間に及ぶ収録の結果誰も完成できずチャンピオン不在で番組が終了した*2


プルプルラビリンス

リニューアル後の「新・手先が器用選手権」から3大会にわたって決勝戦となった競技。

鉄製の電極棒「プルプルバー」を電線で作られた幅3~5mmほどのコースの中に通し、スタートからゴールまで接触せずに通過できればクリア。早い話がイライラ棒の超ミニチュア版。

ただしプルプルバーの先端はコテ状の平たい板になっており、そこに5mmのサイコロを5つ積んで崩さないように進まなければならない。もちろん崩した時点でアウト。
そしてそんな状態にも関わらず本家イライラ棒顔負けの巨大風車やプレス機の列といった電動トラップが道中に待ち受ける。チャンピオン決める気があるのか?

決勝戦までやってきた選手3人が1回ずつ交互に挑戦し、一番先にクリアした人がチャンピオンとなる。
またコースはウッチャンゾーンとナンチャンゾーン1stステージとFinalステージに分かれており、1stステージをクリアした先着2名だけが仕切り直しでFinalステージへ通過、残った1人は足切りで途中敗退となる。

制限時間は無いが、挑戦回数は100回と決められている。
100回を超えてしまった場合はエクストララウンドとして、特別にサイコロを1個に減らした状態で10回ずつ挑戦してチャンピオンを決める。

しかし3回行われたうちの第2回目「プルプルラビリンスⅡ」は基本のコース幅が3mm、さらに3連続のプレスマシンを超えた先のゴール直前はさらに幅が細くなるという極悪設定だったためにクリア者が出ず、日をまたいで収録を仕切り直した上、さらにエクストララウンドをやってもクリア者が出ずまたしてもチャンピオン不在で番組が終了した。



ちなみにこれだけやっても賞金は50万円である



余談


2024年にこの種目をベースとした新番組「TESAKI」がテレビ東京系列にて放送された。
一般応募による参加者が種目に挑戦し優勝を目指すのは変わらないものの、早摘み対決はサイコロ50個ほどになり、プルプルラビリンスならぬTESAKIプリズンではコース接触による失格が無くなるなど、「手先が器用選手権」時代の常軌を逸した難易度は緩和された。

また、ハイエナチャンスという各人1回だけ使える妨害アイテムが支給されるなど、より現代的なゲーム番組っぽい仕上がりとなっている。
どうやらTESAKIは最初から海外展開を視野に入れて制作されたらしく、翌2025年には世界各国の手先が器用代表による大会が放送された。




追記修正はこのサイコロタワーを積み上げてから……
あっ、あっ!ああああーっ! あー……


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最終更新:2025年03月29日 23:13

*1 ビーダマンの大きさはメーカー公称で平均80mm=8㎝。つまり二回りほど小さいサイズとなる。

*2 エンディングでは本来チャンピオンが座る王座にサイコロピラミッドが鎮座するというシュールな画が映し出された