登録日:2025/08/07 Thu 00:17:00
更新日:2025/08/18 Mon 11:47:27
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舐達麻とは、日本の
HIPHOPグループである。よく間違われるが、「舐達磨」ではなく最後が「麻」で「舐達
麻」が正しい。
由来はグループ名を決めるときに見ていた実話ナックルズのライターのペンネーム「なめだるま親方」を捩ったもの。
所属レーベルはAPHRODITE GANG HOLDINGS。メンバーの母親が経営する会社、AGHのレーベルであり、つまり実質的には自主レーベルである。
概要
2009年に熊谷で結成したBADSAIKUSH(バダサイクッシュ)、G-PLANTS(ジープランツ)、DELTA9KID(デルタナインキッド)の三人を中心として活動するグループで、APHRODITE GANGという地元の仲間で構成されるHIPHOPクルーの中核グループという位置付けである。
アーティストとしては、「GREEN ASSASSIN DOLLAR」、「7SEED」らが作る情緒と哀愁溢れるアンビエントトラックにメンバー三人がそれぞれのスタイルで文学的なリリックを順々に乗せるスタイル。この組み合わせにより切なくも儚くありながらも感情が伝わってくる、美しい楽曲を生み出している。
リリックは自身の感情や過去の実体験、それに下記の大麻に関することと過去犯した犯罪や捕まったあとの警察、検察とのやりとりなどが中心。
そう、彼らはかつて未成年の頃から非行、犯罪を繰り返し薬物にまで手を染める半グレであったという経歴を持ち、実際過去何度も逮捕されている。しかしその経歴から生み出される生々しいアンダーグラウンド感は生み出されるリリックに深みを加えており、むしろ彼らのアイデンティティとなっている。
一方で、「自分は自分。他人のことは関係ない」という哲学を持っていることからか、リスナーを励ましたり慰めたり……というかリスナーに向けたような言葉は一切無く、ジャパニーズHIPHOPにありがちな恋愛などの要素も一切ない。それどころか女の影すら出てこないといった硬派さも持ち合わせている。
こうした作風から、日本では珍しい「アンダーグラウンド・リアル系ラッパー」と評されることもある。
服部昇大氏の漫画、日ポン語ラップの美ー子ちゃんで取り上げられた際は
「闇金ウシジマくんみたいな人達が闇金ウシジマくんみたいな事をラップしてるグループ」
と評されている。
また、彼らは違法薬物である大麻を好む……というか神聖視しており、ライブやインスタグラムなどでは(明言こそしないものの)明らかにそれと分かる煙をよく吐き出している。
グッズやアルバムジャケットなども大麻を連想させるデザインを多用し、リリックにもそこかしこに大麻の隠語や品種名が散りばめられており、PVでも頻繁にそれっぽいものをスパスパ吸いまくっている。もちろんこうした行動を警察が見逃すはずもなく、数年おきに大麻所持の容疑でメンバーが逮捕されている。また、過去には売人として大麻を売りさばいていた時期もある。
しかし元より実質自主レーベルであり捕まったところでグループとしてのダメージはほぼ無く、上記のようにアンダーグラウンド色強いグループであることもあってむしろ逮捕が宣伝になっているとする声もある。
なお、当人らは捕まらないように立ち回っていると語っている。
そしてビジュアルは3人とも全身入れ墨に金のアクセサリーという完全にソッチ系のとても厳ついビジュアルである。
こうした経歴や作風から殺伐としたイメージを持たれがちなグループである一方、ライブでのMCやインタビューでの受け答えは極めて冷静かつ理知的。彼らについて詳しくない者は驚くことだろう(BADSAIKUSH曰く「草吸ってるから」)。
オタクとは最も遠い位置にいるグループではあるが、一方でその硬派な信念や流行に乗らず己の理想を追求する姿勢は本当の意味でオタク的と言える……のかもしれない。
メンバーは深谷の出身であるがホームタウンは熊谷である。なお、インタビューでは「ツアーとかで「戻りたくないな」って気持ちはある」「川越とかの方が全然都会」「熊谷の何が気にいらないんじゃなくて、何も気にいらない」とボロクソにこき下ろしている。
それでも熊谷から拠点を移さない理由については地元の仲間の「協力」を得られること、そして東京より警察の目が緩く(というか届きにくく)捕まりにくいという彼ららしい理由である。
ただ、地元愛はあるようで、リリックには熊谷が頻繁に登場し、PVについても熊谷で撮影されたシーンも多い。
こうした事情もあってか、近年は年の半分くらいはオランダで過ごしているとのこと。ただし当人らの日本語ラップで勝負したいという気持ちもあり、まだ完全に移住する気はないようだ。
来歴
元々メンバーは埼玉県北部でナンシーというラッパーがリーダーを務めていた「49」というHIPHOPクルーのメンバーとして活動していた。このグループはナンシーが半グレだった関係でメンバーにも同類が多数集められており、実際BADSAIKUSH(当時は「賽」名義で活動)とDELTA9KID(当時は「廣」名義で活動)は暴走族の一員だったらしい。
しかし、2009年8月3日、上記の二人と49のメンバーで後輩の1.0.4(トシ)の3人が金庫破りをした帰り道、無灯火状態で走行しているところをパトカーに見つかりカーチェイスに発展。逃走中DELTA9KIDが運転を誤りブロック塀に衝突。この事故でBADSAIKUSHは負傷しその場で逮捕。そして1.0.4は車外に投げ出され帰らぬ人となった。DELTA9KIDは逃走に成功しナンシーとG-PLANTS(当時は「D.E.E.P(略:D)」名義で活動)に匿われたが他の仲間より1.0.4の死が伝えられると自宅に帰り、親とともに出頭し逮捕された。
この件でまだギリギリ19歳だったBADSAIKUSHは少年刑務所に1年服役。逆にギリギリ成人していたDELTA9KIDは4年収監されることとなった。
この事件に関しては後にリリースされた「FLOATIN’」という曲で歌われている。
この後49は活動を続けるがナンシーが家庭の事情で徐々に音楽活動から遠ざかっていき、メンバーであったG-PLANTSとD BUBBLES(ディーバブルス)の二人は49の内部ユニット、そして舐達麻の前身となる「舐達磨's (なめだるまーず)」を結成し、49とは別に活動するようになった。
そして事件から1年が経った2010年。BADSAIKUSHが出所。これと同時に「ナンシーと一緒にやる必要はない、俺たちは俺たちでやっていけばいい」という考えから独立を決断する。
そこからさらに1年後の2011年、デモCD「ダルマサンガコロンダ」を配布し活動を開始する。そして2012年にはMIXアルバム「R17 JOINT LIKE A BULL SHIT」をリリースする。当時は今に比べれば明るい曲調のポピュラーなスタイルであった。
こうして精力的に音楽活動を続ける一方、BADSAIKUSHは1.0.4の死に折り合いをつけることができずヤクザになっていた先輩から貰った
覚せい剤に手を染めていた。同時期にはヤクザの事務所に入り浸り、先輩たちからヤクザになるように勧められたが、獄中のDELTA9KIDに手紙で相談したところ「それはやめよう」と拒否。この回答を受けてBADSAIKUSHは音楽活動で身を立てる考えを固める。
そして2013年、DELTA9KIDが出所し、ここでグループ名を現在の「舐達麻」に変更。以降、BADSAIKUSH、D BUBBLES、G-PLANTS、DELTA9KIDの4名と彼らの仲間たちで活動することとなる。
2015年には舐達麻としての1stアルバム「NORTHERNBLUE 1.0.4.」を発表。このアルバムから作風も2025年現在まで続くチルトラックを軸としたものに変化し始めた。
これに合わせるように
YoutubeでトレーラーやPVなどの投稿も開始した。
こうして順調に活動を続けていたが……。
2018年、G-PLANTS以外の3人が大麻取締法違反で逮捕。このうちD BUBBLESが実刑判決を受け収監される。
D BUBBLESは出所後行方不明となり事実上の脱退となる。
しかし皮肉にも、この一件が世間の耳目を集めることとなった。
2019年には2ndアルバム「GODBREATH BUDDHACESS」をリリース。上述したメンバーの逮捕で色眼鏡で見られていた舐達麻の評価を覆しアーティストとしての評価を確固たるものとする。ちなみに、アルバムの発売日である8月31日は大麻を指す隠語の一つ「野菜」の語呂合わせである。
そして2021年、G-PLANTSとついでにDELTA9KIDが逮捕。逝去した1.0.4を除きメンバー全員に逮捕歴、前科がついた。
後に、この時のニュース映像をデカデカとプリントした逮捕Tシャツを発売。即刻完売となった。
翌年にはG-PLANTSがまた逮捕された。ついでにBADSAIKUSHも逮捕された。
ただ、この時のG-PLANTSに対する家宅捜索は勝手に鍵を開けて入ったことに始まり容疑も銃刀法違反という彼らにとって身に覚えのないものであった上に「銃刀法とは明らかに関係ないものを令状を取り直すことなく押収する」「一緒にいた女性を男性の捜査員が羽交い絞めにする」といった非常に強引かつ問題の多い捜査であったようで、これに対し弁護士が公安委員会に意見書を提出した結果、起訴できる量の大麻が見つかったにも関わらず不起訴になったと語っている。BADSAIKUSHについては単純に起訴に必要な量の大麻を押収できなかったらしい。
2023年にはなんとフジテレビの特番「M_IND」に出演。年々コンプライアンスが厳しくなる中で前述のような来歴のため世間を驚かせた。なお、G-PLANTSは執行猶予中だったためBADSAIKUSH、DELTA9KIDの二人での出演となった。
同年10月22日、HIPHOPフェス「AH1」でBADSAIKUSHが同イベントに出演予定だった「BAD HOP」のYZERRに掴みかかられる事件が発生。この件に関する12月に舐達麻からの返答としてbeef曲「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」を発表した。
2024年に入ってからは目立った動きは無いが、2024年7月のインタビューでBADSAIKUSHが答えたところによれば現在3rdアルバムを制作中であり、制作中の曲におけるサンプリングの権利問題でなかなか制作が進まずにいるとのこと。
メンバー
現在活動しているメンバーは3人。全員
埼玉県深谷市出身。リリックにはホームタウンである熊谷やその周辺高崎線沿いの駅名が時折登場する。
前述のように熊谷自体はDisりまくっているが。
全員芸名で活動しているが、同時に
逮捕時の報道で全員本名が明らかにされている。時折互いを本名で呼び合うこともあり、特に隠しているわけではないようだ。
BADSAIKUSH(バダサイクッシュ)
本名:細谷雄太
通称「バダサイ」
49時代は「賽」名義で活動していたが、後によく捕まることに対する自虐で「BAD」をつけ、そこに大麻の品種の一つである「KUSH」をつけ今の芸名となった。ただ現在でも愛称として「賽」名義で呼ばれることがある。
舐達麻の実質的なリーダーであり、ビート選びやグループのプロデュースは彼が行っている。
未成年の頃は
幼なじみのDELTA9KIDと共に暴走族に所属しており、その縁で「49」に参加することとなった。
来歴に記した金庫破りの一件で少年刑務所に収監。出所後にグループ内ユニットであった舐達磨's を独立させ、以降リーダーを続けている。
ラッパーとしては「ビートなぞ知ったことか」と言わんばかりに感情的でパワフルなリリックを早口で淡々と叩きつけるスタイル。そのスタイルからか、担当パートは基本的にバースのみ。また、葉巻でむせているのか歌い出しの前に咳を何度もする癖がある。
出所してから先輩に貰った覚せい剤に2年間ハマっており、なんとか断ち切ったものの右耳が聞こえなくなったとか。一方で、リリックの才能に目覚めたのも覚せい剤がきっかけであったと語っている。
こんな人物ではあるが母親との仲は良好。その母親は現在彼らのレーベルを保有する会社、AGHの代表を務めている。他のメンバーにも慕われているとか。
G-PLANTS(ジープランツ)
本名:本多勇翔
通称「本ちゃん」。由来は本名から。
49時代は「D.E.E.P(略:D)」名義で活動していた。
三人の中では一番年上かつ最も体が大きく、威圧感がある風貌をしている。
ラッパーとしてのスタイルはローボイスでビートに単語を乗せ、韻を踏むオーソドックスなスタイル。いわゆる低音担当。フックを担当する場合が多い。
その厳つさに反して、三人の中では最もマトモかつ温和。
49に加入した経緯も幼い頃から非行を繰り返し犯罪でナンシーと繋がっていた他二人に対し、印刷会社に務めていた時期にCDを買いまくりナンシーを紹介された……という割かし真っ当な経緯。
その他BADSAIKUSHが覚せい剤に手を出したときもやめるよう忠告したり、入れ墨も長崎のおじいちゃんに怒られるという理由で最近までしていなかったり、BAD HOPとの一件でYZERRに送ったほっこりした内容のDMが晒されたりと舐達麻の癒やし担当だったりもする。
ただ、来歴の通り大麻を栽培していた容疑で数回捕まっており、決して堅気というわけではない。
上記の経緯からも分かるように、3人の中では一番の音楽好き。ただし最近はあまり聴かないらしい。
DELTA9KID(デルタナインキッド)
本名:広井大輔
通称「デルタ」。
大きな四角い眼鏡がトレードマークで三人の中で最も小柄。芸名に含まれる「KID」も自身が小柄であることに由来している。
49時代は「廣」名義で活動していた。
BADSAIKUSHの
幼なじみであり、来歴にある通り共に未成年の頃から非行を繰り返す不良少年であった。
BADSAIKUSHが不良となったのは彼の影響も大きいが、同時にBADSAIKUSHがヤクザ入りするのを止め、音楽の道に引き止めたのも彼である。
来歴に記した金庫破りの一件で4年間収監され、2013年から活動再開。このときユニット名が「舐達麻」に変更になるなど、ある意味リーダーのBADSAIKUSH以上に重要な存在となっている。
ラッパーとしてのスタイルはハイトーンボイスで詩的で叙情的なリリックをメロディアスに歌い上げ、文節と単語の両方で韻を踏むスタイル。いわゆる高音担当。たまにフックも担当する。
インタビューなどでは自分からはあまり喋らないが水を向ければ普通に喋るタイプ。
元メンバー
D BUBBLES(ディーバブルス)
49時代、BADSAIKUSHとDELTA9KIDの収監中にG-PLANTSと共に舐達磨's を立ち上げた。そのまま独立時の結成メンバーの一人となるが、2018年にBADSAIKUSHとDELTA9KIDと共に逮捕され、一人だけ実刑判決を受け収監。面会には応じていたが出所後行方不明となった。G-PLANTSは「今でも会えるなら会いたい」と語っており、リリックにも今なお登場することがある。
ラッパーとしては、中音域でオーソドックスながら堅実なラップを行うスタイルであった。
関連する人物、団体
1.0.4(トシ)
49時代の仲間。来歴にある通りBADSAIKUSHらと金庫破りを行った際に発生したカーチェイス時の交通事故で逝去した。享年17歳。
彼の死はメンバーに暗い影を落とすと同時に人生にも影響を与え、彼らを本格的に音楽の道へ進ませるきっかけとなった。DELTA9KID曰く「家族以上の存在」。
リリックには彼を悼む内容が頻繁に登場する。中でも後述の「FLOATIN’」は彼が亡くなった事件の様子がリリックという形で詳細に描かれている。
当然ながら舐達麻で活動したことはないが、2025年現在まで舐達麻の一員とされており、舐達麻のリリックにはほぼ必ずといっていい頻度でその名が登場する。
APHRODITE GANG(アフロディーテギャング)
メンバーの地元の仲間で構成されるクルー。
トラックメイカー(GREEN ASSASSIN DOLLAR、7SEED) 含むメンバー3人以外の仲間はここに含まれる。
PVなどはこのAPHRODITE GANGのアカウントから投稿しているあたり舐達麻もここの一部という認識なのかもしれない。
クルー名の由来は大麻の品種名から。つまりいつものやつ。
GREEN ASSASSIN DOLLAR(グリーンアサシンダラー)
トラックメイカー。BADSAIKUSHが「理想とするビートメイカーと出会えた」と絶賛するほどの卓越したビートメイクのセンスを誇る。雨の日を想起させる静かで儚く美しい雰囲気のトラックを得意とする。FLOATIN' 以降、近年舐達麻が発表した楽曲の多くのビートメイクを彼がが担当している。
7SEEDS(セブンシーズ)
「DJ BUN」と「KICK DA FRESH」のプロデューサーユニット。GREEN ASSASSIN DOLLARに次いで多くのビートメイクを担当している。鋭く太いキックを特徴とする。舐達麻における代表曲は「LifeStash」など。
SAC(サック)
HIPHOPグループ「SCARS」のトラックメイカー。
1stアルバムの楽曲にいくつか関わった。
RYKEY(リッキー)
八王子出身のラッパー。
暴走族出身の元半グレ、逮捕・数年の収監歴ありといったようにBADSAIKUSHと経歴が似通っており、ラッパーとしてのスタイルも実体験に基づいたリリックを早口で叩きつけるスタイルと共通点が多く、デビュー時期も近い。この縁からかRYKEY × BADSAIKUSHのコラボとして「You Can Get Again」をリリースした。
しかし、この曲はBAD HOPへのBeef曲であり、これが原因でYZERRの怒りを買い、2023年の事件へ発展することとなる。
なお、RYKEYは「以前から舐達麻が陰口を叩いていたという噂を耳にした」という理由で敵対関係となり、2023年の事件ではBAD HOP側について舐達麻をDisっている。なお、後述する「FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD」にはRYKEYの言動へのDisも込められているとされている。
楽曲
BUDS MONTAGE
2025年8月現在、Youtube上の動画では最も再生数が多い楽曲。
GREEN ASSASSIN DOLLARのチルトラックに大麻や覚せい剤に関することに本物の音楽で自分たちを認めさせるという決意が乗せられた舐達麻を代表する楽曲。
FLOATIN’
上述した1.0.4について歌われた曲。
1.0.4への追悼から始まり、強盗のためにバールを買いに行かせ、月末の中古屋を狙って金庫破りを行う様子とその後の窃盗車でのカーチェイスの様子、事件で長期間収監された悲しみと鬱屈、出所した時の喜び、そして1.0.4をずっと忘れず、前を向いて進む決意、いつも以上の警察に対する徹底したDisが歌われている。
なお、リリックに出てくる「仕事をバックレた高橋」は実在する人物であり、インタビューで明かされたところによるとバックレた仕事はパチンコのサクラ。彼がバックレたせいで無関係な一般人が玉を出してしまい、その損失をBADSAIKUSHらが被ることになったとか。
FEEL OR BEEF BADPOP IS DEAD
来歴で記したBADSAIKUSHがBAD HOPのYZERRに掴みかかられた事件を端に発するBeef曲である。
この事件は経緯が若干複雑なためここでは詳細は省くが、上記の事件後、YZERRはBAD HOPが結果としてイベントをすっぽかした謝罪も含め生配信で経緯説明を行った。その中で事件の原因となったのはジャパニーズマゲニーズの孫GONGとの揉め事と、その仲裁に入った別のラッパーへの怒りが直接的な原因であり、その件でフラストレーションが頂点に達したところでかつてRYKEYのBAD HOPへのBeef曲に参加したことで心象を損ねていたBADSAIKUSHが目に入ったことが原因あると説明。そして舐達麻をボロクソにこき下ろした。ぶっちゃけ、非がないとまでは言えないが八つ当たりに近い理不尽な理由と言える。
そして孫GONGを含めいろいろな人物が当事件にコメントを寄せる中、舐達麻は沈黙を守り続けた。そして12月1日。突如発表されたのが本曲である。
内容はもちろんBAD HOPらに対するDis。BAD HOPの商業主義的な姿勢やパクリ疑惑への批評、そして上述の生配信のDisに対するアンサーと事件に便乗し舐達麻に喧嘩を売るRYKEYへのDisを軸にした内容。
BADSAIKUSHのいつも以上に威圧的なラップもさることながら、いつもは叙情的なDELTA9KIDの過激かつ攻撃的なリリック、いつもは断片的に単語を並べるG-PLANTSの事実ベースでDisと皮肉の混じったリリックといった良くも悪くも他の曲ではあまり見られない要素を含む異端作。
また、ただDisるだけでなく「俺たちは他人のことに興味は無いが売られた喧嘩は買う」「ラッパーの喧嘩とは黙って曲を書くことだ」という彼らの信念とスタンスも多分に含まれた曲である。
セールスとしては各所の売上チャートでTOP10入りを果たすなど舐達麻の歴史上でもトップクラスの評価を得た。しかし同時にグループの哲学に反する作品であり、特定の誰かに何かを言うのはくだらないというBADSAIKUSH自身の考えにも逆らってしまったため、後に「ああいう曲は書きたくなかったし、出したくなかった。しかし黙っているわけにはいかず、やるしかなかった。」と複雑な心境であったことを明かしている。
なお、15日には事件の遠因であるジャパニーズマゲニーズが同一のトラックを使用したbeef曲「I guess I’m beefin'」を発表。そして翌年1月29日にはYZERRが上記2曲へのアンサーソングとして「guidance」を発表している。
追記、修正は大麻を吸わないでお願いします※犯罪です!
- >金庫破りをした帰り道 サラッと書いてあって笑う -- 名無しさん (2025-08-07 13:00:32)
- 舐達麻もBADHOPも好きな自分はあのビーフ対決にはアガったわ。 HIPHOP文化の浅い日本でも特に注目度が高かったし。 -- 名無しさん (2025-08-07 22:11:41)
- あ、ラッパーじゃねぇ輩だ -- 名無しさん (2025-08-09 05:49:32)
- 反社だろ -- 名無しさん (2025-08-09 22:12:48)
- こんなに舐達磨について詳しく書いてくれると思わなかった嬉しい -- 名無しさん (2025-08-09 22:13:19)
- 舐達麻はアツい -- 名無しさん (2025-08-11 18:49:03)
- アニヲタWikiに必要な項目か?とも思うが -- 名無しさん (2025-08-18 11:47:27)
最終更新:2025年08月18日 11:47