エスタード島(DQⅦ)

登録日:2025/11/16 Sun 00:20ː00
更新日:2025/11/16 Sun 09:50:37NEW!
所要時間:約 9 分で読めます




エスタード島(Estard Island)とは、ゲームドラゴンクエストⅦ』(DQ7)に登場する地名である。


物語のスタート地点で次はウッドパルナ

【概要】


DQ7に登場する島の一つで物語の出発地点であり、主人公キーファ・グランマリベルの出身地。物語当初は世界にはこの島がたった一つ存在するだけであった。

島の南には主人公とマリベルの出身地である小さな漁村『フィッシュベル』、島の西にはキーファの父バーンズ王が国王を務める城『グランエスタード城』とその城下町、島の南西には動物と会話が可能な木こりが暮らしている『木こりの家』、そして島の北には行ってならないと言われる禁断の地『謎の神殿』が存在する。


【地名】


フィッシュベル


主人公とマリベルの出身地である小さな漁村。村の東には村一番の豪邸であるマリベルの実家であるアミット邸がある。

  • ボルカノ/マーレ

主人公の父であり村一番の腕利きの漁師で筋骨隆々の男ボルカノ、その妻であり主人公の母である肝っ玉母さんであるマーレ。ボルカノは漁の前にマーレお手製のアンチョビサンドを食べるのがルーティーンらしい。マーレは出産予定日より4ヶ月以上も早く主人公を産み、主人公はボルカノ&マーレと親子でありながら全く似ていなかったが、これには理由があった。


  • アミット/アミット夫人

マリベルの両親であり、父アミットは村一番の名士で、実質村の村長的な役割も兼任している。アミットはマリベルのことをとても心配しており、物語が進みマリベルの旅仲間だったキーファが完全にいなくなったことが一因であるのか、『いつかマリベルもいなくなってしまうのでは?』とのストレスもあったのが物語中盤*2でアミットが倒れてしまう。アミットが倒れたことによりマリベルはパーティから離脱し父を看病することになり、マリベルが家に留まることによりアミットも落ち着いていったのか、アミットの病状も大幅に改善していくのであった。

一方アミットはマリベルが主人公達と行動を共にしたいことを薄々察しており、ストーリー終盤ではマリベルがパーティーに復帰することを快く容認してくれる。ちなみにマリベルの母であるアミット夫人は主人公のことをかなり気に入っている模様である。アミット夫人の本名は明らかにされていない。


グランエスタード城/グランエスタード城下町


島を治めるキーファの父バーンズ王が住む城『グランエスタード城』とその城下町『グランエスタード城下町』が存在する。

  • バーンズ王

キーファの父であるグランエスタード国王。フルネームは『バーンズ・グラン』。

息子にはキーファ、娘にはリーサ姫がおり、妻は鬼籍に入っている。国民の信頼も厚い誠実な名君で、キーファの腕白な行動に悩みながらも息子の意思を尊重する良い父親でもある。物語が進みキーファが二度と帰ってこない事態になっても、主人公達を咎めることは一切せず、むしろ『よく伝えてくれた』と感謝したり、同じく兄を失い大きなショックを受けたリーサ姫を気遣ったり、城の者にキーファの一件で心配をかけまいと振る舞うなど非常に器の大きい人物。そんな彼だがストーリー終盤で『飛空石に乗りたい』とだだをこねる大人げないお茶目な一面もある。

人を見る目でもあるようでアイラとは初対面でも『どこか懐かしい雰囲気』と後に近衛兵として重用することを決め、全ての石板世界解放後に発掘現場から現代に魔物が出現し人間を襲っているという趣旨のことを主人公達に伝え、その調査を主人公達に要請するなど王として有能であることを伺わせることは多い。わずか50ゴールドと銅の剣一本しか息子に渡さず『それでなんとかしろ』と無茶苦茶言ってくる吝嗇家の国王と、息子を甘やかしすぎて息子をある意味とんでもないモンスターにしてしまったどこぞの国王はこの人の爪の垢を煎じて飲みませんか…?。

3DS版ではバーンズ王の指輪とメッセージを離脱後のキーファに渡すイベントが追加され、その事でアイラがキーファの子孫であることが確定したためバーンズ王にとってキーファを失った悲しみから少しは癒されることとなった。

  • リーサ姫

バーンズ王の娘でキーファの妹である姫。フルネームは『リーサ・グラン

母親を早くに亡くしたことからキーファをが大好きで非常に慕っているブラコン気質な妹で、兄とは対照的に体が弱く自室で過ごすことが多いインドア体質なため、キーファの日常の話を聞くのがとても楽しみにしていた。

しかし、物語が進みキーファが過去の世界に留まり永久にいなくなってしまう一件が発生した際には誰よりもショックを受け、食事もままならずやつれていくなど鬱状態になっていまう。この一件には他人に対して辛辣な態度を取ることが多いマリベルですら『見てられない、キーファを止めるべきだった』と責任を感じる程であった。

後にメルビン加入後にメルビンを連れて行くとリーサ姫が『新しい仲間が増えたことで主人公がキーファのことを忘れてしまうんじゃないか』と心配したような発言するなど、この時期でもキーファを失ったショックからはまだ立ち直れていないことが伺える。

アイラ加入後にアイラと対面すると『キーファと同じ匂いを感じる』とアイラに懐くようになり、アイラを教育係に任命し自身の側近としておきたがるようになる。
リメイク版では前述のキーファのイベントをこなすと、兄の子孫であるアイラを身内と認識するようになる。

ちなみにキーファを主人公とした外伝作品『キャラバンハート』にもほんの少し登場している。


主人公の叔父でボルカノの弟にあたる人物でグランエスタード城下町に存在する借家に住んでいる。働き者のボルカノとは対照的に自堕落なニート生活を送っている人物でグランエスタードのトラブルメーカーと言える人物だが、彼のことを心底嫌っている人物は意外と少ない。

彼の詳細については項目参照。

  • オルカ

グランエスタードの道具屋の息子。

マリベルにベタ惚れしているため、マリベルと行動を共にする主人公に対しては良く思っていない。が、肝心なマリベルからは全く相手にされておらず、マリベルからも『島で唯一ドレスが買える店』の息子だったから仲良くしていたにすぎないと評されており、物語が進み数多くの町が出現したことで『そろそろ潮時』と言われる有様である。

マリベル離脱後に会いにいくと、『主人公がマリベルに振られたから一緒にいないんだろ』みたいな幼稚な推測で勝手に決めつけ、笑い者にしていたため、主人公の仲間であるメルビンやアイラもオルカについては容赦なく酷評するるなど、完全なドラ息子であった。マリベルが離脱した理由は前述の通りアミットが倒れたからである。

こんな人物だがオルカの両親はオルカとは真逆に主人公を気に入っており、逆にマリベルに対して快く思ってない。エンディングでは石板探しの旅に出たらしいが『今更遅い』と彼の父親からも呆れられていた。ある意味ではホンダラ以上にどうしようもない男と思われることも。そもそも彼の存在すら認知せずエンディングを迎えてしまったプレイヤーも少なからずいた模様。

  • ガケっぷちの爺さん

その名の通り、グランエスタード城下町の地下道からいける崖っぷちにある一戸建てに住んでいる老人。本名は不明。

偏屈な老人で町の人からの評判も良くないが、かなり博識な人物であり古文書を読むのが趣味らしい。

キーファが城で発見した古文書を主人公が老人に見せて主人公がキーファの取った行動を老人に説明した所、老人は『王子はボンクラと聞いていたが、ボンクラは城の学者達かもしれん。』と発言した。彼が古文書を解読したことで主人公とキーファは謎の神殿に入ることが出来たため、彼がいなければ主人公たちの旅が始まらなかったとも言えるのでかなりの重要人物である。

実は若い頃は主人公やキーファと同じように外の世界の可能性を信じており、石板の秘密にも薄々感づいていたらしいが、当時の国王であったキーファの祖父に石板を取り上げられてしまったため、結局彼が旅立つことはなく年老いてしまっていた。つまり彼は『早く生まれすぎたエデンの戦士』だったのである。

その為、以後主人公一行の旅には協力的で、自身が出来なかった旅を主人公達に託すことになる。

エンディングではこの爺さんからオリジナル版では作中一と言っていい取りこぼしやすい石板のヒントを聞ける。



木こりの家


島南西部にポツンと存在している木こりの住む家。後にガボもここに住むようになる。

  • 木こり

島南西部にポツンと存在している一軒家に住んでいる木こり。この手のキャラは偏屈であり人間嫌いであることも少なくないが、この木こりは気さくな人物で特にそういうこともなく、主人公達に対しても友好的で上記のオルカとは対照的に本作でも屈指の聖人キャラでもある。

オルフィー編で村の住人達が動物にされて住人達と会話が出来ず行き詰った主人公達に動物と会話が出来るということで力を貸してくれ、主人公達と共に過去のオルフィーにで向かうことになるため、エスタード島の住人ではパーティメンバー以外で過去の時代に行った唯一の人物である。

魔封じの洞窟やデス・アミーゴ戦ではNPCとして参戦してくれる。打撃や防御の他、薬草(ストック無限)を使うことがある。
特にオリジナル版では魔封じの洞窟では呪文が使えず(=ホイミ使用不可&マリベル大幅弱体化)戦力ダウンが著しく回復が薬草頼みにならざるを得ない為、彼の薬草回復を非常に頼もしく思ったプレイヤーも多いであろう。またデス・アミーゴは彼を標的にすることも多く、主人公達への攻撃を肩代わりしてくれることも多いため、いるといないとでは大違いであった。ただし的外れな相手に使ったり自分に使う無駄行動を取ることも少なくないので過信は禁物。

当初はガボの面倒を見る予定であったが、ガボが主人公達のパーティメンバーに加わることを希望したため、ガボの意思を尊重しガボを主人公達に託す。世界が平和を取り戻した後はガボや動物達と楽しく暮らしている模様。

謎の神殿


島の北にある謎の神殿。ゲームでは『なぞの神殿』と表記されている。

島の住人からは足を踏み入れてはならないとされている禁断の地であるが、実は物語の根幹に関わる最重要地点であった。

オリジナル版では神殿の最深部にある石板を置く台座に辿り着く為に幾つもの謎解きをクリアしなければならなかったため、これはプレイヤーにとって賛否両論であり、この謎解きが出来ずにサジを投げてしまったプレイヤーも当時少なくなかった*3

この謎解きがオリジナル版では不評だったのか、リメイク版では大幅に簡略されているが、この簡略化には神殿の謎解きが嫌いではなかったため惜しむプレイヤーも少なからずいた模様。


オリジナル版の謎の神殿で心が折れた方も寧ろ好きだった方も追記、修正お願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/
最終更新:2025年11月16日 09:50

*1 デミーラの世界征服事業は効率重視と考察されている。エスタード島は無人島と認識された時代もあるため、「人間いないなら捨て置いてもそこまで問題なかろう」とでも思ったのだろう。

*2 プロビナルーメンマーディラスの3つのシナリオをクリア後。

*3 オリジナル版が発売された2000年は現在のようにネットが普及していなかったため。攻略サイトを見て攻略というのも現在程容易ではなかった。更にいえばこの謎解き自体答えを知って効率的にやっても30分近く掛かる代物であり、それをセーブ不可能状態で行わなければならないというものである