登録日:2011/06/22(水) 22:14:09
更新日:2025/04/17 Thu 15:40:41
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バラゴンは東宝の怪獣映画に出てくる怪獣である。
【概要】
中生代の大爬虫類「バラナスドラゴン」の末裔。
日本で初めて地底怪獣と名付けられた怪獣であり、また、直接の描写は無いが明確に人を食べた初の怪獣でもある。
昭和から平成までの作品に出演していることや正統派なデザインから、知名度・人気ともにそれなりにある怪獣である。
活躍
初登場の作品である。
赤色熱線を吐いたり、角を光らせたりと言った能力を持つ。
最初は
秋田の石油採掘施設を地下から壊滅させた。その後は南下し、トンネル崩落を起こした際にも目撃されている。
また、時折地上に現れては民家や山荘を襲い、
家畜や人間を食べていた。
フランケンシュタインを追いかけるボーエン博士達を襲うが、フランケンシュタインに妨害され戦う。
意外に素早く、口からの熱線や地中からの奇襲で戦うが、最期はフランケンシュタインに首を折られて死亡した。
オリジナル公開版では、フランケンシュタインはバラゴンが地中を移動する際に掘削で生じた空洞によって起きた地盤沈下のため、その陥没に巻き込まれて生き埋めになり、絶命する。
また、これとは別に「フランケンシュタインがバラゴンを抱え上げたまま地割れに呑み込まれる」
別エンディングが存在しているとも噂されており、「実際に見た」という人の証言も多いが
特技監督はDVD版のオーディオコメンタリーでその存在を否定している。
しかし、2016年12月11日にシネマノヴェチントに出席した当時助監督を務めた中野昭慶は「海外版を用意しなければいけなかった状況の中、バラゴンを持ち上げたまま沈むシーンをパターンの一つとして撮影した記憶がある。」と発言している。
木村武によって執筆された『フランケンシュタイン対ゴジラ』と題した検討用台本では、ラストシーン以外のストーリーはそのままに、ゴジラがバラゴンの役割として登場する予定だった。
写真では大抵2足歩行だが、劇中では基本的に4足歩行である。
設定、見た目は「フランケンシュタイン」時と同じである。怪獣ランドに他の怪獣共々過ごしていた。
キングギドラ戦には参加せず。
一度
ネロンガに改造された着ぐるみの復元が遅れた関係で、予定されていた出番をすべて
ゴロザウルスに奪われた。
この無念は少し違った形で2015年放送の『
ウルトラマンX』アバンにて晴らされることに…なった?
【ゴジラアイランド】
当時すでに商品が出ていたため、「特撮パートはソフビ人形を役者に仕立てる」という変わった撮影形式の本作にも出演。
この時点でゴジラと共演した作品がオールスターものの『総進撃』しかなかったせいか、アイランド在籍怪獣の中ではゴロザウルス同様に扱いはイマイチ。2名で長いものには巻かれとけな行動をとった(=アイランド陣営を一回離反したうえで復帰した)ことまである。
とはいうものの何もしていないわけではなく、本作におけるラドンの住処であり、かつほかの怪獣たちにとっては湯治場として利用される「ラドンおんせん」はバラゴンの採掘で整備されたもの。
また最終章にあたる『G島の秘密編』・『完結編』の2章はそもそも、バラゴンが古代文明のタイムカプセルを掘り当て、それをGガード基地に持っていこうとしたことから始まっている。
後半の章だと戦績もイマイチだが、『スペースゴジラの悪霊編』ではスペゴジに憑依されて暴走したゴジラを押しとどめることに成功している。
次の『大怪獣総攻撃』が正直相手になってなかったことを考えると、最も戦闘力が強いバラゴンはこのときの個体だろう。
身長:30m
体重:1万t
本作では設定が大幅に変わり、護国三聖獣の地の神
婆羅護吽として登場した。
だったらタイトルに入れてやれ。
新潟県妙高山に眠っており、狛犬のモデルともいわれる。
ゴジラに呼応するように目覚め、暴走族を巻き添えにした。箱根でゴジラと戦闘、地中からの攻撃等で奮戦するがゴジラのパワーには敵わず敗北する。
初代と違い熱線は吐けなかった。
「地味だから」と理由でモスラとキングギドラに差し替えられた
アンギラスとバランと違い、唯一初期案から続行してる。
基本的なデザインは同じだが、体色は赤く、ゴジラより小さい。このため戦闘はバラゴンに同情を誘うのだが、仕掛けたのはバラゴンである。
スーツも小さめに作られ、
ゴジラシリーズには珍しい女性スーツアクターが担当した。また、大きいスーツも作られ、そちらは男性アクターが担当した。
【GODZILLA 怪獣黙示録】
2030年、
アメリカ合衆国西海岸にバラン、アンギラスと共に襲来。
既に人類は一度彼らの別個体を撃滅しており、万全の態勢で迎え撃とうとするものの、アメリカ軍は彼らが接近するに連れて不審に思うようになる。
三体の怪獣はいずれもズタボロに出血・欠損しており、どの国の軍隊からも彼らに攻撃した情報は入っていなかった。
にもかかわらず彼らは、完全武装した軍隊の弾幕に「全速力で」突っ込んできたのである。
…そう、彼らは「逃げていた」のだ。
やがて人類文明を滅ぼすこととなる、
その恐るべき
「破壊神」の元から。
その日、三体の怪獣は跡形もなく消し飛ばされて死滅した。
「ロサンゼルス」という、町と共に。
【余談】
「ゴジラアイランド」でも登場、ゴロザウルスと組むことが多い。
【バラゴン5変化】
初代バラゴンの着ぐるみはその後製作が始まったウルトラシリーズに貸し出され、様々な怪獣へと変化した。
『
ウルトラQ』に登場。高山良策氏によって着ぐるみ全体に布を巻き、その上から新たに皮を張った。そして新造の頭部をすげ替えた。
着ぐるみ全体に皮を張ったのは、借りていたバラゴンの着ぐるみを傷つけさせないためである。
そのためかウルトラシリーズのバラゴンの着ぐるみを利用した怪獣は、バラゴンよりボリュームが増して柔らかそうである。
『
ウルトラマン』に登場。背中の配色を替え、新造の頭部を付けて完成された。
黒いトゲだらけの皮を張って完成。色なんか塗ってたら塗り直しに手間がかかるため、上手い手段である。
本編撮影前にマスコミ向けの特写会で披露された時の写真を見ると頭部はおそらくネロンガのものの改造。
ちなみに『ウルトラマンX』にて彼が凱旋門の前から現れるシーンがあるが、理由はおそらく上述の通りである。
マグラーから皮を剥がし、襟巻きを付けて完成である。襟巻きによりこれまでの怪獣とも差別化されている。
また、鳴き声も違う。
◆その後
その後はアトラクション用にネロンガに再改造され、地方巡業やテレビ出演等に使われたが、『怪獣総進撃』に出演が決定し元のバラゴンに戻った。
皮を張って使ったおかげで、酷使した割には着ぐるみは無事だった。
が、着ぐるみの用意が間に合わず、予定されていた出番はゴロザウルスに奪われた。
『ウルトラマンX』第1話ではマグラーが『怪獣総進撃』のゴロザウルス出現シーンのオマージュを行っており、この事情を踏まえたネタであろう。
流れとしては
バラゴン→パゴス→ネロンガ→マグラー→ガボラ→アトラクション用ネロンガ→バラゴン
となる。多分もっとも改造された着ぐるみの1つであろう。
映画『
シン・ウルトラマン』ではこの改造の流れを話の流れに組み込むという、知っている人からするとニヤリと出来るネタがある。
また、『
ウルトラマンアーク』第9話でもこの4体が共通の祖先から進化した可能性が高いと言及されている。
ネロンガとパゴスは仲が悪いらしく、作中ではこの2体の縄張り争いが描かれたことで、バラゴンの着ぐるみから派生した怪獣同士の共演が実現した。
『GMK』では狛犬のモデルともいわれるが、実際に狛犬がデザインモチーフの一つといわれている。
他には叙事詩『狂えるオルランド』でオルランドが錨を武器に戦う
オルクとの類似を指摘する声もあるとか。
GMKバラゴンに萌えたあなたに追記・修正をお願いします
- コイツの鳴き声ものちの怪獣たちに頻繁に流用されてたな。 -- 名無しさん (2013-11-02 19:42:56)
- パゴスはウルトラマンマックスの「怪獣はなぜ現れるか」にも出す予定があったけど、諸事情でゲロンガに変えられたんだっけ。 -- 名無しさん (2014-06-03 14:48:58)
- ↑パゴスの回の脚本書いた山田正弘さんが亡くなられたからスタッフが勝手に出す訳にはいかないって判断したからだよ -- 名無しさん (2014-07-07 20:00:00)
- なんとなく、~ケラトプス科の恐竜に似てるような気がする -- 名無しさん (2014-08-19 13:18:04)
- ガボラの回は当初パゴスを出す予定があったけど、何かの理由で代えられたんだよな -- 名無しさん (2014-10-10 11:07:30)
- ↑一説にはパゴスの首が破損したんじゃないかってどっかで聞いたよ -- 名無しさん (2014-11-02 21:09:25)
- パゴス、ネロンガ、マグラー、ガボラはそれぞれバラゴンの進化形態に見える。 -- 名無しさん (2014-11-02 21:13:17)
- 当時の新聞だか雑誌だかに怪獣ブームに関する記事が載ったが、「バラゴンとバルゴンのようにそっくりな名前の怪獣まで出てくる始末である」と書かれていた -- 名無しさん (2014-11-02 21:30:00)
- 初の地底怪獣ェ… -- 名無しさん (2014-12-02 17:31:42)
- 日本初の巨大ヒーロー(?)に倒された怪獣 -- 名無しさん (2014-12-18 08:34:18)
- あの耳みたいな部分地中で邪魔じゃないのか -- 名無しさん (2015-01-25 20:38:27)
- 子供の頃から大好きな怪獣。設定も面白いし、いっそこいつをメインにした作品でも出てくれれば嬉しいけどな -- 名無しさん (2015-12-19 18:48:44)
- ↑2 掘った土を後方にかき出すための器官という説を『宇宙船』の連載で酉澤安施さんが唱えてたな。角竜のフリルが進化したものという解釈はなかなか面白かった -- 名無しさん (2016-10-21 16:52:32)
- 今日、プレミアムバンダイ怪獣番外地のバラゴン(ソフビ)が届きました。 これが再現度が高くて、おまけのフランケンシュタインの手もなんかいい感じです。 -- 名無しさん (2019-01-31 21:33:14)
- ↑12 そして「ウルトラマンタイガ」でようやく再登場。しかも強い -- 名無しさん (2019-09-16 08:42:52)
- ネロンガ、マグラー、ガボラの頭部は角やトゲを付け替えてるけどパゴスだけは別なんだっけ -- 名無しさん (2019-11-14 22:43:22)
- PS2版のゴジラ怪獣大乱闘では、攻撃力が低いかわりに登場怪獣の中でもトップレベルのフットワークの持ち主。 -- 名無しさん (2020-02-19 11:54:40)
- ↑バラゴンだけやたら地上での機動力高くて他の怪獣より速さが一回り違うっていう位置付け、逃げ&地中に潜って奇襲するチキンプレイが中々にウザ強くて好印象。 -- 名無しさん (2020-03-01 21:40:03)
- 二次ではバラナスドラゴンとしてパゴス、ネロンガ、マグラー、ガボラの始祖として扱われることがしばしばある。シンウルトラではまさかの登場も? -- 名無しさん (2021-03-29 23:08:56)
- フランケンの貧弱な腕で首をへし折られたのがいまだに納得いかない。 -- 名無しさん (2021-03-29 23:13:02)
- 昭和40年代の怪獣図鑑ではコイツは載っていても主役のはずのフランケンはなぜか載らないことが多く、ガキの頃のおいらは半ば包帯でぐるぐる巻きにされ、洋服を着こんだマッチョなフランケンを妄想していたものです。 -- 名無しさん (2021-04-02 21:04:17)
- シン・ウルトラマンバレ こいつ自体は出てこなかったが、パゴスまで登場。地球の古代生物バラナスドラゴンを人工的に品種改良、改造したという裏設定があるかもしれない。 -- 名無しさん (2022-05-27 09:04:53)
- 主に240b:13:2900:9a00:~によるWikipediaとPixiv百科事典から丸写ししていた記述を削除 -- 名無しさん (2023-05-28 12:11:54)
- ウルトラシリーズの世界にもバラナスドラゴンがいた可能性が大。故にその説を提唱した博士は自分も好きなだけにつらかった。 -- 名無しさん (2024-09-13 14:59:23)
最終更新:2025年04月17日 15:40