ステーキ

登録日:2011/11/28 Mon 16:10:54
更新日:2025/03/25 Tue 12:52:29
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ステーキとは、素材をスライスし、焼いた料理。
狭義では鉄板で焼いたものを、更に狭義には牛肉のそれを指す。
素材そのものを味わえる料理として人気が高い。
様々なソースが存在するが、素材が良ければ、胡椒だけでシンプルにいただきたい。

じょ~しつな肉を、軽く焼いて、ブランデーをかけ、火をつけて、それを塩だけで食べる味わいたるや…。

ジュルリ(´ρ`)

シンプルな料理故にその厳密な始原・発祥は明らかにはなっていない。
精肉技術の進化に伴って生まれたものなのだろう。

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素敵なステーキの焼き方

  • 棒等で肉を叩いて柔らかくする。
その際にあまり強く叩き過ぎないように注意(せっかくの肉汁が流れてしまう)。
また、この時に肉の筋を切っておくこと。

  • 塩と胡椒を振る
胡椒は肉を焼く15分前に、塩は焼く直前に振る。
塩を振り掛けるのが早いと浸透圧で肉汁が出てしまい、パサパサのステーキになってしまう。
塩と胡椒を振った後は軽く揉んで馴染ませる。

  • 焼く
温めたフライパンに油をひいて焼く。
その際に牛脂を使うとなお良し。
実は良質な牛脂を使うだけで安い肉が上物に化ける、オススメ。

まずは強火でしっかりと焼き目を付けた後、肉の表面に肉汁が浮き出てきたらひっくり返してお好みの焼き加減まで焼く。

  • 出来上がり
山葵醤油等をかけて召し上がれ。
店によってはステーキの上にスライスレモンとバターを載せている場合がある。
ステーキと言えばパセリ入りのバターが乗っているイメージをされる事も多く、こちらも棄て難い。
うん、おいしい!


素敵な素材

ステーキと言えば普通はこれを指す、それほどの存在。
ちなみに、新鮮な肉よりも熟成肉と呼ばれる腐る直前くらいの肉の方が美味しい。これは時間の経過で肉のタンパク質が旨味成分に変化していくため。

  • ロースステーキ
程よい脂と赤身のバランスがグッド(*TーT)b

  • サーロインステーキ
ステーキの王様、高級部位。
あまりに美味しいからsirの称号が送られたと言う伝説があるが、「sur(surfaceなどのsur、上部の意味)」と「loin(腰部)」で「腰の上部にある肉」から転じたらしい。

  • フィレ
ステーキのお姫様かな?
脂身が全くない癖に箸で切れる程柔らかく可憐な味わい。
上質なものを選びたい。

  • Tボーンステーキ
ステーキの終世皇帝。
サーロインとヒレを同時に味わえる。どっちがどっちか判らない人は多いかもしれないケド
まずはさっぱりとヒレを食べてからサーロインを頂こう、実に贅沢。
残った骨は四角く削り六面に血をつければ六面全部ピンのイカサマサイコロに出来る。
なお、骨は間違っても食べようとしてはいけない。

  • サイコロステーキ
肉を角切りにしたもの。……実際には成型肉*1であることも。
一枚肉のステーキに比べ豪快さや質*2で見劣りしなくもないが、最初から最後まで箸で食べられるという日本人にとって最大級のメリットが齎される。

基本的にしっかり焼いていただくものなので半生(レアなど)が苦手な人にも安心。
一口サイズなので食べやすいのもベネ。
発祥は日本の洋食屋(複数の説がある)らしく、日本独自の料理として認識されている。
お箸では一枚肉を切るのは薄手のものでないと難しいが、サイコロ状に切ってあればお箸でもヒョイとつまんでいただける。
このため和食レストランでメニューとしてラインナップされていることが多い。
もしかして→サイコロステーキ先輩(鬼滅の刃)

チキンステーキ、ポークステーキ

牛には負けるが、彼らも立派なステーキの仲間。
厚切りにして、鉄板の上で熱々で食べよう。
チキンには腿肉を使われることが多く、とてもジューシーで柔らかくて良き。
胸肉ならば大分ヘルシーで、筋トレやダイエットのご褒美にして強い味方。
ポークも食べ応えは抜群で、ビーフ特有の臭みが無い為牛肉が苦手な人に嬉しい。
なお、焼く際の油にバターを使用する場合はソテーと呼ばれることもある。
生焼けは食中毒を起こす危険性が高いのできちんとウェル以上まで焼こう。

ベーコンステーキ

ハムステーキもいいが、上質なベーコンを厚切りで、鉄板で焼いたら……。
ああ、赤身と脂身のコラボレーションに、塩胡椒がピリリと。
んもう、肉汁違反で逮捕する(^q^)!

魚介類ステーキ

、鱒、マグロ、イカ、アワビ等。
できれば脂の乗った部位でいただきたい。
トロステーキは、本当に地獄に落ちて悔い無しの旨さである。 

野菜のステーキ

大根、人参しいたけ、冬瓜等。
変わり種としてはウチワサボテンも。
打って変わってさっぱり低カロリー。
主役を張るなら味付けは多少濃くしたい。

加工食品のステーキ

こんにゃく、豆腐チーズ等。
ヘルシーさならこんにゃく、豆腐も負けてはいない。
チーズは溶けてしまうので、カチョカヴァロ、スカモルツァ、プロボローネ等を使うのが望ましい。
「チーズステーキ」というファストフードがあるが、これは焼いた薄切り肉と溶けたチーズをパンで挟んだいわばサンドイッチの一種。

ハンバーグステーキ

ひき肉から作られるハンバーグのステーキ。
その特性から肉汁はたっぷり閉じ込められ、ハンバーグの中に他の食材を入れることも出来きるお料理界の宝石箱。
半分に切って中からとろとろのチーズや肉汁がじゅわわと出て来た時の喜びは大人も童心に返ってしまう。
チーズを中に入れるか上に乗せるかは分かれるところ。
外はカリッと中はジューシーに仕上がっている際は、切ったり刺したりした際に肉汁が勢い良く噴出して肉汁の逆襲を受けることもあるので注意。
肉汁警報!


素敵な焼き方

超高級店のことはわからないが、お財布にやさしい価格のステーキ屋では、「レア」「ミディアムレア」「ミディアム」「ウェルダン」の4段階を基本として選べることが多い。
中にはシェフにこだわりがあり、その肉が最も美味しいとされる焼き具合で出してくれるところも。
ファミレスでは特記のない限りはウェルが一般的。
言うまでもないが必ず衛生管理された牛肉を使うべし。

牛肉は他の肉と比べ内部に人体に害を齎す細菌やウィルスが入り込みにくく、寄生虫についても60℃以上に加熱または-10℃以下で10日以上冷凍すれば概ね問題ないとされる。
しかし加工の段階で肉の表面に菌が付いてしまうので、最低限表面はよく焼く必要がある。この観点から、一般的にイメージする「表面が茶色で中はピンク」という焼き加減が成立しているのだ。
ただしこれはブロックから切り出したステーキ肉の話。成型肉やひき肉の場合は菌の付いた部分が混ざり合って固められているので、成型肉を使っていると公言しているサイコロステーキの場合はウェルダン以外はギルティ。

また、生に近い焼き方ではリスクが全く無いわけではなく、表層に近い部位であればあるほどそのリスクは大きく上昇していくため衛生管理の手間(というか廃棄する部位)も増えて行く。
店によってレア未満の焼き加減が設定されていないのはその辺のコストなどを天秤にかけた結果であろう。

  • ブルー
数秒だけ火を通す、殆ど刺身
ラーメンで言えば湯気通しレベル。

  • ブルーレア
ブルーとレアの中間。

  • レア
表面だけ焼き固め、中身は生に近い状態。
肉汁ジュワー。
一応中身は余熱で前述した60度ほどまで上がる(した方が美味い)ので、赤くはあるが「火の通った状態」ではある。*3
レアのことを「生焼け」という人もいるが、そちらは中心まで火が通っていない状態を言うので、混同すべきではないだろう。
逆に生焼けのことをレアと呼ぶ人もいるので困ったところだが……

  • ミディアムレア
ミディアムとレアの中間、ラーメンで言えばカタメ。
いい肉の場合、これくらいの焼き加減が最も美味しいとも言われる。

  • ミディアム
肉全体にそこそこ火が通っているが、中心部はピンク(65~70度)の状態。

  • ウェル
中まで火を通す。
肉の内側はまだピンク色を保っている。

  • ウェルダン
中までしっかりと火を通す。
この辺りから、肉の内側が全体的に白っぽくなってくる。
いわゆる「よく焼き」。
調理が上手くないとパサパサ感が出てしまい、腕の差が顕著に出る鬼門。
しかし、成功した際のお味は言うまでもなく美味である。
レア肉の噛み切りにくさを苦手としてこちらを好む人もいる。

  • ヴェリーウェルダン
ウェルダンより更に火を通す。
肉汁が全く流れない。
肉の良さが損なわれやすくあまり推奨されないが「しっかり火を通してくれ」と言えばやってくれる……かも。

  • フランベ
上のブルー~ヴェリーウェルダンは「焼き加減」だが、これは「焼く方法」のひとつ。
フライパンの上でブランデーをふりかけ、火をつける。
演出もさる事ながら、ブランデーの素敵なかほりがより一層食欲を引き立てる。


素敵な仲間達

  • ご飯、パン
主菜であるステーキに対する主食。
お行儀が悪いが肉汁をかけて食べると最高。
ご飯は、炒めたニンニクでガーリックライスにしても良い。

  • 焼き野菜
インゲン、コーン、ニンジンのグラッセ、シイタケもやしタマネギ等。
舌を新鮮にして、次の一口がもっと美味しくなる。
しかし、子供にとってはお邪魔な存在として除けられることもある悲しき存在。お残しは許しまへんでー!!

付け合わせ野菜の中でも抜きんでた存在。
ベイクドポテト、粉ふきいも、フライドポテト、マッシュポテト等調理法も味付けも様々。
これがないと物足りない人も多いのでは?

お肉は好きだが消化のことを考えないと後が怖いという方にとっての必需品。
消化酵素リパーゼの力で脂肪を分解して胃もたれや胸やけを予防しよう。
わさびおろし、紅葉おろしも良し。


WARNING!!

とまあこんなふうに美味なステーキであるが、意外と危険。
日本の正月は必ずを喉に詰まらせて亡くなるお年寄りが出るが、欧米だと餅ではなくステーキを喉に詰まらせて死ぬお年寄りが後を絶たない。
ステーキを食べる時には焦らずしっかりと噛んで!

ステーキを売りにしている店では分かりやすい様に、看板に牛などのマスコットキャラがフォークでステーキを持っているような看板を立てていることがある。
これらに「草食じゃないのか?」とか「共食いじゃねーかYO!」といったツッコミが入る事案が後を絶たない。
野暮な指摘ばっかりしてると嫌われちゃうぞ?

多くの店では、鉄板をアッツアツに加熱して多少時間が経ってもじゅわ~と出来たての熱さを保つようにしている為、煮立った肉汁が勢い良く飛び散っている。
その為、エプロンを着用していないと知らぬ間に服に大量に飛沫が飛んで汚れてしまうので、店がエプロンを提供している場合は面倒臭がらずにしっかり装備すべし。(無い場合はハンカチを襟から垂らすだけでもOK)
見落とされがちだが、皿に手が近付くため長袖も袖を捲っておかないと結構汚れる。
白い服を着ていた際には草間彌生と化す目も当てられないことになるので、ステーキを食べに行く際はコーディネートに注意しよう。

想像するに難くないが高カロリー。
肉それ自体のカロリーは言うほどでもないが、飲食店で出る料理として完成したものは調理や付け合せに色々と使われている為、全体のカロリーはかなり高い。
1000kcalを超えることはザラであり、手頃なものでも500kcal前後はある。
ステーキをおかずに米やらパンやらも食べればもうえらいこっちゃ。
とは言え赤身は高タンパクなので、付け合わせに気を付けさえすればダイエット中でも食べられるが。
それでも塩分が多めに含まれているので食べ過ぎは厳禁。何事も程々に楽しもう。

ファイナルファイト』などのベルトスクロールアクションなどでは回復アイテムとしてドラム缶などから出て来るうえ、大抵は高回復力。


追記・修正は、いっそ、自分を切り刻んでステーキになりたい程の素敵なステーキ狂にお願いしm


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最終更新:2025年03月25日 12:52

*1 屑肉や牛脂などを固めたもの。スーパーの精肉コーナーなどで売っているものを見れば、明らかにブロック肉を切ったものではないことが分かるだろう。

*2 成型肉の場合、食中毒リスクがあるためレアやミディアムでの供出は厳禁である。詳細は後述。

*3 60度ほどだと、時間をかければ菌などは死ぬが細胞に変色や硬化などの変化が起こらない。この原理を利用したのが「低温調理」で、本来食中毒リスクの高い豚や鶏でも中がほんのりピンクなローストポークや鶏ハムが作れる。ただし中心温度と加熱時間をしっかり守る必要があるので、その辺りのオペレーションが確立していなさそうな個人店などで生っぽい豚や鶏を食べるのは控えた方がいいだろう。