ジャイガー

登録日:2025/09/07 Sun 10:00:15
更新日:2025/09/08 Mon 00:04:08NEW!
所要時間:約 5 分で読めます




デ・デ・デ・デーン!



「ジャイガー」とは、ガメラシリーズに登場する怪獣。


概要

別称 大魔獣
身長 80m
全長 不明
重量 200t

初登場は昭和シリーズ第6作『ガメラ対大魔獣ジャイガー』。
ムー大陸の一部だったとされるウエスター島に伝わる古代怪獣で、「悪魔の笛」と呼ばれる石像によって地下に封じられていた。
前方を向いた三本の角と一対の牙を持つ、でかい顔が特徴。どれぐらいでかいかというと、全長の1/3が顔である。
胴体には背鰭がある。
全体的にアンバランスで、目付きも眠たげな半開き状態。はっきり言ってあんまりかっこよくない。

しかし見た目で判断すること無かれ。このジャイガーは多彩な能力と、それを状況に応じて使い分ける高い知能の持ち主であり、ガメラを殺害する寸前までいった昭和シリーズ屈指の強豪なのだ。


能力

  • マグネチューム光線
頭の角から放つ、あらゆるものを分子的に破壊する高周波。
効果範囲が広い上に甲羅に引っ込んだ状態のガメラにも有効というぶっ壊れ攻撃で、生身の人間が食らえば一瞬で白骨化してしまう。

  • 固形唾液ミサイル
鼻の両サイドに生えた角から放つ。命中精度は非常に高く、戦闘機相手に百発百中である。
幼体も使えるが、固形させることができないようで、粘性のある足止めとして使う。

  • 吸血戦法/スケスケ戦法
実はこのジャイガー、単性生殖可能。尻尾が産卵管を兼任しており、先端から生やしたトゲを刺すことで相手の体内に幼体(ジャイガー2世)を寄生させる。
幼体は体内で宿主の血を吸い、ガメラは頭部と左手がスケスケになってしまった。
この戦法が使える相手は地球にはガメラぐらいしかいないはず*1だが、どうしてこのような生態になったのかは不明。

  • マグネチック吸盤
ギロンと同名の能力だが効果が異なる。足の裏からおそらくは磁力し発生させて、様々なものを引き寄せたり、弾き飛ばしたりできる。
また、ガメラの回転ジェットを逆手に取って「必殺空中回転投げ」という技を繰り出すことも可能。

  • エラ
飲み込んだ海水をエラからジェット噴射することで最高時速300kmで移動可能。それどころか一時的に空も飛べる。

  • 弱点
弱点は低周波。実は「悪魔の笛」はジャイガーが苦手とする低周波の音を奏でるもので、長時間聞き続けると身動きが取れなくなってしまう。
幼体に至ってはトランシーバーの周波数で命の危機に陥る模様。

このようにどの能力も強力かつ便利。しかもそれらを有効活用してくるという隙の無さで、大魔獣の肩書きの名に恥じぬ暴れぶりを見せた。
おまけにジャイガーは高所から転落しようがガメラに踏んづけられようがびくともしない程度にはタフときている。自衛隊の攻撃なんて当然効きません。
その多彩な能力とタフネスから、初代ジャイガーはガメラと三度戦い、うち二度にわたって完全な勝利を収めた強豪となった。
昭和シリーズどころか、ガメラシリーズ全体で見ても上から数えた方が早い位置にいる実力者であることは間違いないだろう。


活躍

「悪魔の笛」が大阪万博に持ち込まれたことでウエスター島で目覚め、海水を飲んだ後にガメラと交戦。
多少手こずったものの、ガメラの四肢を固形唾液ミサイルで貫き、更に仰向けにひっくり返させるという方法でダウンさせる。
ガメラは回転ジェットで飛翔し体勢を立て直そうとするが、両腕・両脚に突き刺さった固形唾液ミサイルが杭のように引っかかり、ジェット噴射のために手足を引っ込めることができず、長期間にわたって行動不能に追い込まれた。

その後、ジャイガーはエラジェットで海を渡り、何隻かの船に轢き逃げアタックをかましながら大阪へ上陸。持ち込まれた「悪魔の笛」を求めて大阪を破壊しまくる。
自衛隊の迎撃を受けたが、戦車部隊はマグネチューム光線によって全滅し、戦闘機の方も固形唾液ミサイルであえなく撃墜されてしまった。

その後、ガメラは唯一自由に動く尻尾を駆使して、どうにかこうにか固形唾液ミサイルを外し、ジャイガーを追って一路日本に向かう。
二回目の交戦となったが、ジャイガーも激しく抵抗し、ついに吸血戦法を使ってまたもガメラの撃退に成功。更に「悪魔の笛」もマグネチック吸盤で海へと放り投げ海中に沈めてしまう。
すべての脅威を退けたことで安心したのか、ジャイガーは惰眠を貪るのであった。

だが、この間に弘とトミーが潜水艦を使ってガメラの体内へ侵入し、偶然にもトランシーバーの周波数で幼体の撃破に成功。ジャイガーの弱点が知られてしまう。
大人たちは「悪魔の笛」と同じ周波数を放つスピーカーを作ってジャイガーを封じようと試みるが、ガメラの心臓マッサージ=電気ショックを同時進行で行ったため失敗に終わった。おばか。

こうして三度目の交戦となったガメラとジャイガー。
さすがにガメラに同じ手は何度も通じず、固形唾液ミサイルは防がれ、マグネチューム光線は電柱を耳栓にするという方法で無効化され*2、吸血戦法も尻尾の針を叩きおられて失敗してしまう。
更にガメラは海中から「悪魔の笛」を回収し、その低周波に苦しむジャイガー。なんとか「悪魔の笛」を奪おうとジェット噴射で飛び上がるがギリギリで届かない。
そうこうしているうちにガメラは「サターン殺しの技」を発動。「悪魔の笛」はジャイガーの脳天に深々と突き刺さり、ジャイガーはついに絶命。死骸は「悪魔の笛」ごとガメラがウエスター島に持っていった。


GAMERA -Rebirth-』でのジャイガー

体長 80m
全長 180m
重量 不明

他の怪獣と同じく、10万年前に栄えた超古代文明が作り出した存在として登場。バルゴンとは分岐・派生種の関係にある。
凶悪な面構えをしておりブサイクではなくなった。だが、アンバランスさは健在で胴体がヤモリのように細くなったため相変わらず顔がでかい。
配信前に公開されたメインPVではギャオスよりも大きく目立つかたちで登場。ガメラシリーズの令和復活に加え、映像作品としては53年ぶりの登場は大きな話題となり、X(旧Twitter)ではトレンド入りし、公式からは「昭和版における最強の敵」と紹介されていた。

だがこのジャイガー、製作面の事情により構想されていた能力がかなり削除された結果、「劇中に登場した個体はまだ未成熟で、特殊技能は尾の先端からトゲで突くしかない*3という大幅なナーフを受けてしまう。
ただし知能の高さは健在で、在日米軍の指揮系統を乱すためにレイモンド司令を積極的に狙ったりしている。

劇中では、ユースタス財団が回収した複数の卵の状態で初登場。ギャオスの襲来に反応して孵化した。
地下へ逃げた後、「このまま普通に育つのを待っていたら他の怪獣に殺される」ということで共食いを開始。子犬サイズから上記のサイズまで成長し、ひとまず眠ることにした。

そこへ、承認欲求を拗らせたブロディと、彼に言いくるめられて連れてこられたボコたちがやってきた。好物である子ども、しかもコード持ちの出現によりジャイガーは目を覚まし、彼らを食うべく地上へ飛び出す。
さすがにアサルトライフルやロケットランチャー程度ではびくともせず、街を破壊しながらボコたちへと迫るジャイガー。そこへガメラが空中から放った火炎弾が地面に着弾し、ジャイガーは咄嗟に横っ飛びで避けたものの、その爆風で吹っ飛ばされて着地に失敗していきなりピンチに。

ガメラが在日米軍に気を取られている隙になんとか体勢を立て直し、尻尾の連続攻撃でガメラをダウンさせることに成功するジャイガー。
だが、この間にブロディが父であるレイモンドにガメラを助けるよう説得と懇願をしており、ジャイガーは全方位から集中砲火を受けてしまう。
更に起き上がったガメラにバニシングフィスト…ではなく、燼滅手(じんめつしゅ)を口内に叩き込まれ、全身をヒートエンドされてジャイガーは絶命。死骸は放り投げられた挙げ句火炎弾で焼却処分された。


余談

『対ジャイガー』の序盤では、ガメラは「悪魔の笛」が日本に持ち運ばれるのを妨害している。
また、ガメラとジャイガーはお互いがお互いにピンポイントな技と能力を備えており、昔から因縁があったことを感じさせるのだが、詳細は不明。

バルゴンとは「大阪を襲撃した四足歩行怪獣」という共通点からか、時たま関連付けられる。
上記の通り『GAMERA -Rebirth-』ではバルゴンと分岐・派生種の関係にあり、小説『聖獣戦記 白い影』ではバルゴンと対決している。
『聖獣戦記 白い影』では「白虎」に相当する怪獣としても登場。白い鱗に覆われた体を持つ、虎と竜のどちらをも思わせる姿とされている。
「なぜ要素皆無のジャイガーが?」と疑問に思うだろうが、おそらくは昭和シリーズの地球在住の怪獣で統一したかったのだと思われる。ガメラが玄武、ギャオス(イリス)が朱雀ときて、バルゴンが『大怪獣激闘 ガメラ対バルゴン -COMIC VERSION-』で青龍となった以上、白虎を担当できるのはジャイガーしかいない。
ジグラ「私、『対バルゴン』のコミックに出てたのに…」





追記・修正はジャイガー2世をかわいいと思ったことのある方にお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2025年09月08日 00:04

*1 ギャオスは空を飛ぶのでマグネチューム光線や固形唾液ミサイルを撃った方が早いし、バルゴンはそもそも水が苦手なのでジャイガーの方から出向かないとまずエンカウントできない。

*2 この時、よく見ると出血しているので、麻痺した器官を潰したのかもしれない。

*3 成長しきっていれば原典通り寄生戦法が使えたとのこと。