汽口慚愧

登録日:2010/09/26 Sun 09:09:16
更新日:2021/11/30 Tue 18:26:42
所要時間:約 6 分で読めます





「心の鬼を心で斬る。これをもって慚愧と名乗る。心王一鞘流───十二代目当主汽口慚愧。お手間、拝見いたします」




きぐちざんき


声:伊藤静


テーマ曲『証』

刀語第九話『王刀・鋸』に登場する人物で、四季崎記紀が作りし完成形変体刀の一本、王刀『鋸』の所有者である。

凛とした瞳と黒髪ロングストレートを持つ女性。
質実剛健で恐るべき集中力を持つ完璧超人である。
外見的にも内面的にもまさに大和撫子を絵に描いたような女性と言えよう。
年齢二十四(七花と同い年)、身長五尺八分三寸、体重十二貫、趣味素振り。

心王一鞘流十二代目当主。
常日頃、王刀・鋸を用いて修業に励んでいる。
刀への想い入れは一見、宇練銀閣に近いように思えるが…



【将棋村と心王一鞘流】
出羽将棋村では元々剣技が盛んであったが、戦国時代が幕を閉じるとともに廃れていった。
代わりに将棋が流行するようになり、棋士の聖地へと変貌を遂げる。

そんな状況の最中、剣を捨てなかった最後の一つの流派があった。
それが心王一鞘流である。

この流派は殺生に特化された虚刀流の殺人剣とは違い、ただ剣のみを追求するといういわば活人剣である。
防具を付け、竹刀を使って戦う。
それこそ現代の剣道に近い。



【物語前の慚愧】
今でこそ生真面目な慚愧であるが、かつては剣の修業を怠り、村で将棋遊びに明け暮れていたようである。
先代の慚愧である祖父とはよく喧嘩をしていた。

名を襲名し、王刀・鋸を持った途端、身が引き締まってやる気に満ち溢れるようになった。
以降、過去の不真面目さを改めるために剣の修業に明け暮れるようになる。

刀を手放したくないのは、宇練と同じように気位もあるが、それ以上に自分を変えるきっかけになった大切な物だからという側面が大きい。



【本編での慚愧】
長月某日。
とがめ達は江戸の不要湖にて日和号回収後、四季崎記紀の工房を探索していたが、見つからなかった。
一行は真庭忍軍真庭鳳凰否定姫からの情報を頼りに出羽へと向かう。
出羽将棋村に到着して早速道場に訪れた一行だが、所有者の慚愧のあまりの善人ぷりに驚愕してしまう。

頑なに刀を渡すことを拒む慚愧に対して、とがめは自身と将棋での対決で勝った後に七花と勝負するよう説得に成功するが…

結果は惨敗である。
将棋には勝つものの、慚愧の生真面目さ故に七花に木刀と防具の着用を強制され、為す術なく敗北してしまう。

勝負後、慚愧は勝負が不当なものと判断し再戦の話を持ち込むのだが、あろうことか七花を門下生にするという内容であった。
以降、七花は慚愧先生の指導の下稽古を受けるようになる。

いざ指導に入った慚愧であるが、自分の指導力がなくて七花が上手くならないと落ち込んでしまう。

生徒を責めないで、自分に非があると考える。
その姿はまさに教師の鏡である。
是非私にも個人レッスンを(ry


慚愧との甘い練習の日々を送っていた七花に対してとがめは嫉妬する。
そんな中、とがめは凍空こなゆき戦を模倣した奇策を練り、再び慚愧と交えるよう仕向けた。

慚愧はとがめの将棋に集中力を注がせる策にかかり敗北してしまう。

この勝負の後、七花と本当の勝負を交えた慚愧は、虚刀流三の構え『躑躅』から剣聖錆白兵に浴びせた『百花繚乱』の連携技に屈し、刀を渡した。



【使用技】
  • 王刀楽土
常時効果発生。
所有者の毒気を抜くという王刀・鋸独自のもの。
敦賀迷彩が生存していたら間違いなく欲しがったであろう。


  • 場外
→→突
技なのだろうか?
そもそも剣道の世界では場外は禁じ手であるのだが…


  • 真剣禁止
↑右上→斬
読んで字の如く。
人を斬る刀ではなく竹刀での勝負を強制させる。
その勝負は木刀なのに真剣である。
ある意味七花を苦しめた。


  • 防具着用
↓右下→蹴(連打)
もはや技なのかわからない。
一応、防具着用は怪我しないために必要である。


  • 活人剣
←(溜)→斬+突+蹴
心王一鞘流の信念。
最も慚愧自身は活人剣もまた殺人術だと解釈している。


正統派剣士───汽口慚愧。

真面目さとひたむき過ぎるが故に七花を苦しめた。

アニメでは伊藤静が担当。
文句なしの演技であった。
イメージ的には桂ヒナギク(ハヤテのごとく!)と神裂火織(とある魔術の禁書目録)を足して2で割ったキャラであろうか。

今回はややラブコメ風(特にアニメ)な話であったが、次回以降からは作品の雰囲気がガラッと変わるようになる。

ちなみに作者の西尾維新は
「今回、竹さんの描いてくださった汽口慚愧が神がかっています。これは何らかの形で応えなければならないと考えていますが、それはまたいずれ」
と述べていた。

これほどのキャラである。
如何様に西尾さんは応えたのだろうか。


以下嬉しいネタバレ













再登場は翌月の誠刀『銓』での回想シーンである。

刀を手に入れた後、とがめが尾張に戻る準備をする傍ら七花は心王一鞘流の道場に足を運んだ。
七花は慚愧に錆が「虚刀流は束縛されている」と述べたことや慚愧が述べた「呪い」という言葉に疑問を持っていたと告げる。

これに対して慚愧はいきなり上着を脱ぎ捨てさらし姿で七花に拳法勝負を提案する。
勝負後、七花に虚刀流の縛りは違うのではないかと身体を以って説得するのであった。
まさにサービスシーンである。





………しかし



アニメでその魅惑の姿を晒すことは遂になかった。


【虚刀・鑢での汽口】
心王一鞘流十一代目当主汽口慚愧、即ち彼女の祖父が登場。
齢七十を超える老人。


活人剣を謳う彼らが大乱に参加する事は無かった……ハズであったが、飛騨鷹比等の口添えにより、出羽の森で鑢六枝を足止めする為に立ちはだかる。


木刀一本でありながら、気迫で六枝に足を真剣で縫い付けられているような錯覚を与え、更に六枝の『六刀流』を(互いに)無傷で押し返す圧倒的な実力を持つ。
孫娘が将棋でも指しながら、平和に過ごせる世の中になることを望んでいる。



以下台詞
「暴力に訴えると言うならば」
「こちらにも迎え撃つ準備があります。いつでも───いらしてください」

「武器も防具も必要ないとあくまで仰るならば、今すぐお帰り願いたい───わたしは無力な者を優位な立場から嬲って喜ぶような趣味は持ってません!」

「恋に生きる人生もあったでしょう」




「天下国家のために追記なり、修正なり、何なりと。この項目の処理はお任せいたします」
「これからは、わたし自身が看板です」





「看板娘です♪」

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最終更新:2021年11月30日 18:26