登録日:2012/07/20 Fri 00:28:59
更新日:2025/04/03 Thu 21:50:05
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トロとは、
マグロの中でも脂肪が乗った部位の総称、並びに、他の魚や動物の脂肪の乗った部位に、それにあやかってつけられた名称である。
ここではマグロのそれを主として説明する。
現在は高級魚の代名詞であるマグロだが、冷凍技術が進んでいない昔は痛みやすい事もあり、下魚扱いであった。
しかも、かつては日本人は脂の味を理解出来ておらず、トロは「アブ」(あぶらから来てる)と呼び、捨てられていたと言う過去すらある。
当時マグロは
醤油漬けにして食すのが一般的で、脂の強さから醤油を弾いてしまうトロは都合が悪かったのである。
この時には猫も見向きもしないと言われ『猫跨ぎ』と称されてすらいた。
これを食べるようになったのは、金の無い苦学生が捨てられていたものを拾って食べていたのが始まりとされる。
もちろん江戸時代から捨ててしまうのは勿体ないという考えも存在し、落語で有名な「ねぎま」もトロを何とか美味しく食べようという工夫から生まれた料理である(後述)。
そして現在、食の西洋化もあり脂の味を理解した日本人にとって、トロと言えば最高級の食材としての地位すら築いた。
かつて、「アブ」と呼ばれ蔑まれていたその部位は、今や「トロりとして美味しいから」と「トロ」の名を頂いていると言う訳である。
■トロの種類
部位によって細かく分けられるが、大雑把に次の2種類がある。
◆中トロ
基本的に筋肉質な赤身が主のマグロの中で、適度に脂が乗った部位。
一般的には腹部後方のものをこう呼ぶ。
赤身と脂がほどよく混ざっており、値段こそ劣るも後述の大トロより好きと言う人も多い。
◆大トロ
最も脂が乗り白く見える部位。
名前通りにトローリとした味わいが楽しめる、誰しもが一度は憧れる存在。
が、やはり目玉が飛び出る程高く、最上級のものは同じ大きさの純銀より高い値がつく。
一般的には腹部前方の身を指すが、大トロを名乗れる部位は他にもいくつかある。
※ネギトロ
マグロの皮の裏の脂を貝殻やスプーン等でねぎ取ったもの。野菜のネギは関係無い。
そこに中落ちや剥き身も混ぜる。
マグロ一匹買うような店でないと食べられない高級品。大抵は裏メニュー。
現在スーパーなどで流通している大量生産品は、キハダマグロやビンチョウマグロなどの安価な材料に、
魚油や植物油などの油脂や調味料、着色料などを加えて味と食感を向上させている人工
ネギトロがほとんど。
前述の通り野菜のネギとは無関係なのだが、食材としての相性が良いためネギを乗せるなどして提供されることも多い。
また、近年ではマグロに色や食味が似たアカマンボウの身を使用したネギトロも出回っている……という噂も存在している。
アカマンボウは確かに部位によってはマグロとよく似ているものの、安定的な供給ルートが確立されていないのでかえって高コストになってしまい、とてもではないが安価な回転寿司では提供できないため、ミミズバーガーのような
都市伝説に近い。
味自体は悪くないが、胃もたれには注意。
■主な調理法
◆寿司
トロと言えば何と言ってもこれ。
洗練された職人により切っつけられ、酢飯に乗せて握られる事こそがトロの一番美味しい食べ方であろう。
東京の高級寿司店のトロは日本人にとっての「高級な食べ物」の代名詞と言ってよい。
◆ネギマ
「アブ」と呼ばれ、下品とされていた時代には
ネギと共に鍋仕立てにした「ネギマ鍋」にする事で、庶民の味として親しまれていた。
赤身でやるとパサパサするので、やはりトロでいただくのが美味しい。
が、今となっては高級なトロを甘辛く味付けてしまうネギマ鍋は、最高の贅沢となってしまった。
他にも
焼き鳥の方のネギマの元になったネギとトロを交互に串に刺して炙って食べる方も有った。
◆トロ鉄火
鉄火丼のマグロをトロに。
贅沢で美味だが、赤身を粋として尊ぶ江戸っ子には無粋として好まれない。
「てやんでい!鉄火は赤身よ赤身!」
が、邪道ならば邪道で、思いきり沢山のトロを乗せてしまおう。
ああ幸せ
◆トロステーキ
獣肉に負けず劣らずの脂の乗りのトロは、火を通してもしっとりしてるのでこうして
ステーキにもできる。
塊を使う上、生でも食べられる大トロをステーキにするのは、バチが当たりかねない最上級の贅沢である。
ワサビ醤油で食べるのも良いが、最初の一口は塩だけで頂いてみよう。
■その他のトロと呼ばれるもの
前述通り、トロの名をあやかった素材はマグロ以外にも多い。
◆ビントロ
マグロはマグロでもビンチョウマグロのトロ。
ビンチョウマグロ自体さっぱりしているからかトロも言うほどトロっぽくなく、
悲しきかな他のマグロのトロよりも安物という認識。
◆カツオトロ
高級感でマグロに軍配を譲ったが、マグロと同じサバ科の魚故に似た味を楽しめ、なおかつマグロよりは気軽に食べられる一品。
かつての江戸っ子は脂を無粋として「初ガツオ」を喜んでいたが、現代人の舌には脂の乗った「戻りガツオ」の方が合うだろう。
マグロより癖はあるが、モチモチとして美味しい。
◆トロサーモン
最近人気の、サーモンの脂が乗った部位。
畜養技術が進み、手軽に回転寿司で食べられるようになった庶民の味方。
炙って寿司に仕立てた「炙りトロサーモン」は、言葉だけで空腹の人々を狂喜にかきたてる魔法の呪文となる。
◆豚トロ
最近注目の豚さんの首。
焼き肉店で見かけるようになった。
網焼きに仕立てると、溢れる肉汁と脂がジュウジュウと音を立て…。
独特のダイナミックな歯応えも魅力である。
類似品に「トンボロ」という、西伊豆のある島でしか食べられない幻の逸品がある。
うそやで~
◆牛トロ
北海道の食品加工メーカーが「牛とろフレーク」を生産している。ご飯にかけて牛とろ丼として食べる。
やや割高だが牛肉の旨味がたまらない。大学生協で提供されていたことがあるので学食などで食べたという人もいるだろう。
追記・修正お願いします。
- そんなに旨いかなぁ?と思う。ネギトロの方が値段に対しての食いでがあるし旨いしで好きだw -- 名無しさん (2013-09-21 23:03:12)
- 赤みのほうが好きになるもんだな。と最近思い始めた。ネギトロ好きだけど本物のネギトロと比べると味はともかく胃もたれが -- 名無しさん (2013-12-02 23:31:30)
- >ネギトロ好きだけど本物のネギトロと比べると -- 名無しさん (2013-12-02 23:37:37)
- 途中で送信してしまった。↑ごめん、意味がわからない -- 名無しさん (2013-12-02 23:38:59)
- ↑スーパーで売ってるようなネギトロは基本的に安いマグロに油足して作った奴。味はともかく油足されてるので食いすぎるとアウト。本物は皮の裏に付いたやつだから量が少なくて結構高級品。でも味はうまいよ -- 名無しさん (2013-12-02 23:43:25)
- 戦後とある寿司屋で常連が「変わった物出してくれ」と言われ 店に偶々あったマグロをだしたところ好評で 後日同じ客が来たときまたマグロ食いたくなったが名前を知らなくて「トロっとしたの出してくれ」… そこからトロと言われるようになったと どこかで聞いた -- 名無しさん (2013-12-03 00:00:04)
- タモさんのトロを食べる人ってモノマネを思い出したw -- 名無しさん (2013-12-03 15:46:46)
- 猫またぎってトマトみたいにかつて猛毒だといわれ猫もその毒をわかっているとされていた的な話をうちのじいさんから聞いたんだが、マジ? -- 名無しさん (2013-12-22 14:07:01)
- 画像がねーからトロが何なのかわからなくなってるな。あの白いのだよ -- 名無しさん (2013-12-22 15:18:48)
- 大好物です・・・ジュル -- 名無しさん (2013-12-22 15:26:36)
- よく「戦後に食べられていた」というけれど大正時代にはもう「マグロの脂身」といわれて食されて痛そうです。 -- 名無しさん (2013-12-22 18:15:04)
- ↑誤字なんだろうけど、よりにもよってトロでその誤字はちょっと笑ったw -- 名無しさん (2013-12-22 18:18:39)
- 先生!女の子のトロ顔 -- 名無しさん (2013-12-23 13:35:11)
- トロ遺跡の神父さん殴っちゃダメ! -- 名無しさん (2013-12-23 18:53:05)
- 井上トロ・・食べられなくとも一緒に暮らしたい。ちょうどED迎えたらいなくなっちゃたのよ。 -- 名無しさん (2013-12-23 19:39:54)
- 翔太の寿司にマグロの腰っていう部位があったけど、確かに中トロの刺身のパック買っても1、2枚ほど時折飛び抜けて美味い刺身がある時があるよな。そこなのか… -- 名無しさん (2014-08-21 00:17:12)
- スーパーで買ったネギトロ食ってる時にこの項目観てガッカリしたぜ… -- 名無しさん (2014-09-27 16:32:22)
- 子供のころは、隣のおじいちゃんの家で時々トロのお寿司食べさせてもらってた。 -- 名無しさん (2014-12-16 15:24:20)
- さばいてから40~50年経ったトロをレトロというらしい -- 名無しさん (2014-12-16 16:04:47)
- トロンベ・・クロマグロの中でも最高級かつ、希少な部位。お供にゼンガーを加えるとなおよし。 -- 名無しさん (2014-12-16 16:23:54)
- ネギトロって全部トロで作るとクドくて飽きるらしい。中落ち混ぜるのはそのせいとか -- 名無しさん (2014-12-16 16:38:01)
- ↑3 食用油と呼ばれるものに料理用があっても飲用がない事を考えれば分かりやすいけど、肉にしろ魚にしろ脂身自体は美味しくない、むしろ不味い。だけど料理において味と並ぶ重要な要素の舌触りや香りが良くなる、つまり味覚より触覚や嗅覚への効果が大きい……という話を聞いた覚えがあるけど、ソースが思い出せない -- 名無しさん (2017-03-15 16:14:45)
- 黄金伝説でアンタッチャブルやオリエンタルラジオが鮪丸々一匹食べる企画あったがトロは食べ続けるのがマジで辛そうだった -- 名無しさん (2017-05-19 14:22:47)
- すき家のマグロユッケ凄ェ好き -- 名無しさん (2017-10-30 01:15:02)
- 先日、大トロの寿司を久しぶりに食べたけど、すごいおいしかった。トロ(/・ω・)/ トロは世界を救う>< -- 名無しさん (2018-01-19 09:26:43)
- フランスでも一昔前までは捨て値で売られてて、日本人が嬉々として買った・・・というエピソードもあるなw -- 名無しさん (2018-06-05 17:06:13)
- 父親の親が魚屋の子供だったらしく、戦前は売れ残りを焼いて小腹を満たしていたそうな。脂がくどくて多くは食べなかったらしい、そんなにトロを貪ってみたいものだ -- 名無しさん (2018-09-29 16:44:25)
- 江戸時代は全く人気なくて豆腐一丁買うより安かったとか。 -- 名無しさん (2020-09-28 18:18:19)
- 想像したら売れない理由はわかりやすいけどね。今でこそ冷蔵されてキリッと冷えた身が口の中でとろけていくのが美味しいけど、冷蔵されてなきゃグデグデグズグズの鮮度が落ちたクドい脂身だからなぁ。 -- 名無しさん (2020-09-28 18:30:41)
- 玉子が貴重で高級寿司ネタの代名詞が玉子だった時代、トロは↑のような事情で最底辺のネタだった -- 名無しさん (2022-05-06 18:11:10)
最終更新:2025年04月03日 21:50