登録日:2010/07/27 Tue 19:26:30
更新日:2025/02/15 Sat 11:45:24
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不死とはそのまんま『
死なない』こと。不死身とも呼ばれる。
どうやっても死なないが、不死設定がある訳ではない「
異能生存体」についてはここでは扱わず、該当項目にて扱う。
一言に不死と言ってもいくつかの種類がある。
【完全なる不死】
どんなことがあっても絶対に死ぬことはない。
日本のアニメやマンガではあまり見かけないが、
宗教や
神話では定番。アメコミにもそこそこいる。
全知全能の
神同然なキャラが多い。
《完全な不死》
上記の通り死ぬことも老いることもない完全な不老不死。
〔代表例〕
《完全な不死であるがそれを破る天敵が存在する》
本来世界観上どのような手段でも死なないが、物語開始時点に不死の加護を打ち破れる手段を獲得した埒外の存在が現れるという非常に珍しいケース。
〔代表例〕
▼神祖、使徒(シルヴァリオ ラグナロク)
▼デウスエクス全種族(ケルベロスブレイド)
▼乙姫(
波打際のむろみさん) ※不老不死だが、リヴァイアさんの力で死を与えることが出来る模様。
【不完全な不死】
基本的には不死だが、何らかの条件で死亡する。
再生力が高いだけだったり、特定の攻撃以外が入らないというパターン。
アニメやマンガで敵キャラクターとして登場することが多い。
《不老だが完全に不死ではない》
不老であり老化による寿命で死ぬことはないが、外傷等で死ぬことはある。
なお、現実には細菌でも環状のDNAを持つ生物は分裂回数に限界はないのでこのタイプ。
DNA複製酵素は端を複製できず、真核生物は両端にテロメアを持つことでカバーしているが、環状ならば端はないため。
〔代表例〕
《不死だが不老ではない》
ダメージを受けても死なないが、肉体の老化はそのまま継続する、不老ではない不死。
つまりは身体がボロボロに衰弱しても死ぬことができない、「無間地獄」とも呼べる状態。
「全身を粉砕・溶解しても生きているのか」などの詳細は作中で説明されないことが多い。
〔代表例〕
▼ストラルドブラグ(ガリヴァー旅行記)
▼山之辺マサト(火の鳥 未来編):※肉体が消滅しても意識体となって存在し続けたため、下記の「精神的な不死」にも該当。
▼ネンガ流後継者(
忍ペンまん丸) ※下記の「条件付きの不死」にも該当。
▼神代家の直系(
SIREN) ※始祖が受けた呪いが一部引き継がれたのが原因で、かつ、劇中で謎の炎で燃やされて死んだ神代家の者がいるので、下記の「条件付きの不死」「不死の呪い」にも該当。
▼
ポーキー・ミンチ(
MOTHER3)
▼ショット・ウェポン(New Story of Aura Battler DUNBINE)※下記の「不死の呪い」にも該当。
▼
ドクター・カオス(
GS美神 極楽大作戦!!)
▼『不死の猟犬』の世界の人間(不死の猟犬)
▼秘薬摂取者(
永遠に美しく…)
▼天元(
呪術廻戦) ※500年ごとに自身と適合する人間「星漿体」と同化しないと、呪霊に近くなってしまう。
《不死だが再生しない》
どんなダメージを受けても「死なない」が、受けたダメージは治らず、死亡状態になれば半ば
ゾンビと化す。
もしくは再生(治療)は可能だが、長期間ダメージを受けたままではいられないというケースもある。
要するに《不死だが不老ではない》のと似た様な「無間地獄」状態に陥り、しかも前述のケースと異なり肉体面のカモフラージュを施さなければ只の異形と化す。
それこそ生きているだけの肉塊になってしまう可能性も…
《再生型の不死》
ダメージは受けるが、銃弾で頭を撃ち抜かれたり
粉々になったり、燃やしたりしても
再生する。
大きなダメージを何度も食らうと再生できなくなったり、極太ビームなどの強力な攻撃で跡形も無く消されたりして死亡する場合が多い。回数制限があるケースもある。
また、傷ついても死なないだけで老いや病には勝てない例も。
人造人間やナノマシンを注入した人間が多く分類される。
比較的不死性の低い者は、窒息などで生命活動を停止させられる。
死亡はしなくても凍らせたり、再生してもすぐ大ダメージを受けるループを永遠に繰り返される状況に置いて
封印されたりすると無力化されてしまう。
〔代表例〕
《死んでも復活する》
普通に死ぬのだが、完全に死亡しても時間経過等で自動で復活する。
殺せば一時的にこの世からいなくはなるが、完全に根絶することはできず、いずれまた再びこの世にあらわれてしまう。
対処法としては殺さずに封印するなどがある。
〔代表例〕
《再生限界・回数制限のある不死》
平たく言えば「残機制」。一定回数や時間までは死んでも復活するが、死亡回数・不死の有効期限を使い切ればそのままご臨終となる。
回数を使い切らせるまで殺し続ければいいので楽と言えば楽だが、このタイプでは残機を外部から補充したり、一定時間ごとに回数がリセットされる連中もいたりする。
〔代表例〕
《運命による不死》
肉体的には普通の人間とそう変わりないが、運命によって死なないこと、殺されないことが決定づけられている不死。
運命による死が定まっていることで、逆にそれに反する形の死を運命が退けるケースもある。
〔代表例〕
《複製型あるいは群体型の不死》
個体自体は不死ではないが、いくらでも複製を用意できるもの。
後述の《憑依型あるいは転生型の不死》と違い、全個体ほぼ同一のスペックである事が多い。
〔代表例〕
《無敵型の不死》
ダメージ自体を受けないか、微々たるものにする不死。
特定の弱点か攻撃のみダメージを受け、初見は苦戦するが、対策を取られてあっさり死ぬパターンが多い。
RPGのボスによく使われる。
またプレイヤーキャラの場合、設定としては不死のキャラもいる(ゲームの演出上、
ゲームオーバーになると死ぬが)。
〔代表例〕
《不死の呪い》
呪いによって不死となった者。どのような不死になるかは作品によって様々。
呪いを解くことによって死亡、もしくは普通の人間に戻る。
他の不死と違い、自らの不死性を毛嫌いしている者が多い(全てではない)。
社会全体から忌避されている場合もある。
〔代表例〕
《精神的な不死》
肉体的な死を迎えた後も精神のみ生き続けるタイプ。
肉体自体にダメージを与えるわけではない精神攻撃や呪いには無敵なことが多い。
いわゆる霊魂不滅の概念に近いが、一般的な幽霊はこのカテゴリーではなく
アンデッド扱いされやすい。
基本的に肉体自体は普通だが、多少なりには老いや傷病には強かったりすることもある。
〔代表例〕
《条件付きの不死》
再生型や無敵型に似ているが、特定の条件が揃った時にのみ死亡する。
怪談や
都市伝説に多いタイプ。
類似例として、後述の《本体や弱点が体外にある型の不死》も参照のこと。
〔代表例〕
《本体や弱点が体外にある型の不死》
「自分を不死にしてくれるモノ」を持っている例。
本体が複数あり、同時に撃破しないといけないといったパターンもある。
〔代表例〕
《死者が生き返ったタイプの不死》
いわゆるゾンビやキョンシー等。「
アンデッド(undead)」の訳語としての不死。
死んではいないがちゃんと生きてるとも言い難いというニュアンスなので、殺す・滅する方法は結構多かったりする(特に下級の者なら普通に殺される描写も多い)ため、この項目の不死の定義とはやや異なる。
〔代表例〕
《憑依型あるいは転生型の不死》
肉体が死んでも魂は生き残り、新たな肉体を手に入れることで復活する。こちらもRPGなどで多い。
魂が移動して直接乗っ取るタイプ、条件が揃った際に自動的に復活するタイプ、赤子として産まれ直すタイプなどがある。
転生を繰り返す度に弱くなったり、転生した肉体に逆に乗っ取られる展開もある。
〔代表例〕
《時間巻き戻り型の不死》
死ぬと世界の時間が巻き戻るタイプ。
〔代表例〕
《偽装》
何らかの方法で不老や不死を装っている者。
上述の死んでも代わりが出て来る様なパターンも、展開次第では同一人物だと思わせて別人だったという意味でこの種類に入るかもしれない。
〔代表例〕
▼竹内老人(暗黒神話) ※定期的にタイムカプセルに入ることで、長い時間を生きていた。その事から不老と思われていた。
▼ガマラー(
電子戦隊デンジマン) ※幻影で作った分身を戦わせ、不死身を装っていた。
▼4次元種(
せっかち伯爵と時間どろぼう) ※時間を自由に移動できるが、寿命そのものは1年ほど。
▼フリー(
ソウルイーター) ※遠隔の立体映像を戦わせるよくある不死の偽装だが、上述の通り
実は本体が普通に不死。
▼オグマ(マップスネクストシート) ※死んでもしばらくすると復活する再生型の不死者を装うことで、本来の能力である時間遡行能力を隠していた。(自己再生も自身の時間を巻き戻すことで行っている)
▼百太郎(手裏拳トンマ) ※正体は百つ子で、やられるたびに他の兄弟が出てきてノーダメージに見せていた
▼ラーズ・アル・グール(
バットマンビギンズ)※原作コミックと違い、
影武者を使って不死を演出していた。
《ただの呼び名》
「ザ・不死身」「不死身の男」等と呼ばれているが、実は一回刺し殺しただけで死ぬ。
作中でいくら重傷を負って死ななかったとしても、設定的には一応死ぬようなことをされたら死ぬ。
〔代表例〕
《全部乗せ》
バカじゃねえの(褒め言葉)
〔(おそらく唯一の)代表例〕
【現実においての不死の可能性】
古くから人類の夢とされる不老不死であるが、未だその方法は見つかっていない。しかし僅かな糸口はあるようだ。
一個の細胞が分裂できる回数の限界はDNAの端に存在する「テロメア」という物質の長さで定められているが、これをどうにかできれば不老不死になれるかも知れないとか。
例としてガン細胞はDNAの異常により、本来は生殖細胞が発現する機能であるテロメアを延長させる酵素「テロメラーゼ」を作ることができ、結果として無限に増殖する。
他にも一部のウィルスは感染した細胞のテロメアを延長させ、アポトーシスも阻害して「不死化」させようとすることが分かっている。
ここからアプローチすれば不死の可能性を見出せるかもしれない。
ただし日々の細胞分裂の中で確率的にどうしても生まれる異常細胞があり、先述の通りテロメアの問題を克服できる形でDNAがおかしくなった異常細胞は癌そのものなので、本来ならちょっと異常増殖してすぐに死滅するだけの癌細胞を生かすことにもなりかねない危険がある。
また生物界には理論上の不老不死の能力を持った種族が幾つか存在している。
ベニクラゲやヤワラクラゲは有性生殖を終えると未成熟期へと変態し、再び幼体に戻って成熟個体へと成長して行く。
クラゲに記憶や思考・性格がどの程度存在するかは別として、そうした人格に関わる部分まで維持できるのかも不明。
加えて言えば、補食されれば当然ながら生きながらえることはできない。
不死とは直接の関係はないかも知れないが非常に珍しい一例がある。
アメリカ・ミリーランドに住むブルック・グリーンバーグと言う少女は10歳を超えても尚、容姿や知能は生まれた頃から変わらず
赤ちゃんのままだと言う。
これは早老症とは全く逆の症状で老いのメカニズムの解明に期待されている。
遺伝子異常も、染色体異常も見つからず、2013年10月24日に20歳で亡くなった。
このような、身体的および精神的に歳をとらない謎の奇病は世界で7人しか症例がない。
UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)の専門家が、異常遺伝子を調べるため、その一人レイラを詳しく分析したが、血液検査が示した結果は、彼女は正常に年を取っているということだけだった。
レイラの母親フェリシア・クオールは
「いかなる専門家が彼女を見ても、返ってくるのは異常なしという答えだけなんです。」
と語る。
「結果的にこれらの
テストはすべて正常を示していますが、実際にはこの子は全然正常ではないんですから、本当にもどかしいです。」
しかしこの世には不幸や問題が多すぎるため、それが解決されて無くならない限り、不老不死を望まない人も多い。
追記・修正は永遠の時を生きる人がお願いします。
- ソニックシリーズのシャドウとカオス(眷属のライトカオス)もこれに当たるな。シャドウに関してはPr.ジェラルドの仕込みとブラックドゥーム(ブラックアームズ)の撃滅を持って完全な不老・不死・不滅に至っていたが。 -- 名無しさん (2021-05-22 13:29:35)
- 不死よりも不滅の魂の方がタチ悪い。永遠にこの世に留まるからそれへの対策しなければならない -- 名無しさん (2021-07-01 22:43:25)
- ↑終焉の者(と魔族達)の憎悪と呪いとかね。どの世代やどの時代、果てはずっと先の未来でも迷惑かけ続けきて嫌よね -- 名無しさん (2021-07-28 15:23:52)
- ソウルキャリバーシリーズのザサラメールも転生型の不死にあたるな。 -- 名無しさん (2021-07-28 16:14:32)
- 隻狼というか竜胤はどれに当てはまるだろう?残機制+時間遡行+死ぬ度に周囲にデバフ撒き散らす呪いの複合型不死ってところだろうか。九郎様本人は不死斬り以外では傷つけられないから無敵型も含まれるかな? -- 名無しさん (2021-07-28 20:53:34)
- 東離劍遊紀の照君臨もだね(憑依型の不死)。そして案の定な末路を… -- 名無しさん (2021-07-29 09:04:18)
- ヴァンパイアシリーズのジェダも転生型の不死に当てはまるな。 -- 名無しさん (2021-08-05 01:35:34)
- 考えかたによっては輪廻転生も一種の不老不死なんだよな -- 名無しさん (2021-11-09 15:34:04)
- あると思ったら記載がなかったので。ロマサガ2の七英雄《本体や弱点が体外にある型の不死》。ゼノサーガシリーズのJr.《不死だが不老ではない》 、アルベド《再生型の不死》。これらも含まれるかなと思って。 -- 名無しさん (2021-11-09 16:30:18)
- 鋼の錬金術師のホムンクルス(残機制)、鬼太郎のオンモラキ(弱点が体外)(漢字わがんね)も入るのかね -- 名無しさん (2021-11-09 16:42:59)
- ↑2、の者です。ミスりました。Jr.は《不老だが完全に不死ではない》ですね。 -- 名無しさん (2021-11-09 16:59:04)
- 「死なない事が罰」って、磯野家や野原家が何をしたと言うんだ(爆笑)。 -- 名無しさん (2021-11-10 22:13:35)
- カーズ様は不老ではあるが完全なる不死ではないだろう、当時の地球上で完全消滅させる術が見当たらなかっただけで、思いっきり物理干渉を受けている(そもそも泡プロテクターを思いつかなかったらマグマで死んでた) 全身ガオンされたらまず死ぬし、あのまま太陽に突入しても死ぬだろう。 -- 名無しさん (2021-11-11 12:32:29)
- 転移した時からやり直すスキルを貰った主人公が、沢山死にまくってその度に何度もやり直して、やっと幸せな人生を掴んで天寿を全うしたらそれすらもスキルの範囲内で、またやり直した時に戻ってたって話がなろう小説にあった。 -- 名無しさん (2021-12-15 11:02:34)
- 「異能生存体」については冒頭にリンクを追加 -- 名無しさん (2022-03-24 11:29:34)
- 「不死だが不老ではない」の古典的傑作は何と言っても「ガリバー旅行記」の第三部だよ!あそこに出て来る「不死人間」ときたら外見だけでなく脳もどうしようもなく老化するから一般人から見れば鼻つまみ者でしかなく、次の世代とは言語が異なっているから、子孫たちに前の時代の叡智を伝えることも出来ず、ひたすら物欲だけを精鋭化させ、ガリバーに「死刑の方が慈悲深い」などと書かれる始末。そして第四部のヤフーどもと接触した彼は帰国後も家族への愛を完全に失い、果ては… -- 名無しさん (2022-04-07 22:15:30)
- 上で神座シリーズ魂の自壊衝動発生しないのは歯 -- 名無しさん (2022-07-30 22:12:30)
- ミス 上の方で神座シリーズで自壊衝動が発生しないのは波旬だけって言われてたけど求道神は全員自壊衝動発生しないからな? -- 名無しさん (2022-07-30 22:14:04)
- すいません、ルパン三世のマモーは入りますか? -- 名無しさん (2022-08-03 23:29:40)
- ログ化を提案します。 -- 名無しさん (2022-08-06 20:56:00)
- 「でもミンチになったら無力化するでしょう?(再生型を除く)」というツッコミがあるせいか設定がふわっとしていることも往々にしてある。まあ謎めいていると好意的に捉えていいかな -- 名無しさん (2022-08-08 00:21:32)
- ログ化しました -- (名無しさん) 2022-10-05 15:55:52
- ミンチになっても復元する奴なら冒険王ビィトのヒスタリオがいる。なんなら自分達からミンチ(というか粉状)になってセキュリティ突破したからな -- (名無しさん) 2022-11-11 14:16:06
- そういえば、キューティハニーFのパンサー・ゾラ、シスター・ジル、プリンス・ゼラはそれぞれ欲望や愛が世の中から消えない限り何度でも蘇る事が出来ると明言されていたな。 -- (名無しさん) 2022-12-13 02:03:10
- 黄金バットも不死の呪いだと暗闇バットの話で言われてたっけ -- (名無しさん) 2023-01-01 10:38:08
- そういう話が出回ったのは事実だが、ロブスターはデマ……まあ、死ぬまで成長するっていう意味では老いはないかもしれんが。 -- (名無しさん) 2023-03-23 05:53:20
- 英雄伝説軌跡シリーズに出る、100年以上前から語り継がれる伝説の不死身の暗殺者《銀》も、偽装パターンで該当(実際は一子相伝の家業として代々同じ服装で不死身を演じていた) -- (名無しさん) 2023-09-16 19:12:58
- 不老不死が一番価値があったのは、世界が永遠に続くと思われていた時代だよね。 -- (名無しさん) 2024-06-19 19:29:44
- 多分この項目でも上から数えた方が早いレベルの過酷な状況から生還しているヒュンケル -- (名無しさん) 2024-08-19 13:06:51
- こっちはこっちで死とは違った怖さがあるんだよなぁ…仮に本当に不老不死になったら何かとその体を悪用されるとかあり得そうだし -- (名無しさん) 2025-01-10 16:07:43
最終更新:2025年02月15日 11:45