異能生存体

登録日:2010/08/12(木) 17:02:41
更新日:2023/11/06 Mon 07:58:26
所要時間:約 4 分で読めます





異能生存体(いのうせいぞんたい)

装甲騎兵ボトムズシリーズにて定義づけられている概念。又は存在である。
初出は本編終了後に発売されたOVA「装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」より。

【概要】

装甲騎兵ボトムズの舞台である広い広いアストラギウス銀河の中でたった1人しか持ち得ない体質、それが異能生存体である。

この言葉を提唱したのはレッドショルダー創始者のヨラン・ペールゼンであり、その研究文章は「ペールゼン・ファイル」と呼ばれている。
アストラギウス銀河最強の部隊であるレッドショルダーの存在でさえ、異能生存体の前では色褪せてしまう。


その能力はただ1つ。


ただそれだけである。


ぶっ潰されても、焼かれても生き残る。たとえ超高高度から落とされようが、大爆発に巻き込まれようが大丈夫。
全身火傷、脊椎損傷、頭蓋陥没、大腿骨の複雑骨折などの大怪我を数十箇所負っても完全に治る。

限りなく生存率の低い戦場に何度も出撃しても、その度に一人だけ生き残る。
具体的な例としては、1億2000万人中、1億1999万9999人が死んでもキリコだけは生き残った、しかも無傷。
他にも

  • 拷問で心臓停止
  • ATの火炎放射器で全身を焼かれる
  • 核爆発並みの爆発の中心に
  • −200℃の寒波の直撃
  • 頭に向かって至近距離から銃を発射
  • 心臓に向かって銃弾を叩き込まれる
  • 自分がいる星が爆発

…等といった事が起こっても、何故か回復したり、脱出成功したり、銃が故障したり、弾がギリギリ逸れたりして最終的になんとかなる。

ぶっちゃけた話、どんな手を尽くそうが殺せないし、何をしようとも死なない人間の事。ここまでくるとギャグ漫画補正レベルである。

「野望のルーツ」にて、ペールゼンが語ったところによると、とても低い遺伝確率(250億分の1)*1で生まれる個体であり、生存率が異常な程高い。
そしてそれに加えて非常に高い運を持っている。
なので異能生存体はどんなに生存確率が低い戦場でも生き残ってしまう。


現に異能生存体を殺す事が出来る手段は存在しないし、もし死んだらそれは異能生存体ではない。


元々は純学問的な生命研究所で、どんな損傷を与えても復元する異能生存体の菌類が発見された。
菌類に限らず動物や人間にも同じように異能生存体が存在し得ることが予見され、研究者たちは軍事利用を恐れて情報を秘匿しながら研究を続けていたが、
ペールゼンがその情報にたどり着き、サンサの研究所を襲撃、研究所で育てられていた子供たちを研究施設ごと焼き尽くした。
そして生き残ったキリコ(当時6歳)が見いだされた。

OVA「ペールゼン・ファイルズ」ではフェドク・ウォッカムがその特異性に着目し、異能生存体と思われる5人の男による分隊・バーコフ分隊をバララント軍最重要拠点「モナド」へ突っ込ませる。
しかしその分隊はキリコ以外全員死んだ。
死んだ4人は異常な程の運の高さがあったし確かに「他の小隊に属すれば、最強クラスの兵士」になれる程強かったが、彼らは結局異能生存体の「近似値」にしか過ぎなかった。

異能生存体と断定できる人間は今のところキリコ・キュービィーただ1人。
もっとも、彼も近似値である可能性は理論的に否定出来ないが…

異能生存体の存在はある種の奇跡とでも言うべき物であり、場合によっては自身に訪れる環境や人間の心理までねじ曲げてまで生き残る。
監督によれば因果律さえもねじ曲げるらしい。

因果律操作系や宇宙創造破壊系の能力なら殺すことは可能では?という意見もあるが、
おそらくそういった存在とは出会わないし、出会っても敵対することは無い。
そうやって生存し続けるのが異能生存体なのだ。


とはいえ異能生存体も生身の人間である以上、撃たれれば痛いし仲間が死ねば悲しい。
あくまで死なないだけで、倒されたり拷問を受けたりといった不幸は回避できないし、
「敵に勝てる能力」でもないのでそこは自力でどうにかする必要がある。
さらにその生存の為に因果律が曲がった結果、近しい人が犠牲になることも…
愛する人々との死別を幾度となく味わう羽目になるこの能力は、彼にとっては呪いのようなものでもある。
このためか、TV本編終盤で異能者であることを自覚して以降のキリコは、あえて自分ひとりで戦いに臨むようになった。

この「主人公補正」を意図的に組み込んだかのような異能生存体と言う設定は、ある種の呪いとも言えるが、「緊張感が生まれなくなった」などと、最低野郎の間でも是非が別れている
まあぶっちゃけた話、TVアニメ本編にてキリコがあまりにも不死身すぎたため、整合性を取るために後付けで加えられた設定である。


ネットではそんな状態を皮肉ってか、他作品であんまりにもしぶとく死なないキャラを異能生存体呼ばわりする事もある。




【主な異能生存体】


無敵の強さや再生能力などなくとも悪運に恵まれて「死なない」もしくは「死ねない」とされるキャラ。
ボトムズ以外のキャラや現実に存在する人物及び近似値も含む。
不死身の能力者や死亡しても蘇生するないしさせられた者はここでは含まない。

【創作における異能生存体】


【現実における異能生存体】

  • 駆逐艦雪風 - 大日本帝国海軍を代表する「奇跡の駆逐艦」。
  • 特務艦宗谷 - こちらも相当しぶとかった艦。大日本帝国海軍唯一の生残艦として令和の世になっても未だに生存している。
  • 戦艦ウォースパイト- 三度の大破を生き延びた「傷だらけの不沈艦」「オールド・レディ」。
  • 舩坂弘-史実の異能生存体。「生きている英霊」
  • ニルス・エドヴァルド・カタヤイネン - 「ついてないカタヤイネン」とあだ名される程に何度も大事故を経験したが尽く生還し遂に大戦を生き延びる。
  • ティム・ランカスター-史実の異能生存体。BA5390便不時着事故の事故機機長。こちらも参照
  • 岩手県-日本のほぼ全域が新型コロナウィルスにやりたい放題に蹂躙されても数ヶ月以上経ってもなお無傷で猛烈な抵抗を続けている。




推奨BGM「風が知っている」


敢えて問うなら答えもしよう。望むことはささやかなりし。
この腕にかき抱けるだけの追記でいい。
この胸に収まるだけの修正でいい。
たとえて言うなら、その名はアニヲタWiki。
アニヲタWikiこそ我が命、アニヲタWikiこそ我が宿命。


最終回「触れ得ざる項目」

ああ、まさにその名の如くに。

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最終更新:2023年11月06日 07:58

*1 ペールゼン・ファイルズでは確率は「数百億分の一あるいはそれ以下」とも言及されている。菌類の異能生存体は遺伝確率が少し低いようで「数百億分の一あるいは数兆分の一」とされる。