SCP-2555-JP

登録日:2025/03/23 (日曜日) 01:03:45
更新日:2025/04/13 Sun 01:13:31
所要時間:約 10 分で読めます






【need-to-knowの原則】
その情報を必要とする人にのみアクセス権限を与え、それ以外の人には与えないという情報セキュリティの考え方。
機密情報の漏洩を防ぐために重要。
情報の種類や機密レベルによって細分化することで管理する。





SCP-2555-JPはシェアード・ワールドSCP Foundationに登場するオブジェクトである。
オブジェクトクラスおよびメタタイトルは後述。



警告
報告書閲覧の際には適切なセキュリティクリアランスレベル(SCL)を提示する必要があります。職員が閲覧できるのはSCLに適合した報告書のみであり、上位のSCLを有していても下位の報告書にはアクセスできないことに留意してください。



SCL2

SCiPNETにようこそ。適切なSCLを提示してください。

user: Yusuke Tuda
ID: Re-76kj554h

SCLを照合しています……








SCL3

SCiPNETにようこそ。適切なSCLを提示してください。

user: Kouiti Shimoda
ID: Do-h89rb45

SCLを照合しています……








SCL4

SCiPNETにようこそ。

当報告書は特殊機密保護プログラムによって保護されています。不当なアクセスが確認された場合、機動部隊があなたの下に出動します。

適切なSCLを提示してください。

user: Sho Kano
ID: Di-w303n7p

SCLを照合しています……








SCL5

SCiPNETにようこそ。適切なSCLを提示してください。

user: O5-3
ID: O-7wk756s2





















真相

財団上層部が、SCP-2555-JPを利用して職員を従えやすくしている。

最初のほうで「所持しているセキュリティクリアランスによって読める内容が変わるタイプの報告書」と言って例も挙げたが、当記事はそれらとはタイプが違う。それらはSCLが上がっていくにつれて真相に近づき情報量も増えていく報告書だったが、当記事は真相にこそ近づけど情報量はどんどん減っていく。ってか最終的にゼロになる。
それも当たり前で、SCP-2555-JPはいわば知ったら知っただけ自主性がなくなる情報災害みたいなもの。これを発見した財団は上記のようなSCLに反比例した情報量の報告書を作成し、読ませることでプロジェクト・オーディン……財団職員の忠誠心向上計画に活用することを思いついたのである。古代ローマでもSCP-2555-JPはその性質含めて知られていて、それを再発見したのだとも言えるだろう。
だとするなら、そうして自主性を削った職員に命令する立場となるセキュリティクリアランスの最上位・5の保持者はこんな情報絶対知っていてはならない。だからそもそも報告書なんてない。

この手の報告書によくあることとしてSCLの低い報告書にはカバーストーリーが大量に含まれるものだが、SCP-2555-JPそのものについてに限ればむしろもっとも正しいことを書いてあるのはSCL2の報告書である。(唯一画像添付もされている。SCL3SCL4の報告書にもそれらしきスペースはあるのだが、画像が削除されている。)
少しばかりのSCL3の報告書の情報、つまり記憶がなくなるのが実は反ミームじゃなくてSCP-2555-JPの実は確認されていた「食事」であること・反ミームの対象は実は音声情報であること・ある意味核である自主性低下効果のことを付け足せば、SCP-2555-JPそのものの性質の説明としては完璧であろう。
その点はSCL4の報告書の時点でもう何もないが、オブジェクトクラスだけは真実なのだろう。

この計画はSCL2以上のすべての財団職員を対象にしている。SCL2の職員は皆いったん関連業務に就くし、SCL5ですら「一切の情報を得られない」という形で情報操作の対象になる。このプロジェクト・オーディンを策定した人間の職員ですらプロジェクトが動き出した後、一人残らず自ら記憶処理してSCP-2555-JPを忘れたのだろうか。
この情報生命体は難儀な性質を持って古来から生きていたが、財団は知るべき情報を知るべき人間に細分化して開示することで、それを収容しつつ望ましい形で活用することに成功したのだ。

これが、情報セキュリティ【need-to-knowの原則】の力であると言えよう。


クラスB記憶処理しておくので、よろしければ自主的な追記・修正をよろしくお願いします。

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最終更新:2025年04月13日 01:13

*1 元記事には霊体としての姿を撮影した画像が添付されている。

*2 これが当記事のメタタイトルである。