マジンサーガ

登録日:2010/12/11(土) 04:32:47
更新日:2023/03/29 Wed 15:30:28
所要時間:約 7 分で読めます




『マジンサーガ』は永井豪原作の漫画作品。90年から92年まで週刊ヤングジャンプに連載。
連載中断後、ヤングジャンプベアーズクラブへの掲載を経て97年から扶桑社からの書き下ろしによる刊行へと移行するも、98年以降、現在まで続刊が中断されている「未完の大作」である。

永井豪の代表作に挙げられながらも「アニメ主導」で世界観が広がった事に作家として不満を持っていた永井が自らのロボット漫画の集大成を目指し、自身のバックボーンでもある精神世界をテーマに『マジンガーZ』及び、その続編を大胆にリメイクした内容となっており、さらに『凄ノ王』や『デビルマン』のキャラクターを登場させるなど、『バイオレンスジャック』以来の永井作品の集大成となる事が予想されファンを喜ばせるも、「余りにも精神的な負担」が大きくなり永井が筆を置いてしまい物語が中断。
後に同一コンセプトながらも内容はずっとライトになった『Zマジンガー』を発表する(こちらも現在まで「第1部完」状態)など、現在まで刊行がストップしてしまっている。

青年誌連載という事で過激な性描写も含む、最大の異色作となっている。

【物語】

父・兜教授の遺した超精神の鎧「マジンガーZ」。恋人をレイプされ奪われた兜甲児は怒りのままにその力を使い、ノストラダムスの予言した「恐怖の大王」となり世界を滅ぼしてしまった。
罪の意識から逃れるように未来へと跳んだ甲児は、そこで人類が荒廃した地球を捨て、火星へと移住している事を知る。

その時、甲児は自分が見ていた夢のビジョンを感じる。
父の導きにより、それが未来の火星からのSOSである事を知った甲児は世界を滅ぼした罪をあがなうべく、自ら未来へと跳ぶのだった。
果たして、全能の力を手に入れながらも自らの罪に苦悩する甲児を待ち受ける更なる「地獄」とは……!?

【主要登場人物】

※『マジンガーZ』その他の登場人物を大胆にアレンジしたキャラクターとなっている。

本作の主人公。デザインはオリジナルを踏襲するが青年となり、性格は物静かになっている。
恋人を犯され奪われた経験からZになった後に世界を滅ぼすも、その罪をあがなうべく未来の火星で人類の救世主として戦う事を決意する。
軍に入ってからは様々な戦いを経て、逞しくなっていっている。
地球人であるため、筋力は火星人の3倍。

  • 弓さやか
本作のヒロイン。弓博士の一人娘で、アフロダイAの搭乗者。
超能力を持ち、甲児を未来へ呼んだ本人であり、自身も甲児と出会う日を予見していた。
かつてレイプされ、甲児を魔神へと変えてしまった罪の意識から命を断った恋人・島さやかの転生で、オリジナル以上にヒロイン度が高い。
パイロットスーツ(?)が衝撃的。

  • 弓博士
火星都市・FUJIシティーの指導者で地球移民の重鎮。

  • ボス(ボスマン・ベンソン)
何故か外人に。生体機械獣の攻撃に怯えるあまり、やけになって暮らしていたが、甲児の男気に惚れ舎弟になる。
今回はデブではない。

  • ムチャ(カルロス・ムーチャ)
ムチャなのに金髪碧眼のテライケメン。はしっこく、頭が回るなど、ボス以上に活躍が多い。

  • ヌケ(グスタフ・ヌケ)
あんま変わってない。

  • シロー・フランソワ
甲児に助けられた少年。彼の弟となる。

  • ジョセフ・ノーマン、モールス・モリスン、ユーソー・セワシェンコ
それぞれオリジナルではのっそり博士、もりもり博士、せわし博士。やはり外人化。

火星人類軍・青龍基地にその人ありと恐れられる鬼中尉。
Zの本質を察知しつつも甲児の資質を計るべく部下をけしかける。

  • 炎ジュン
火星人類軍の女戦士。鉄也との関係は不明だが、親しい事は間違いないようだ。
戦う甲児の姿に欲情する困ったオネーサン。

  • デューク・フリード
紅蓮コンドル部隊を率いる火星人類軍大尉。
オリジナル以上の美形で、甲児を抱き締める場面では思わずさやかに嫉妬される。
背中に翼を持つ天使の如き容姿をしているが……!?

【火星先住民】

滅び去った先史火星先住民の魂を神皇帝・地獄(ゴッドカイザー・ヘル)が地獄門から解き放った存在。
自分達の星を奪還し、そして地獄(ヘル)の愛する地球を汚染した地球人類を抹殺するために戦いを挑んでくる。

  • 神皇帝・地獄
地獄の業火の如き霊体となりながらも、なお地球人類への憎悪を燃やす火星先住民の神。
元は人類創造を目論む生物学者だったらしいが、地球への異常な愛情も含めて詳しい過去は不明。
地獄門の封印を解き火星先住民を復活させる過程で、自らも超常の存在へと生まれ変わった様である。

  • 悪醜羅(あしゅら)男爵
火星先住民の将の一人。
漢前と美女の顔が前後に合わさった姿をしており、正面に来た顔で肉体までもが変化する。
機械獣製作に定評があるらしく、自身も誇りを持っているようだ。あしゅらなのにかなり格好良い。

  • ブロッケン伯爵
火星先住民の将の一人。百人分の頭脳と十体のマシンボディを持つ、宙に浮いた巨大な顔面。
超能力を持ち、真に正体には気付いていないもののZ攻略のために精神攻撃に特化した生体機械獣サイコジェニーを開発する。

  • 比丘魔(びくま)子爵
火星先住民の将の一人。女性の上半身が大男の首から生えた姿をしている。
原住民をモチーフにしたオリジナルとは最もかけ離れた容姿をしている。
さらった女性達を犯す際に女性の上半身が怪物の頭部と化したが、どうやらそちらの方が本性らしい。
幹部では初の戦死者。

  • 剛金(ごうごん)大公
火星先住民の将の一人。金属の虎に武人が合体した姿をしている。
勇ましい姿に反して暗殺者ガミュラ(ガミア)P・Q・Rを放つ以外に活躍なし……っていうか姑息。
これからだったのかな?

  • 不動明
神皇帝・地獄の息子にして、彼の創り上げる悪魔の鎧「デビルマン」の装着者。
本作の最大の敵となると目されるも、登場と共にひとまずの完結を迎えた。
元は『デビルマン』の主人公で、「悪魔の鎧」のデザインは同作をイメージしたもの。

【メカニック】

甲児が身に纏い、彼に全能の力を与える「神の鎧」。

  • アフロダイA
さやかが搭乗するヒューマノイド・マシーン。
戦闘用に強化され生体機械獣以外には有効な戦力になった。

  • 紅蓮コンドル
火星軍の誇る戦闘機。
元ネタはグレートマジンガーのコックピットであるブレーンコンドル。でも鉄也は乗らない。

  • グレンダイザー
詳細不明。
甲児のピンチを救った、微笑みを浮かべる……UFO……?

  • 生体機械獣(バイオマシンビースト)・餓羅蛇(ガラダ)K7
髑髏の顔をした蛇。圧倒的な力でアフロダイとZを蹂躙、読者に生体機械獣の恐ろしさを知らしめた地獄の破壊獣で戦闘バカ。
後にオリジナルを彷彿とさせる新ボディで復活するも……。

  • 生体機械獣(バイオマシンビースト)・虻銅羅(アブドラ)U6
誇り高き武人気質の生体機械獣。だが、能力に目覚め初めていたZの敵ではなく、ブレストファイヤーで溶解された。

  • 生体機械獣(バイオマシンビースト)・火銅羅(ヒドラ)M3
女でありながら醜い体に生まれ、美しさを奪われた事で美しい物を憎む様になったヒス女。

  • 生体機械獣(バイオマシンビースト)・ダブルフェイザーV1
比丘魔子爵がZ捕獲のために用意していた巨大機械獣だが、何でもありのZの前には無力だった。

  • 生体機械獣(バイオマシンビースト)・スパルタンV5
復活した餓羅蛇K7を実力で従えた、強力な生体機械獣。チート能力を発揮しだしたZの敵ではなかった。

  • 地獄門
先史火星先住民が、悪業の果てに滅び去った自分達の魂が真の地獄に墜ちないように作り上げた人工の煉獄。
輪廻の輪から外れ苦しみ続けていたが、神皇帝・地獄により封印を解かれる。



これは超精神物質「Z」。君に自由自在に追記、修正を与える力だ!!

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最終更新:2023年03月29日 15:30