見えざる者、ヴラスカ/Vraska the Unseen(MtG)

登録日:2012/10/14 Sun 23:18:28
更新日:2024/12/05 Thu 11:37:04
所要時間:約 8 分で読めます




《見えざる者、ヴラスカ》とは、TCG「マジック・ザ・ギャザリング」の「ラヴニカの回帰」に登場したプレインズウォーカーである。
また、ヴラスカという人物についてもこの項目で解説する。


性能

見えざる者、ヴラスカ / Vraska the Unseen (3)(黒)()
伝説のプレインズウォーカー - ヴラスカ
[+1]:あなたの次のターンまで、クリーチャー1体が見えざる者、ヴラスカに戦闘ダメージを与えるたび、そのクリーチャーを破壊する。
[-3]:土地でないパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
[-7]:「このクリーチャーがプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはこのゲームに敗北する。」を持つ黒の1/1の暗殺者クリーチャー・トークンを3体戦場に出す。
初期忠誠度:5

解説

[+1]能力はヴラスカへの攻撃を抑止する能力であり、クリーチャーの攻撃で処理されてあっさり退場というプレインズウォーカーの弱点を緩和しつつ、1対1以上の交換が取れる防御的な能力。実際に戦場に干渉するわけでは無いのがたまにきず。

[-3]能力は土地以外の万能な単体除去であり、シンプルゆえに強力な能力。このカードを採用する最大の価値がこの能力にあると言える。

そして、奥義である[-7]能力は特殊勝利条件を持つ暗殺者・トークンを3体も出す勝利直結能力。
フェイジと同じく、一度でも攻撃を通せば勝つもののサイズが貧弱で対処法は幾らでもあるので注意が必要。
まあ、緑が絡んでるので怨恨で無理矢理通したり、十分忠誠度があれば、自身の[-3]能力で強引に突破する手もある。
しかし、これを使うよりも[+1]と[-3]をぐるぐる使い回す方が良い場合が多い。

[-3]能力以外の癖が強く、特に5マナと重いのにマイナス能力が繰り返し使えないこと、+能力が実質大した脅威にならないことなどから強いカードとは言われていなかった。
同期の《思考を築く者、ジェイス》と比べると悲しいほどに採用率に開きがあったカードだが、実はラヴニカへの回帰ブロック全体でみるとジェイスが特例であり《正義の勇者ギデオン》《ラル・ザレック》など採用率が低かったカードはかなり多い。

派生カード

秘宝探究者、ヴラスカ / Vraska, Relic Seeker (4)(黒)()
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ
[+2]:威迫を持つ黒の2/2の海賊クリーチャー・トークンを1体生成する。
[-3]:アーティファクト1つかクリーチャー1体かエンチャント1つを対象とし、それを破壊する。「(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたのマナ・プールに好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ無色の宝物アーティファクト・トークンを1つ生成する。
[-10]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーのライフ総量は1点になる。
初期忠誠度:6

「イクサラン」で、まさかの海賊スタイルで登場した2枚目のヴラスカ。
[+2]と[-3]ではそれぞれ性質の違うトークンを生み出す。性質こそ違うがどちらも使い勝手は良く、どんな状況でも腐ることは無いだろう。また、[-3]の破壊範囲の広さも魅力。
[-10]の奥義はほぼ「ゲームに勝利する」と書かれているようなものである。まぁだいたいのプレインズウォーカーの奥義はゲームエンド級の物なのだが。
単体でのカードパワーも高く、環境が遅くなったのも追い風となってトーナメントシーンでも見られるカードである。

ゴルゴンの陰謀家、ヴラスカ / Vraska, Scheming Gorgon (4)(黒)(黒)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ
[+2]:ターン終了時まで、あなたがコントロールするクリーチャーは+1/+0の修整を受ける。
[-3]:クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[-10]:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているクリーチャーは接死と「このクリーチャーが対戦相手1人にダメージを与えるたび、そのプレイヤーはゲームに敗北する。」を持つ。
初期忠誠度:5

「イクサラン」のプレインズウォーカーデッキで登場した3枚目のヴラスカ。
プレインズウォーカーデッキに収録されるプレインズウォーカーは意図的にカードパワーが下げられているので説明は割愛する。
何気に黒単色であり、効果も割と黒っぽくなっている。

ゴルガリの女王、ヴラスカ / Vraska, Golgari Queen (2)(黒)()
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ
[+2]:あなたは他のパーマネント1つを生け贄に捧げてもよい。そうしたなら、あなたは1点のライフを得て、カードを1枚引く。
[-3]:点数で見たマナ・コストが3以下で土地でないパーマネント1つを対象とし、それを破壊する。
[-9]:あなたは「あなたがコントロールしているクリーチャー1体がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、そのプレイヤーはこのゲームに敗北する。」を持つ紋章を得る。
初期忠誠度:4

「ラヴニカのギルド」で、ボーラス陣営のPWとして登場した4枚目のヴラスカ。
今までのヴラスカでは最もマナコストが軽い。[[ダイエット]]したのかな?
[+2]能力は直接的にアドバンテージこそ増えないが、生贄は土地でもトークンでもよいので不用牌をガンガン回していこう。
[-3]能力はモダンで現役の《突然の衰微》と同様の効果。
使い勝手もほぼ同様で、ダメージやマイナス修正で落としにくいクリーチャーや、デッキの核となるエンチャント、アーティファクトを潰そう。
[-9]はヴラスカ伝統の即死効果。
プラス能力の忠誠度の上げ幅が大きいため、単にプラス連打してるだけでも奥義を意識させられる。

全体的に同じゴルガリのカードである《千の目、アイゾーニ》とは好相性。
プラスと小マイナスは小粒だが取り回しが良く、ヴラスカ自体のマナコストも丁度空いたコスト帯に収まるため、
ゴルガリ系ミッドレンジで前述の探求者ヴラスカと共に採用されている。
なお、数量限定販売された特別セットでは絵違いフルアート版でこのカードが収録されており、
そのイラストでは後述の魔学コンパスを手に持っている。

威厳あるゴルゴン、ヴラスカ/Vraska, Regal Gorgon (5)(黒)()
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ
[+2]:クリーチャー最大1体を対象とし、それの上に+1/+1カウンターを1個置く。ターン終了時まで、そのクリーチャーは威迫を得る。
[-3]:クリーチャー1体を対象とし、それを破壊する。
[-10]:あなたの墓地にあるクリーチャー・カード1枚につき、あなたがコントロールしている各クリーチャーの上に+1/+1カウンターをそれぞれ1個置く。
初期忠誠度:5

「ラヴニカのギルド」のプレインズウォーカーデッキに収録されている5枚目のヴラスカ。
例によって構築レベルではないため詳細は割愛する。

Vraska, Swarm's Eminence / 群集の威光、ヴラスカ (2)(/)(/)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ
あなたがコントロールしていて接死を持つクリーチャー1体がプレイヤー1人かプレインズウォーカー1体にダメージを与えるたび、そのクリーチャーの上に+1/+1カウンターを1個置く。
[-2]:接死と「このクリーチャーがプレインズウォーカー1体にダメージを与えるたび、そのプレインズウォーカーを破壊する。」を持つ黒の1/1の暗殺者・クリーチャー・トークンを1体生成する。
初期忠誠度:5

6枚目のヴラスカは「灯争大戦」のアンコモン枠。キーワード能力の「接死」をサポートする能力と、プレインズウォーカーへの接死とでもいうべき能力を持つトークン生成を併せ持つ。
接死というクリーチャー戦に有利になる能力を「放っておくとサイズが上がってますます脅威になる」とすることで補佐する能力なのだが、そもそも接死という能力をサポートするカード自体が少ないのが難点。
そのため基本的にはリミテッド用。

どちらかというとイラストが重要なカードであり、海外版のイラストではマイタケのような衣装を身にまとっている。
これはストーリーで「きのこのようなドレス」を纏っているというものを表現したもので、これまで戦い続きでやたらゴリウー感ただよう荒々しいたたずまいだった彼女にしっとりとした印象を与えている。一応ドレス自体は上述の女王ヴラスカも着てたんだけどね。

裏切りの棘、ヴラスカ/Vraska, Scheming Gorgon (4)(黒)(黒/Φ)
伝説のプレインズウォーカー — ヴラスカ
完成化((黒/Φ)は(黒)でも2点のライフでも支払うことができる。ライフで支払ったなら、このプレインズウォーカーは2個少ない忠誠カウンターで戦場に出る。)
[0]:あなたはカード1枚を引き、1点のライフを失う。増殖を行う。
[-2]:クリーチャー1体を対象とする。それは「(T),このアーティファクトを生け贄に下げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ宝物・アーティファクトになり、他のすべてのカード・タイプや能力を失う。
[-9]:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーが持っている毒カウンターが9個より少ないなら、そのプレイヤーはその差に等しい個数の毒カウンターを得る。
初期忠誠度:6

「ファイレクシア:完全なる統一」でファイレクシアの罠に嵌り、完成化してしまったヴラスカ。
各部が刺々しくなっている他に、元は二本足だった部分が金属の尾に変化しているのが大きな特徴。また、セット内で黒緑のPWの枠をタイヴァーに譲ったからか黒単色に。

完成化によって6マナか5マナ&ライフ2点で唱えられ、後者の場合初期忠誠度は4になる。低すぎるというほどではないが除去を使える回数が減り奥義への到達が遅くなるため、他の行動と両立できるかで唱え方を変えることになるだろう。
[0]はドローと増殖で、増殖により実質[+1]となる。他のPWなどの各種カウンターを同時に増やせるようにしたい。
[-2]は宝物に変える形での除去で、マナを与えることになるが死亡時の能力を防げる。
[-9]の奥義はヴラスカらしくあと1手で敗北の状態にするが、毒カウンターのため増殖や毒性と併用する必要がある。2枚目の増殖で毒10個は達成できるため難しくはないが、見切り発車で使うのは危険。

ブルームバロウの発売後は、置かれるカウンターを倍増させるエンチャント《亭主の才能》との2枚コンボで注目を浴びるようになった。
レベル3の《亭主の才能》が場に出ていれば着地後即座に奥義を発動可能、奥義で与える毒カウンターも倍になるため一撃必殺となる。

静める者、ヴラスカ / Vraska, Golgari Queen (1)()()
伝説のクリーチャー — ゴルゴン・暗殺者
接死
対戦相手がコントロールしていてトークンでないクリーチャー1体が死亡するたび、あなたは(1)を支払ってもよい。そうしたなら、そのカードをタップ状態かつあなたのコントロール下で戦場に戻す。それは「(T),このアーティファクトを生け贄に捧げる:好きな色1色のマナ1点を加える。」を持つ宝物・アーティファクトであり、他のすべてのカード・タイプを失う。
3/3

「機械兵団の進軍」以後行方不明になっていたが、「サンダー・ジャンクションの無法者」で依頼人アショクの副官として登場したヴラスカ。なぜか完成化以前の姿に戻っており、侵略戦争の余波の影響でPWの灯を失っている。

能力は1マナ支払うことで、死亡した相手のクリーチャーを戦利品として自分の物にすると言うもの。
宝物になるが各種能力はそのままのため、単純なマナ以上のアドバンテージを得ることも可能。
サイズ面は3/3接死と3マナ多色としては標準的。ただ、直近のカードに加えて先制攻撃を持ち戦闘で歯が立たない《グリッサ・サンスレイヤー》も存在するため、宝物化能力を主体として運用したいか。

ストーリー

ラヴニカ出身のプレインズウォーカー。ゴルゴンであるヴラスカは、元々ラヴニカに存在する10のギルドの一つであるゴルガリ団のメンバーだった。対立ギルドであるアゾリウス評議会の地下都市掃討作戦に巻き込まれた彼女は仲間からゴルゴンとして武器にされ、生死をさ迷う
その時、プレインズウォーカーとして目覚めた彼女は無自覚に何も無い次元にプレインズウォークしてしまい、
その後ヴラスカがプレインズウォークを覚えるまで長い間その次元に留まった。

ラヴニカへの帰還ブロック

ラヴニカに帰還してからは、自身の信奉者を集めながら仇敵であるアゾリウスの要人を暗殺して回っていたが、
新たなギルドパクトとなったジェイスを利用しようとして逆に一泡吹かされて以来、ジェイスの事も付け狙っている。
この時点でのヴラスカはまだ「ラヴニカの悪党」といったポジションで、そこまで重要視されているわけではなかった。

帰還~イクサランの間

そんなある日、ヴラスカの下に差出人不明の依頼が届いた。
プレインズウォークして対面した依頼者はボーラス、イクサランにある『不滅の太陽』を探して来いと言う依頼であった。

ボーラスは成功したあかつきにはゴルガリ団の長の地位を与えると約束。
ゴルガリ団の現ギルドマスターであるジャラドやその取り巻きは所属しているクロール(昆虫系の亜人種)という種族を冷遇しており、そうした体制を嫌っていたヴラスカにとっては好都合だったためにそれを承諾。
ボーラスが用意した魔学コンパスと知識を手にイクサランへ飛び、現地で船員と船を調達して大海原へと繰り出した。

イクサランブロック

船長としての暮らしが板についてきた頃、ヴラスカは一人の漂流者を拾い上げる。
それは記憶喪失のジェイスであった。ヴラスカは激昂に任せてジェイスを殺そうとするが、記憶がないジェイスは自分の知るジェイスとはまるで違っており、毒気を抜かれてしまう。

ジェイスを船員に迎え入れたヴラスカは、記憶喪失である彼と多くを語り合い、自身の知らないジェイスの一面を受け入れてゆく。
だがジェイスと共に滝つぼに落下した際に、生まれてからイクサランに至るまでほぼ全てのジェイスの記憶をヴラスカは追体験し、本当のジェイスを知ることとなる。
落下した衝撃で記憶が戻ったジェイスに突き放されてしまうのではないかヴラスカは危惧するが、ジェイスもまた、旅の中でヴラスカの事を十分に理解していた。
ヴラスカとジェイスは記憶が戻る前の様に、二人揃って不滅の太陽が眠るオラーズカへと歩を進めるのだった。

そうしてオラーズカにたどり着き、不滅の太陽の番人であるアゾールはギルドパクトの力を行使したジェイスによって追放され、
ボーラスの依頼は達成間近であった。
だがジェイスからボーラスの正体と目的を告げられ、さらにボーラスがラヴニカを脅かそうとしていることにヴラスカは大きなショックを受ける。

しかし、不滅の太陽がある限りイクサランからプレインズウォークすることは出来ず、ヴラスカは依頼を遂行するしかなかった。しかしそうなると、記憶を覗き見ることができるボーラスにジェイスと仲良くなったことを悟られ二人とも消されてしまう。
このままではラヴニカや自分たちははボーラスになすすべなく蹂躙されてしまう。絶望しかけたヴラスカだったが、そこで彼女は乾坤一擲の妙手を思いついた。ボーラスが記憶をのぞき見したとき、ジェイスの姿を見なければごまかせるのでは?
そして、絆を結んだジェイスは記憶操作を得意としている。そうすれば、ジェイスを護りラヴニカに迎撃の機会を与えることができる。
ヴラスカはジェイスと二人だけの約束――いつの日かボーラスを打ち倒すための約束――をした後、イクサランでのジェイスに関する記憶がジェイスによって抜き取られ、偽りの冒険の記憶を与えられた。

気を取り戻したヴラスカは、やや違和感を覚えながらも目の前にある不滅の太陽をボーラスの呪文で移動させ、自信もボーラスの下へとプレインズウォークする。
ボーラスはねぎらいと共にヴラスカの記憶を覗き見るも、そこにあったのは一人で不滅の太陽までたどり着いた記憶だけであった。

ラヴニカ三部作

ボーラスから報酬としてゴルガリのギルドマスターであるジャラドの首を与えられ、ヴラスカがゴルガリのギルドマスターへと収まる。
抑圧されていたクロールたちを解放し、さらにゴルガリの領地に眠っていた死体を蘇らせて軍にするなど改革を行った。

来たるべきボーラスのラヴニカ侵攻のために着々と準備を進めているが、
一方でイクサランでの冒険の思い出が詰まった魔学コンパスを見るたびに、自分でもよく分からない感情が沸き上がるのだという。

ボーラスのラヴニカ侵攻が始まったとき、ジェイスとの再会を果たす。
記憶を取り戻した彼女はボーラスに叛逆し、ラヴニカ市民や集結したプレインズウォーカーとともにボーラスの軍勢と戦った。
そして終戦後は晴れてジェイスの恋人となった。

ファイレクシア:完全なる統一~機械兵団の進軍

プレインズウォーカー連合として新ファイレクシアに向かったが、敵の罠により分断され、一人ドロス窟に囚われてしまう。
助けを求める声を脳裏で聞き現れたジェイスに対し、既に油の侵食を受けた自分の介錯を求めるが、ジェイスは仲間を先に行かせヴラスカを救おうとした。
……しかしその想いは届かず、ジェイスを自らの尾で貫き、ファイレクシアへの忠誠を誓うのだった。

各次元への侵攻ではラヴニカを担当し、ゴルガリ団をファイレクシア陣営に引き込み、侵略樹の枝で地底街を地上に晒すことで侵略していった。
その後ラル・ザレックと対峙するも、血液電衝スイッチなる発明品によって体内の油を放出させられ視界が暗転。
心の片隅でジェイスの再会し、ひと時の談笑を交わした後、心と視界は眩しい白色に弾けた。

その後ラルは、ヴラスカの死体が見つからなかったという報告を受ける。
プレインズウォークで逃げることは可能とはいえ、無事で済む状態ではなかったはずだが……?

サンダー・ジャンクションの無法者

経緯は不明だが完成化以前の姿に戻っており、アショクに雇われた副官として、オーコ一味に同行。
道中ラルと再会するというアクシデントこそあったものの宝物庫へとたどり着くと、なんとオーコを裏切り石化の魔法を放った。オーコは済んでのところでプレインズウォークし、完全な石化は防いだが……


余談

初登場時は現地プレインズウォーカーとしてであり、ぶっちゃけ特筆するような出番はなかった。
その後ジェイスにしっぺ返しをされた短編以降、数年間ストーリーに出てくることはなかった。一応マジレクの短編でアドバイザーとして登場していたが、本当にそれだけだった。

イクサランの情報が出ると「MTGに恐竜がフィーチャーされる」というジュラシックパーク的な要素に「海賊」「ヴラスカ」というわけのわからない要素が混在したそれに、プレイヤーは首をかしげることになる。
しかしいざ蓋を開けてみれば、メインとなるジェイスとヴラスカは「決して相容れないと分かっていた敵同士が立場を捨てて理解しあい、互いの性格に影響していく」という良質なストーリーに各勢力のどことなく憎めないキャラたちが織りなす群像劇的な要素もあってストーリーは大変高い評価を得た。

しかもヴラスカはまさかのメインヒロインと化し、ジェイスとの再会フラグも立てて〆るというなんともオイシイポジションとなった。そしてその裏ではリリアナが終始イライラしていた。
当時の「注目のストーリー・カード」は番号が振られていたためスポイラーを見た時点で短編の流れがなんとなく予想できてしまい、《誘導記憶喪失》はヴラスカの記憶をジェイスが決しているイラストから「なんだ結局元に戻るのか」と残念がられていたのだが、
実際には「ヴラスカがボーラスを出し抜くために記憶を一時的に消すことを頼み、ジェイスはためらいながらもそれを承諾する」というカードからはとても読みとれないどんでん返しであり、その後1年以上にわたってヴラスカの行く末に注目が集まっていた。
この時期のストーリーではそうでもなかったとはいえ、MTGにはウルザやグリッサ、ジャラドのように「これまでの要素をことごとく台無しにする」という悪い意味での信頼感があったので不安の声も決して少なくなかったのだ。
その後は上記の通りジェイスと添い遂げ、パートナーの立ち位置を確立した。
デュエルデッキで対決していた頃は誰がこんな姿を想像しただろうか。

しかし新ファイレクシアとの決戦で完成化、しかもその愛情からジェイスをも巻き込んだ上に色々やらかして行方不明となった際は上記の「これまでの要素をことごとく台無しにする」不安再びとなった。
新φの一件の後はなんとか完成化から脱し、ストーリー的に不安も脱したかと思いきやジェイス共々妙な動き続けているため今後の動向に注目が集まっている。

コメント欄なんかを見てみると、在りし日の彼女の評価がよく分かる。最近始めたヴォーソス諸兄はこれを見て往時に思いをはせてみるのもいかがだろうか。



追記・修正は、暗殺者トークンで相手を暗殺してからお願いします。

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最終更新:2024年12月05日 11:37