登録日:2025/11/22 Sat 11:03:10
更新日:2026/08/04 Tue 17:03:55
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40~50万年前、空は割れ、全世界規模の大災害が起こりました。当時生きていた人々は、地球上のあらゆる花々が同時に咲き誇り、その後間もなく、いつ終わるとも知れない豪雨が降り注ぐのを目の当たりにしました。この洪水については、雨が何年も絶え間なく降り続け、水かさが増すにつれて旧世界の多くが洗い流されたと述べられています。雨が止み、水が引いた時、生き残った者たちはそこに残された物をかき集めるしかありませんでした。生存を賭けた争いの中で、これらの人々の文化遺産は失われました。
我々がここで取り組んでいる職務は極めて重要です - 古代から来た強大な存在が我々の世界で蠢いており、それを理解して備える努力を怠れば、我々もほぼ確実に先人たちと同じ末路を迎えることになるでしょう。我々には使命があります — それは未来を護るためだけではありません - 過去を保つためでもあるのです。
必ず職務を成し遂げられるようにしましょう。
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Project PARAGON
SCP Foundation Department of Antediluvian Research
【概要】
SCP-2316や
SCP-3000など数々のオブジェクト記事を手掛けてきたdjkaktus氏によるシリーズ。
『旧約聖書』の創世記をモチーフとし、過去数十万年に渡る様々な種族の歩みを、それに関するオブジェクトを通して描いている。
1つ1つの記事が重厚な物語に沿って書かれているほか、
SCP-073やSCP-140、
SCP-1000といった様々な既存のオブジェクトとも深い関わりを持つ。
報告書に記される、失われた文明の遺物と記録を追い求めて調査を進める職員たちの様子と、時代の生存者たちから語られる在りし日の文明、その様相はさながら一種の歴史小説ともいえるものである。
この世界では、今から40~50万年ほど前、大洪水と呼ばれる世界規模の超常的な災害が発生。
これにより約10年で世界の海面は1.3~2.8kmほど上昇し、地球上の大半の動植物、そして文明に甚大な被害を齎した。
この時点で既に地球上には様々な文明が栄えていたが、この大洪水によりことごとく滅亡。生き残ったわずかな人々も狩猟採集の生活へと移り、結果として殆どの人々から洪水以前の記憶は失われた。
財団世界におけるプロジェクト・パラゴンは、こうした大洪水前時代の遺物や異常存在を研究・分類し、大洪水前時代についての理解を深めるとともに、未だ存在し世界への脅威となり得る大洪水前時代由来の異常存在に対処することを目的としたプロジェクトである。
プロジェクトの管理官はシャノン・ランカスター博士。
なお、パラゴン(Paragon)とは「模範、手本」を意味する。
蜃気楼怪獣ではないし、当然、
地底怪獣でも
冷凍怪獣でもない。
サブタイトルの「SCP Foundation Department of Antediluvian Research」は和訳すると「SCP財団大洪水前時代研究部門」となる。
【世界の歴史】
アウダパウパドポリスとその滅亡
はるか昔、人類は現在のイラク辺りにあった大都市「アウダパウパドポリス」を中心とする社会を築いていた。
そこでは最初の人類にして全ての人類の祖となる人物、アダム・エル・アセムが王として治め、人類やその他の強力な実体が暮らしていた。
ある時、アセムの三男であるセスが父に、夜空の星が欲しいとねだった。アセムはこれを受けて星のうちの一つを取り、それを鉄の王冠とした。
アセムはその冠を戴き、自らを「全ての然るべきものの王」と宣言し君臨した。
しかし、これがアウダパウパドポリスが滅亡するきっかけとなった。
セスの2人の兄、
カインと
アベルはそれぞれ鉄の王冠を欲しがり、互いに相争った。
アセムはカインを追放し、アベルを封印したが、セスもまた王冠を欲しがるようになる。
ある時ついにセスは父が眠っている間に父の部屋に侵入し、王冠を盗んで街から逃走した。
3人の息子の中で最も愛していたセスに裏切られたアセムの怒りはすさまじく、およそ100年に渡り暴れ回り、それによってアウダパウパドポリスは荒廃した。
一方、はるか海を越えた西には、アセムを恐れるもう一つの実体群が存在した。
彼らは俗に
妖精と呼ばれ、人類よりも先に生まれた種族である。
彼らは自然界の神々との密接な関係を有する存在であり、星々と願望成就の神
イア(ティターニア)もまたその一柱であった。
アセムが星を取って王冠にしたことは、妖精たちにとっては自らの崇拝対象の一部を奪われたことに他ならず、またアセムが有していた強力な力を恐れた。
そこで、妖精たちはティターニアに対し、アセムを倒すことのできる存在を願った。
ティターニアはこれを聞き入れ、
「夜闇の子ら」と呼ばれる存在を作る。
夜闇の子らは妖精たちの命令に応じてアウダパウパドポリスに攻め入り、アセムを打倒して連れ去った。
君主を失ったアウダパウパドポリスからは人々が去り、こうして人類最初の文明は滅亡した。
人類はその後アフリカ大陸とユーラシア大陸一帯に分散して住むようになり、いくつかの種に分化した。
アポリオナとダエーワの勃興
アウダパウパドポリスの滅亡から数十万年が経った頃、セスは現在のヨーロッパに当たるオールド・エウロプのとある領主、ハリアンと出会う。
彼は知識への情熱と学びへの欲求を持ち、家族共々穏やかな善人であった。
セスとハリアンはそれまでの日々を語り合い、ハリアンはセスからの信頼を得る。
セスはそれまでずっと持っていた父の鉄の王冠をハリアンに戴冠させ、彼に「暗黒を統べる王」を意味する「アポリオン」の名を与えた。
ハリアンは善政を敷き、間もなくオールド・エウロプ中の諸領主がハリアンの下に服するようになる。
ハリアンが死んで息子が即位すると、セスは暇を乞うて故郷アウダパウパドポリスに帰り、一人で住むようになった。
その後アポリオン王家が治める国アポリオナは拡大を続け、歴代国王は「空の王者」を名乗るようになる。
彼らは次第に諸国に対する征服と略奪を積極的に行うようになり、それを自らの王家の使命とみなすようになる。
一方東の地、現在の中央アジアを中心とする地域では、オールド・エウロプとは別の人類種によって
ダエーワと呼ばれる文明が築かれた。
アポリオナとダエーワはやがて衝突し、すさまじい戦争を何度も行うようになった。
アポリオナのある王、ゾルスはアウダパウパドポリスに進軍し、セスにアセムが持っていた槍を引き渡すよう要求した。
セスは槍は既に失われたと釈明、しかしゾルスは草の根をかきわけてでも見つけてやると脅す。
都市の秘密を守るため、セスは竜のバラタを呼び寄せてアウダパウパドポリスを上空に持ち上げ、遠く離れた極北まで移動させた(SCP-4840)。
夜闇の子らの反抗
一方、アセムの打倒に成功した夜闇の子らだったが、妖精たちは彼らを称えたり賞賛したりしようとはせず、逆に暗闇へと追いやってしまった。
というのも、夜闇の子らは憎むべきアセムら人類とそっくりな姿をしており、また自分たちの神であるティターニアが奪われるのを恐れたためであった。
そうして妖精たちが星々の下で過ごす間、夜闇の子らは暗闇の中で孤独に過ごさざるをえなかった。
ある時、夜闇の子らは夢を紡ぐことのできる妖精カスパンを脅し、ティターニアの元へと案内させる。
夜闇の子らは誰かの夢の中でしか会話をすることができなかったためである。
夜闇の子らはティターニアに「もう独りぼっちは嫌だ」と願った。
これを受け入れたティターニアは妖精を捨て夜闇の子らの女神となり、彼らに自らの心臓を与えた。
夜闇の子らはこの心臓を用いてカスパンらに牢獄を作らせ、アセムを始めとする脅威となる存在を収容、カスパンを看守とした
(SCP-2932)。
またその後、彼らは妖精たちに対して反旗を翻し、妖精たちの国は彼らの攻撃によって弱体化していった。
アポリオナの滅亡
アポリオナの王サルースVIII世は、同盟部族の兵士も動員して大規模な遠征軍を組織、海を渡って妖精たちの国へと向かった。
この遠征軍は4人の伝説的な騎士(勇猛のラハイア、征服者ランスロット、頑強のヘクトール、忠義のオジエ)によって指揮された。
既に夜闇の子らによって弱体化していた妖精たちは首都まで攻め入られ、妖精の王は殺害され、王女は人質としてアポリオナに連れ去られた。
しかし軍の帰途、この妖精の王女はアポリオン王家とその王国に呪いを掛けた。
これにより、まず軍の船団は暴風雨に見舞われ、サルースVIII世は海に転落し死亡した。
軍の帰還後、国の留守を預かっており父の死を受けて即位したサルースIX世は妖精の王女を鉄の墓所へと幽閉し、地下深くに埋めさせた。
しかし王女の呪いはこれに留まらず、様々な災害としてアポリオナを襲った。
しばらくは4人の騎士の働きもあってなんとか抑えられていたが、やがて呪いは騎士たちにも牙をむく。
彼らは異形の魔物へと変化させられ、あるものは魔物として追い立てられ、あるものは衝動のまま突き進んで姿を消し、あるものは王に慈悲を乞うたが斥けられ、あるものは恐怖に駆られて逃亡し、4人全員が国を離れることとなってしまった。
更に王国に大いなる冒涜者たちと呼称される災厄が襲い掛かる(SCP-4812)。
第一の「冒涜の抑圧者」ヴィニュヴィネクスはサルースIX世の幼い娘の命を奪い、
第二の「冒涜の堅牢」ラメネラントはアポリオナ各地の町や村に甚大な被害を及ぼす。
そして最後の「冒涜の闇」ヤシュによってアポリオナの首都ハイ・アポリオナはサルースIX世や住民ごと飲みこまれて消滅、アポリオナは滅亡した。
夜闇の子らの侵略、花の日、そして大洪水
アポリオナが滅亡して間もなく、夜闇の子らが海を渡って人類の暮らす地域へと侵攻。
オールド・エウロプのみならず、その東のダエーワの領域まで進出し、多くの人類を捕虜とする。
捕虜とされた人類は夜闇の子らの本拠地にあるティターニアの身体がある所まで連れてこられ、同じように捕まっていた妖精たちと共に、会話をするために夢を見せられたり、贄として捧げられたりした
(SCP-6666)。
花の日の翌日から、世界中で雨が降り続け、海や川はどんどんその水嵩を増していった。
こうして発生した大洪水は世界中を襲い、あらゆる文明を飲みこんでいった。
夜闇の子らも例外でなく、更に彼らの多くはティターニアの元にやってきた太古の魔と化したヘクトールがティターニアを使って発生させた毒霧により、半永久的に眠らされることとなった。
大洪水の後
水が引いた後、生き残った人類と妖精たちはそれぞれ自分たちの生活へと戻っていった。
人類のうち一部を除き生き残った種族はHomo erectus(原人)、Homo neanderthalensis(ネアンデルタール人)、Homo sapiens(現生人類)の3種のみであった。
また、セスは人類に特定の過去を思い出す能力を失わせるため、自ら編み出した強力な反ミーム効果を世界的に展開。
これにより大洪水前時代の記録は覆い隠され、人々はかつての時代の記憶を忘れていった。
それと共に文明レベルも低下し、多くの人類が狩猟採集の生活へと戻っていくことになる。
時は流れ1933年、イギリス人飛行士が偶然天空のアウダパウパドポリスを発見。
その後財団の管理下に置かれ、後の「プロジェクト・パラゴン」に繋がる研究が始まることとなった。
【太古の種族】
太陽の子ら/Homo aeturnus
アダム・エル・アセムを祖とする最初の人類で、後の人類全ての祖先となる種族。
アウダパウパドポリスを中心として暮らしていた。
アセムの影響の下、生得的な奇跡論能力(つまり、生まれながらに魔術のようなものが使える)を持っていた。
アセムが夜闇の子らに連れ去られ、失踪すると、アウダパウパドポリスを放棄して離散。
アセムとの奇跡論的な繋がりを失い、様々な種へと分化していった。
なお、「太陽の子ら」という呼び名は、彼らの子孫である現生人類を含めた人類全体を指す場合もある。
星辰の子ら/Trans stellaris
いわゆる妖精。人類よりも早く誕生し、独自の文明を形成していた。
自然界に存在する基盤的な奇跡論と本質的に結びついており、ティターニアや地母神ガイアなど、特定の強力な崇拝対象群(つまり神々)の影響力に由来している。
彼らはヒトより小柄で脆弱である一方、非常に長生きする。
夜闇の子ら/Homo nocturnus
そのものずばり、
ビッグフットことSCP-1000。
アセムを滅ぼすため、妖精たちの願いによりティターニアが創造した種族。
全身に長い毛が生えているヒトとは似つかない容姿をしているが、妖精たちにとっては「人類とそっくり」であり、それ故に嫌悪されることとなった。
声帯の構造がヒトや妖精とは異なるため通常の方法では会話することができず、他人の夢の中でのみ会話することができる。
SCP-6666の描写や歴史的文献からは、人類や妖精に対する激しい敵意を持っているとみられるが、SCP-6765-Cのように友好的な個体も確認されている。
彼によれば、彼らには
「夜闇の最後の王」と呼ばれる集合意識が存在するらしいが……?
【人物・団体】
アダム・エル・アセム
最初の人類にして、アウダパウパドポリスの王。『旧約聖書』におけるアダムに相当する。
強大な力と奇跡論を扱うことができた存在で、自らの手で最初の都市アウダパウパドポリスを建設した。
ここには人類のみならず様々な強力な実体が存在していたが、彼ら全てを従える力と権威を持っていた。
鉄の神を壊したのも彼の手腕によるものらしい。
しかし、セスに請われて星空を見上げた時、彼は「これが自分のものであればいいのに」という悪徳、つまり羨望の念を抱いた。
この感情のままに彼は鉄の王冠を取り、それが元となりアウダパウパドポリスは滅んでしまうこととなった。
夜闇の子らに倒された後は
SCP-2932の中に拘禁されたが、2015年に独房の入り口が崩壊した際には既にいなくなっていた。
現在でも彼は財団のあずかり知らない所で生きているのかもしれない……
アセムの長男と次男。
アウダパウパドポリスにて、アセムと共に鉄の王冠の所有権を巡って争うことになる。
セスによれば、カインとアベルは王冠を巡って都市の丘の麓で争う最中、アベルがカインに和平を申し出た。
しかしカインはその瞬間、拾った石でアベルを打ち殺してしまった。
突発的な行動だったようで、次の瞬間には自分の行った行為に絶望し泣き始めた。
カインによるアベルの殺害を知ったアセムは怒り、カインの両腕を裂き、自らの周囲で大地が穢される呪いと、決して忘れることができない呪いをかけて追放した。
その後アベルはアセムによって蘇生されたが、アベルの感情は凄まじい憎悪で埋め尽くされており、アセムは嘆きながら石の墓に彼を納めた。
後にカインは、セスに謝ることができればと語っている。
セス/SCP-4840-A
アセムの三男で、カインとアベルの異母弟。『旧約聖書』ではセトに相当する。
兄2人と異なり、アセムが自身の肋骨から生み出した女性「イヴ」との間にできた子である。
イヴはセスの出産時に体力を消耗して衰弱、そのまま帰らぬ人となった。
そのため、セスは「本当の意味では母を知らない」という。
星を父にねだったり、王冠を盗んだり、その王冠をアポリオン王家の祖となる人物に譲ったりと、
大洪水前時代においてなにかときっかけを生み出している人物。
現在は天空に浮かぶアウダパウパドポリスに暮らし、財団による収容に協力し情報提供を行っている。
アポリオン王家
セスによって与えられた鉄の王冠を代々継承し、オールド・エウロプ一帯を治めた王家。
「フォン・アポリオン」という姓を名乗り、
アイダス・フォン・アポリオンI世の代からは「空の王者」という称号も名乗った。
その征服と統治において、多大な奇跡論的権威を使っていたことが知られている。
SCP-4840の注釈において、「アポリオン王家」と通称されているSCPオブジェクトが存在することが示唆されているが……?
伝説の四騎士/太古の魔
アポリオナ王国の末期、サルースVIII世とサルースIX世の二代に仕えた、「伝説」と称される4人の騎士。
通常アポリオナでは臣下による偉業であっても「王あっての偉業」とされ、王の権威がかなり高くおかれていたが、この4人はその例外となった。
その一方で妖精の王女による呪いを受け、その結果耳、鼻、口が消失し眼が6つになった顔と6本の腕を持つ巨人という異形、太古の魔へと成り果ててしまった。
「太古の魔」としての彼らは「魔性の○○」と称される。
・ラハイア/SCP-2254
「勇猛」と称された剣士。虚勢をはり、攻撃的で尊大であったが、その言動に見合う実力をみせていた。
一方で好色家でもあり、「卿の刃は万の人を屠ったが、更に万を伏せさせた。」といわれた。
ラハイアは妖精の王女により情欲の呪いを受け、男も女も獣も関係なく強姦し、人々を「破裂」させた。
最終的には完全に魔物となり、軍によって海へと追い落とされた。
・ランスロット/SCP-4840-B
「征服者」と称された戦士。得物は黒い鎚鉾(メイス)。
ただの脳筋ではなく優れた指揮官にして戦術家であり、彼の軍勢は現在のイラクからイエメンまでの征服に成功している。
ランスロットは妖精の王女により憤怒の呪いを受け、道中を破壊しながら北東に逃走。
途中で「冒涜の堅牢」ラメネラントと戦い、これを東方へと追い払った。
「頑強」と称された戦士。槍を得物とし、王の忠実な護衛として働いた。
4人の中では最も忠誠心にあふれており、妻たちにも見向きもせず、サルースVIII世が海に落ちた時は我が身も顧みず助けようとしたほど。
ヘクトールは妖精の王女により苦悶の呪いを受け、王から非難を受け追放された。
しかしそれでも忠誠心は欠かさず、ついにティターニアの居場所までたどり着き、夜闇の子らを休眠させた。
・オジエ/SCP-6765-D
「忠義」と称された神学者。ヘクトールの方がそれっぽくない?
SCP-6765にて信仰の騎士として叙されたと本人が語っており、時を経て「信仰」が「忠義」へと置き換わったか
太陽とアセムの残した光への彼自身の信仰に対する忠義を指しているものとも捉えられる。
他の3人と違い武勇に秀でていたわけではなく、彼の本業はアセムの神性の残滓に関する研究であった。
異教徒であったことから王家の神性を第一とする国教勢力からは弾圧されていたが
オジエが真の奇跡を示した際に居合わせたランスロットを始めとした周囲からの庇護もあり
研究を続けることができたほか、後にヘクトールにより騎士に推薦された。
オジエは妖精の王女により絶望の呪いを受け、変貌が始まったその夜のうちに早急に東へと逃走。
その途中でダエーワのマリドラウグ家と出会い、当主レリヴァインの魔術によって魔物化へのプロセスが中断。
結果として彼は半分変形しながらも自我を保ち、現在に至るまで財団を含む他者とのコミュニケーションが可能となっている。
ダエーワ
他のカノンと同じく、基本的に女権社会であり、
緋色の王との関わりを持っている。
特に後者は、ダエーワに由来するSCP-6765の報告書の後半において重要なキーワードとなってくる。
マリドラウグ王家
ダエーバイトの王族の1つ。ダエーバイトとしては珍しく家父長制を敷いていた。
初代のモロス王は「狂王」と呼称され、積極的な拡大政策を行っている。
SCP-6765はこの王家に由来する。
その住民は夜闇の子らの襲撃の後に突如として失踪したとされていたが……
・レリヴァイン/SCP-6765-B
マリドラウグ王家の領主。
出生名はレラエアであり、本来は女性であるが、この国は女性であっても男性として領地を治めることを期待されていた。
アウダパウパドポリスで他の2体の実体と共に乗り込んできた魔性のランスロットを倒したり、
魔性のオジエを領地に案内し魔術により魔物化の進行を阻止したりしている。
後述の
SCP-343の魔術の師匠でもあった。夜闇の子に体を二つに割かれて死亡した……と思われていたが、プロジェクト・パラゴンの記録と照らし合わせると、"この時点"では、まだ生存出来ていた模様。
SCP界隈ではお馴染みの自称「神」。本名はマテュー。
このシリーズにおいては、SCP-343は大洪水前時代において秘術師として生きていた。
母の没後故郷を出てマリドラウグの地に辿り着き、そこでレリヴァインに師事しマリドラウグの宰相となった。
夜闇の子らに連れ去られ、そこで「花の日」と大洪水を目撃する。その模様は
SCP-6666の報告書中のインタビューにて語られている。
【プロジェクト・パラゴンに属するオブジェクト】
2025年11月現在、6つのオブジェクトがプロジェクト・パラゴンの管理下に置かれている。
奴らを前にしたお主らは、波に攫われる砂粒のようなものじゃろう。
ペルー中東部にある大規模な有機的構造体。
夜闇の子らがティターニアの心臓(SCP-2932-2)を用いて作らせた異常存在の収容所で、
妖精カスパン(SCP-2932-A)が看守を務める。
詳細は項目参照。
SCP-4812 - 憤怒
「憤怒、憤怒、憤怒。」
妖精の王女がアポリオン王家とその王国を滅ぼすために呼び出した3体の異常存在、大いなる冒涜者たち。
強力な吸熱作用を持つ大型の人型実体、「冒涜の抑圧者」ヴィニュヴィネクスことSCP-4812-E、
空飛ぶ巨大な人面サソリ、「冒涜の堅牢」ラメネラントことSCP-4812-K、
そして視認したあらゆる生物を即死させる「冒涜の闇」ヤシュことSCP-4812-Sである。
また、これらの異常存在に関する文書やアーティファクト群(SCP-4812-1)も存在する。
なお、これら大いなる冒涜者たちを生み出した妖精の王女は……
SCP-2254 - 魔性のラハイアと情欲の谷
兄弟について話す時の彼は全然笑顔じゃありません。
アメリカのアラバマ州の町に収容されている巨大な非実体存在。
伝説の四騎士の1人魔性のラハイアの成れの果て。
若い人間に認知改変によって性行為を行わせ、時に異常な個体(SCP-2254-1)を出産させる。
ちなみに、これは当初大洪水前時代に関与するオブジェクトとは考えられていなかった。
ぶっちゃけ他3人と比べるとだいぶ情けない。
SCP-4840 - 魔性のランスロットと空中都市アウダパウパドポリス
そうだ、かつてはセスだった。俺は既に名を失ったのだ。
ロシア北極圏の上空に浮かぶ空中都市、アウダパウパドポリス。
そこに住むアセムの三男セス(SCP-4840-A)と、都市に横たわる伝説の四騎士の1人、魔性のランスロット(SCP-4840-B)。
1933年にこのオブジェクトが発見されたことが大洪水前時代に関する研究が始まるきっかけとなった。
SCP-4840-Aの語る話と、都市の構造部に描写された図像は、大洪水前時代について見識を深める重要な情報源となっている。
図像からは財団の知る様々な異常存在との関わりが示唆されている。
なお、SCP-4840-AはSCP-4840-Bを「死んでいる」と説明しているが、未だに熱を放出し続けており……
SCP-6666 - 魔性のヘクトールと恐怖のティターニア
我が声を聞け、悍ましきティターニア。我が声を聞き、震えるがいい。
アマゾン熱帯雨林にある巨大な植物型実体。未だに成長を行う女神ティターニアの遺骸。
伝説の四騎士の1人魔性のヘクトール(SCP-6666-A)がおり、ティターニアを制御下においている。
詳細は項目参照。
SCP-6765 - 魔性のオジエとマリドラウグの血の玉座
「私はオジエ、サルース・フォン・アポリオンIX世の騎士です。」
中国が実効支配するアクサイチンにある湖の下にある、巨大な構造物の複合体。
また、ここには巨大な機械(SCP-6765-A)に座るダエーワの魔術師、レリヴァイン(SCP-6765-B)、
友好的な夜闇の子で他2人を世話するジャヴェール(SCP-6765-C)、
伝説の四騎士の1人、魔性のオジエ(SCP-6765-D)の3体の異常な実体が住む。
これらの実体やアーティファクトからは大洪水前時代に関する更なる多くの情報を得られたが、
やがてSCP-6765-Bの様子がおかしくなってくる。
どうやら地下深くに存在する敵対的存在、SCP-6765-Eが影響しているようで……
【その他の関連するオブジェクト】
声を聴いた女性を不妊症に、一部を除く男性からキメラ生物を分離させる人型実体。
その名前は伝承におけるアダムの最初の妻に由来する。
本シリーズにおいて、アセムの最初の妻にしてカインとアベルの母の名はリリスとされており、
SCP-4840にある図像の描写のうち「身体に1匹の蛇を巻き付けた裸の女」の部分にはSCP-336へのリンクが貼られている。
セスによれば、アウダパウパドポリスに生まれた最初の男女は皆リリスの子だったが、
彼女はしばらくして都を去り、世界の奇妙な場へと姿を消したという。
SCP-4008 - 苦蓬
特定の文明を歴史上の記録から丸ごと抹消することのできるオブジェクト。
本シリーズにおいては、
夜闇の子らによる文明が開発した兵器であり、
SCP-6666に起源を持つとされる。
大洪水前時代の歴史が殆ど知られていない原因の一つに、このオブジェクトが関与している可能性がある。
最初に大洪水前時代について研究していたオスロ委員会と、SCP-4008の研究をしていたプロジェクト・アトラスとが統合し、プロジェクト・パラゴンが発足した。
SCP-001 リリーの提言 - うつくしい世界へ
世界が滅亡する24時間前に発生する、地表を花が覆い尽くし、天候は晴れ渡る現象。
プロジェクト・パラゴンのハブページにおいて、言及されているアイテムの1つとされている。
大洪水が始まる前日、
SCP-343によれば「
太陽が林冠から顔を覗かせ、全ての花々が一斉にあらゆる場所で咲き乱れ」た。
この
「花の日」の描写は、リリーの提言で発生する現象と酷似しており、
ある意味では大洪水により
世界は一度滅んだといえる。
SCP-3790 - 怪奇部門
ロンドンにある放棄された倉庫の地下にある構造物。
ここへ向かう階段の終端にあるドアには「SCP財団 怪奇部門」と書かれたプラカードが取り付けられている。
「怪奇部門」の名は他の複数のオブジェクトにも登場しているが、財団がこれまでに怪奇部門を有していたという記録は存在しないという。
構造物は7つの階層にわけられており、それぞれの階層には複数の収容室のような部屋がある。
そのうち到達可能な最深層である第六階層の4つ目の部屋のドアにはアポリオンの冠と書かれたプラカードが取り付けられており、
更にはドアの外装は何かが入室を試みたかのような引っ掻き傷で覆われている。
また、プロジェクト・パラゴンのハブページにあるタイムラインによれば、
財団監督者により到達困難だった第七階層の調査が開始されており……
2025年11月時点で、4人の太古の魔に関するオブジェクトまでは登場しているものの、
未だ明かされていない情報も存在しており、今後の更新も期待されるシリーズである。
追記・修正は大洪水前時代の歴史を解き明かしながらお願いします。
- 遂に出来てしまいましたか。このまま関連オブジェクトの記事も追加していきたいですね。あと、SCP-5935は番外編みたいなものなので追記しなくても良いですか? -- 名無しさん (2025-11-22 21:18:42)
- 最近気になってた記事群だから助かる -- 名無しさん (2025-11-23 13:25:42)
- ちらほら名前は出てたけどこういう話だったのか。伝説の四騎士が史実の英雄と同名なのは何か世界観的な理由があるのかな。 -- 名無しさん (2025-11-23 17:49:27)
- ↑伝説の四騎士が名を残したが故に史実の英雄がそれにあやかって名付けられたっていう感じの逆の順序だったような。まぁ史実が生まれるころには失伝していて名前だけ残っていた感じやろうけど。 -- 名無しさん (2025-11-23 21:11:19)
- SCP使った神話みたいなもんだよねこれ。色々と熱量が凄いシリーズで好き -- 名無しさん (2025-11-24 22:10:32)
- ななしぃさんの動画を見て以来、ずっと好きな作品 -- 名無しさん (2025-11-30 17:02:23)
- 有名どころの神様や要注意存在のほとんどを配下にしてたアセムというSCP界の頂点 -- 名無しさん (2025-12-03 10:12:19)
- SCP-6765でサルースⅨ世の駄目さが補足されててちょっと笑った。赤の王と抑圧者の封印経緯が似通ってるけどどっちも同じ人物が戦ったのかな? -- 名無しさん (2025-12-17 18:24:39)
- 読み進めていくとセスも結構信頼できない語り手なんだよな。悪意はなくて単に忘れてたり勘違いしてるだけかも知れんけど -- 名無しさん (2026-05-19 10:16:26)
最終更新:2026年08月04日 17:03