脂身

登録日:2011/11/01(火) 13:34:58
更新日:2023/02/11 Sat 13:37:14
所要時間:約 3 分で読めます





脂身とは、肉の中の脂肪分の部位である。
脂とは、水とは相分離を起こす、疎水性の物質を指す。

生物学的には、筋肉等を作るたんぱく質に対し、身体に蓄えられる脂肪とは、謂わば非常食の役割を果たす。
長い間、食物を摂取出来ない状況に生き物が置かれた場合、この部位を使って身体の機能を稼働させるエネルギーを作り出し、生き残ろうとするわけだ。

遭難やらで何日もご飯が食べられない状況にある場合は、太っている人が生存率が高いとされる。














そして、この脂身こそは、多くの人を魅了して止まない、魅惑の食べ物なのだ。
トンカツステーキの端の部分をつまんで食べる場面を想像して欲しい。
心地よい弾力が歯に伝わり、ふっつりと噛みしめたその瞬間に、じゅわ、と広がる旨味…そして、すかさず白いご飯をかきこむ…
もう、死んでもいい。
ヒレカツ?フィレステーキ?
何それ?

にくづき(月)と旨いと書いて、「脂」なんだぜ?
旨いものには脂があるのだ。

魚の脂身も見逃せない。寒ブリ、サバ…。
そして、忘れちゃいけない、マグロのトロ…。
かつての日本人は、脂を食べる習慣が無かった為、これらの部位は「アブ」と呼ばれ、捨てられていた時代もあった。
江戸っ子が、脂の乗った戻りカツオより、初ガツオを喜んだのもこの理由である。

しかし、価値観の変わった現代、脂の乗ったこれらの魚は、我々を今日も魅了している。
刺身もいいが、軽く炭火で熱を通すと、トロリと蕩ける感触が口の中に広がり…
出来れば酢飯も一緒に頂きたい。

また、貧乏学生なら豚バラを忘れてはいけない。
塊で買ってきてチャーシュー角煮を作るのもいいが、冷凍したものをスライスして自家製豚コマを作ってみよう。
そしてそれをフライパンに投入し、じっくり脂を引き出しながら炒める。
野菜はモヤシで充分。塩コショウと醤油で仕上げれば最強の豚バラ炒めの誕生である。
ご飯が進むことこの上ない。
ニラを入れても旨いよ!



また、ツンドラ地帯に生活する狩猟民族エスキモーの生活の知恵で、脂肪は定期的にしっかりとらないと注意散漫になり体がうまく動かなくなるらしい。
(実際、カナダ等で肉の類を持たずに川下りをする人達はかなりの確率で転覆等で事故を起こし死亡するらしい)



現代社会では健康の為に忌み嫌われる時もある脂肪だが、上記のようにある程度は摂取はしないといけない。何事もやり過ぎ、やりなさ過ぎはよくないのである。


追記・修正は、フィレよりサーロインが好きな人でお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • みんなの好物
  • メタボリックメーカー
  • アブラミー
  • 豚バラ最強説
  • 安部譲二
  • プリ旨
  • ホンジャマカ石塚
  • 食べ物
  • ダリル
  • トロ旨
  • 脂肪
  • 脂身
  • トロ
最終更新:2023年02月11日 13:37