E7・W7系新幹線電車

登録日:2025/10/05 Sun 21:59:39
更新日:2025/10/18 Sat 08:32:06
所要時間:約 7 分で終点に到着します




E7系/W7系は、JR東日本/JR西日本が保有する新幹線電車である。



概要

北陸新幹線金沢開業への対応および長野開業時に導入されたE2系の置き換えを目的に、JR東日本・西日本の両社が共同設計・開発した新幹線電車である。
デザイン担当は奥山清行。

2018年からは上越新幹線にもE2系・E4系の置き換えを目的に導入された。
E7系は47本、W7系は24本が導入され、製造は従前の日立製作所・川崎重工(現:川崎車両)に加え、E7系のみ総合車両製作所、W7系のみ近畿車輛も製造を担当している。
編成記号はE7系がF、W7系がW。

導入に伴い北陸・上越新幹線は本形式で運用が統一され、上越新幹線ではスピードアップも実施され、ついでにCMに起用されたジョイマンが再ブレイクを果たした。

2015年鉄道友の会ブルーリボン賞受賞。

車両解説

車体

12両編成で、敦賀寄りの12号車にグランクラス、11号車がグリーン車がそれぞれ連結される。
コンセプトは北陸らしく「和」をキーワードとしており、「洗練」と「ゆとり・開放感」のキーワードをもとにデザインとされた。
車体はアルミダブルスキン構造で、アイボリーホワイトをベースに上部が青に近い空色、屋根と側面の境界と窓下にカッパー色の帯が入る。
車体側面には数字の「7」をモチーフに「輝く未来に向かって突き進むイメージ」をコンセプトとしたロゴが貼られており、その下に保有会社が記される。遠目ではカタカナの「フ」に見えなくもない。

前頭部は直線的かつマイルド目な流線形でワンモーションラインと公称しているが、どことなく西日本が保有する500系に近いデザインとなっている。
運転台はキャノピー型で、これはJR西日本が開発に参画したことによる。

車内

グランクラスはE5系とほぼ同じものだが、デッキにて四季それぞれをモチーフにした装飾の柱が設置されている。
装飾は敦賀・新潟側は冬、東京側は春・夏・秋のものとなる。
グリーン車は背面・座面が自動で連動してリクライニングする「クレイドル方式」を採用。普通車は赤系のモケットで、座面を斜め後ろ下方に引き込む形式のリクライニング機構を採用した。
シートに備え付けの車内誌は両形式とも2社のものが用意される。

照明には本形式よりLEDを本格採用、全席に電源コンセントを設置している。
なお、インバウンド対応として一部の編成は11号車のグリーン車のデッキスペースと普通車の偶数号車の東京寄2席を荷物置き場に改造している。

車内チャイムはE7系がJR東日本の新幹線標準タイプ、W7系が谷村新司による北陸新幹線キャンペーンソング「北陸ロマン」が流れる。なお、W7系は登場当初「いい日旅立ち・西へ」が使用されていた。

京都鉄道博物館には、本形式のグランクラス座席が展示されている。

機器類

主要機器類は先に登場したE5系E6系と同じものを採用しており、最高速度は275km/hとなる。
但し北陸新幹線内は整備新幹線規制もあって最高速度は260km/hに留められている。
グリーン車・普通車にはセミアクティブサスペンション、グランクラスにはフルアクティブサスペンションが搭載されている。
なお、車体傾斜装置については搭載されていない。
一部の編成には車両検測用の装置が搭載されており、営業列車や回送時に検測を実施している。

運用

両形式の運用は特段区別されておらず、E7系が西日本内完結列車の「つるぎ」、W7系が上越新幹線の運用に就くこともある。
東北新幹線では定期運用を持っていないが、団体専用列車などで入線実績がある。

北陸新幹線

金沢開業1年前の2014年から運行開始。
当初は勿論「あさま」専業で、グランクラスもシートサービスのみという暫定運用だった。
2015年の金沢開業とともに本運用が開始され、W7系も同時に営業運転を開始。
2016年までに北陸新幹線は全列車が本形式に統一されている。

ところが、2019年10月に発生した台風19号の影響で千曲川堤防が決壊し、近接していた長野新幹線車両センターが浸水。これによりE7系8編成・W7系2編成が浸水被害に遭い、全編成廃車を余儀なくされてしまう*1
最初に作られたF1編成ですら2013年11月27日新製なので6年未満、被害に遭った中で一番新しいF18編成に至っては2015年10月26日新製なので4年未満と非常に短い活躍しか出来ずに終わることに…。
この穴埋めとして代替新造は勿論のこと、上越新幹線むけ編成の転属や共通運用化、E4系の延命工事を実施して乗り切った。

上越新幹線

2019年3月から運用開始。
当初導入されたF21・22編成は上越新幹線のイメージカラーである朱鷺色の帯と朱鷺の羽と稲穂をモチーフにしたロゴが追加されていた。
本形式の導入に際しては吸音板設置や防音壁かさ上げといった地上設備の改良が実施され、最高速度は275km/hに向上。
2023年3月改正から上越新幹線は全列車E7系で統一され、東京~新潟間は最大でななななー、ななななー、7分短縮された。なんかおとく~!

本形式では高速鉄道では世界初となるドライバレス自動運転を実施する計画があり、2021年から実証実験を開始した。
2028年度からは長岡~新潟新幹線車両センター間で本運用を開始し、将来的には他線区にも拡大予定としている。

関連作品

2014年に発売された「E7系かがやき立体レールセット」でデビューを飾り、テコロジーやサウンド、笛コンといったギミックを搭載した特別仕様のセット品が続々登場。
単品は2022年に発売されている。
W7系は2023年に発売された「W7系北陸新幹線かがやき 鉄道道路併用橋セット」で登場している。まあ見た目ほぼ変わんない…けどコストの都合か廉価版にあたるESシリーズの車体が使われた。

無印、Z、CWと3作続けて登場。いずれの作品でもパワータイプと位置付けられており、無印とCWではドリルを装備する共通点が存在する。
なお、いずれも「E7かがやき」名義であり、W7系のシンカリオンや、上越新幹線仕様のE7系のシンカリオンが登場したことはない。

  • E7系っていいな
NHKEテレで放送されている教育番組「おかあさんといっしょ」の派生番組、「おとうさんといっしょ」の楽曲。
2014年6月に初めて披露された。歌詞の内容は特にE/W7系にクローズアップしているわけでもなく、他の列車名や車両形式も登場する。

アプリ「Link!Like!ラブライブ!」の活動記録劇中にて登場したほか、アイドルマスターとのコラボ企画「アイラブ歌合戦」に合わせて描かれたイラストでは、本系列群普通車車内に日野下花帆乙宗梢が座るものが存在する。


追記・修正は新幹線が自動運転になったら運転席入れるんだろうか?と一瞬でも期待した人がお願いします。


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最終更新:2025年10月18日 08:32

*1 一部の部品などは代替新造車に転用された。