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カルピス

登録日:2010/01/09 Sat 16:24:18
更新日:2026/09/29 Tue 21:13:19
所要時間:約 4 分で読めます




めつぽうかいにうまい
カルピス

カルピスとは、日本国の飲料メーカーであるカルピス株式会社および、同社が製造する乳酸飲料の名称。
元々は販売も同社によって行われていたが、2012年にアサヒグループホールディングスの傘下に入った後、法人再編を経て同社グループのアサヒ飲料(酒類に分類されるカルピスサワーのみアサヒビール)からの販売となり、現在はアサヒブランドの製品群の中に組み込まれている。
社名は、「カルシウム」とサンスクリットの「サルピス」(salpis、漢訳:熟酥(じゅくそ)、次位の味の意味)を合わせたものである。
サンスクリット「サルピル・マンダ」(sarpir-manda、漢訳:醍醐、無上の味の意味)を使用し、「サルピス」・「カルピル」とする案もあった。

ローマ字表記はCALPIS。
だが日本以外ではCalpisが英語:cow piss(カウ ピス=牛の尿)」と聞こえることから、CALPICO(カルピコ)という名称で販売されている。

なお、よく「乳酸菌飲料」と呼ばれるが、実は製造過程で乳酸菌はほぼ死滅している為正確には「乳酸飲料」。
また、乳酸菌が居ないとはいえ、実際に腸で働く乳酸の飲料水なので整腸作用はある。

元々は、パナマ帽を被った黒人男性がストローでグラス入りのカルピスを飲んでいる様子の図案化イラストが商標だった。
しかし「黒人マーク」と呼ばれるようになり、1989年(平成元年)に“差別思想につながる”との指摘を受けて現行マークに変更された。

この「黒人マーク」だった頃のキャッチコピーが項目冒頭にも記されている「めつぽうかいにうまい」。漢字に直すと「滅法界に旨い」となる。
現代では聞き慣れない「滅法界」とは、程度の度外れている事を指す「滅法」に仏教用語の「法界(ほっかい)」が混ぜ合わされた*1戦前の語彙で、「滅法」と同様に程度が並外れた様を指す。
という訳で、「めつぽうかいにうまい」を現代語訳するなら「チョー美味い」くらいの意味。シンプルで力強いコピーである。

カルピスの水玉模様は天の川を表し、発売日が七夕の日であったことに由来する。

長らく包装紙で包まれた茶色の瓶で売られていたが、瓶タイプは贈答用のみに絞られた後終売。一般向け商品は紙パック時代を経て、『ピースボトル』と呼ばれるプラスチック製のボトルに切り替えられ、贈答用を含めてこちらに統一されている。


◆派生商品
カルピスソーダ
カルピスウォーター
カルピス酸乳 アミールS
カルピスサワー
アミノカルピス
ザ・プレミアムカルピス
カルピスバター

がある。

カルピスソーダ・ウォーターは希釈せずに飲める為ヒット。特に後者は大ヒットした。
……と同時に、世の家庭では自らが作っていたカルピスが薄い事に愕然した。遊びに行ったよそのお家で出されたカルピスが濃いか薄いかでその家のリッチぶりをひそかに測る子供もいたとかいないとか……。

ザ・プレミアムカルピスはまるでヨーグルトのような風味が特徴(ともに発酵品なのだろうか?)。ヨーグルト?いいえ、カルピスです。

カルピスバターはカルピスの製造工程で、脱脂乳を製造する過程で生まれる乳脂肪分を活用したもので希少価値が高く非常に美味。


よく太ったキャラ(例フグオ)が原液のまま飲む事があるが原液は非常に濃い為希釈するのが望ましい。
非常に甘いのでは無く非常に濃い。
甘いと言うよりはエグい。
飲んだ後、喉の奥に白いモノが溜まる(通称カルタン)。


ライバルにはコカ・コーラ社のアンバサ(此方もサワーが先でウォーターは後)や森永のコーラス(地域によってはスコールも)が挙げられる。


カルピスの製造工程

製造事業を行う「カルピス株式会社」は2016年にアサヒ飲料に吸収合併され、現在はブランド名およびアサヒ飲料の一事業としてその名が残っている。
アサヒ飲料の工場では、群馬と岡山の生乳(搾ったままの牛乳)を原料として以下の行程で製造が行われている。

生乳の受け入れと検査

ミルクローリー車で冷やしたまま運ばれてきた新鮮な生乳を厳しく検査する。

遠心分離(脱脂乳とクリームへの分解)

生乳を遠心分離機にかけ、比重の違いによって2つの成分に分離する。
下層(カルピスのベース)
脂肪分を徹底的に取り除いた脱脂乳。
上層(バターのベース)
乳脂肪分が濃縮されたクリーム。
本州の牛は干し草に、トウモロコシ・麦・大豆等をブレンドした飼料を食べているので、青草を主に食べる北海道のバターと違って白い。
カルピス31本分の生乳から1ポンド(約450g)しか作れない。
1942年に業務用として発売され、フランス料理店のシェフから秘伝の味として口外されない「幻のバター」と言われてきた。
クリームを撹拌して脂肪の粒(バターの原型)とバターミルクに分離し、バターミルクを使ってバターの原型を洗浄するため、ミルク味が濃く、あっさりしてバター臭くない風味とされる。

カルピス菌の投入と「一次発酵」

脱脂乳に秘伝のカルピス菌を加え、乳酸菌の働きで乳糖を酸へと変える。この発酵乳は工場内では「カルピス酸乳」と呼ばれる。

砂糖の調合と「二次発酵」

カルピス酸乳に砂糖を加え、温度を厳格に管理しながらさらに寝かせる。
今度はカルピス菌の中の「酵母」が糖分を分解する複合発酵によってカルピス特有のコクと香りを生成する。

乳たんぱく質安定化技術と仕上げ

牛乳にレモン果汁とか梅サワーとか加えて飲んだことのある人は心当たりがあるだろうが、
乳成分は酸性化するとざらざらとした口当たりになりやすいため、
秘伝の技術によって乳たんぱく質を安定化させ、滑らかな口当たりに整える。

加熱殺菌とボトリング

ボトル内での酵母の再発酵を防ぐため加熱殺菌を施し、『ピースボトル』へ充填される。
この加熱殺菌(75℃以上で15分間など)により、ボトル内での酵母の再発酵(炭酸ガス発生による容器破裂)を防ぎ、常温での長期保存を可能にしている。
乳等省令では「発酵させた後、加熱殺菌したもの」も乳酸菌飲料として認められているため、希釈用のカルピス原液は「乳製品の乳酸菌飲料」に該当する。
また、生菌は死滅しているものの、乳酸菌の細胞壁成分(乳酸菌体)や発酵によって生じた成分そのものに健康効果があるとされる。

カルピス≠サルピス?

前述の通り、カルピスの「ルピス」は、古代インドのサンスクリット語でバターや澄ましバター(バターを加熱して水分や蛋白質などの不純物を取り除いたギー)の精製過程にあたる「サルピス(熟酥)」に由来する。
これは仏教の教え・五味(乳・酪・生酥・熟酥・醍醐)において、牛乳を極限まで煮詰め、濃縮して得られる芳醇な上澄み液を表し、つまり油分の最高峰と言える。

しかし、実際のカルピスの製造工程を見ればわかる通り、乳脂肪は最初の方で取り除いてしまっている。
三島海雲がモンゴルで飲んだ酸乳の健康効果に感動したので「最高に体に良くて美味しいもの」の象徴として「サルピス(熟酥)」の名を冠したのだが、
製法としては真逆になってしまったのは良かったのだろうか……。





追記・修正は、自分好みの味に薄めたカルピスを飲みながらお願いします。


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最終更新:2026年09月29日 21:13

*1 元を正せば「法界」だけでなく「滅法」も仏教用語だが、「滅法」を程度の度外れた様を指す言葉として用いるのは仏教用語としては誤り。また、「滅法界」という語は仏教用語としては存在しない。