登録日:2010/06/20(日) 16:03:48
更新日:2024/12/07 Sat 11:22:59
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ガイ・リッチー監督による
群像劇映画。2000年公開。
頻繁に場面(時には時系列までも)が切り替わる演出は様々な作品に影響を与えた。
宣伝ポスターにはブラッド・ピットを中央に置き、日本でもブラピの映画として紹介されることが多かったが、主演はジェイソン・ステイサム。
これは当時ジェイソン・ステイサムの知名度が非常に低かったために取られた措置。彼が現在のような高い知名度を得るのは本作の2年後、主演映画の『トランスポーター』がヒットしてからである。ちなみにステイサムは「ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ」や「リボルバー」等でもガイ・リッチーと組んでいる。
賭けボクシングとダイヤ争奪戦、異なる2つの物語が上手く絡み合い、ストーリーが展開していく。
◇
あらすじA
ロンドンの非合法ボクシングのプロモーター・ターキッシュとその相棒のトミーは、お抱えのボクサーが怪我をしたことで、ノミ屋を経営するブリック・トップに"貸し"を作ってしまう。
貸しを返すために、ブリック・トップの指示で賭けボクシングで八百長仕込むことになる。
代理のボクサーとしてパイキー(流浪民)の青年ミッキーを雇うが、彼がまたトラブルを巻き起こす。
ギャング物らしい
綱渡りのようなシリアスな展開が続く。
◇
あらすじB
ベルギーでは86カラットのダイヤが盗まれる事件が発生。
ダイヤを盗んだ強盗団の一人・フランキーはダイヤをNYのボス・アヴィーの元へ届ける前に、他の盗品を捌くためにロンドンに寄る。
そこでギャンブル好きが災いし、罠にはめられる。
フランキーからの連絡が一向に来ないことに業を煮やしたアヴィーがダイヤを取りにロンドンを訪れる。
そしてダイヤ争奪戦が始まる。
出てくる登場人物のほとんどがマヌケ。
本人達は真面目だが、見ているコチラは有り得ない行動・展開に笑えてくる。
◇登場人物
(ジェイソン・ステイサム)
非合法ボクシングのプロモーター。本作の主人公兼狂言回し。
裏稼業の人間だが、頭のイカれた元締めと要領の悪い相棒との板挟みに合っている苦労人で、自身の運の悪さを嘆いている。
今でこそアクション俳優としてバリバリ活躍しているステイサムが演じているが、本作ではターキッシュ自身がボクシングをするシーンはなく、試合ではプロモーターやセコンド等の裏方に終始している。
「ポケットに入れられた」
(スティーヴン・グレアム)
ターキッシュの相棒。マヌケ。
普段はスロットで生計を立てている。
自分の名前は銃の名前が由来だと言い張っているらしいが、実は違う。
ターキッシュからはその馬鹿さ加減を呆れられてはいるものの、同時に弟同然の存在である為、なんだかんだ言ってとても可愛がられている。トミーの方もターキッシュがギャングに囲まれた際には拳銃片手に助けに入っており、二人の仲は極めて良好である。
「カマされちまったな…」
(ブラッド・ピット)
パイキー(ジブシーまがいの生活をしている人々のこと)。全身に刺青を入れている。
訛りが酷い英語を話す。その為何を言っているのかわかりにくく交渉が非常に難しいので、作中の登場人物の多くはミッキーに限らずパイキーと絡む事自体を露骨に嫌がっている。
飄々としているが、ボクサーとしての実力は一流で体格差のある相手も軽く殴り倒す程の力量の持ち主。
「ダグは好きかい?」
(ベニチオ・デル・トロ)
ギャンブル好きの強盗。普段はクールだがギャンブルになると目の色が変わる困った性分。
かつてギャンブルによるトラブルで指を詰めており、それが異名の由来になっている。
作中冒頭でダイヤの強奪に成功するものの、ギャンブル中毒という弱点がきっかけとなり、そのままダイヤごと消息を絶ってしまう。
余談だが、
日本語吹替の声優は他作品でも
同じ名前の別キャラを担当している。
「ヘイョ~~~ラ~スベガス」
(レニー・ジェームズ)
質屋を経営している黒人。マヌケ。
相方のヴィニーの馬鹿さ加減についてよくツッコミを入れているが、ソル自身も詰めが甘くかなり抜けている。
ボリスから賭場への強盗を依頼されるが、そのせいでとんでもない事態に巻き込まれていく。
「…それは何だ?」
(ロビー・ギー)
ソルの仲間。スキンヘッド姿の細身の黒人。マヌケ。
パイキーとの取り引きの際に貰った犬を大事にしている。
奪ったブツを股間に隠すなど、ソル以上に素っ頓狂な発言や行動が目立つ。
ソルと共に賭場荒らしを企わだてるが…
「ハッハー!これはショットガンだよ」
ヴィニーがパイキーとの取り引きの際におまけで貰ってきた犬。貰ってまだ間もないので名前はまだつけられていない。
犬種はブル・テリアと思われる。
ヴィニーは非常に可愛がっているが躾がまるで行き届いていない為、よく吠えるしよく噛み付くかなりの問題児。
食べ物以外の物も平気で口にする悪癖があり、物語中途でボールを飲み込んだ為、以降は事あるごとに変な音が鳴るようになってしまった。
本作のジャケットでは堂々とセンターを飾っておりとても目立っているが、作中本編でも物語を掻き回し周囲の人間を巻き込むトラブルメーカーとして大いに活躍する。
(エイド)
黒いダウンジャケットのピザ。
主に運転手を担当。しかし、運転技術は極めて低い上に体型のせいで車の乗り降りすらも満足にできないというかなりのポンコツ。
これだけだとただの無能だが、外見の情報からフランキーを見つけたり、探すのは不可能と言われているボリスのアジトを見つけ出すなど、人探しには妙に長けている。
「これは俺の車だ!」
(アダム・フォーガティ)
ターキッシュお抱えボクサー。かなりの巨漢。
数日後にブリック・トップが仕組んだ八百長試合への出場を控えているが、トミーのボディーガードも兼ねて共にパイキーのキャンプ場へ取り引きに赴くことになる。
(ジェイソン・フレミング)
ミッキーのパイキー仲間のひとり。
演じているジェイソン・フレミングはガイ・リッチーの監督作品『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』で主人公のひとりを演じている。
(ヴィニー・ジョーンズ)
銃弾を歯で止めたという逸話を持つ凄腕の殺し屋。
ダグと懇意にしており、その縁からアヴィーのダイヤ探しに協力する事になる。
人殺しも躊躇わない冷血漢だが犬を殺すのにはかなり難色を示しており、血も涙もないわけではない模様。
マドンナの「ラッキー・スター」がお気に入りの曲らしい。
「銃はいらない、俺がいる」
(ユエン・ブレムナー)
情報屋。
トニーに締め上げられた挙句、ブリック・トップのノミ屋を襲撃した強盗達についての情報を吐かされる。
(レイド・セルベッジア)
ロシア人で元エリート工作員。内戦時代には麻薬王として鳴らしていた。
根性曲がりでタフ。その上普通じゃ考えられない程イカれているというかなりの危険人物。その為、裏社会では不死身の男として有名である。
普段は銃を売っているが、まともに発砲できない銃を騙して売りつけるなどかなり悪どい商売をしている。
フランキーの強盗仲間の中に兄弟がおり、そこからの依頼でダイヤを横取りする為動き出す。
「…エプスフォーマッツ!」
(マイク・リード)
宝石商。
裏から流通してくる宝石の買取も行っており、ダグを知らないのはもぐりと言われる位この筋では有名な存在である。
ユダヤ人ではないがユダヤ人になりきっているアヴィーの
いとこ。
「それも聞いたわパパ」
(デニス・ファリーナ)
フランキーのボスでニューヨークの黒幕。アメリカ人。
アメリカから出るのを嫌がるほどの愛国者だが、ダイヤのためにロンドンへ向かう。
せっかちで直情的。後先考えない性格。かなりの毒舌家で皮肉の効いたコミカルな発言も多い。
「そうだロンドンだ」
(アラン・フォード)
ノミ屋経営者でギャングのボス。黒縁メガネをかけている。
気に入らない相手や役立たずは殺して豚の餌にしてしまうので、周囲には非常に恐れられている。
絶対に怒らせてはいけない存在の為、ターキッシュはブリック・トップとのやり取りはかなり慎重に行なっている。
裏社会の大物に取り入ろうと賭けボクシングの八百長を企てる。
尚、ブリック・トップはトミーが大のお気に入りなので、トミーが口を開く度に酷くなじっている。
「豚に喰わせろ」
30分やる。それまでに追記・修正出来なければ、お前等もお前等の家族も全員豚に喰わせるぞ!
- 最高の映画の一つ。OPやBGMも良曲ぞろい。ゴチャゴチャし
た短編が最後に集まって一つの結末に向かう流れが最高! -- 名無しさん (2016-02-19 23:58:51)
- 群像劇のお手本のような作品 -- 名無しさん (2018-02-12 11:15:58)
- メタルマンの人の紹介で見たというかいきなり買った。買う価値のある映画だった。 -- 名無しさん (2018-02-12 13:38:07)
- 一番シリアスで怖いブリックトップも殴り込みの時部下にティータイムの時間だからってわざわざ紅茶を買ってこさせるとぼけたとこがこの映画の魅力 -- 名無しさん (2022-03-22 18:03:52)
最終更新:2024年12月07日 11:22