メーデー!:航空機事故の真実と真相

登録日:2017/09/06 Wed 19:48:17
更新日:2021/04/05 Mon 19:59:26
所要時間:ざっと見で約 5 分、詳しく読むと約 61 分で読めます






This is a true story. It is based on official reports and eyewitness accounts.

これは実話であり、公式記録、専門家の分析、関係者の証言を元に構成しています。


メーデー!:航空機事故の真実と真相(原題『Mayday: Air Disaster』)とは、航空事故を取り扱ったナショナルジオグラフィックチャンネル*1で放送されているドキュメンタリー番組。
世界各国で放送されており、本項目は日本版のタイトルで表記している。


【概要】

製作はカナダの番組制作会社であるシネフリックス。
タイトルは英語圏の国でもバラバラであり、アメリカではAir Emergency、イギリスではAir Crash Investigationと表記されている。日本版はイギリスに準拠している。

番組名の「メーデー」は緊急事態を意味する無線用語。詳しくは後述するメーデー民用語から。

概ね1シーズン5~10話で構成され、日本版は2020年時点で全18シーズンと総集編的な番外編が4つ放送されている。
以前は一部Amazonプライムビデオでも配信されていたが2020年4月時点ではHuluのみで期間限定配信されている。
第5シーズン以降の過去回の再放送を毎日数回やっているのでナショナルジオグラフィックが視聴可能なら容易に過去回に触れる事も可能。
一方で国内版ソフトは未だに発売されておらず、海外版のみDVDでソフト化されている。


なお本番組の映像は『世界まる見え!テレビ特捜部』や『奇跡体験!アンビリバボー』でも一部使用されている。
両方ともビートたけしが出演しているのは世界的に有名な彼の名前を出せば映像を使用する許可が下りるかららしい。


同じナショナルジオグラフィックが制作している事故や事件についてを扱う番組『衝撃の瞬間』でもメーデーで扱った事故を題材とすることがある。
ユーバーリンゲン空中衝突事故など、違った切り口で事故を分析しているので、双方を見比べれば理解を深めることが出来るかもしれない。
また「コメット連続墜落事故」など2020年現在こちらでは取り上げていない事故も扱っている。



【内容】

世界各地で起きた航空事故を検証する番組で、大半は民間航空会社の飛行機事故を取り扱っているが、空軍や政府所有機、テスト中の宇宙船、ハイジャックなども取り扱っている。

コクピットボイスレコーダー(CVR)、フライトデータレコーダー(FDR)、目撃証言、管制官などとの交信記録、いれば生存者の証言などに基づき、
  • コクピットや客室、管制室の再現映像
  • 飛行中の機体・事故の瞬間のCG再現映像
  • 実際のニュース映像
などを織り交ぜ、更に目撃者、事故の生還者や犠牲者の遺族、航空事故調査を担う機関の調査官へのインタビューと解説で構成される。

ハイジャック事件で墜落せずに生存者が居た場合など、原因が明らかな場合は分析パートが無いまま最後まで事故を再現する内容となる。
中には貨物便なのにハイジャックが発生、テロリストによる地上からのミサイル攻撃など予想だにしない回もあるが。

各回で基本的に一つの事故を取り上げる構成上、各回間の関係は基本的に独立しているが、たまに過去回で起きた事故の布石となる事故が後の回で取り扱われ、後半で過去回の事故が発生する*2事や、過去回の事実上の後日談となる航空事故を取り扱う*3事もある。
一部の事故は分かりやすい例として使い勝手が良いためか、何度も登場することがある。*4

多数の負傷者と死傷者が出る事故を再現するものの、あまり明確な死亡シーンなどは描かれず、怪我の描写もグロテスクな表現はされないように配慮されている。
稀に凄惨な映像を流す回もあるが、その場合冒頭で警告が入る。
ただし通常の回でも実際に機体が大破して炎上する映像や出血した様子などは流れるため、苦手な人は注意。
中には墜落するまでの再現ドラマの内容があまりにも悲しい*5鬱回も存在する。

上記の通り日本でも放送されており、第4期と総集編まではナレーションのみ吹き替えで会話や証言は字幕で対応していたが、第5シーズン以降は全て吹き替え対応となっている。
ただし第3期第3話は先行して全編日本語吹き替えで放送されている。
これは取り扱われた事故が単独機事故として世界最悪であり、日本の航空会社が最後に起こした墜落事故である「日本航空123便墜落事故」だからである。
出演者に日本人がいる場合は日本放送版ではそのまま放送され、英語版本編に英語での吹き替えが施される。

番組初期のナレーションでは「ザ!鉄腕DASH!!」でお馴染みの平野義和氏と「世界まる見え!テレビ特捜部」で2012年までナレーションを勤めていた掛川裕彦氏が担当。現在おなじみのナレーションを担当しているのは、ナショジオ番組で複数シリーズのナレーションを手掛ける声優の鈴木正和氏。

日本語による完全吹き替えになって以降、シーズンを追う毎にナレーションや出演声優が徐々に変更されている。総集編などは過去に放送された該当エピソードと声優、演技、翻訳などが違う新録となっているので、該当回と比較するのも楽しみの一つ。


航空事故を扱うドキュメンタリー番組なので至って真面目な内容なのだが、中にはシリアスな笑い極まりない回も存在する。例を挙げると、


【メーデー民用語】

本番組は原則有料チャンネルでしか視聴できないが、一部のエピソードが某動画サイトに違法アップロードされており、静かな人気を誇っている。
このシリーズのファンのことを特に「メーデー民」と呼び、彼らを代表するセリフの一つに「フィクションじゃないのかよ!騙された!」がある。
これは、ある動画のテンプレコメントが発祥である。



【番組内で取り扱われた事件・事故】

長寿番組ゆえか国際色豊かで極めて多種多様。
詳しくは個別項目を参照。




追記・修正は機内安全ビデオや安全のしおりをきちんと見る習慣をつけてからお願いします。

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最終更新:2021年04月05日 19:59

*1 ただしカナダのみディスカバリーチャンネルで放送されている

*2 第14期第7話「ジャーマンウイングス9525便墜落事故」がエンディングで発生してようやく判明していた問題が改善される第18期第9話「LAMモザンビーク航空470便」、第15期第7話「トランスアジア航空235便」が終盤で発生して真の事故原因が判明する第16期第2話「トランスアジア航空222便」等。

*3 第7期第2話「ノースウエスト航空255便」の終盤において同様の原因で発生した第16期第3話「デルタ航空1141便」、第15期第10話「タイ国際航空311便」と同じ空港周辺で2か月後に発生したため、調査官が人手不足に陥るなど先に起きた事故の影響が調査にも出ており、また空港にレーダーがない問題が共通して挙がる第18期第1話「パキスタン国際航空268便」等。「タイ国際航空311便」と「パキスタン国際航空268便」は同じ調査官が指揮を取っていたため、調査官役の俳優も続投している。

*4 一例として第3期第10話「ハイジャック犯への罠」(エチオピア航空961便ハイジャック墜落事件)は不時着水が検討された際、第7期第1話「ブリティッシュ・エアツアーズ28便」は機内火災が発生した際によく振り返られる。

*5 「たった一人意識を保ったクルーがコクピットに辿り着いたが何もできず墜落するしかなかった」、「墜落の危機を知らされた管制官や事故機の周辺を飛んでいた飛行機のパイロット達が力を合わせて事故機を救おうとフォローし、事故機のパイロットも奮闘したが墜落するしかなった」等

*6 イメージとしてはラピュタでシータ救出の際に落石によって気絶したドーラの体勢で猛烈な風によって機体に磔にされているようなもの

*7 一部の乗員達にはトラウマとなっており、中にはこの番組への出演を拒否した方までいる。

*8 なお呼び捨て自体は珍しいものではない。

*9 軍のミサイル誤爆が原因ならば軍、すなわち国家の責任となるため、遺族への賠償金の額や支払いのスムーズさが比較にならないほど良くなる、という理由もあるかもしれないが。

*10 事故原因は当時非番であったパイロットの故意による墜落が濃厚とされたが、大統領の発言により調査が機械的な問題に固執・自殺がタブーとされた宗教的問題・事故に対する保障割合の問題からエジプト側は事故原因は機械的な問題と主張した。エジプトが実質的に大統領による独裁体制であることや大統領自身が元軍人で戦闘機乗りだったことも世論を傾けてしまった

*11 実際は積み荷の荷崩れとその衝撃による内部機構の損傷が原因

*12 機体を見た検査官が思わず「こんなの見た事ない」と口走る程

*13 一応パイロット以外の乗員乗客と荷物がないことで重量が軽くはあったが、事故要因の全貌がはっきりしないまま事故機を飛ばし、110便の当初の目的地であるニューオーリンズ国際空港へと無事に到着した

*14 念のために言っておくと、事故機の要請に応じて自分達もハリケーンの中に突入して事故機のフォローを行い、脱出の際に別行動を取った時には「陸でまた会おう」と約束し合うなど事故機の状況に絶望しきっていたわけではない。

*15 実際には俳優等は描かれていないが

*16 仮に発信者の救援に必要な措置に従わない場合は罪に問われる。

*17 これは「急病人発生」等のトラブルで引き返す場合にも使用するため。

*18 しかも彼の視点では、つい20秒前に「まだ滑走路にいる」と伝えたばかりである

*19 正確には、エンジン始動前にチェックリストを確認した際に「アンチアイス(のスイッチ確認)」「オフ(にしたorになっている)」。本来ならばここでオンにする、もしくはオンのままにしなくてはならなかった。

*20 ただし、生存者の真似をして同じ不時着姿勢を取ったはずの乗客も多くは亡くなっており、それだけが助かった要因ではないと思われる。

*21 さらに、事故の原因ではないにも拘らず世間からバッシングを受けたり、そもそも人員が少ないためにワンオペに近い状態になっているケースも番組で度々取り上げられている

*22 うち1件は滑走路の長さに起因するものではない

*23 レシプロ機の墜落・死亡事故は複数回発生した。

*24 フィンランド航空と言われることも。前身のアエロ・オイ時代に2件の死亡事故を起こしているがそれ以降50年以上事故を起こしていない

*25 1回だけ死亡事故を起こしたもののそれ以外にはハイジャックで死者・負傷者を出した1件のみでその後は死者はおろか負傷者も出していない

*26 数件墜落事故があるが何れもテロや誤射での墜落で自社の過失によるものはない

*27 ただし実際は資金繰りが悪化して老朽化した機体の整備が不十分だったために以前からエンジントラブル等が多発しており、同社のパイロット達からも不安視されていた。またFAAがそんな状態だと知りながら老舗という事で運航許可を出していた事も分かっている。

*28 事故が発生した当時は違法ではなかったが、それでも事故調査委員に苦言を呈されたのは言うまでもない。

*29 機内アナウンスの機長の声が酔っ払っている様に聞こえて怖い、といった内容

*30 ご存知ロシアのフラッグキャリアだが、特にソビエト時代にあまりにも事故を起こしすぎたせいで「危険な航空会社」の一つとして認識されている。

*31 近年のCVRでは、どの席のヘッドセットから入力された音声なのかも記録されているので、頻度は高くない。ちなみに、声以外の音も拾っているので、その情報を元に調査を進めることもある。記録されたエンジンの音からエンジン出力を推定する、各マイクに爆発音が入力された時間のズレから爆発の発生位置を推定する、など。

*32 ただしDC-10やF-15など初飛行から40年以上経っても堅実な設計ゆえに現役な機体もあることから一概にそうとは言えない

*33 事故を起こした飛行機や船のマークを白く塗るのは国際的な慣習であり、どの国の事故機でも行われているので決して事故隠しではない

*34 その上先に起きたカナダ太平洋航空402便事故機の残骸の横を、翌日に事故当該となった英国海外航空911便が離陸する映像が存在するおまけつき。

*35 後にロッキード事件として問題になったのもあるが、当時取りやめた理由はANAの技術者がDC-10の安全性や静粛性に疑問符を投げかけたのも一因とされる。

*36 ただしDC-10販売不振は事故以外にも石油危機に伴う航空需要の減少と燃料費の高騰・ボーイング767やエアバスA300などといった経済性の高い双発機が台頭・それまで双発機では認められなかった双発機での太平洋・大西洋などの長距離飛行が認可されたなど様々な影響も大きく、更にはマクドネル・ダグラス社の項目のようなこともあるためDC-10だけが原因ではない

*37 同時期の777などと比較しても事故率は高く、他の機種では商業運行開始から10年以上全損・死亡事故を起こさなかったのに対し、MD-11では10年で4件もの全損事故うち3件は死亡事故である

*38 スペースシャトルの燃料タンクを担当するミシュ―組み立て工場

*39 紳士協定を結んで耐空性改善命令を出さなかったDC-10件等

*40 一般的には仮想現実(Virtual Reality)を指すことが多いが、メーデー民にとっては「回転」でおなじみのローテーション速度のことでもある。

*41 この便の目的地であるグアンタナモ基地はキューバ国内にあるため、アメリカ管理部分とキューバ領の境界を示すストロボが設置されていた。

*42 前者は墜落回避に奮闘しクルーを励ましていた機長がふと漏らした弱音に過ぎず、後者に至っては弱気になっているクルーを元気づけるために発した言葉である

*43 『パックマン』を作った人。実在するナムコ関係者である

*44 そもそも多くの航空事故がそうなのだが。だからこそFND3大バカやそれ以下のパイロットが語り継がれているとも考えられる

*45 機首を上げると高度は一時的に上がるが、迎角が大きくなるうえに運動エネルギーを急激に消費する(=速度が落ちる)ため失速状態が収まらない。失速時は逆に機首を下げて迎角を小さくし、降下することで運動エネルギーを稼ぐのが通常である。

*46 副操縦士に通常の着陸ができないから危険な着陸を選んだのかと聞かれて何も答えていない。

*47 フルネームで検索するとザンテン機長の写真入りの当時のKLMの広告が見つかる。