サンマリノ

登録日:2010/12/24(金) 23:19:53
更新日:2025/03/07 Fri 20:39:37
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サンマリノ!
キョーワコクゥ!




皆さんは、ヨーロッパ(というかイタリア)の地図を見て「あれ…?イタリアの中にちっちゃい国が二つある…」と不思議に思った事は無いだろうか?

一つはご存知世界最小の宗教国家バチカン市国。
そして、もう一つが本項で紹介するサンマリノである。
正式名は“Most Serene Republic of San Marino”
直訳すると「最も高貴な共和国サンマリノ」。だが日本語では普通に「サンマリノ共和国」である。


【概要】

人口は約30,000人(内日本人が4人)。
面積はマンハッタン島ぐらい。
ちなみに現存する世界最古の共和国だが、大統領や首相はおらず二人の執政が半年の任期で国を治めている。

執政は定員僅か60名の大評議会(日本の国会に相当)から選ばれ、過去には世界で初めて自由選挙で共産党政権が誕生した事もあり、
モナコやリヒテンシュタインと並び国連に加盟している小さな国である。

そんなサンマリノは国民のほぼ全員が顔見知りであり、裁判をする時には公平さを保つために裁判官は全て外国人が行っている


◇サンマリノが独立した訳◇

4世紀に、迫害されたキリスト教徒が潜伏したことに端を発するが、ローマ帝国崩壊以来かつてイタリア半島にはサンマリノだけでなく様々な小国が乱立していた。
つまり当時のサンマリノは面積が狭いとは言え、この時代の基準で言えば別段珍しい国では無かったのである。
そんな中、1849年にイタリアの統一を目指した政治家・ガリバルディがオーストリアの追撃から逃れるためサンマリノに亡命。
その後無事にイタリア統一を果たしたガリバルディは感謝の意を込めてサンマリノを一独立国として認めたのでした…めでたしめでたし。
まあ、総統閣下に攻められた事もあったがな…チキショーメ!オッパイプルンプルン!

但し治安や国防は完全にイタリアに依存している。上述の裁判官もほとんどがイタリア人。


◇サンマリノ名物◇

中世さながらの光景が残る町並み(何とこの国の首都にも自由の女神がある)やアドリア海を見下ろせる絶景を生かした観光。
そして、収集家向けの切手収入がメイン。
2010年には日本と共同で制作した切手が発行された。
またサンマリノと日本はそれぞれ世界最古の共和国と世界最古の君主国という事で記念金貨を発行した事もあり、
表には神武天皇や橿原神宮、裏にはサンマリノの国章が描かれている。
これ以外にもワインの販売や石材加工等小さいながらも多種多様な産業に恵まれている。
なお、この国には11の金融機関があるが、全てサンマリノ国内で倒産した事が無い。
また、ヨーロッパで唯一神社が存在する国でもある。
これは2002年から駐日大使を務めているカデロ氏が*1東日本大震災の犠牲者を追悼するために神社本庁の協力のもと建立し、宮司はサンマリノ人ながらきちんと神職の資格を取得している。

サンマリノグランプリ

かのアイルトン・セナを始め数々のレーサーが事故を起こしてるサンマリノグランプリだが、名前とは裏腹にサンマリノでは行われていない
サンマリノグランプリは近辺に位置するイタリアの町・イモラで開催されていた。
だが、安全性に問題がある事やF1世界選手権の開催が一ヵ国一都市になった事で2007年以降開催されていなかったが、2011年にとりあえずF1を開催可能な「グレード1」認定を取得。
2020年に諸事情でEU圏外への遠征が難しくなった事から緊急処置的にカレンダーへ復帰。
ただサンマリノとは名乗らずに「エミリア・ロマーニャGP」となっている。

二輪(motoGP)の方はサンマリノの名が残っているが、やはりサンマリノではなくイタリアはエミリア・ロマーニャ州の「ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリ」を使用している。
大事故が2件ほど置きていて、1度目は当時のトップライダーであるウェイン・レイニーが引退に追い込まれるほどの大怪我、
そして2度目はmoto2発足初戦のウィナーである富沢祥也選手が後続に轢かれたのもあり命を落としている。


【余談】

ドラクエⅥに存在する港町「サンマリーノ」の名前の由来となったと思われる。(スペルも同じ)
ただ、現実のサンマリノとあまり共通点はない。


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最終更新:2025年03月07日 20:39

*1 余談だが、これは2020年現在最も長い任期であり、各国大使からなる外交団を結成する時にはカデロ大使が団長を務める。