登録日:2025/06/28 Sat 19:06:00
更新日:2025/07/16 Wed 20:32:14
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ここでは現実での銃について解説していく。
概要
機械的な力(主に火薬)を用いて球~円柱状の
弾を発射する道具の総称。英語では「
Gun」。
14世紀付近に投石器に名付けられたGunnhildrを全般の名称として短縮したのが語源とされる。
砲との定義の差はあいまいで、一般に口径20mm未満を銃とする場合があるが例外もある。
主に
兵器として進化してきたが、狩猟や
自衛とそれを模した競技、
治安維持のために使用される。
刀剣類や弓などと比べても特に射程や威力に対する携行のしやすさといった面で危険性が高く、現状日本では狩猟と競技目的以外での所持は不可能。諸外国でも制限が設けられている。
歴史
中国の火槍が起源とされる。とくに19世紀~20世紀近辺の機械的な進歩が目覚ましい点が独特。
古式銃に関しては
銃の発射形式一覧の方が詳しい。
火槍/マドファ/ハンドキャノン:1132年~
必須技術:黒色火薬の発明(7世紀)、金属の鋳造技術
それまでに存在したてつはう等の
爆弾に指向性を付与したもの。
銃床などはないか槍状のものとなっており、肩付けまでは考慮されていない。
銃身は、火槍では竹を使用した使い捨てであったが、後の大砲等への改良やヨーロッパに伝わった際に青銅や皮製になり再使用に耐えるようになった。
弾は石や陶器、そして貨幣や食器などで幅を利かせていた鉛が使用されていたが、基本的には丸い弾である。
装填は特殊なものを除いて前から行い、後部に空けた穴から火を近づけて点火する。これは薬莢の発明まで変わらない。
余談だが、銃の起源がこの時代なら「銃」という漢字は何なのかと言えば元は
斧の柄を差し込む穴の意味だったようだ。
旁の「充」の古代文字の形の中にあった「○」で穴を表現したという。
アーキバス(カリヴァ)/マスケット銃:15世紀~
必須技術:火のもとを比較的長期間保存する技術(ライター等)、金属精錬、金属と木材の加工、金属と木材の固定(ネジ)、これらの量産を実現する工場制手工業
ハンドキャノンなどでは手で直接点火していたが、それでは拭き戻された火薬でやけどしかねないし不確実ということでクロスボウなどで取り入れられていた引き金の概念が取り入れられた。
火縄の先をクリップで固定し、それをテコや仕掛け付きのバネで押し付けるマッチロック式が主流。
合わせて1人で持ち狙いやすいようなアイアンサイトによる照準と折れ曲がった曲銃床が採用されたが、アジア圏では銃床がないものが多い。
短弓の代替えとして、当時の有効射程である50m程度での射撃で活用され始めた。
長弓など遠距離向けの弓矢も射手の訓練などの難しさにより置き換えられつつあったが、精度では遠く及ばず。ピューリタン革命が長期化した遠因とも(要出典)。
ライフルドマスケット:19世紀半
必須技術:
ライフリングの切削とこれの量産を実現する工場制機械工業
ライフリング自体は1498年に直線式が、1520年に螺旋式が発明されていたが、当時としては製造技術が必要な点や弾を食い込ませる必要がある点から主流ではなかった。
しかし1849年に採用されたミニエー弾から大きく飛躍し始める。
底部の形状によって発射時のみ直径が広がり、前からの装填が用意かつ装薬の威力を十分以上に伝えることができるようになった。
これとライフリングを組み合わせることで螺旋式ライフリングの回転による安定効果とミニエー弾の装填のしやすさ、そしてシイの実状の形により命中精度が飛躍的に向上した。
ここから丸い弾を捨て300~1000m先まで攻撃できるようになり、ファランクスなどから始まる戦列という人類が3000年以上培ってきた概念が崩壊した(ファランクスと戦術歩兵とは直接関係するものではない点には留意)。
またこの際に火打石式なども研究され、のちの雷管式へとつながる。
雷管の発明:1806年頃
必須技術:雷酸水銀など敏感な爆発物質の生成
不要になった技術:火のもとを比較的長期間保存する技術
アレキサンダー・ジョン・フォーサイスが理論を発明しジョセフ・マントン/ジョシュア・ショウらがキャップ式として実現したもので、一定の力で叩くと火花が出るようになっており、雨天などでも火の管理をせずに運用できるようになった。
当初はライフルドマスケットの発火方式を置き換えるだけであったが薬莢の発明と同時に話が変わってくる。
薬莢の発明:1845年~
必須技術:簡易なプレス加工
不要になった機構:薬室の完全密閉
これまではずっと装薬、弾、発火装置を撃つたびに用意していた。しかし装填方法が前からに限定される点と装填時間が長くなる点が欠点であった。
フランキ砲など後装式のアプローチ自体はあったが、装薬のエネルギーが漏れて威力が下がったり事故が発生したりした。
紙製でひとまとめにしたものも存在したが雀の涙。そもそも一定の力で突き固めておかないと下に向けた際にポロリする。
そこで以下を満たす金属製のケースを用意した。
- 1~2部品だけの装填で済む。
- 薬室が完全密閉されていなくても問題ないように圧力を封じ込める
- 弾を発射時まで保持し、下に向けてもポロリしないようにする。
ジャン・サミュエル・ポーリーが発明しルイ・ニコラ・フロベールらが雷管と組み合わせ1つにまとめた。
最初期はリムに雷管を仕込んだ
リムファイア式を採用。現在は底部中央に雷管を挿入するセンターファイアを採用する場合が多い。
これにより連続した射撃に耐えるようになり、後装式が主力になり、後の各種連発式へと進化することになる。
前装弾か廃れる都合ミニエー弾もここでお別れとなったが、彼が精度向上を実現した功罪は無駄ではなかった。有用な回り道だったといえる。
さらに、薬室の閉鎖機構などを複雑にできるようになった/せざるを得なくなった段階から大量生産には職人技では対応しきれなくなった。
戦間期や第二次大戦初期まで各国は部品の規格化、標準化に苦心することになる。というのも、それまでは撃鉄周りと銃身の口径以外では大きな縛りがなく差が大きくても問題ないものだった。
そこから閉鎖機構や下記の弾倉、果ては自動連発機構などが追加されると縛りが必要な個所がどんどん増えていくことに。
その為、ネジの寸法や鋼板の厚みなどよく使う材料一つ一つを統一することで、縛りを維持しつつ生産効率を上げようというわけである(縛り=規格、統一=標準化)。
プラスねじなどは最たる例であろう。回す軸を2つ統一するというのだけでも実はかなり高度な事なのだ。
無煙火薬の発明:1884年
必須技術:ハーバー・ボッシュ法
不要になった技術:黒色火薬の生成
ニトロセルロースなどを主原料とし、黒色火薬に対して無と言えるほど煙やカスの発生が抑えられ、尚且つ発火時の圧力等性能も大きく向上している。
ニトロセルロースの原料である硝酸の生成が同時期のハーバー・ボッシュ法によって大量生産可能かつ容易になった事も追い風となり、機関銃等への発展へとつながった。
同時に、装薬の性能向上に伴い鉛のままでは強度が足らなくなるため、強度が出る銅製のジャケットで覆うようになった。貫通力が高まったため、甲冑から派生した金属製ボディアーマーを駆逐した(戦後材質などを更新して再興したが)。
リボルバー:16世紀後半/1857年~
薬室を回転式として並べ、6発程度の連発を可能にしたもの。
ペッパーボックスと言われる銃身も並んだものを除けば、1836年にサミュエル・コルトが取得した特許から始まるパーカッションリボルバーが有名だろう。
薬莢式となってからは再装填時間も十分に短くなったが、フランキ砲同様の弱点であるシリンダーギャップも持ち合わせている。
前述のペッパーボックスの発展と言えるもので、銃身の束を回転させ、その際の力を変換して機械的に排莢、装填を行う。
発明家で医師であるリチャード・ジョーダン・ガトリングによって開発されたガトリング砲に始まり、外部ソース化が容易なことから「
バルカン砲」をはじめとする航空機関砲として活躍している。
ボルトアクション機構:1836年~
薬莢を薬室に閉鎖する機構の一つで、ボルトハンドルを回転させてロックを解除し薬室を開放する。
ドライゼ銃など単発式のものから採用され続けているが、現在の自動小銃(ターンロック式)も誤解を恐れずに言えば機械式ボルトアクションである。
リピーター 手動連発式:1860年前後
必須技術:一定の力で弾を送り出す機構
1つの薬室にとっかえひっかえ弾を装填、排莢する機構。ヴォルカニックライフルやスペンサー銃が初期の実用的な連発銃として有名。
レバーアクション機構から始まり、ボルトアクション方式の手動連発式へと発展した。
レバーアクションは内部的にはトグルアクションなどの自動連発式へ派生したが、現在ではマイナー。また、弾倉や弾帯などの弾の供給機構は比較的繊細さを要求される。
前述の規格化が進むまでは弾倉本体やバネの安定した量産が難しく、主力小銃では固定弾倉式で5発程度をまとめたクリップを用いる場合がほとんどだった。
現在では脱着式弾倉がメインとなり、事前に複数の弾倉に弾を装填するようになっている。
自動連発式:1884年~
必須技術:高度なプレス加工や切削、ロストワックス等の規格品を量産するための技術
マキシム機関銃などにはじまる、薬莢の装填排莢を発砲時の反動など弾自体のエネルギーを用いて自動化したもの。
陸戦の在り方をライフリング以上に変化させ、塹壕戦へと移行する契機となった。追って騎兵や猟兵も駆逐されたりあり方を変えさせられていった。
弾のエネルギーとしては反動利用式とガス利用式がある。
反動利用式は弾に対して構造が簡易であり、初期の軽機関銃や拳銃など軽さを意識した銃に見られる。
ガス利用式は銃身の穴などからピストンへガスを流入させ、外からボルト操作を行う力を得る。弾薬の選択肢が比較的広く、反動を小さくできるため自動小銃などで用いられる。
その他にもいろいろな機構や革新があったが、基本的な歴史は上記の流れである。
火薬以外の銃
火薬はメリットも大きい(無煙火薬の項のとおり、大量生成できてしまう)が熱や反動などの面で今後限界が見えてくるだろうと考えられている。そのため他の形式で弾を飛ばす方法が研究されている。
空気式
火薬以外で実現されている形式。殺傷力もある強力なもの。海外でエアガンというと遊戯銃で無くこちらをさす。
使い捨てのボンベやポンプ/コンプレッサーによる圧縮空気で弾を撃ちだす。
ライフル銃が所有可能になるまでのつなぎとして狩猟や競技で用いられる。
電磁式
電気を流した際に発生するローレンツ力や磁力を用いて加速する方式。
詳細は
レールガン、
EMLの項目を参照。
火薬に対してはまだ効率面でかなわないが、より高弾速を期待できるなどメリットも明確である為、2025年現在も研究が継続されている。
光学式
マイクロ波、レーザー/
メーサーなど。厳密には銃ではない。
マイクロ波は電子レンジの原理の下になったアレ。
2025年現在では直接的な加害力を持つものもあるにはあるが、航空機の照準器やドローンの制御系に影響を与える程度にとどまる。
非致死性のものも研究は進んでおり、一時的な不調を訴えさせるような運用を想定している模様。パイロットの目を潰すためにレーザーを用いることがあった。
単なる光で判定を行うものが競技やその練習用で使用されており、光線銃や
ビームライフルと呼称される。
用語解説
本項目のみならず銃全般に関する資料の字引になれば幸いである。詳細や主な銃器は各銃器用語解説/銃タグのページにて。
真鍮や鉄などでできた、下記部品を保持するための部品。再利用可能。
叩くと火花を散らし、装薬に点火するために使用される部品。
構造により弾薬がセンターファイア式とリムファイア式に分かれるが、現在はセンターファイア式が主流。
薬莢底部中央にあるプライマーに撃針等で衝撃を与えて着火する方式。着火方式によりベルダン式とボクサー式に分かれるが、薬莢とプライマーが分離しているのは共通。
独立したプライマーではなく、薬莢底部のリム内部に敷き詰めた火薬自体をプライマーとして着火する方式。単純な構造なので工業技術が低くても安価に大量生産出来る利点はあるが、品質にバラつきが出やすく不発や遅発といった危険なトラブルも多いため、現在は民生品の激安弾薬等にしか使われていない。
燃えると適切な速度で燃焼し弾頭を飛ばす火薬。
装薬に押されて加速し飛翔する。拳銃弾は交戦距離などの影響やサイズから機械的な仕掛け(榴弾、焼夷弾)は施されない。
弾頭側に込められる火薬。着弾時や時間経過で爆発する信管が必要。銃程度の規模では弾のサイズが小さすぎてあまり詰められることはない。
薬莢底部にある排莢時に引っ掛けて薬室から抜き取るための部分。リムド、セミリムド、リムレスと薬莢の径との差などで名称が異なり、弾薬の名称末尾にR、SRなどと記載されることがある。
ライフル弾などで薬莢中央部に設けられるへこみ。薬莢に対して弾薬のサイズが小さい場合にその差を埋めるために追加される。
弾頭重量などで用いられる値。5.56mmNATO弾では55~77grで3.6~5.0グラム相当。
主に弾頭の直径を示す。項目参照。
銃口を離れた際に弾が持っているエネルギー。ジュール(J)やフィート重量ポンド(ft・lbf)で示され、その弾の絶対的かつおおよその破壊力の目安として使用される。
対人や対物などにかかわらず相手を制止させる力を抽象的にあらわす単語。項目参照。
弾薬の種類
弾の規格の中で標準的な弾頭重量・火薬・火薬量を使用した弾。
軍が採用した弾を標準とする場合が多く、例えば
M193/M855/Mk262弾と同じスペックの弾が民間用に製造されている。
同等のサイズの通常弾よりも比較的威力が高い弾種につけられる一種のブランド名。名前の由来はお酒の増量ボトルがマグナムと名付けられていたことかららしい。
下記の強装弾仕様にすることもできる(つまり強装弾とは別物)。
むしろ銃本体が強化されていたり、ライフルを中心にマグナム弾の薬莢は大柄の物を使うことが多いので強装弾にしやすかったりする。
通常より装薬を増やした改造弾。
その中でも+P弾は弾薬メーカー自らがチューニングした弾に付けられる称号、一応規格品になっていてノーマルより10%ほど圧力が上がっている。
手軽にストッピングパワーや貫通力を上げられるが、当然ながら発砲時の反動や圧力など銃本体への負荷が余計に掛かるため、強装弾対応の銃でなければ破損や暴発を引き起こしやすい。
昔から使用される小銃向けの弾薬。
300~1000mを想定している場合が多いがその分反動が大きく小銃の規模での連射には向かない。
突撃銃で使用される、拳銃弾とライフル弾との中間程度の弾。突撃銃向けに低反動で高初速の銃弾が求められるようになった事から、下記のフルロード弾を小型化する形で作られた。例えば5.56mmNATO弾など。
ライフル弾のサブ分類。
中間弾薬に対し、小型化される前の従来の小銃用弾薬をこう呼ぶ。7.62mmNATO弾等が該当する。
拳銃でも撃てる程度に低反動化、連射に特化した弾。威力や射程、貫通力に限界がある。
減音器などとの併用を目的として、弾速を音速未満に抑えた弾。
弾が音速を超えた際のソニックブームを無くし、より静穏性を高める。
炸薬と信管を備え、弾着や時間経過で爆発する弾頭。銃程度の規模では採用されない。
燃性が高い材質を封入した弾頭。こちらも専門用途としては銃程度の規模で採用されないが…
マグネシウムなどを内部に含め、飛翔中に発行する弾頭。
弾道確認に用いられるが、飛翔距離に応じて燃焼剤が減ってしまい調整なしには通常弾と弾道が変わってしまう。焼夷弾の代用としても用いられる。
硬い金属(コア)を内部に封入し、命中時にコアで装甲やボディアーマーを貫通する弾頭。
5.56mmNATO弾のM995徹甲弾はRHA換算で15mm(距離100m)貫徹となる。
- ホロ―ポイント/ソフトポイント/ジャケッテッドホロ―ポイント弾
中身を露出/樹脂製にするなどして先端を柔らかくしてた弾頭。命中時に潰れるマッシュルーミングを起こす。HP/SP/JHP(JSP)と略される。
ダムダム工廠で制作されたダムダム弾や名前の通りなRIP弾が有名。
戦場での使用が規制される弾種であり、現代では軍よりも治安組織での採用例が多い。
粉砕しやすい材質を用いた弾頭。命中時に貫通しにくいため、被弾した物体以外の二次被害を抑えることを目的としている。
弾が命中し対象の内部にとどまっている間に砕けたり横転して銃弾の規模以上のダメージを与える事。
特にホロ―ポイント弾やフランジブル弾にて効果を期待される。
装甲に対する貫徹力は落ちるので基本的には人体などのソフトスキン向け。
上述の徹甲弾など硬芯を用いた弾丸を更にテフロンコーティングする事で貫通力を向上させた弾頭。
その特性上ケブラー繊維を用いる事の多い防弾チョッキに対しては極めて高い効力を発揮する事から、元は警察などの法的機関向けに作られたにも関わらずギャングといった犯罪者に好まれてしまった事で「コップキラー(警官殺し)」などの悪名が付いてしまった。
同時期(1986年)に徹甲弾に関する法規制が強化されてしまったため、現在は生産されていない。
弾頭がゴム製になっている低致死性弾。
金属弾より殺傷力が低い為暴徒鎮圧などに用いられるが、それでも当たりどころが悪ければ死傷させる程度の威力はある。
より致死性の低いプラスチック弾頭やビーンバッグ弾、テーザーなども開発されている。
そのまんま。主に素人が低品質な素材を用いて作った弾薬とそれを指す蔑称。
大抵は兎に角数だけを揃えるために品質は二も三も次にされているので、使用しても内部でへばりついて動作不良や破損を招いたり暴発による死傷を非常に招きやすい。
銃の部品
部品
中枢部(発射に必要な部分)
これと発火装置(雷管とそれを叩くもの)があれば最低限弾を撃ちだすことができる。
薬室
弾薬が収まり発火する場所。薬莢の外側がすっぽり入るような形になっており、薬莢とともに発射時の圧力を押さえつける。
自動式の場合は銃身と一体化している場合がほとんど。
銃身
発射時に弾頭に装薬の圧力を伝え、加速させる筒。
ライフリングが彫られている場合、旋転力を与え弾頭飛翔時の直進性を向上させる。
撃発部(発火に必要な部分)
発火装置。
ボルト
薬室とともに薬莢底部を抑える部品。発射可能時にはロッキングラグという突起によって薬室と結合されており、何かしらの力(手動/反動/ガスピストン)によって結合を解除することで開放できる。
また、開放する際に薬室から薬莢を抜き出し、マガジンから次弾をすくい上げて叩き込む機能も有する。
ロッキングラグはブローバック方式などでは存在しない場合がある。
ボルトキャリア
ボルトを動作させるためのレールや回転軸、引くためのボルトハンドルなどをまとめた部品。拳銃ではスライドと呼ばれる。ロッキングラグの解除にボルトの稼働を必要としない/そもそもロッキングラグがない場合はボルトと一体化していることがある。
ファイアリングピン
ボルト内部に存在し、弾薬側の雷管を叩く針状の部品。ボルトによる撃発以外ではバネや安全装置(AFPB/Automatic firing pin block)によって全身を妨げる場合が多い。
オープンボルトでロッキングラグがない銃ではボルトに括り付けとなっている場合があり、その場合はボルト自体の前進を止める安全装置を設置する。
ハンマー
雷管を直接またはファイアリングピンに衝撃を加える部品。直接叩くものは安全性の面やボルトの巨大化等で現在はあまりない。トリガーまたはシアによってテンションがかかった状態で維持され、トリガーを引いた際に落ちる。ボルトキャリアの後退や手動での操作によって起き、次弾の発射に備える。
ストライカー
縮めたバネを開放することで撃鉄と同じ効果を発生させる形式。
機関部(引き金とそれに付随する機関)
撃発部の稼働と、次弾装填が完了した際に発火準備を整える装置。
レシーバー
機関部を覆う部品。概ねガスピストン以外の部品を固定したり軸を提供したり、各部品を異物から守る役割を担う。
トリガー
引くことで発射する旨を伝える部品。直接ハンマーを支えているものと、シア越しに支えているものがある。セミオート式やスラムファイア(引き金を引いたままボルトを前進させることでボルトの前身と同時に発射できてしまう)対策のため現在ではシア越しが多い。
シア
トリガーの動作をハンマーに伝える部品。トリガーが引かれるまでハンマーを支え、引かれると外れてハンマーを落とす。
ディスコネクタ
セミオートの際にボルトの挙動を感知して作動し、次弾装填完了時にトリガーを引いていてもその動作をシアに伝えない為の部品。このパーツがないとボルトが前進する前にハンマーが下りてしまい正しくファイアリングピンを叩くことができない。
フルオートシア
ボルトが前進しきった後にトリガーを引いているならハンマーを下ろさせる部品。
ボルトの作動速度そのままで連射させると、装薬の違いなどで連射速度が変わったり想定以上の速度が出て銃に深刻な負荷がかかってしまう。それを抑えるためのレートリデューサー機構も併用されている場合がある。
一般的にフルオート射撃を禁じている国の民間の銃では装着することができない。
バースト射撃を実現する場合などはこの部品にラチェットやギアを仕込んで発射弾数をカウントし制御する。
セレクター/セーフティー
上記部品の動作を制御することで発射の可不可やフル/セミオート/バースト射撃の切り替えを実現する。
連発に対応する機関
項目参照。弾を薬室に送れる位置に常に準備しておく役割を持つ。
フィーディングランプ
ボルトによってマガジンからすくいあげられた弾を薬室に誘導するための箇所。弾頭を滑らせるように当たることや薬室と別パーツ(レシーバー括り付け)である場合があるため、、ホローポイント弾など弾頭形状が特殊な弾だと引っかかって装填不良を起こす場合がある…が普通は問題ない。
連射に対応する機関
ガスピストン
重心と並行に/ボルト内部に仕込まれた部品。ガスオペレーション式の場合、銃身からガスチューブ(と調整用のガスレギュレーター)を通して発射ガスを流入。そしてピストンを動かし、ボルトキャリアを外側から押す力を得る。
ガスの煤がたまりやすいため、隙間を多く作っておいたり(AK等)ガスピストン部のみに汚れが集中するようにしたり(G36/HK416等)する。逆に異物除去に使ったり(M16等)もする。
ロッキングブロック
ショートリコイル式やディレイドブローバック式の銃において動作を補助する部品。プロップアップ式(P38やベレッタ92等)やローラーロック式(G3等)などで採用。
ティルトバレル方式など銃身やボルトキャリア単体で完結する場合は必要ない。
リターンスプリング
反動やガス等で後退させられたボルトキャリアを前進させるためのバネ。最低でもエアコッキングガン程度の硬さがあり、閉鎖不良を起こさないようにしっかりと前進させるようになっている。
マズルブースター
銃身につける部品。反動利用式で銃身が後退する場合、銃口からの発射ガスを受け止め、銃身の後退力をより増幅させる。
中枢部(発射に必要な部分)
弾薬が収まり発火する場所。薬莢を成型する金型のような形。
弾頭が加速する筒。
銃身の薬室と反対側の先端。
機関部
機関部を全て納める部品。銃身を固定し、引き金などの稼働軸を提供する。たいていアッパー/ロアに分かれている。
ポリマーフレーム(銃器)として熱にさらされにくいレシーバーを樹脂化していることがある。
右手人差し指で引いて発砲を指示する部品。
トリガーの動作を撃鉄やストライカーに伝える部品。
次弾装填まで撃鉄やストライカーが起きた状態を維持する(トリガーとそれらとの連動を切断する)部品。
雷管を直接またはファイアリングピンに衝撃を加える部品。
縮めたバネを開放することで撃鉄と同じ効果を発生させる形式。
雷管を叩く部品。ハンマーと独立させることで暴発などへの安全性が向上した。
薬莢の底部にある突起(リム)で弾を保持し、薬室へ叩きこむ部品。
ボルトを動作させるためのレールや回転軸、引くためのボルトハンドルなどが付いた部品。拳銃ではスライドと呼ばれる。
エンジンなどでもおなじみの「往復運動させる」の意味。ボルトとボルトハンドルとが連動するかどうかの違いがある。
- ノンレシプロケイト:発射時にボルトキャリアと連動しない。発射時に引っかかったりしない利点があるが、単体では閉鎖不良に対処できず、部品点数が増える。
- レシプロケイト:発射時に連動し、直接ボルトキャリアを動かすことができる。部品点数が減るがボルトキャリアの重量が増える。
- 折衷案:手動操作時のみレシプロケイトになる。操作系のデメリットを低減できる。
弾を撃ちきった際にボルトを開放状態で留める部品。
- マガジンフォロアーにひっかけているだけ
- 専用のリリースボタンがなくボルトハンドルを少し引いて前進
- 専用のリリースボタンですぐボルトを前進させられる
- そもそも機構がない
の4パターンがある。拳銃ではスライドストップとも。
ボルトの後退から復帰させるために前進させるためのバネ。
リコイルスプリングを一定のテンションの状態でユニット化した部品。拳銃などで分解のたびにスプリングが飛び出さないように用いられる。
外内の2重にスプリングを配置したもので、組み立てが煩雑になるためリコイルスプリングユニットとして提供されやすい。スライド操作に必要な力が小さくなるがリコイルに大きな影響はない。
ボルトに配置されている部品。射撃後の薬莢のリムを引っ張り出し、最終的に弾き飛ばす役割。
ガス利用式の自動銃にてガスの圧力を動力に変える部品。ショートストローク/ロングストローク/直噴式が存在し流入する箇所が異なる。
ガス利用式の自動銃にてガスの流入量を調整する部品。ライフルグレネードなどを用いる際にカットしたり装薬量の少ない空砲でも連射させるために使用。
銃が意図せず発砲できてしまう点を解消する機構。引き金のロック以外にも引き金を引く以外の動作で撃鉄が落ちないようにする等様々な方法で対策を行う。
最初からなかったり、セーフティを掛けていても特定の動作で暴発する銃があったり、それはセーフティと言えるのか?というのもある。
発射後の挙動を変更する機構。セミオート/フルオート/
バースト/次弾装填のキャンセルなどがある。手動の安全装置とひとまとめにしてあることがある。
弾が複数入っており連続して発射するための部品。
挿入する場所はグリップ下部や前方下部が多いが、
ブルパップ式なども存在する。
リボルバーに搭載されているレンコン状の部品。
弾倉内の弾が飛び出ないように抑えている部品。大抵薬莢後端を保持している。
バネなどにより弾倉の中の弾を押して銃側に送り込む部品。弾倉が空であることを機械的に示し、ボルトキャッチを作動させる。
脱着式弾倉を銃に取り外すための部品。片方の爪と片方のレバーで保持したり、弾倉の溝に棒をはめたり、底部をロックしたりして固定する。
弾倉と別の仕組みで弾を銃に連続で装填する部品。主に機関銃用。
チューブマガジンの場合、薬室と弾倉の距離が遠い為ボルトを下げた際に弾を救い上げる機構。
その弾が補充なしに一度に連発できる弾の数。薬室と弾倉が分離しているクローズドボルトの自動銃では薬室に弾を入れたまま持ち運べるため+1と1発多いことを示すように記す。
外部パーツ
ふいにトリガーが引かれないためにトリガーの周りを覆う部品。最初期の銃やデリンジャー等超小型の銃ではオミットされることも。
引き金のすぐ後ろにある手で握る個所。ストックやトリガーガードと一体化していることもある。
グリップと反対の手で銃を保持するために銃の前側に用意されているスペース。
銃を肩などにつけて安定化させる部位。
ストックの後端。ゴムなど比較的軟質な素材製で射手への反動を低減する。
周辺機器
銃口に取り付けて銃口からの音を軽減する。副次的に発射炎も減少させる。
サプレッサーの別称。現実の減音器は完全に音を消すわけではないため、サイレンス(無音)の呼び方は最近は避けられる傾向がある。
銃口付近に取り付けて射手から見た発射炎を減少させる。被弾者からは見えやすくなるため、その辺の対応をした銃も存在する。
銃口付近に取り付けたり銃身に穴をあけて特定の方向の反動を相殺する。マズルブレーキなど類似品も存在。
銃の上部などに装着して弾の進行方向を制御しやすくする部品。
運搬などの際に銃を安定して持つための取っ手。歩兵銃でも4kg以上あった時代の名残で、1980年代以降は省略されがち。照準器と合体されることがある。
1~3本の支持脚を用いて即座に安定した射撃を行うための器具。モノ/バイ/トライが接頭語。
スリングを装着するための箇所。用途によって1~3箇所存在。
銃口付近に取り付ける刃物。かつては銃剣取付専用の刀剣類だったが、現代ではコンバットナイフなどに着剣機構を付けたものが主流。
銃剣を先端に装着するための機構。銃身に装着されることが多い。
フォアエンド下部に追加する部品。反動低減や握りやすさの向上を目的としている。バーティカル、アングル等多種存在。
銃口に取り付け、銃弾/空砲の圧力で飛ばす榴弾。下記アンダーバレルグレネード以前に多く採用されていた。
銃身下部に取り付けて別目的で使用する武器。専用に別の武器を持つよりも少し軽いが、それでも銃本体が重くなってしまう。
レーザーを用いて近距離での弾道を可視化する。特殊な光に対応する照準器(ナイトヴィジョン等)と併用することで腰だめでも必要十分な精度を出せる。
指向性が高めの電灯。銃につけて索敵に使用したりレーザーサイトの代用とする。
上記周辺機器を取り付けるための規格のうちの一つ。項目参照。
銃器の動作
ボルト閉鎖方式
外からの力でボルトが引かれた際、薬莢を引き抜いても安全な状態になるまでボルトを薬室に固定、閉鎖する必要がある。手動連発式とガスオペレーション式では専用の固定部品が必須となる。
ターンロックボルト
ボルトか銃身を銃身軸を軸に回転させて閉鎖を解除するもの。ボルトアクション式などで採用され、その後真っすぐ引くだけで良いストレートプル式に改良されたのち自動式でも採用されるようになった。
ロッキングブロックボルト
閉鎖用に専用の部品を追加したもの。自動銃向けだが部品点数が多くなる。
ティルトボルト
ボルトが斜めにティルトすると解放されるタイプ。自動銃向けで閉鎖機構自体は単純なので、自動銃黎明期には主流であった。
しかし圧力に耐えなければならない箇所が広く、材質面や形状面が逆に複雑になってしまったので近年では使用されていない。
連射の形式
反動利用式
銃弾の作用反作用と銃口からの発射ガスにより部品(主にボルトキャリアと銃身)を直接動かすもの。全体的に弾が生み出す反動の変化(弱装弾、強装弾、弾頭重量の変化など)に弱い。
ブローバック式
ボルトだけを動かすもの。
シンプルブローバック
とくだん機構を追加せず、リコイルスプリングやボルトの重量のみで閉鎖する。強力な弾を使用する場合には排莢のタイミングが早まってしまい危険。FN M1910やワルサーPP、オープンボルト式短機関銃など。
APIブローバック(Advanced Primer Ignition)
ボルトの前進中に雷管の発火を行う形式。ボルトの前進を閉鎖に利用できるが、ボルトが動きながら発射されるため精度に問題が出る。
固定できる航空用機関銃(エリコン社製の銃砲等)やオープンボルト式短機関銃で採用される。
ディレイドブローバック
何らかの機構により排莢が可能なタイミングまで待機させる方式。単純な摩擦によって遅延するものもある。
ローラーロッキング式
ローラーによって薬室とボルトを閉鎖する方式。ボルトの後退自体はブローバックによって行われる。G3など。
レバー式
てこの原理により発射直後のみ複座ばねの力を大きくして閉鎖する方式。FAMASなど。
ガス遅延式
ガスオペレーション式の一種だが、ガスピストンを閉鎖にだけ使用する方式。H&K P7など。
ターンバレル/ターンボルト
ターンロック式閉鎖機構と違い明確に閉鎖するわけではないが、遅延手段として用いる方式。Five seveNなど。
ショートリコイル式
ボルトだけでなく銃身も少し後退する。
ティルトバレル式
バレルについたロッキングラグでボルトと同時に後退し、一定のタイミングでティルトしてラグを外しボルトだけ後退させる。
トグル式
トグルが一直線になっている間はボルトと同時に後退し、トグルの関節をずらしたタイミングで尺取虫のように動作してボルトだけ後退させる。
ロングリコイル式
ボルトだけでなく銃身も一緒に後退し、銃身の前進時に排莢を行う。特殊な閉鎖機構自体は不要だが銃身用のリコイルスプリングも必要になる。
ガスオペレーション式
発射ガスを利用する方式で、主にガスの力をボルトの後退に使用するもの。銃身に穴をあけそこからガスを取り込むむのが一般的。
ショートストロークガスピストン
ガスピストンが銃身と並ぶ。ガスピストンとボルトが分かれており、ガスピストンによる玉突きの要領でボルトを後退させる。ガスピストンの後退量自体を減らすことができる。
ロングストロークガスピストン
ガスピストンが銃身と並ぶ。ガスピストンとボルトが結合しており、ガスの力で直接ボルトを後退させる。ボルト本体の重量が増す。
ダイレクトインピンジメント
ガスピストンとボルトが結合しているが、ガスピストンはボルト内部に存在する為ボルトに直噴するように動作する。ガスピストン式の中では一番ボルトの重量を小さくでき、ピストンの動作軸も銃身軸と同じなので上向きの反動があまり形成されない。その代わりボルト付近に発射ガスが吹き付けられる。
動作サイクル
撃発→排莢→装填→撃発…のサイクルは変わらないが、どの順で行うかが異なる。
オープンボルト
引き金を引くと同時にボルトが前進し装填を行う。主にブローバック式(シンプル、API)が用いられる。排莢口が大抵開いているので銃身に熱がこもりづらいことから機関銃など連射向きの銃に用いられる。
機関部側でもフルオート化がしやすく、逆にセミオート化に工夫が必要なので民間仕様の銃ではほとんどクローズドボルト式に改修されている。
また、API式同様激発直前にボルトが前進する為制度に問題が出る。
クローズドボルト
引き金を引く前に装填まで終わっている方式。ブローバック式以外の形式も用いられる。排莢口が大抵閉じているので銃身に熱がこもる。
激発直前に動くのが機関部のみであることや、引き金を引いてから発射までのタイムラグが少ないことから精密射撃向き。
機関部に細工をしないとフルオート化できない為、民間市場ではフルオート化の改造を取り締まりやすい。
引き金を引くと次弾が装填されるまで自動で動作する形式。
引き金を引くと引いている間発砲と次弾の装填を繰り返す形式。
引き金を引くと「撃鉄を落として発火する」という1アクションを行う。
引き金を引く動作で「撃鉄を起こす」「撃鉄を落として発火する」の2アクションを行う。
撃鉄を起こした状態から安全に撃鉄を落とす動作。またそれを行う機構。
撃鉄を半分ほど引いた際に少し起きた状態。コルトSAAなどスイングアウトできないリボルバーのシリンダー固定を解除したりで用いる。
SA自動拳銃でデコックした際に入る機種もあるがあるが、本来はハンマーのノッチがすり減ってスリップした際の安全装置なのであまり意味はない。
銃種
人間が構えて持てるサイズで作られた長い銃全般。
人間が抱えて持てるサイズの大口径の銃。現在はグレネードランチャーなどに代わり生産されていない。日本では大筒等と呼称。
別系統で発達した比較的大口径の銃。散弾を用いることが多い。
片手で撃つことを想定して設計された銃。最低限の要素だけ備えている。
拳銃弾を使用して連射に特化した銃。小銃然としたものを短機関銃、拳銃から派生したものを機関拳銃(マシンピストル)とする場合が多い。
短機関銃程度の規模だが十分な貫通力などを付与した銃。
基本的には遠距離を狙うための小銃。歩兵用の小銃のうち精度の良いものを用いたり専用設計のものを製造する。
極少人数で要人を狙うなど、運用的に一般の歩兵分隊とは関わらないものであった。
騎兵が使用していた短縮型の小銃。騎兵が廃れたあとは口径を問わず全長が短めの銃の総称となった。
小銃と同規模の弾の連射に特化した銃。2人以上での運用が必要だった重/軽機関銃と、それらの運用もできるが最悪1人でも運用できる汎用機関銃が存在。
機関銃から更に弾を小さくして、持ち運べる範囲である程度の連射性能を維持した小銃。
小規模の兵のグループ(分隊)を火力支援するための武器。よく汎用機関銃が用いられるが、DMRなど支援ができるものならなんでも選ばれる場合がある。
- マークスマンライフル(デジグネイテッドマークスマンライフル/DMR)
狙撃銃よりも歩兵に寄り添った小銃。半自動~全自動かつ比較的高精度であることが求められる。
小口径高速の中間弾薬を採用するまでの歩兵銃に対してそう分類されることがある。突撃銃ではG3やFN FAL、M14など概ね戦後~1960年の銃が該当する。
銃器操作 射撃以外
弾を込める事。薬室に直接/マガジンへ間接/マガジンを銃に装着する事を包括して称する。
装填の逆。
弾倉を交換する事。
自動銃を用いる際、撃ち尽くしてからではなく、まだ薬室に弾が残っている状態で弾倉交換を行うとより早く射撃に復帰できるテクニック。
クローズドボルトの銃にて薬室内に既に弾が装填されているかどうかを確認する操作。機械的なインジケーターを追加する場合もある。
チューブマガジン式ショットガンの場合、リフターの可動部に弾が1発入るスペースが開いている場合がある。その部分に弾を詰めることで1発多く弾を装填するテクニック。想定より装弾数が増えてしまうので、銃規制に合致させるためにできないように加工されていたり可能な場合でも違法な場合が多い。
左右逆に構え、遮蔽から体を出す範囲を狭める技術。
射撃場を安全に保つための職員。射撃インストラクターが務めることもある。
- Range is going Hot/Range is Cold
射撃可能な状況の開始/終了を意味する。レンジオフィサーが宣言する。これを聞くまで許可なく射撃を開始してはいけない。
銃器操作 射撃
照準器を覗かない射撃方法。
立っての射撃。腕と肩で保持するが、骨盤などを利用してより安定して構えることもある。
しゃがんだ状態で片膝を地面につけ、逆の膝と左肘とを当てて固定する撃ち方。
臀部を地面につけた膝撃といった撃ち方。狙撃などでも使用される。
伏せての撃ち方。2脚を使用すれば長時間のフルオート射撃や狙撃にも対応する。
上記の脚や地面など硬いものに銃を置くことで銃を安定させて精度を出す射撃方法。
依託射撃よりも安定した状況(そしてきちんと固定した状況)で射撃する方法。銃本体の精度を測ったり照準器の調整のために行う。
射撃方法。アレと指さすようにし、拳銃では片手で構える。
拳銃の近代的な構え方。両手で構え左右移動や安定性を重視。
拳銃の近代的な構え方。反動の低減を重視。
拳銃の近代的な構え方。超至近など複数の場面を想定。
クリス・コスタ氏によって考案されたライフルの構え方。親指を上に回しハンドガード自体をつかむようにし、銃の操作性やリコイルの低減を狙う。
その他
通常用いる小銃や大型拳銃。
主要武器の補佐。サブウェポンとも。
トリガーを引く際に銃が狙った場所からずれる現象。
トリガーを引く時に力が入りすぎたり、反動を警戒して力が入ったりすると起こる。
エキスパートとなると不発になった時、微動だにしないとか。
意図せずに発砲してしまった点の総称。
意図せずであればトリガーを引いてしまったりしたとしても暴発である。
それ以外ではトリガー以外の要素が問題。シアが削れたりきちんと組み立てられていなかったり、日本陸軍94式拳銃のようにトリガーメカが露出してしまっていたりすると問題となる。
また極稀ではあるが、故障や設計上の欠陥により薬室内が高温になり弾薬が自然発火してしまう「コックオフ」と呼ばれる現象が発生することもある。
逆に意図的に暴発を引き起こす事により本来想定されていない速さでの連射を行うという「スラムファイア」も存在したが、現在では対策が施される場合が多い。
単発式の民間用セミオートライフルなどで、指をトリガーに置いた状態で銃を前方に押し出すように動かして発砲すると、発射の反動で銃が後退してトリガーが指から離れる。
これを利用する事でセミオートでしか発砲できない銃器でも擬似的にフルオート発砲を可能にするテクニックをバンプファイアと呼ぶ。また前後にガタつく構造にする事で意図的にバンプファイアを引き起こす事ができるストックも存在する。
言うまでもなくフルオート銃器の所持規制を回避する為の脱法手段なのだが、これを規制しようとすると規制対象の銃の定義などが根本的に覆る事となるため事実上黙認するしかない状況になっている。
装填、排莢などが正常になされず、それらに対応しないと発射できない状態。以下不発/遅発/雷管突破も動作不良の一種。
雷管の不良などで発砲動作をしたのに弾が発射されない事象。
不発した後遅れて発火する事象。古い弾をそのまま扱うなどした際に発生することがある。
弾薬底部のプライマーが何らかの理由で破裂して穴が開く現象。ハンマーや撃針が強く当たったことで突き破ってしまうケースや、過剰な装薬により異常な高圧が薬莢内に掛かった事で発生するケース等がある。当然高温高圧の燃焼ガスが破断孔から噴き出してくるので、構え方次第では射手が手や顔面に大火傷を負う可能性がある他、内部機構の破損にも繋がる重大事故。
これが起こる前寸前の打ち殻薬莢は、プライマーに撃針が突いた跡が浅くなっている。そうなったらブロー待ったなしなので弾薬は破棄してもうちょっと装薬量を減らした弾薬に切り替えること。
手作業で弾薬を作成する事。競技射撃などの正確さを求められる用途では射撃精度を向上させるために装薬量や弾重量、材質や形状などを緻密に調整したハンドローディング弾を使用する事がある。
弾一発あたりの単価は当然安いが、匙加減を間違えると上記の雷管突破などの重大事故に繋がる危険もあるため、素人にはハードルが高い。
一般的な弾薬メーカーが新品として製造した弾薬。
一度以上使用した薬莢をハンドロードして再利用した弾。薬莢の再利用によりファクトリー弾よりかは安くなるが、ハンドローディングの特徴に加え薬莢が再使用に耐えられるかの鑑定眼が必須となる。
小型の銃を携行するために収める器具。
馬側に装着してレバーアクションを携行したり、アサルトライフルであるAKS-74Uを括り付けたりすることもあるので必ずしも拳銃専用というわけではない。
大型の銃を携行するために取り付けるひも状の器具。ピンと張って射撃時の保持に用いることもある。
弾倉を保持しておくポーチ。即時の弾倉交換を行う際にこれから満タンの弾倉を取り出す。
弾倉交換を行ったあと交換した弾倉をとりあえず入れておくポーチ。
安全な場所で整理する際に、この中に残った中途半端に装弾された弾倉に補充を行い次回の射撃に備える。
射撃の際の的として人間が建ったりしゃがんだりしたときを想定した的。主にバイタルである胸と頭に当てるほど高得点であるという形で印刷されている。
その銃で十分なダメージを与えられる距離。厳密には威力と十分な命中精度を保持できる距離のこと。最大飛距離よりも短くなる。
その銃で弾が飛ばせる最大距離。有効射程以降は当たったとしても軽傷で済む可能性が高くなったり精度の限界で当てられないなどが発生する。
銃身から弾が飛び出す直線。
照準線の延長線。銃身軸との差をサイトパララクスという。
精度の基準としてよく使われる値。例として100ヤードで直径1インチに集弾する場合1MOA、5インチなら5MOAとなる。スコープのメモリなどでも採用される。
MOAのメートル版。例として100mで直径10cmに集弾する場合1ミル、50cmなら5ミルとなる。
照準器を特定の距離に調整する事。また調整された状態。
安価な銃の総称。項目参照。
その他 銃と名がつくもの
名前からしてSFに出てくる光線銃か何かか?と思ってしまうが、れっきとした現実に存在するアイテム。
というかそもそも武器ですら無いが一応。
大雑把に言うと「銃型の個人用推進器」、「手持ち式ロケットエンジン」。
船外活動などにおいて移動用に使用されていた。
追記・修正は愛銃と共にお願いします。
- なぜかなかったので用語解説と歴史をメインに作成しました。 -- 名無しさん (2025-06-28 19:10:08)
- 銃ってかっこいいよな -- 名無し (2025-06-28 19:34:33)
- これはまたコアい項目が立ったものだ。乙です -- 名無しさん (2025-06-28 19:45:10)
- 人類が生んだ弓に次ぐ飛び道具 -- 名無しさん (2025-06-28 21:16:36)
- 女性キャラが使うのも結構ロマンあるよな -- 名無しさん (2025-06-28 21:58:46)
- ためになる項目、細々としたことが分かって助かる -- 名無しさん (2025-06-28 23:15:10)
- 思ったより足が出てしまった…これでいったん追記終了します。 -- 名無しさん (2025-06-29 00:50:34)
- 近現代ではありふれた武器でありながら刀剣ほど単純ではない。故に「知識が必要な武器」。フィクションでも扱い方を間違えると「そのキレイな顔を吹っ飛ばしてやる!!」みたいな変な描写になってしまう -- 名無しさん (2025-06-29 04:53:18)
- 発明時から大きく様変わりしてるけど、『金属の筒に火薬と金属の球(弾丸)を入れて、火薬を爆発させて球を飛ばす』という基本思想は変わってないんだよね。その金属の筒を球の方に付ける(薬莢)という発想が、大きく進歩させるトリガーのひとつになったんだな。 -- 名無しさん (2025-06-29 10:14:07)
- ↑2 日本は銃社会じゃないということも大きいのだろうか。その分、銃犯罪も少ないから喜ばしいことではあるんだけど。 -- 名無しさん (2025-06-29 11:09:27)
- 一昔前のヤクザは違法改造エアーガンが主流だったらしいが、そもそもヤクザが居なくなったんだって? -- 名無しさん (2025-06-29 20:28:37)
- ムービー銃…(龍が如くシリーズ) -- 名無しさん (2025-06-29 22:21:02)
- コナンで知った。風戸は傘でこの問題をクリアしたが、リボルバーの硝煙反応が広範囲渦状に広がり、ズボンや靴に付着して、トップスを脱いだだけでは誤魔化せないと。 -- 名無しさん (2025-06-30 08:10:26)
- フィクションだと大体噛ませ犬みたいなそういう話一切ないのか -- 名無しさん (2025-06-30 09:56:03)
- フィクションの話をするなら日本刀(漫画・ゲーム)みたいにフィクションメインの項目を建てた方が良さそう -- 名無しさん (2025-06-30 10:04:28)
- ↑いつか項目は作りたいですが先に所持や規制についてまとめたいです(作成者) -- 名無しさん (2025-06-30 11:57:46)
- guhnsmith氏。2日で25回の編集はちと多いです。編集ルールに編集回数抑えてね、というのもあるので気を付けて下さい。最悪規制されます。内容そのものは面白いので、そんな下らん理由で規制されんで下さい。 -- 名無しさん (2025-06-30 22:01:56)
- 昔の火縄銃は弓みたいな構え方をしてたらしいけど現代みたいな構え方になったのっていつ頃なんだろう -- 名無しさん (2025-06-30 22:30:02)
- ↑2 すいません、恥ずかしい間違いが多かったので足が出てしまいました。気を付けます。 -- 名無しさん (2025-06-30 23:07:40)
- めちゃめちゃ分かりやすい!ちょうど銃について調べてたんだけど、銃の歴史と必須技術を併せて記載してくれてるものが欲しかったんだ……! -- 名無しさん (2025-07-01 07:59:23)
最終更新:2025年07月16日 20:32